天久保用水

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
天久保用水

緑区寺山地区(2015年12月)
延長 1.6km
取水 見沼代用水東縁
埼玉県さいたま市緑区
合流 綾瀬川および伝右川
流域 さいたま市緑区
テンプレートを表示

天久保用水(あまくぼようすい)は、埼玉県さいたま市緑区を流れる用水路である。綾瀬川流域の灌漑用水として江戸時代に開削されたが、近年は浦和美園駅周辺の区画整理事業(みそのウイングシティ)により、水田宅地化され、下流では用水路としての役目を終え、一部埋め立て(ボックスカルバート化)が進んでいる。

概要[編集]

見沼代用水東縁から取水し[1]埼玉スタジアム2002の南側、浦和美園駅の西側を南下してゆき、埼玉高速鉄道沿いを流れる。国道463号に差し掛かると東に折れ、道路の下を暗渠で流れて綾瀬川および伝右川にそそぐ。見沼代用水以前の見沼溜井時代に天久保用水は掘削され、その頃は膝子村付近で見沼の溜まり水を引いていた。長さは2862(約5.20 km)であったが[2]、近年は流路延長1.6 kmにまで短縮されている[3]浦和美園地区では区画整理が行われており、開削当時の姿を保っているエリアも徐々に少なくなっている。特に浦和美園駅西口広場の周辺は暗渠化された。東北自動車道より上流は大宮台地(鳩ヶ谷支台)の縁に沿って流れ、フェンス護岸以外があるものの、斜面は開削当時のままとなっている。雑草が生い茂っており、夜間は暗い。

取水地点の上野田字名小字)、天久保が由来である。かつては寺山地区内で東に分かれ、伝右川を掛け樋で越え、綾瀬川を伏せ越しでくぐり岩槻地区も灌漑していた[3][4]。灌漑面積は220ヘクタールだった[3][4]

支流[編集]

  • 八幡下排水路

周辺[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 東西縁用水路系統図 - 見沼代用水土地改良区、2015年12月4日閲覧。
  2. ^ 『浦和市史 通史編 2』422頁。
  3. ^ a b c 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』80頁。
  4. ^ a b 『わがまち浦和』197頁。

参考文献[編集]

  • 浦和市総務部市史編さん室『わがまち浦和―地域別案内』浦和市、1982年11月30日。 
  • 浦和市総務部市史編さん室『浦和市史 通史編 2』浦和市、2002年3月15日、419-422頁。 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日、80頁。ISBN 4040011104 

関連項目[編集]