故障
故障(こしょう)とは、それまで支障なく作用していた物理的な機能になんらかの原因で変調が生じ、正常に働かなくなっている状態を指す。
目次 |
[編集] 概要
故障は、その対象に何らかの問題があるために、機能が発揮できない状態である。工業製品の範疇では、部品の磨耗や破損・汚損といったトラブルで発生しうるが、特に工場出荷状態からきちんと動作しない場合は、製品の不備であるため不良品として扱われる。
生物に対して使われる場合は、その生物が機能不全を起こしている状態を指す。特に人間に対して一般に用いられる場合には、やや俗な用法(比喩など)である傾向にある。
ただし法律用語の範疇では法文で用いられる箇所もあり、例えば日本国憲法第78条には「裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては (後略)」と記述されている。これら法律用語では特に「心身の故障」ないし「身体の故障」と表現されていて、主に所定の社会的立場・役職にある者の機能に問題があり、その立場にあることが不適格な状態を指している。特に重要な判断が求められる立場にあるものが「心身の故障」状態にあると適正な判断が期待できないことから、その立場からの解任や休職・免職などの措置が行われる。
一方、通俗的にスポーツの選手などでは、負傷して試合に出場できない状態にある場合、優れた成績を収めることが期待されているのに、何らかの身体的不調から成績を出すことができない場合などに「故障」と呼ばれる(後述)。また、競馬において、競走馬の体(おもに脚部)に異常が発生し、レースを行う能力に影響が出ることも「故障」と呼ばれる。故障から短期間に復帰する場合もあれば、治療に時間がかかったり完全に回復できなかったり後遺症が生じたりして負傷前と同じように能力を発揮できない場合もある。
なお故障は生物の場合は治癒することで回復する訳だが、機械や装置の場合は、異常個所を修理して正常な状態に戻すことで機能が回復する。この場合では、破損した部品を正常なものに交換したり、潤滑を行ったり、汚損を取り除いたりする。特に近年の工業製品では、大量生産に伴う機械要素の標準化やモジュールの採用によって、問題箇所を含む機構の一部を丸ごと交換することによって、コストはかかるが手早く故障状態から復帰することも可能になっている。
[編集] コンピュータ用語における「故障(Fault)」
障害(システムが本来の機能をユーザに対して提供できない状況)を引き起こす原因となる、システムの構成要素であるハードウェアやソフトウェアの不具合。正常な状態に復旧するには、故障した構成要素の交換・修繕が必要である。 また、構成要素が故障しても、多重化などによってシステム全体が機能を提供し続けることができれば、システム全体としての障害は発生しない。 (フォールトトレラント[1])
[編集] スポーツにおける故障
スポーツにおいては、前述の通り選手の負傷ないし身体的な不調などをさすが、こういった問題の解消には医学的な治療はもちろんのこと、治癒後にトレーニングなどで衰えた筋力を回復させるなどの対応を必要とする。
かつては、根性論の延長で故障をおして治癒前にトレーニングを始めてしまうことや、更には苦痛を耐えて競技に出ることが美徳のように語られるケースもまま見出せ、それはスポ根漫画を中心にそのような描写もみられたが、そういった行為が治癒を妨げたり、後遺症の悪化など故障を長引かせる傾向もあるため、現代では避けられる傾向もある。より近代的なスポーツ分野では、スポーツ医療の発達にも伴い、根拠に基づいた医療としての治療とトレーニングメニューの選択、また回復を助けるための栄養の摂取など、総合的なケアが行われている。
[編集] 脚注
- ^ 当麻喜弘, 南谷崇, 藤原秀雄,「フォールトトレラントシステムの構成と設計」,槇書店, 1991.