CMA CGM

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Wadakuramon (会話 | 投稿記録) による 2022年9月6日 (火) 07:59個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (リンクの追加)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

CMA CGM
種類
私企業
業種 コンテナ海運, 物流
前身 Compagnie Générale Transatlantique および Messageries Maritimes
設立 1978年 (46年前) (1978)
創業者 Jacques R. Saadé
本社
マルセイユ
フランス
拠点数
755 事業所/代理店
事業地域
全世界
主要人物
  • Rodolphe R. Saadé (Group Chairman)
  • Pierre Henri L. Bordeaux (CEO)
  • Gillaumé M. Cloutier (COO)
  • François Jean D. Faucher (CFO)
売上高 増加 $55.97 billion (2021)[1]
利益
増加 $17.94 billion (2021)[1]
総資産 増加 $51.98 billion (2021)[1]
純資産 増加 $23.91 billion (2021)[1]
従業員数
110,000
ウェブサイト www.cma-cgm.com
ブリュージュベルギー)のゼーブルッヘ港(Zeebrugge)に停泊する全長300メートル級の巨大コンテナ船、「CMA-CGM バルザック」(CMA CGM Balzac)

CMA CGMCMA CGM S.A., フランス語: Compagnie maritime d'affrètement - compagnie générale maritime)はフランスを本拠とする世界有数の海運会社コンテナ輸送会社。170の定期コンテナ航路で世界150カ国の400の港湾を結び、マースクラインMSCに次ぐ世界第3位のコンテナ物流企業である[2]

本社はマルセイユにあり、北アメリカ本社をアメリカ合衆国バージニア州ノーフォークに置く。

歴史

CMA CGM の歴史は、フランスの名門海運企業メサジェリ・マリティーム社(メサジュリ・マリティム、Messageries Maritimes, MM、郵便海運あるいはフランス郵船とも)の前身、Messageries Nationales がマルセイユで設立された1851年に遡る。

1855年にはもう一つの前身企業であるカンパニー・ジェネラール・マリティーム(Compagnie Générale Maritime、CGM、海運総合会社)が誕生し、1861年には社名をカンパニー・ジェネラール・トランザトランティーク(Compagnie Générale Transatlantique, 略称 Transat あるいは CGT, 大西洋横断総合会社、英語圏での通称・フランスライン)と変更した。

インド洋や太平洋方面への運航を担うMMと、南北アメリカ、とりわけル・アーブル-ニューヨーク間の幹線を担うCGTは、フランスを代表する定期船運航企業(フラッグキャリア)としてフランスからニューヨークや世界各地の植民地へ向かう豪華客船などを運航した。しかし第二次世界大戦後は客船の衰退などで経営が悪化し、1977年には合併してフランス政府の国営企業カンパニー・ジェネラール・マリティーム Compagnie Générale Maritime(CGM)になった。

一方、レバノン出身の実業家ジャック・サーデ(Jacques Saadé)は1978年に船会社 CMA(Compagnie Maritime d'Affrètement、チャーター船海運会社)を設立して地中海での傭船業を開始し定期貨物路線にも進出し、次第に会社を大きくしてジャック・シラクら大物政治家とも懇意になった。

1996年フランスの首相アラン・ジュペは CGM の民営化を決定した。さらに CGM をジャック・サーデが買収、CMA と合併させて CMA CGM が誕生した[3]1998年には CMA CGM はオーストラリア政府からオーストラリアン・ナショナル・ラインズ(Australian National Lines, ANL)を買収、これを子会社とした。

2005年9月にはル・アーブルに本社を置くライバル海運会社デルマス(Delmas)を、大手複合企業グループ・ボロレ(Bolloré)から6億ユーロで買収した。この買収は2006年1月5日に完了し、CMA CGM グループは世界第3位のコンテナ運送企業へと躍り出た。

2008年後半からの世界経済危機で、CMA CGM は、運賃相場の低下・燃料の高騰・すでに発注したコンテナ船の支払いなどにより多額の債務を抱える苦境に陥り、フランス政府やフランスの政府系ファンドからの支援を仰いでいる[4][5][6]

2016年7月にはシンガポールに本拠を置くネプチューン・オリエント・ラインズ(NOL)を24億ドルで買収し、NOL子会社のアメリカンプレジデントラインズも傘下に収めた。

グループ企業

CMA-CGM の海上コンテナを輸送するトレーラーエジプトアレクサンドリア港で
  • Terminal Link - 各国港湾でのコンテナターミナルの開発・運営
  • Rail Link - 鉄道ほかマルチモーダル輸送による国際物流会社
  • River Shuttle Containers - ローヌ川ソーヌ川水系での内陸水路によるコンテナ輸送会社
  • CMA CGM Logistics - 国際物流会社
  • Qualitair & Sea - 航空貨物を中心とする国際物流会社
  • Progeco - コンテナの販売・リース・修理
  • Australian National Lines(ANL) - オセアニアアジアヨーロッパなどに就航する貨物船会社
  • COMANAV - モロッコ・ヨーロッパ間のフェリー会社
  • MacAndrews - イベリア半島の物流・旅行会社
  • Delmas - コンテナ船およびRO-RO船を運航する船会社
  • OT Africa Line - 西アフリカを運航するコンテナ船会社
  • CMA CGM Croisières & Tourisme - 豪華ヨットによる船旅と、コンテナ船に便乗する船旅を扱う
  • Compagnie des Îles du Ponant - フランス有数のクルーズ会社
  • Tapis Rouge International - 高級旅行会社
  • CMA Ships - 多様な貨物を扱う船会社
  • Cheng-Lie Navigation Co. Ltd(正利航業有限公司、CNC) - 台湾に本拠を置くアジア諸国間のコンテナ船会社

運航船舶

脚注

外部リンク