ハリー・ポッターシリーズの魔法一覧
ハリー・ポッターシリーズの魔法一覧(ハリー・ポッターシリーズのまほういちらん)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズに登場する魔法および呪文の一覧である。
目次 |
[編集] 概要
『ハリー・ポッター』シリーズでは、杖や魔法薬を用いることで魔法を行使できる。熟練者であれば、呪文を唱えなくとも効力が現れる(無言呪文)。
一部の呪文には、効果が対になる呪文が設定されており、これを作中では「反対呪文」と呼ぶ。
呪文のほとんどがラテン語に由来した造語で、複数の語を組み合わせた造語もある。ラテン語はインド・ヨーロッパ語族に多大な影響を与える言語であるため、インド・ヨーロッパ語族の読者であれば呪文名から意味を想起することができる[1]。
原書において、各呪文に対する魔法名は、
- Spell - 対象者/物を変容させる魔法、および呪文全般
- Charm - 対象者/物に働きかける魔法
- Jinx - ユーモアのある呪い
- Hex - 軽度の呪い
- Curse - 強度の呪い、および闇の魔術
と分類されており、2006年に著者ホームページで定義が解説された[2][3]。なお例外もある。
例えば「ロコモーター」という呪文は、第1巻では足を硬直させる呪い(Leg-Locker Curse)として、第5巻では物を移動させる魔法(Locomotion Charm)として登場する。
邦訳においては「術」「呪文」「魔法」「呪い」「呪詛」などが用いられているが、特に規則性・統一性はない。また、「アクシオ 来い!」のように、日本語読者に分かりやすいよう、呪文の意味が併記されている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] 呪文一覧
[編集] あ行
- アグアメンティ(Aguamenti)(水よ)
- 杖の先から水を噴出させる。反対呪文は「インセンディオ」。
- アクシオ(Accio)(来い)
- 「呼び寄せ呪文」。離れた場所にある物体を、術者の側に呼び寄せる。ホグワーツ魔法魔術学校では4年生の「呪文学」で習う。
- アナプニオ(Anapneo)(気道開け)
- 気管に食べ物などの障害物が詰まった際、その障害物を取り除くことができる。第6巻でホラス・スラグホーンが使用。
- アパレシウム(Aparecium)(現れよ)
- 透明インクで書かれた文字を強制的に出現させる。第2巻でハーマイオニーが使用。
- アロホモーラ(Alohomora)(開け)
- 扉にかかっている鍵を開けることができる。この呪文を無効にすることもできる。
- インカーセラス(Incarcerous)(縛れ)
- 対象にロープを巻きつけ、縛り上げる。対象の首にロープを巻きつけ、窒息に至らしめることも可能。
- インセンディオ(Incendio)(燃えよ)
- 対象を炎上させる。煙突飛行粉にもこの呪文が使われている。反対呪文は「アグアメンティ」。
- インパービアス(Impervius)(防水せよ)
- 水をはじくことができる。第7巻でハーマイオニーが「防水・防火せよ」と唱えていることから防火の効果もある模様。
- インペディメンタ(Impedimenta)(妨害せよ)
- 対象を妨害し、その人物の動作を遅延・一時停止させる。相手を吹き飛ばすことも可能。
- ウィンガーディアム・レビオーサ(Wingerdium Leviosa)(浮遊せよ)
- 「浮遊術」。ホグワーツでは1年生の「呪文学」で習う。
- 呪文の発音がやや難しく、ロンは初めの頃よく発音を間違えて失敗していた(小説では「ウィンガディアム・レヴィオーサ」、映画では「ウィンガーディアム・レビオサー」と言い間違えた)。
- エイビス(Avis)(鳥よ)
- 杖から鳥を出す。第4巻でオリバンダー老人が使用。
- エクスパルソ(Expulso)(爆破)
- 対象を爆破する。第7巻でアントニン・ドロホフが使用。
- エクスペクト・パトローナム(Expecto patronum)(守護霊よ来たれ)
