ペンスリット

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ペンスリット
PETN.svg
別名 四硝酸ペンタエリスリットペンスリット
ニペリット
分子式 C5H8N4O12
分子量 316.14 g/mol
CAS登録番号 [78-11-5]
密度 1.77 g/cm3, 固体
蒸気圧 2.67×10^{-7} Pa
融点 141.3 ℃
発火点 225 ℃
SMILES C(C(CO[N+](=O)[O-])(CO[N+] (=O)[O-])CO[N+](=O)[O-])O[N+](=O)[O-]
爆薬としての性質
爆速 8,400 m/s, 仮比重 1.7
危険性

ペンスリット (penthrite, pentaerythritol tetranitrate) は高性能爆薬

呼び名は四硝酸ペンタエリスリットペンスリットのほか、ニペリットとも呼ばれる。白色の結晶性粉末で化学式は C(CH2ONO2)4 である。爆発威力が大きい、熱に対して鈍感、自然分解を起こしにくい、など優れた特徴を持つ爆薬である。プラスチック爆弾の材料として用いられる。

トリニトロトルエンとの混合物はペントライトなどと呼ばれ成型炸薬などに使われるが、単独で用いられることは導爆線などを除いてほとんど無い。

性質[編集]

無色斜方晶系の非吸湿性結晶。

製法[編集]

原料のペンタエリトリトールは融点245 ℃以上で純度99.5 %以上のものを使用する。ペンタエリスリットを硝化してPETNを合成するには次のような方法がある。

  1. 硝酸のみを使用する
  2. 硝酸で硝化して、硫酸を加えて反応を完結させる
  3. 硫酸で溶解したのちに硝酸を加える
  4. 硫酸で溶解したのちに硝酸と硫酸の混酸を加える
  5. 硝酸と硫酸の混酸を使用する

工業的には1の方法でペンタエリトリトールを硝酸だけで硝酸エステル化して製造している。この方法は硫酸を使わないので操作が簡単で低コストであり、 廃酸を希硝酸として回収できる。反応式は次の通り。

C(CH2OH)4 + 4 HNO3 → C(CH2ONO2)4 + 4 H2O

反応が終わったら除酸し、数回水洗いしてから100 ℃で常圧煮洗する。この洗浄工程を3回繰り返し、3回目はソーダ灰の水溶液で行う。さらに加圧煮洗を5時間行い、水洗い、加圧煮洗を30分、水洗いを行う。最後に脱水して水分量を10 %–20 %にまで減らす。この時に酸分は0.05 %以下になるようにする。輸送や保存は水分を含んだこの状態で行う。トリニトロトルエンなどとの混合加工を行う場合には、60 ℃以下の温風で乾燥させ、水分を0.3 %以下にしてから行う。

人体への影響[編集]

血管を拡張する作用がある (血管拡張薬)。