ハントンライス

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一般的なハントンライス
エビフライが乗ったハントンライス

ハントンライスは、日本洋食の一つである。ハントン風ライスとも呼ばれている。石川県金沢市郷土料理として知られている。近年、テレビ雑誌インターネットなどで紹介され、金沢市民だけでなく全国的に知名度が上がっている。今では金沢市だけでなく、七尾市穴水町富山県にある一部の洋食店でも出されている。

特徴[編集]

ケチャップで味付けしたバターライスの上に、半熟の薄焼き卵と白身魚のフライを乗せ、タルタルソースをかける。一見するとオープンオムライスのようである。 元々は、カレイ目の魚である「オヒョウ」を使った白身魚フライが乗っていたが、1976年に「ジャーマンあき」が初めてエビフライを乗せて販売した。

現在では、様々なバリエーションが存在している。中身はケチャップライスやチキンライス、ベーキライスの3種類、ソースにはケチャップやマヨネーズドミグラスソースの3種類がそれぞれ存在しており、トッピングに豚カツを使用する店などもある。

誕生までのいきさつ[編集]

1960年代後半、当時「ジャーマンベーカリー」の社長を務めていた山下昇が、金沢の中心地である片町にレストラン「ジャーマンベーカリーグリル」を出店する際、洋食部門のシェフたちと知恵を絞って考案したのが「ハントンライス」だった。

直接のアイディアを出したのは、当時の料理長である。彼は、修行時代にご飯をパプリカバターで味付けし、余ったマグロのフライなどを乗せた賄い料理を作っていた。このまかない料理をヒントに、若者に受ける料理として、味付けを日本人の好むケチャップに変えたのである。

この新しい「洋食」は若者を中心に人気となり、ジャーマンベーカリーが誇る人気メニューの一つにまで成長した。その後、独立した何人かのコックたちが、自分の店のメニューにハントンライスを加えていったことから、金沢市内の洋食店に広まっていった。発祥となった片町の店は閉店となったものの、金沢の特徴的な料理として現在も多くの人々に愛されている。

名前の由来[編集]

一般的には、「ハンガリーハンと、フランス語でマグロを意味するトンをあわせた造語である」と言われている。

ハントンライスのもととなった料理は、「スクランブルエッグの上に魚のフライを乗せ、ケチャップを少しかけたもの」とされている。関係者の間ではハンガリーの家庭料理として知られているが、実はこの料理はハンガリーには存在しない。

ハンガリーの家庭料理には「ラントット・トン(rantott tonhal)」と呼ばれるマグロのフライがある。「トン」という単語は、ハンガリー語でも「マグロ」を意味する。 ハンガリーではこの白身魚のフライにタルタルソースをかけて、パプリカや塩を振ったご飯とともに食べることから、金沢在住のハンガリー人の間では、これがハントンライスの由来になったのではないかと考えられている。

金沢市内での知名度[編集]

年配者を中心に知られている。万人向けの味付けで、手っ取り早く満腹感が得られることから会社員の昼食で人気がある。

しかし、若い世代での知名度はあまり高くなく、金沢市出身の女優である田中美里は、出演したTBS系列の特別番組「ニッポン県民性発表SP」のなかで、ハントンライスが紹介された際「知らない」と話した。

参考資料[編集]

関連項目[編集]

類似料理[編集]


外部リンク[編集]