- 「守護霊の呪文」。守護霊を創り出す。
- 守護霊は銀白色で半透明。形状は術者によって異なり、基本的には実在の動物だが、魔法生物になる者もいる。守護霊を出現させることで吸魂鬼を追い払うことができる[4]ほか、熟練者になると守護霊に伝言を託すことも可能。
- 守護霊を創り出すためには幸福なことを思い浮かべる必要がある。そのため術者の精神状態や人間関係に影響されやすく、守護霊の形状が変化することもある[5]。
- なお、ヴォルデモート及び死喰い人は、守護霊を出さない(スネイプを除く)。
- エクスペリアームス(Expelliarmus)(武器よ去れ)
- 「武装解除術」。紅の閃光を放ち、対象の持つ武器[6]を強制的に吹き飛ばす。術者の力量次第では、武器を持つ人間も同時に吹き飛ばして気絶させたり、吹き飛ばした武器を自分の手元に来させ、自分のものにすることができる。ハリーが得意とする呪文のひとつ。
- 第2巻ではセブルス・スネイプが「エクスペリアームズ」と唱えている。映画では作品によって術の表現が変わっている。
- エネルベート(Enervate)(活きよ)
- 失神した者の意識を回復させることができる。反対呪文は「ステューピファイ」。
- エバネスコ(Evanesco)(消えよ)
- 物を消す。スネイプは「魔法薬学」の授業で、学生が失敗した魔法薬を消す為にこの呪文を多用していた。
- エピスキー(Episkey)(癒えよ)
- 対象の負傷部位に杖を向けて呪文を唱え、対象に応急処置を施す。
- エレクト(Erecto)(立て)
- 対象を立たせる。第7巻でハーマイオニーが使用。
- エンゴージオ(Engorgio)(肥大せよ)
- 対象を肥大させることができる。反対呪文は「レデュシオ」。
- オーキデウス(Orchideous)(花よ)
- 花を咲かせる。第4巻でオリバンダー老人が使用。
- オパグノ(Oppugno)(襲え)
- 第6巻でハーマイオニーが使用。ロンに対して鳥による攻撃をけしかけた。
- オブスクーロ(Obscuro)(目隠し)
- 対象の目を隠す。第7巻でハーマイオニーが使用。
- オブリビエイト(Obliviate)(忘れよ)
- 「忘却術」「記憶修正術」。対象の記憶を修正・消去する。術者の力量次第では、対象の持つ全ての記憶を消去することも可能。
- 魔法省魔法事故惨事部には、魔法を見てしまったマグルの記憶を修正することを仕事とする『忘却術士』が勤務している。
[編集] か行
- カーベ イニミカム(Cave inimicum)(敵を警戒せよ)
- 第7巻で、ハリー、ロン、ハーマイオニーがキャンプを張る時に使用した防衛呪文の1つ。
- グリセオ(Glisseo)(滑れ)
- 第7巻でハーマイオニーが使用。足下の階段が滑り台に変化した。
- クワイエタス(Quietus)(静まれ)
- 「ソノーラス」によって響かせた自分の声を元に戻す。
- コロポータス(Colloportus)(扉よくっつけ)
- 扉を完全に閉鎖する。
- コンファンド(Confundo)(錯乱せよ)
- 「錯乱呪文」。対象を錯乱させる[7]。
- 映画『謎のプリンス』では呪文名が「コンファンダス」となっている。
- コンフリンゴ(Confringo)(爆発せよ)
- 対象物を爆発させる。第7巻でハリーが使用。
[編集] さ行
- サーペンソーティア(Serpensortia)(ヘビよ出でよ)
- 蛇を出現させる。第2巻でドラコ・マルフォイが使用。
- サルビオ ヘクシア(Salvio hexia)(呪いを避けよ)
- 第7巻で、ハリー、ロン、ハーマイオニーがキャンプを張る時に使用した防衛呪文の1つ。
- ジェミニオ(Geminio)(そっくり)
- 対象のダミーを作る。
- 第7巻で、グリンゴッツ魔法銀行にあるレストレンジ家の金庫に「双子の呪い」が施されていたが、呪いの効果から恐らくこの呪文と同一のものと思われる。
- シレンシオ(Silencio)(黙れ)
- 対象を一時的に黙らせる。
