ワルチング・マチルダ

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ワルチング・マチルダ」(英語 : "Waltzing Matilda", 日本語では「ウォルシング・マチルダ」「ワルツィング・マチルダ」などとも表記される)は、オーストラリアが発祥の歌で、同国を代表とする歌として国内外を問わず世界的に広く知られた歌である。同国の国歌とする提案が何度も出された。

歴史など[編集]

1895年に同国のジャーナリストのバンジョー・パターソンが、クリスティナ・マクファーソン (Christina Macpherson) という女性の歌ったメロディに歌詞を施したものである。マクファーソンの歌ったメロディは、1894年に彼女が聴いた「なんじクレイギリーの美しき森よ」("Thou Bonnie Wood Of Craigielea") というスコットランドの民謡に基づくものとされている。

1903年、この歌はビリー・ティー (Billy Tea) という紅茶会社のコマーシャルソングに使用されるようになり、この際にマリー・コウワン (Marie Cowan) という女性により歌詞、曲ともに書き改められた[1]。現在人口に膾炙しているのはこのコウワンのバージョンである。

ワルチング・マチルダ・センター(博物館)がクイーンズランド州ウィントンにある。

歌の意味[編集]

貧しい放浪者が羊泥棒を働いて、追いつめられて沼に飛び込んで自殺するというストーリーの歌である。

ワルチングは「当てもなくさまよい歩く」という意味である(この曲は、ワルツの三拍子ではない)。身寄りのない一人の貧しい放浪者が唯一抱きしめられるのがこの毛布だけで、その毛布にマチルダと女性の名前をつけてオーストラリア大陸をさまようという設定である。

歌詞についてはいろいろバリエーションがあるが、その一つの大意は以下の通り。

ある日、陽気なスワッグマンSwagman, オーストラリア英語で放浪者の意)がビラボン(同じく三日月湖や大きな水たまり、沼の意)のそばに野宿していると、羊が水を飲みにやって来た。どこかの農場主の羊であるに違いないが、あまりにも飢えていた彼は捕まえて食べた。残りの肉はずだ袋に入れて、歌った。「Who'll come a-walzing Matilda with me?  誰か俺と一緒にマチルダワルツ(毛布ひとつで放浪)するやつはいないか。」

やがて、3人の警官がやって来た。「お前のその袋の中に、盗んだ羊があるだろう?」。捕まれば縛り首になることがわかっていた彼は「You'll never take ma alive. お前らなんかに、おめおめ生きて捕まるもんか」と言って、沼へと跳びこんだ。

今でもその沼のそばを通れば、幽霊の歌声が聞こえるらしい。「誰か俺と一緒に放浪するやつはいないか?」と。

オーストラリアを象徴する歌として[編集]

マチルダはオーストラリアの代喩となり、例えば、サッカーオーストラリア女子代表は「マチルダズ」と名乗っている。

オーストラリアの国歌である「アドヴァンス・オーストラリア・フェア」とともに、愛国的な歌として認識されてきた。1976年モントリオールオリンピックで演奏され、また、ニュージーランドラグビーチーム、オールブラックスの「オールブラックスハカ」(All Blacks haka) に対応して、ラグビーユニオンの聖歌とされ、またオージーフットボール (Australian Football League, AFL) の決勝戦で毎年「アドバンス・オーストラリア・フェア」と共に演奏される。公式な認定はないが、多くの機会に歌われる。アメリカ合衆国でいうゴッド・ブレス・アメリカにあたる位置づけの歌として定着している。

関連作品[編集]

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]