ソニータイマー
ソニータイマー(Sony timer)とは、ソニー製品の保障期間終了直後の故障が多いという噂から「ソニー製品にはタイマーが埋め込まれていて、精密に製品寿命をコントロールしている」のではないかという都市伝説で使われる造語である。英語圏では"SONY kill switch"と呼称される。また、2004年頃から頻発したソニー製のリチウムイオンバッテリーの製造不良をソニータイマーと揶揄することもある。
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[編集] 概要
ユーザーがソニー製品のメーカー保証を過ぎた直後に頻発する故障に対して「まるでタイマーが組み込まれているようだ」という比喩を込めて使い出したのが最初といわれ、海外製品との競争がもっとも熾烈だった1970年代後半から多用されるようになったといわれる。
根拠として、総合メーカーであるソニーならば高い技術力と経験から、耐久性の鍵となる部品を慎重に選択するなどして製品寿命をメーカー保障の直後に制御していると主張する向きもあるが、品質管理はすべての製造業で実施している行為であり(メリットがあれば他社も実施しているはずで)都市伝説の域を出ない。
なお、米国消費者製品安全委員会(CPSC)の発表によると、ソニーの製品の故障率は他社に比べて格別高いわけではない。[要出典][1]
[編集] ソニーによる言及
- 2006年(平成18年)6月16日に開かれたジェネシス・ジャパンのユーザカンファレンス「G-Force Japan 2006」において、ソニーのVAIO向けコンタクトセンター構築担当者が「“買ってから1年1カ月で壊れるソニータイマー”など埋め込まれているわけがない。だが、こうしたイメージはなぜか根強く残っている。マーケティング、アフターサポート、製品開発部門を連携させて、とにかくイメージアップを図りたい」との発言を行った[2]。
- 2007年(平成19年)6月21日に開かれた株主総会において、ソニー製品が一定期間経過後に壊れやすいという批判が根強いことに関連して、当時の社長・中鉢良治は、「品質、価格、供給の3点のバランスがたまたま崩れ、迷惑を掛けることはある。『ソニータイマー』と言われていることは認識している」と述べた。そのうえで現在は、品質担当役員の任命や不良品の出荷防止などを通じて「最終品質保証のために全力を挙げている」と述べ、理解を求めた[3]。
[編集] 背景
ソニーは総合メーカーとしてきわめて幅広い製品を扱っていたため、戦略的な製品や技術に対する意思決定を部門において判断することが多く[要出典]、結果、グループ内でも統一的な方針がとりにくく、市場の一般的な商品とは異なる非常に独自色が強いラインナップを展開することが多かった。 そして、製品を企画するたびにスクラッチビルドな新しい技術や機能のパーツを開発することが多く、不具合の傾向を異なったものとしている[要出典]のが一因と考えられる。
実際に前述の通りソニー製品の初期不良率や故障率、不具合率は高くない[要出典]が、悪い意味での知名度とイメージとして故障しやすいという印象が根強く残っている。
放送局や映像スタジオなどで使われる業務用VTR機器には性能・機能を維持するためのメンテナンスを定期的に行うための目安として通算の通電時間やテープを走行させた時間を積算表示するカウンターが本体後面や内部などに搭載されている。これは特にソニー製品に限った事ではないが、ソニーはかつて業務用VTRにおいて非常に大きなシェアを持っており、その競争相手も一般的な認知度が低い放送機器の専門メーカーなどが多かったことなどから、この話を「全てのソニー製品に使用時間を記録する機構が埋め込まれている」と誤解してしまう人もいた。
[編集] マスコミでの言及
- 2006年(平成18年)9月30日付・読売新聞朝刊3面で、ソニー(正確には子会社のソニーエナジー・デバイス)が製作し、他社製品にも供給しているノートパソコン用のリチウムイオン二次電池の異常発熱問題に関連し、記名コラム“「ものづくり」の原点に戻れ”にて、「ソニータイマー」について、「利用者の中には一定期間で故障すると指摘する声がある」という内容の記述がなされた。
- 2010年(平成22年)1月22日、イギリスの新聞・デイリー・テレグラフ電子版では、"ソニータイマー"について以下のように報じた[4]。
ここ20年間にわたり、ソニーは日本で「ソニータイマー」という都市伝説に悩まされてきた。それにしても、保証期間が切れた直後に製品を故障させるという時限爆弾は本当にあるのだろうか? 多くの日本人は、統計学によらずあると本当に信じている。
ソニーの不良バッテリを組み込んだ410万台以上のDell製ノートPCが2006年にリコールされた件は、何十年にもわたって囁かれていた噂を一躍広める事になった。1980年から2006年にかけて、日本のギークと技術オタクたちはソニータイマーの存在を冗談のネタにし、皮肉めいた漫画を作ってはネット上で鬱憤を晴らしていた。しかしDellのリコールによってその都市伝説は世間に知られるようになり、ソニー製品の不良に怒った人々はこれぞソニーを叩く好材料とばかりに飛びついた。
— Hunter Skipworth (Telegraph.co.uk)
[編集] 参考文献
- 城島明彦ほか著 『ソニー病』 洋泉社、2006年1月 ISBN 4896919874 (第2章 ネットから生まれたソニータイマー伝説[5])
- 野村純一・松谷みよ子監修 『いまに語りつぐ日本民話集 第3集12 乗物とメディアの怪』 作品社、2003年4月 ISBN 4860571053
[編集] 脚注
- ^ Consumer Product Safety Commission Home Page http://www.cpsc.gov/
- ^ “初心者ユーザーの増加に対応したソニーVAIO事業部の取り組み―G-Forceジャパン”. ITmedia. (2006年6月16日) 2010年8月24日閲覧。
- ^ “ソニー、定期株主総会を開催。「利益を伴う成長へ」-「ソニータイマーという言葉は認識している」中鉢社長”. impress AV Watch (インプレス). (2007年6月21日) 2010年8月24日閲覧。
- ^ Hunter Skipworth (2010年1月22日 17:01 GMT). “The myth of the Sony 'kill switch'” (英語). telegraph.co.uk (デイリー・テレグラフ)
- ^ 井上トシユキによって執筆された章。2ちゃんねるにおける「ソニータイマー」をめぐる噂を論じている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 20年にわたってソニーを苦しめる「ソニータイマー」説 - WIRED.jp