- 第5巻でハーマイオニーがドロホフに対して使用し、彼の呪文の威力を軽減させている。このことから無言呪文を除き、呪文を唱えられなかった場合、その呪文の威力が低下すると思われる。
- スコージファイ(Scourgify)(清めよ)
- 対象を清める。「清める」と言ってもその効果は様々で、廃棄物に使用すると対象は消失し、人に使用すると対象の口の中から無数の泡が発生する(口を「清めた」と思われる)。
- ステューピファイ(Stupefy)(麻痺せよ)
- 「失神呪文」「麻痺呪文」。対象を失神させることができる。
- 失神させられると、一定時間経つか「気つけ呪文」を使用されるまで失神状態が解けず、戦闘では一時的に戦闘不能状態に追い込まれる。また呪文自体にも相当なパワーがあり、第5巻では魔法省の役人4人から同時にこの呪文を撃たれたミネルバ・マクゴナガルが、一時生命が危うい状態になっている。
- 小説では赤い閃光として表現される。映画『不死鳥の騎士団』では失神に加え「相手を吹き飛ばす」という効果もある。
- ソノーラス(Sonorus)(響け)
- 自分の声をスピーカーを用いたように響かせる。反対呪文は「クワイエタス」。
- スペシアリス・レベリオ(化けの皮 剥がれよ)
- 第6巻でハーマイオニーが、ハリーの「上級魔法薬」の教科書に使用。しかし何も起こらなかったため、効果は不明。
[編集] た行
- タラントアレグラ(Tarantallegra)(踊れ)
- 対象にクイック・ステップを踏ませる。
- ディセンド(Descendo)(落ちろ)
- 対象を落下させる。第7巻でビンセント・クラッブが、物を積み上げた壁に向けてこの呪文を使い、壁を崩れ落とした。
- ディフィンド(Diffindo)(裂けよ)
- 対象を引き裂く。人体に行使した場合は対象の身体に切り傷を生じさせる。
- デイフォディオ(Defodio)(掘れ)
- 第7巻でハーマイオニーが使用。グリンゴッツ魔法銀行から脱出を図るドラゴンを助けた。
- デプリモ(Deprimo)(沈め)
- 第7巻でハーマイオニーが使用。ラブグッド家の2階の床にかけ、ラブグッド家を崩壊させた。
- デューロ(Duro)(固まれ)
- 第7巻でハーマイオニーが使用。タペストリーを石に変えた。
- デリトリウス(Deletrius)(消えよ)
- 第4巻でエイモス・ディゴリーが使用。直前呪文によって出現した「闇の印」を消去した。
- テルジオ(Tergeo)(拭え)
- 対象の汚れなどを拭う。
- デンソージオ(Densaugeo)(歯呪い)
- 第4巻でドラコが使用。ドラコはハリーにかけようとしたが、ハリーの「鼻呪い」の光線とぶつかり、ハーマイオニーにかかってしまう。その結果、ハーマイオニーの歯がリスの前歯のように伸びた。
[編集] な行
- ノックス(Nox)(闇よ)
- 杖先に灯った明かりを消すことができる。「ルーモス」の反対呪文。
- ラテン語で「闇」という意味がある。
[編集] は行
- パック(Pack)(詰めろ)
- トランクの中などに物を詰め込む。熟練者の場合、かけるだけで独りでに衣服が畳まれ、そのまま収納できる。
- ピエルトータム ロコモーター(piertotum locomotor)(すべての石よ、動け)
- 第7巻でマクゴナガルが使用。ホグワーツ城内の石像が、生きているかのように動き出した。映画では「すべての兵よ、動け」と訳されている。
- ファーナンキュラス(Furnuculus)(鼻呪い)
- 第4巻でハリーが使用。ハリーはドラコにかけようとするが、ドラコの「歯呪い」の光線とぶつかり、グレゴリー・ゴイルにかかってしまい、ゴイルの鼻に醜いできものが出来た。
- フィニート・インカンターテム(Finito Incantatem)(呪文よ終われ)
- 呪文そのものを終わらせる。短縮系の「フィニート(終われ)」だけでも同一の効果が得られる。
- フェルーラ(Ferula)(巻け)
- 対象に包帯を巻く。
- プライオア・インカンタート(Prior Incantato)(直前呪文)
- 杖が最近使った呪文の効果を再現させる。4巻で魔法省役人のディゴリー氏が使用。
