.303ブリティッシュ弾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
.303ブリティッシュ弾(7.7×56mmR)
.303ammunition.jpeg
.303ブリティッシュ実包(Mk.7)Colonial Ammunition Company 製造 1945年製
種類 小銃
原開発国 イギリス
特徴
薬莢形状 リムド、ボトルネック
弾丸 0.311 in (7.9 mm)
首径 0.338 in (8.6 mm)
肩径 0.401 in (10.2 mm)
底面径 0.460 in (11.7 mm)
リム径 0.540 in (13.7 mm)
リム厚 .064 in (1.6 mm)
薬莢長 2.222 in (56.4 mm)
全長 3.075 in (78.1 mm)
薬莢容量 55.7 gr H2O (3.61 cm3)
ライフリング 1-10インチ (250 mm)
雷管のタイプ Large rifle
最大圧 49,000
最大CUP 45,000 CUP
弾丸性能
弾頭重量/種類 初速 エネルギー
150 gr (10 g) SP 844 m/s (2,770 ft/s) 3,463 J (2,554 ft·lbf)
174 gr (11 g) HPBT 761 m/s (2,500 ft/s) 3,265 J (2,408 ft·lbf)
180 gr (12 g) SP 783 m/s (2,570 ft/s) 3,574 J (2,636 ft·lbf)
算出時の銃砲身の長さ: 24
出典: Accurate Powder
.303ブリティッシュ実包の寸法

.303ブリティッシュ弾または7.7×56mmRまたは7.7x56Rmmは、最初は1888年にリー・メトフォード小銃用の黒色火薬を使用する実包として、次にリー・エンフィールド小銃用の無煙火薬を使用する実包として、イギリスで開発された、.311インチ口径のライフルカービン機関銃用の実包である。

1889年から、7.62×51mm NATO弾と置き換えられた1950年代まで、イギリスとイギリス連邦の標準軍用実包であった。

概要[編集]

.303インチ(7.7mm)は、より古い黒色火薬時代の用語体系に従った、ライフリングの山の頂点間で測定された口径の公称寸法である。ライフリングの谷の間で測定された公称寸法は.311インチ(7.9mm)である。多くの.303インチ余剰軍用ライフルの口径が.309インチ(7.8mm)から.318インチ(8.1mm)まで及ぶのがしばしば見られる。標準の.303実包のために推奨されている弾丸直径は.312インチ(7.92mm)である。

この実包は余剰軍用ライフルと共に、特にオーストラリア、カナダ、ニュージーランドと、ある程度、アメリカ合衆国と南アフリカで、多くの狩猟用途を見出された。カナダでは、それが大型熊を除くどんなゲームにも適切であることがわかった。オーストラリアでは、軍用ライフルが.303/22.303/25に銃身を交換されるのが、一般的だった。

南アフリカでは、ボーア戦争の間にボーア人によって鹵獲されたイギリスのリー・エンフィールド小銃が、狩猟銃化されて、比較的小型のインパラから、大型のオオカモシカとシマカモシカまで、何にでも適切であると見なされて、多くのハンターに人気になった。

Mark 3/4/5/6[編集]

戦闘に使用されると円頭弾は、特に1897-98年のインド北西辺境のチトラルとチラー遠征の間に限られた数が支給された、ダムダム弾と比較した時、不満足であることがわかった。これは215グレイン(13.9g)の弾丸の、ジャケットを削り弾頭部を露出させた、S.A.Ball .303インチ コルダイト Mk.3の導入に繋がった。

同様のホローポイント弾はMk.4とMk.5の最初の生産型でも採用された。これら効果的でソフトノーズのホローポイント弾は、後に1899年のハーグ陸戦条約によって禁止された。弾頭が拡張する弾丸は退役し、残品(4500万発以上)は射的練習に使用された。それらを置き換えるために、Mk.2と同様の円頭弾だがより薄いジャケットを採用したMk.6が、1904年に導入された。薄いジャケットは弾頭がいくらかでも拡張するかもしれないと期待してのことだったが、そうした事例はないと判明した。

Mark 7[編集]

1905年にモーゼルは、尖頭の"spitzer"弾の導入で弾丸デザインを変革した。また尖頭形状に加えて、より高い砲口初速を得るために、弾丸自体も従来よりもずっと軽かった。それは弾丸の速度が上がるに従って、突然に遥かに致命的になるのがわかったからであった。

1910年にイギリスは、Mk.6弾をより現代的なデザインに置き換える好機を得た。Mk.7は174グレイン(11.3g)の尖頭のフラットベース弾(後端が円筒形状の弾丸)を採用した。それは2,440 ft/s(740 m/s)の砲口初速を与えた。

