遠心式圧縮機

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遠心式圧縮機(えんしんしきあっしゅくき、Centrifugal compressor)とは、過給機送風機等に使用されている圧縮機である。扱う流体液体の場合、圧縮率が低いため[1]ポンプとして働く。

気体が羽根車内の大半の流路を半径方向に通過し、主に遠心力の作用で昇圧させるもの。"遠心式"と称してはいるが、厳密には遠心力のみで圧縮しているわけではない。流体の速度はマッハ0.3以下でなければならない。

以下、ジェットエンジンなどで採用されるもう一方の代表的な圧縮方式である軸流式圧縮機との比較で記述する。

(軸流式圧縮機と比較して)優位な点[編集]

小型化しても効率は軸流式ほど落ちないので補助動力装置(APU)等の小型の用途に用いられる。部品点数が少ないので軽量化、コストダウンに適している。また回転数が変動しても効率は軸流式ほど変動せず、長さを短くする事ができるため小型機のエンジンとしては適している。軸流では問題になりやすいサージングが発生しにくく、異物の吸入にも強い傾向にある。

一部の単段式の遠心圧縮機の圧縮比は10:1を超える。軸流式に比べて1段あたりの圧縮比が大きいので少ない段数で同規模の圧力に達する。

カバーの形によっては逆転でも正転と同じ送風ができる[2]ことから、自冷式ファンとして電動機に使用される。

(軸流式圧縮機と比較して)不利な点[編集]

圧縮比を上げるには多段化する必要があるが、構造上、多段化が難しいため、多くは単段である[3]。多段化せずに圧縮比や推力を増やす為には圧縮機の直径を大きくするか、回転数を高める必要があるが、遠心力の増大に対する強度の問題が生じる。大型化した際には重量の増加も著しく、大出力エンジンにおいては軸流式との大差が無くなるばかりか、の一点に荷重が集中してバランスを損ねる。さらに大径化によって空気抵抗も増加する[4]。このため、小型、軽量化に適した遠心圧縮式の利点を必要としながら、1段のみでは圧縮比が不足する場合でも、遠心式を多段化するケースは少なく、最終1段のみを遠心式とし、その前に軸流式を数段配置した併用型が多くを占めている。

流入した気体の流れを途中で90度曲げるので気体がスムーズに流れず、流路で損失が生じる。遠心力によるストレス金属疲労)が圧縮機の安全性と耐用年数の限界となる。

用途[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 気体と異なり、圧力の変化に対して体積がほとんど変わらない。
  2. ^ 大気圧の働きで、気体は圧縮よりも吸引に対して容易に移動する性質を持つため、羽根車の回転方向による効率の違いを十分吸収できる。
  3. ^ ヴィッカース ヴァイカウントアームストロング・ホイットワース アーゴシーハンドレページ ヘラルドフォッカー F.27フレンドシップ、YS-11等多くの航空機に搭載されたロールス・ロイス ダートが軸流圧縮エンジンに劣らぬ成功を収めた2段遠心圧縮エンジンとして非常に有名。ダート以外にも2段遠心圧縮を採用したエンジンは小型のものを中心にいくつか存在するが成功作は少ない。3段以上の遠心圧縮を採用した実用機は存在しない模様。
  4. ^ 軸流式であれば多段化や高回転化で容易に圧縮比を上げることができ、いたずらに直径を増す必要はない。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Lakshminarayana, B. Fluid Dynamics and Heat Transfer of Turbomachinery. Wiley-Interscience. ISBN 0-471-85546-4. 
  • Wilson, D.G. and Korakianitis, T. (1998). The Design of High-Efficiency Turbomachinery and Gas Turbines (2nd Edition ed.). Prentice Hall. ISBN 0-13-312000-7. 
  • Cumpsty, N.A. (2004). Compressor Aerodynamics. Krieger Publishing. ISBN 1-57524-247-8. 
  • Whitfield, A. and Baines, N.C. (1990). Design of Radial Turbomachines. Longman Scientific & Technical. ISBN 0-470-21667-0. 
  • Saravanamuttoo, H.I.H., Rogers, G.F.C. and Cohen, H. (2001). Gas Turbine Theory (5th Edition ed.). Prentice Hall. ISBN 0-13-015847-X. 
  • Japikse, David and Baines, N.C. (1994). Introduction to Turbomachinery. Oxford University Press. ISBN 0-933283-06-7. 
  • Japikse, David (1996). Centrifugal Compressor Design and Performance. Concepts ETI. ISBN 0-933283-03-2. 
  • Japikse, David and Baines, N.C. (1998). Diffuser Design Technology. Concepts ETI. ISBN 0-933283-08-3. 
  • Wennerstrom, Arthur J. (2000). Design of Highly Loaded Axial-Flow Fans and Compressors. Concepts ETI. ISBN 0-933283-11-3. 
  • Japiske, D., Marschner, W.D., and Furst, R.B. (1997). Centrifugal Pump Design and Performance. Concepts ETI. ISBN 0-933283-09-1. 
  • Editor:David Japikse (1986). Advanced Experimental Techniques in Turbomachinery (1st Edition ed.). Concepts ETI. ISBN 0-933283-01-6. 
  • Shepard, Dennis G. (1956). Principles of Turbomachinery. Mcmillan. LCCN 56002849. 
  • Baines, Nicholas C. (2005). Fundamentals of Turbocharging. Concepts ETI. ISBN 0-933283-14-8. 

外部リンク[編集]