生きた建築ミュージアム

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生きた建築ミュージアム(いきたけんちくミュージアム)は、大阪のまちをひとつの大きなミュージアムと捉え、そこに存在する「生きた建築」を通して大阪の新しい魅力を創造・発信する、大阪市による取組みである。

概要[編集]

大阪には近代建築モダニズム建築が数多く建築され現在も活用されているため、大阪のまち全体を建築の博物館とみなした「生きた建築ミュージアム」とする取り組みである。

大阪市は、平成25年度(2013年度)に28件、平成26年度(2014年度)に22件、全50件の「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」を選定した。平成25~27年度(2013~2015年度)の3年間に大阪セレクションを対象に、その魅力の一層の向上に必要な再生工事に係る費用の一部補助を時限措置として実施した。

また、毎年度秋に建築一斉公開イベント「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」(イケフェス大阪)が実施されている。

生きた建築ミュージアム・大阪セレクション[編集]

2014年(平成26年)度に大阪市生きた建築ミュージアム推進有識者会議の意見を参考にしながら50件が選定された[1]。有識者には、嘉名光市倉方俊輔髙岡伸一橋爪紳也らが名を連ねた。

  • I 時代を超えた塔のまち・大阪
通天閣梅田スカイビル新梅田シティ) 
  • II 都市の社交空間
大阪倶楽部中央電気倶楽部、リーチバー(リーガロイヤルホテル)、堂島サンボア バー
  • III 大阪の顔
マヅラ大阪駅前第1ビル)、大阪ガスビル日本生命保険相互会社本館、御堂ビル竹中工務店大阪本店]、御堂筋ダイビル本願寺津村別院[北御堂]、
  • IV 水辺に向かって建つ建築
ダイビル本館三井住友銀行大阪本店ビル(旧 住友ビルディング)、ルポンドシエルビル[大林組旧本店]、北浜レトロビルヂング江戸堀コダマビル[旧児玉竹次郎邸]、日本聖公会川口基督教会
  • V 心意気あふれる多彩な民間建築
大阪証券取引所ビル、生駒ビルヂング武田道修町ビル船場ビルディング原田産業株式会社大阪本社ビル、新井ビル青山ビル伏見ビル堺筋倶楽部大阪商工信用金庫新本店ビル(旧本町ビルディング)、輸出繊維会館北野家住宅清水猛商店芝川ビル長瀬産業株式会社大阪本社ビル日本基督教団大阪教会今橋ビルヂング(旧大阪市中央消防署今橋出張所)
  • VI 先端をゆく商業建築
大丸心斎橋店本館、南海ビル髙島屋大阪店ほか)、髙島屋東別館純喫茶アメリカンギャラリー再会食道園宗右衛門町本店ビル、味園ユニバースビル浪花組本社ビル、オーガニックビル
  • VII 戦後大阪の都市改造
船場センタービル阪急三番街梅田吸気塔、スリープカプセル(カプセルイン大阪
  • VIII 大阪の都市居住
西長堀アパートグランサンクタス淀屋橋

第2期[編集]

2023年(令和5年)5月9日に第2期として47件が選定された[2]

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪[編集]

生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪(いきたけんちくミュージアムフェスティバルおおさか)は、日本最大の建築一斉公開イベントである。略称はイケフェス、英称はOpen House Osaka(オープンハウスオオサカ)。

平成25年度(2013年度)の実証実験を経て、平成26年度(2014年度)より本格開催し、平成28年度(2016年度)からは「生きた建築ミュージアム大阪実行委員会」が主催で実施されている。

2019年には、建築公開イベントの国際的なネットワーク「オープンハウスワールドワイド(Open House Worldwide)」への加盟が承認され、イケフェス大阪2019より、英語名称が「Open House Osaka」となった[3]

脚注[編集]

  1. ^ 大阪市:生きた建築ミュージアム・大阪セレクション (…>住宅施策>建築物等を活かした都市・地域魅力の創出)
  2. ^ 大阪市:「生きた建築ミュージアム・大阪セレクション」 第2期選定について (…>住宅施策>建築物等を活かした都市・地域魅力の創出)
  3. ^ ロンドンを中心とした建築公開イベントの国際的なネットワーク「オープンハウスワールドワイド(Open House Worldwide)」への加盟が認められました生きた建築ミュージアム大阪実行委員会 2019年9月6日

関連項目[編集]

  • HOPEゾーン事業
  • 大大阪
  • オープンハウス
  • 毎日放送 - 1990年から本社屋を大阪市内(北区茶屋町)に構えていて、現職のアナウンサーが企画の段階から参加している「MBSアナウンサーカレンダー」(2013年から毎年販売)の2022年版から「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」と連携。生きた建築ミュージアム大阪実行委員会からの協力の下で、「生きた建築」を舞台に撮影された現職アナウンサー全員の写真をカレンダーに使用している。

外部リンク[編集]