一般に、Mk.7は、より初期の.303弾もしくは尖頭弾のデザインと異なっていた。Mk.7弾は従来のフルメタルジャケット弾丸に似ているが、この外観はあてにならない。

設計者は故意に、Mk.7の弾丸の前方の3分の1を鉛の代わりに、アルミニウムか、テナイト樹脂(セルロース・プラスチック)か、圧縮された紙にした。それは弾丸の先端を軽くすることで、弾丸の重心を後方に移動させる為だった。

弾丸は銃身のライフリングによって加えられた回転力の為に飛翔中は安定しているが、目標に着弾する時に非常に異なった反応をした。弾丸が目標に命中して減速するとすぐに、その重い鉛の基礎部分は、乱暴な横転と弾丸変形を引き起こした(タンブリング現象)。それによって、標準的な尖頭弾よりもずっと酷い銃創を負わせた。それにもかかわらず、この弾丸はハーグ陸戦条約の諸条件通りに合法だった。後に同様の原理の弾頭が7.35×51mm カルカノ弾や5.45x39mm弾5.56x45mm NATO弾(SS109)に採用されている。

Mk.7(と、後のMk.8)弾には、ニトロセルロース装薬を利用するバージョンがあった。ニトロセルロースバージョン(最初の導入は第一次世界大戦時)であることは、例えば重量175グレインの「Mk.7Z」のように、形式名の末尾の表示と、薬莢底部の刻印(ヘッドスタンプ)の、「Z」の文字で示された。

第一次世界大戦中の1918年4月21日に、今まで発砲された.303ブリティッシュ弾の中でおそらくただ一つの最も有名な事件があった。その時、マンフレート・フォン・リヒトホーフェン(有名な「レッド・バロン」のエース)は一発の.303Mk.7弾で瀕死の重傷を負った。

Mark 8[編集]

1938年に、Mk.8(Mk.8とMk.8Z)弾が、ヴィッカース重機関銃の射程を延長するために承認された。

Mk.7弾薬よりわずかに重い175グレイン(11.3g)で、第一の違いは、ボートテール弾(弾尾を絞った形状の弾丸)とさらに多くの装薬(Mk.8Zの場合、41グレインのニトロセルロース火薬)だった。装薬は2,525~2,900 ft/s(780~884 m/s)の砲口初速を与えた。その結果、燃焼室圧力は、Mk.7弾の39,000 lbf/sqと比べて、42,000~60,000 lbf/sq(おおよそ280~414 MPa)と、かなり高かった。

Mk.8弾薬の断面図は、ボートテール弾丸の、非常に高い弾道係数を提供する、長く、そっと先細りの形状を示す。Mk.8弾薬は「全ての.303インチ小火器と機関銃に適している」と評されたが、Mk.7 コルダイトを使用する以前の兵器において、ボートテール投射体のチャネリング効果のせいにされた、重大な銃腔の浸食を引き起こした。

その結果、Mk.8弾薬は、他の弾薬が利用不可能な非常時を除いて、ライフルと軽機関銃での一般的使用を禁じられた。この公式の禁止へのいくらか自然な反応として、オードナンスパーソネルは「Mk.8弾薬を手に入れることができた全ての者が、彼自身のライフルで即座にそれを使用した」と報告した。

徹甲弾/曳光弾/焼夷弾[編集]

徹甲弾と曳光弾は1915年の間に導入された。ポメロイ設計の榴弾は、Mk.7.Yとして1916年に導入された。

ツェッペリン飛行船の脅威に対抗するために、いくつかの焼夷弾が1914年から個人的に開発されたが、1916年後半にブロックがBIK Mk.7.K13 Wing Cmdrを設計するまで誰も承認されなかった。ブロックRNVRは花火を作るブロック家の一員だった。

これらの弾は、長い間、手広く開発されて、いくつかのMark番号があった。イギリス軍に採用された最後の曳光弾は、1945年のG Mk.8だった。そして、最後の徹甲弾は1945年のW Mk.1Zだった。そして、最後の焼夷弾は1942年のB Mk.7だった。榴弾は弾丸内部に充填できた炸薬が比較的少量だった為に、有効性が限られていたので、1933年以降はイギリスでは造られなかった。それらの役割はMk.6とMk.7焼夷弾の使用で代替可能だった。

1935年に、機関銃で使用するために、.303のO Mk.1 Observing弾が導入された。この弾丸は、衝撃で一吹きの煙と分かれるように設計された。もし必要なら、この役割に後のMk.6とMk.7焼夷弾を使用することもできた。

