山形国際ドキュメンタリー映画祭

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山形国際ドキュメンタリー映画祭(やまがたこくさいドキュメンタリーえいがさい、: Yamagata International Documentary Film Festival、略称:YIDFF)は、山形市で隔年開催される映画祭、またそれを主催する特定非営利活動法人 (NPO)国際交流基金による2006年度国際交流奨励賞受賞。

概要[編集]

  • YIDFFは、山形市の市制100周年を記念して開催され、第1回から9回まで山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会と山形市が主催している。2006年に山形市から独立した、特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭が全ての事務局を担うことになり、第10回から山形市は主催から共催に変更となった。
  • ドキュメンタリーのための映画祭ではアジア地域で初のもので、アジアを中心に世界中の映画作品や監督が集まるイベントとなっている。発案は、山形県上山市牧野村で活動していたドキュメンタリー映画監督の小川紳介監督。
  • コンペティションは、インターナショナル・コンペティション部門と、アジアのドキュメンタリー作品を対象としたアジア千波万波部門がある。

運営法人の活動[編集]

  • 運営法人は、隔年の映画祭開催のほか、市民に日常的に映像との出会いを提供する活動を行っており、過去に応募のあった作品のフィルム貸し出しや市民の無料鑑賞への映像提供、関係資料の収集等を行っている。また「金曜上映会」として、会員(有料)に対しドキュメンタリー作品のみならず過去の名作など幅広い映画をで月2回上映する活動も行っている。会費は年会員が3,000円、一日会員が1,000円(ドキュやま! 2011年12月号、2012年1月号より)。
    • 2011年、金曜上映会にて配給元に無許可で複数の映画を上映していたことが発覚。会員が個人所有していたフィルムを上映したものであった。同法人は各社に「認識が甘かった」と謝罪し、過去の上映作品を申告した。このうち松竹は、過去の映画を発掘してもらうのは悪いことではないが、今後は事前に連絡してほしいとして、同法人への厳重注意とした[1][2]


会場[編集]

  • 期間中、山形市内の映画館、公民館などで上映される。

コンペティション[編集]

  • インターナショナル・コンペティション部門
    • 上映数:15作品
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
    • 山形市長賞(最優秀賞)
    • 優秀賞
    • 特別賞
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
    • 奨励賞
    • 特別賞
  • 市民賞
    • 上映作品を観た人の投票による。
  • 国際批評家連盟(FIPRESCI)賞

過去の映画祭[編集]

YIDFF 2011[編集]

作品総応募数
  • インターナショナル・コンペティション部門: 101の国と地域から1,078本
  • アジア千波万波 部門: 63の国と地域から705本
受賞結果
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞):
      • 『密告者とその家族』 The Collaborator and His Family (監督:ルーシー・シャツ、アディ・バラシュ/アメリカ、イスラエル、フランス) [1]
    • 山形市長賞(最優秀賞):
      • 『光、ノスタルジア』 Nostalgia for the Light (監督:パトリシオ・グスマン/フランス、ドイツ、チリ) [2]
    • 優秀賞:
      • 『阿仆大(アプダ)』 Apuda (監督:和淵(ホー・ユェン)/中国) [3]
      • 『5頭の象と生きる女』 The Woman with the 5 Elephants (監督:ヴァディム・イェンドレイコ/スイス、ドイツ) [4]
    • 特別賞
      • 『殊勲十字章』 Distinguished Flying Cross (監督:トラヴィス・ウィルカーソン/アメリカ) [5]
  • アジア千波万波 部門
    • 小川紳介賞:
      • 『雨果(ユィグォ)の休暇』 Yuguo and His Mother (監督:顧桃(グー・タオ)/中国) [6]
    • 奨励賞:
      • 『アミン』 Amin (監督:シャヒーン・パルハミ/イラン、韓国、カナダ) [7]
      • 『龍山(ヨンサン)』 Yongsan (監督:ムン・ジョンヒョン/韓国) [8]
    • 特別賞:
      • 『ソレイユのこどもたち』 Children of Soleil (監督:奥谷洋一郎/日本) [9]
      • 『柔らかな河、鉄の橋』 Hard Rails across a Gentle River (監督:チャン・タイン・ヒエン、ファム・トゥー・ハン、ドー・ヴァン・ホアン、チャン・ティ・アイン・フゥン/ベトナム) [10]
      • 『水手』 Water Hands (監督:ヴラディミル・トドロヴィッチ/シンガポール、セルビア、モンテネグロ) [11]
  • 市民賞:
    • 『5頭の象と生きる女』 The Woman with the 5 Elephants (監督:ヴァディム・イェンドレイコ/スイス、ドイツ) [12]
    • 『イラン式料理本』 Iranian Cookbook (監督:モハマド・シルワーニ/イラン) [13]
  • コミュニティシネマ賞:
    • 『イラン式料理本』 Iranian Cookbook (監督:モハマド・シルワーニ/イラン) [14]
    • 東日本大震災復興支援上映プロジェクト「ともにある Cinema with Us」 [15]
  • 日本映画監督協会賞:
    • 『監獄と楽園』 Prison and Paradise (監督:ダニエル・ルディ・ハリヤント/インドネシア) [16]
  • スカパー! IDEHA賞:
    • 『さようならUR』 Goodbye UR--Japanese Social Housing Crisis (監督:早川由美子/日本) [17]

