警備隊 (海上自衛隊)

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警備隊
基地警備を行う舞鶴警備隊陸警隊
国籍日本の旗 日本
軍種 海上自衛隊
任務施設警備、港湾運用/支援、港湾/水路防衛、爆発物処理
上級部隊地方隊

警備隊(けいびたい、英称:Area Guard Group)とは、海上自衛隊部隊のひとつである。

概要[編集]

警備隊は、海上自衛隊の各地方隊に置かれ、海上自衛隊施設の警備、隊員の規律の統一、施設の防火および火気の取り締まり、港湾施設の運用、支援船の管理および運用、港湾および水路の安全確保、機雷その他の海上における危険物の探知および処分などを行う。警備隊の長は警備隊司令といい、1等海佐をもって充てる。司令は地方総監の指揮監督を受け、警備隊の隊務を統括する[1]

なお、隷下には上記の任務を行う地上部隊のほか、ミサイル艇隊、多用途支援艦、特務艇、輸送艇、水中処分母船などの水上部隊を有するが、警備隊司令はこれらを必要に応じてフォースプロバイダー(練度管理責任者)として、護衛艦隊や地方総監などに提供する。

編成[編集]

警備隊本部[編集]

警備隊本部は、司令の行う警備隊の隊務の総括に必要な事務を行う。

陸警隊[編集]

陸警隊は陸警隊長を部隊長とし、海上自衛隊施設の警備、隊員の規律の統一、施設の防火および火気の取り締まり、礼砲台の管理および運用(横須賀陸警隊に限る)、警備犬の管理および運用を行う。

港務隊[編集]

港務隊は港務隊長を部隊長とし、各種支援船を指揮下に置く。港湾施設の運用、艦船のびょう地の指定、艦船に対する便宜供与、支援船(水中処分隊に配属されるものを除く)の管理および運用、港湾および水路の安全確保を行う。

護衛艦の入港を支援する舞鶴港務隊YT72(奥)およびYT02(手前)

水中処分隊[編集]

水中処分隊は水中処分隊長を部隊長とし、水中処分母船1号型1隻を指揮下に置く。

機雷そのほかの海上における危険物の探知および処分、水中器材の調査、水中処分隊に配属される支援船の管理および運用を行う。

沖縄水中処分隊による爆発物処理

多用途支援艦[編集]

ひうち型多用途支援艦。艦長を部隊長とし、警備隊直轄指揮下に置かれる(「げんかい」のみ、母港の関係上呉地方隊佐伯基地分遣隊隷下だが、実質的には警備隊直轄である)。

警備隊の各種任務を行うほか、必要に応じて護衛艦隊などの指揮下に入り、任務を行う。

多用途支援艦「ひうち

ミサイル艇隊[編集]

ミサイル艇隊はミサイル艇隊司令を部隊長とする。佐世保警備隊、舞鶴警備隊に置かれ、それぞれはやぶさ型ミサイル艇2隻を指揮下に置く。警備隊の各種任務を行うほか、必要に応じて護衛艦隊などの指揮下に入り、任務を行う。

なお、例外として、大湊警備区に配備されている第1ミサイル艇隊については、余市防備隊隷下に置かれている。

第2ミサイル艇隊

特務艇[編集]

はしだて」。艇長を部隊長とし、警備隊直轄指揮下に置かれる。横須賀警備隊にのみ置かれる。警備隊の各種任務を行うほか、必要に応じて護衛艦隊などの指揮下に入り、任務を行う。

はしだて

輸送艇[編集]

輸送艇1号型。艇長を部隊長とし、警備隊直轄指揮下に置かれる。横須賀警備隊にのみ置かれる(佐世保警備隊に置かれていた輸送艇1号は除籍)。警備隊の各種任務を行うほか、必要に応じて護衛艦隊などの指揮下に入り、任務を行う。

輸送艇2号

部隊[編集]

5つの警備隊は、それぞれ地方総監部所在地に置かれている。

出典[編集]

  1. ^ 警備隊の編制に関する訓令(昭和45年9月28日海上自衛隊訓令第21号)” (pdf). 防衛省 情報検索サービス. 防衛省 (1970年9月28日). 2020年12月8日閲覧。
  2. ^ 10月14日(水)観音崎礼砲台※(横須賀市)にて観艦式招待国海軍艦艇に対し行なわれた礼砲発射の様子をお届けします。(※現在「観音崎警備所」は廃止)”. FaceBook防衛省海上自衛隊公式. 海上自衛隊 (2015年10月17日). 2020年12月8日閲覧。
  3. ^ “海自初の油槽船「YOT01」就役 呉警備隊に配属”. 産経新聞. (2022年4月22日). https://www.sankei.com/article/20220422-22NEBAG74ZJ2DMGHA5UKLBKFTE/ 2022年4月23日閲覧。 
  4. ^ ギャラリー:油槽船「YOT-01」初度入港”. 海上自衛隊呉地方隊 (2022年4月28日). 2022年4月29日閲覧。

外部リンク[編集]