第一次世界大戦の間に、イギリスの工場だけで.303弾薬を70億発、製造した。さらに他国の工場がこの合計に大いに加えた。

日本の7.7mm弾薬[編集]

日本で製造された.303ブリティッシュ弾5種類の断面図

日本はイギリスのルイス軽機関銃を元にした留式七粍七旋回機銃(後に九二式旋回機銃)と、ヴィッカースE型重機関銃を元にした毘式七粍七固定機銃(後に九七式固定機銃)を、使用弾薬と共にライセンス生産し、日本海軍航空機に搭載した。イギリスの機関銃の日本版によって使用される7.7mm実包は、.303ブリティッシュ弾(7.7×56mmR)のリムド実包と同規格であり、日本陸軍の機関銃とライフルで使用される7.7×58mmSRのセミリムド実包や、7.7×58mm Arisakaのリムレス実包と明瞭に異なっている。

  • ボール弾: 174グレイン(11.3g)。アルミニウム/鉛複合弾芯。ニッケル銅被甲。黒の雷管。
  • 徹甲弾: 鋼弾芯。真鍮被甲。白の雷管。
  • 曳光弾: 130グレイン(8.4g)。鉛弾芯。ニッケル銅被甲。赤の雷管。
  • 焼夷弾: 133グレイン(8.6g)。黄燐。鉛弾芯。真鍮被甲。緑の雷管。
  • 高性能榴弾: PETN。鉛弾芯。銅被甲。紫の雷管。

日本の標準ボール弾薬はイギリスのMk.7実包と非常に似ていた。両方とも、同じ弾丸重量で、同様の「テールヘビー」設計を断面図から見ることができる。

軍用余剰弾薬[編集]

軍用の余剰.303ブリティッシュ弾薬は、特に銃器展示会やオンラインディーラーによって、しばしば入手可能である。それは腐食性の雷管を持っているかもしれない。注意する点は、購買の前または兵器に装填する前に、適切に弾を特定することである。

ローマ数字VIIIがヘッドスタンプにある実包は、ヴィッカース重機関銃での使用のために特に設計されたMk.8弾である。

Mk.8弾薬はヴィッカース重機関銃ではうまく働くが、ボートテールデザインが銃腔の摩損の増加を引き起こすので、ライフルでそれを使用するべきではない。Mk.8弾薬のボートテールをした弾丸デザイン自体には問題は無いが、しかし、Mk.8実包で使用されるコルダイト炸薬(ニトロセルロースよりはるかに高い温度で燃える)と弾丸デザインが結びつくと、銃腔の浸食が増加した。

第二次世界大戦の間、ライフルを通してMk.8弾薬を発砲することにより累積される効果は知られていた。そしてイギリスのライフル兵は非常時を除いてMk.8弾薬を使用するのを避けるよう命令された。

いかなる.303軍用ライフルのための、最高の汎用弾薬は、Mk.7デザインである。なぜなら精度とストッピングパワーの最も良い組み合わせを提供するからである。

銃の使用後に腐食性の塩を取り除くために徹底的に洗浄整備されるなら、腐食性の雷管を装填した弾薬を使用することに問題は無い。東側のいくつかの国は未だに、弾薬製造に腐食性の雷管を使用している。

商業用弾薬[編集]

商業用ソフトポイント.303弾薬
民間用ソフトポイント.303弾薬 狩猟目的に適している

.303ブリティッシュ弾を使用する兵器のための商業用弾薬は、実包がレミントン、フェデラル、ウィンチェスター、Sellier & Bellot、Wolfなどの一流の生産者によってまだ製造されているので、容易に入手可能である。またリロード用装備と弾薬のコンポーネントは、Hornadyなどの会社によって製造されている。

極限の精度が要求される場合は、Sierra Matchkingの174グレイン(11.3g)のHPBT弾丸はポピュラーな選択である。

商業的に生産された弾薬は、様々なデザインの、フルメタルジャケット、ソフトポイント、ホローポイント、フラットベース、ボートテール、などが、尖頭弾と円頭弾の両方において、広く入手可能である。

購入者は、これらがテールヘビーのMk.7デザインを特徴とするかどうかチェックしたがっているかもしれないが、古典的な174グレイン(11.3g)のフルメタルジャケット弾丸が広く入手可能である。

どのような場合でも、狩猟および射的の両目的のために、例えば、150、160、170、180、200グレイン(13g)のような、他の重量の弾丸は入手可能である。

.303ブリティッシュ弾を使用する兵器[編集]