YIDFF2009[編集]

  • 上映作品数:30の国と地域から123本
  • 作品総応募数:119の国と地域から1,796本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『包囲:デモクラシーとネオリベラリズムの罠』監督:リシャール・ブルイエット/カナダ
      アメリカに代表される新自由主義への批判から構成されたインタビュー・ドキュメンタリー。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『忘却』監督:エディ・ホニグマン/オランダ、ドイツ
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『アメリカ通り』監督:キム・ドンリョン/韓国


YIDFF2007[編集]

  • 上映作品数:31の国と地域から238本
  • 作品総応募数:108の国と地域から1,633本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『鳳鳴(フォンミン)― 中国の記憶』監督:王兵(ワン・ビン)/中国
      新聞記者だった夫の記事が原因で強制収容所へ送られ、以後約30年後に名誉回復するまでのある女性の生涯を描く。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『アレンテージョ、めぐりあい』監督:ピエール=マリー・グレ/ポルトガル、フランス
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『秉愛(ビンアイ)』監督:馮艶(フォン・イェン)/中国

YIDFF2005[編集]

  • 上映作品数:32の国と地域から145本
  • 作品総応募数:104の国と地域から1,628本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『水没の前に』監督:李一凡(リ・イーファン)、鄢雨(イェン・ユィ)/中国
      2009年に完成予定の中国・三峡ダムに関するドキュメンタリー。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『ルート181』監督:ミシェル・クレフィ、エイアル・シヴァン/ベルギー、フランス、イギリス、ドイツ
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『チーズ と うじ虫』監督:加藤治代/日本

YIDFF2003[編集]

  • 上映作品数:31の国と地域から177本
  • 作品総応募数:98の国と地域から1,454本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『鉄西区』監督:王兵(ワン・ビン)/中国
      工業地域である中国東北部の瀋陽・鉄西区の移り変わりを描く、9時間の長編。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『スティーヴィ』監督:スティーヴ・ジェイムス/アメリカ
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『一緒の時』監督:沙青(シャー・チン)/中国

YIDFF2001[編集]

  • 上映作品数:173本
  • 作品総応募数:88の国と地域から1,218本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      内戦により荒廃したカンボジアの労働者を描く。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『夢の中で』『愛についての実話』監督:メリッサ・リー/オーストラリア

YIDFF1999[編集]

  • 上映作品数:188本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『不在の心象』監督:ヘルマン・クラル/ドイツ
      ドイツに渡ったブエノスアイレス出身の監督による、家族のインタビューを通した自分探しの旅。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『メイン州ベルファスト』監督:フレデリック・ワイズマン/アメリカ
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『ハイウェイで泳ぐ』監督:呉耀東(ウー・ヤオドン)/台湾

YIDFF1997[編集]

  • 上映作品数:187本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『エルサレム断章』監督:ロン・ハヴィリオ/イスラエル
      エルサレムに関する6時間に渡るドキュメンタリー。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『鳳凰橋を離れて』監督:季紅(リー・ホン)/中国

YIDFF1995[編集]

  • 上映作品数:278本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『選択と運命』監督:ツィピ・ライベンバッハ/イスラエル
      ホロコーストの生き残りである監督自身の両親を描く。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『メタル&メランコリー』監督:エディ・ホニグマン/オランダ
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞

YIDFF1993[編集]

  • 上映作品数:139本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『黒い収穫』監督:ボブ・コノリー、ロビン・アンダーソン/オーストラリア
      パプア・ニューギニアのコーヒー・プランテーションをめぐる部落抗争を描く。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『動物園』監督:フレデリック・ワイズマン/アメリカ
  • アジア千波万波部門
    • 小川紳介賞
      • 『私の紅衛兵時代』監督:呉文光(ウー・ウェンガン)/中国

YIDFF1991[編集]

  • 上映作品数:153本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『頑固な夢』監督:ソボリッチ・ベーラ/ハンガリー
      ハンガリーの田舎村にある、演劇サークルに関するドキュメンタリー。
    • 山形市長賞(最優秀賞)
      • 『閉ざされた時間』監督:シビル・シェーネマン/ドイツ

YIDFF1989[編集]

  • 上映作品数:80本
主な受賞作品
  • インターナショナル・コンペティション部門
    • ロバート&フランシス・フラハティ賞(大賞)
      • 『踏切のある通り』監督:イヴァルス・セレツキス/旧ソ連
      ラトビア共和国の首都リガにある"踏切のある通り"に住む人々を描く。
    • 山形市長賞(最優秀賞)

脚注[編集]

  1. ^ 松竹と日活の映画4本を無許可上映 山形のNPO法人「認識甘かった」 - 山形新聞 2011年9月10日
  2. ^ 無許可上映、過去にも ドキュメンタリー映画祭に松竹が厳重注意へ - 山形新聞 2011年9月27日

外部リンク[編集]