包丁無宿

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包丁無宿』(ほうちょうむしゅく)は、たがわ靖之による日本漫画作品、およびそれを原作とするオリジナルビデオ作品。

概要[編集]

別冊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて連載された。単行本は全45巻、愛蔵版全5巻。

流れ板の料理人による料理バトル漫画。続編に『新・包丁無宿』があるが、作者の急死により未完となっている(単行本は全5巻)。

あらすじ[編集]

「流れ板」暮流助。元々は東京築地の料亭「桐の家」の板前だったが、「大日本料理会」主催の本膳祭に師匠の和木の助板として参加した際、会長の歌川繁蔵や、その息子静児の策略に嵌り、控え室で刺傷事件を起こして大日本料理会より追放、桐の家も所属板前が散り散りになり、和木一人で僅かな客を相手にするだけの閉店同然の状態にされてしまったのだった。日本各地を流れ歩く流助は、各地で出会う様々な料理人および人物との出会いや、流助を付け狙う大日料や黒包丁の板前との料理勝負などを通じて料理人として成長していく。 実際の連載期間とほぼ同等の時間が作中では流れており、初期に登場した現役力士が引退後数年経った親方として再登場する等の例もあり、それ以外にも連載時期の時事ネタや、昔話、時代劇、プロレス等の様々なパロディーも随所に見られる。また、作中で行われる料理勝負をはじめとした奇抜な設定に、登場人物自ら突っ込みを入れるシーンもあった。 15年に及ぶ流れ旅の末、最後は大日料、黒包丁との三つ巴の料理勝負で桐の家勢が勝利を収め、物語は一旦幕を閉じたが、すぐに「新・包丁無宿」として再スタート。作者の急逝まで続いた。

登場人物[編集]

暮流助
桐の家の板前から流れ板になった料理人。
和木茂十
流助の師匠。単行本第16集「暗黒街道」によれば昭和20年の時点で33歳(後述の歌川繁造は28歳、黒田味衛門は31歳)。流助を追い出した時に、「料理は水を使い火を使い刃物を使う。水は洪水も同じ!!火は火事も同じ!!刃は人を殺(あや)めるも同じぞ!!」と教える。板前達が散り散りになってからは、「一人で作れる量には限界があり、味を保てるのは五人までが限度」という理由で桐の家を自ら閉店同然にした。しかし、流助がいつ戻ってきてもいいように、流助の包丁はきちんと手入れをしていた。最後は流助のために、勝負を決める鍵となる「水」を持ち込んでその生涯を閉じた。
和木加代子
茂十の娘。流助と相思相愛だったが、事件により2人の仲は切り裂かれる。
歌川繁蔵
大日本料理会(後半に入ると「大日料」という略称で呼ばれる事が多くなる)の会長で桐の家を追放した張本人。和木の弟弟子。度重なる失策から大日料の会長を退き、お情けで静児から名誉会長の席をもらうも、更なる失策でそれすらも取り上げられる。当初は文字通りの極悪人的存在だったが、ストーリーが進むにつれてコメディー色が強くなる。最後は大日料敗北と、それに加えて静児が事件の真相を公の前で明かした事によるショック、持病の糖尿病の悪化が重なって倒れ入院、食事制限を受けて二度と美食は叶わなくなるが、自分が食べている病院食から精進料理の店を展開して全国を制覇する野望をぶち上げ、見舞いに来た静児や幹部達を呆れさせていた。
歌川静児
繁蔵の息子で刺傷事件の被害者を装い、流助の追い落としに成功する(実際には自分から流助の持つ包丁に突っ込んでわざと怪我をした)。「桐の家」を出た流助を追うように自身も大日料を出て料理修行で全国を回る。一年以上後に流助と再会した際は、髪も伸び、精悍な風貌となっていた。後に父の失策もあり、その後任として大日本料理会の会長となる。会長になってからは流助に無用な勝負を仕掛けるのを避けたり(繁造が暴走して勝負に至り、大日料側が手酷い敗北を受けるのがお約束)、勝負に卑怯な手を使う事を拒むなど、正々堂々とした態度で流助に挑む事が多くなった。最後の料理勝負ではこの期に及んで卑怯な手を使った父に愛想を尽かし、自ら包丁を置いて試合を放棄、その後の和木の命を捨てた流助への手助けに感化され、自らの口から事件の真相を明かす。加代子には真剣に惚れていたが、彼女が自分の事を好きでもない状態で結婚しても嬉しくないと、流助との勝負に勝つ事で加代子の心変わりを期待する事になった。最後の勝負の後に行われた和木の告別式にも出席している。
黒田味衛門
歌川と和木を憎む「黒庖丁」の頭。終戦後に自身や和木、歌川が中心となって、日本料理の板前が集まった「庖心会」を組織するが、米軍相手の「風趣料理」に絡むトラブルから庖心会を脱退。味衛門の抜けた庖心会は歌川が牛耳るようになり(和木は組織内の権力に興味がなく「ただの板前」に拘ったため、その辺りのトラブルはなかった)、やがて「大日本料理会」となる。味衛門は後に独自の活動から黒庖丁を組織、歌川と和木(こちらは誤解)への憎しみを燃やして狂気の料理人集団に育て上げて行く。
黒田包之介
味衛門の息子。打倒暮のため大日本料理会と手を組むが…。
黒庖丁の刺客の一人だったが、流助を慕うようになり、黒庖丁を破門同然で抜ける。最後に味衛門と和解し、再び流れ板として全国を旅する事になる。「新」にも登場。

書誌情報[編集]

  • たがわ靖之『包丁無宿』日本文芸社〈ゴラク・コミックス〉、全31巻 ※第32巻以降はニチブン・コミックス版に更新
  • たがわ靖之『包丁無宿』日本文芸社〈ニチブン・コミックス〉、全45巻 ※第31巻まではゴラク・コミックス版の再版
  • たがわ靖之『包丁無宿』愛蔵版、日本文芸社、全5巻
  • たがわ靖之『包丁無宿 傑作選スペシャル 本膳祭編』日本文芸社〈Gコミックス〉、単巻 ※廉価版コミック

オリジナルビデオ[編集]

1997年8月22日に実写化作品がリリースされた。なお、これまでにDVD化などの再商品化はされていない。

スタッフ
キャスト

外部リンク[編集]