- フラグレート(Flagrate)(焼印)
- 第5巻でハーマイオニーが使用。神秘部の扉に×印の焼印をつけた。
- プロテゴ(Protego)(護れ)
プロテゴ・トタラム(Protego Totalum)(万全の守り)
プロテゴ・ホリビリス(Protego Horribilis)(恐ろしきものから守れ) - 「盾の呪文」。魔法を用いた攻撃に対してバリアを発生させ、魔法から身を護る。上から順に呪文の強度が拡大すると思われる。
- 「許されざる呪文」に対しては効果がないが、その他の攻撃呪文に対しての効果は高く、護身として幅広く使える。その為、魔法省からはこの呪文を習得するよう指令が発布されたが、習得するのは難しいらしく、フレッドとジョージ・ウィーズリーが開発した「盾の帽子」には注文が殺到した。呪文に限らず、矢などの物理攻撃も防ぐことが出来る。
- ペトリフィカス・トタルス(Petrificus Totalus)(石になれ)
- 「全身金縛り術」。この呪文が命中した人間は全身が動かせなくなる(声帯や舌も動かせないため、話すこともできない)。ちなみに意識や思考は保たれる。物品にかけることもでき、例として防犯ブザーにこの呪文を行使するとブザー自体が機能しなくなる。映画では青い閃光として表現された。
- ポイント・ミー(Point me)(方角示せ)
- 杖が北を指す。
- ホメナム レベリオ(Homenum Revelio)(人現れよ)
- 隠れている人間の存在を知ることができる。
- 第7巻でラブグッド家を訪れたトラバースが、ハリーの存在を調べるために使用した。この時、ハリーは「何かが自分の上にスーッと低く飛んできて、その影の中にハリーの体を取り込むような奇妙な感じがした」らしい。
- ポータス(Portus)
- 「移動キー」を作ることができる。その為、この呪文の使用は魔法省によって厳しく制限されている。
[編集] ま行
- メテオロジンクス・レカント(Meteolojinx Recanto)(気象呪い崩し)
- 魔法省の窓から見える天気を変えるのに有効と言われる呪文。
- モースモードル(Morsmordre)(闇の印を)
- ヴォルデモートと死喰い人が「闇の印」を上空に打ち上げる時に使用する。
- モビリアーブス(Mobiliarbus)(木よ動け)
- 木を動かす。
- モビリコーパス(Mobilicorpus)(体よ動け)
- 第3巻でシリウスが使用。気絶して動かなくなったスネイプをそのままの状態で浮遊させ、運べるようにした。
[編集] ら行
- リクタスセンプラ(Rictusempra)(笑い続けよ)
- 対象者をくすぐり、笑わせる。第2巻でハリーが使用。
- 映画では呪文の効果が変更され、ドラコを回転させながら吹き飛ばしている(意味も「宙を舞え」となっていた)。
- リディクラス(Riddikulus)(ばかばかしい)
- まね妖怪を退治する呪文。心の中に滑稽なものを想像しつつ使用する。映画版では「バカ笑い」と訳されている。
- 汝の秘密を現せ(Reveal your secret)
- 闇の魔術の使用の疑いがある品に対し、その正体を明らかにさせる呪文。
- リナベイト(Renervate)(蘇生せよ)
- 失神した生物を蘇生させる。既に死んでいるものに対しては効かない。
- ルーモス(Lumos)(光よ)
- 杖に灯りを灯す呪文。反対呪文は「ノックス」。ちなみに、「ルーモス」の後に「マキシマ」と唱えると、さらに光が強くなる(その際の意味は「強き光よ」)。
- 映画では、ダンブルドアがこれを杖先から投げている。
- レジリメンス(Legilimens)(開心)
- 「開心術」。相手の心をこじ開け、記憶や思考を読み取る。閉心術を使うことで防げる。
- レダクト(Reducto)(粉々)
- 対象物を粉々に破壊する。ただし固体にしか効果がない。
- レデュシオ(Reducio)(縮め)
- 反対呪文は「エンゴージオ」。
- レパロ(Reparo)(直れ)
- 壊れた物を直す呪文。なお、中に液体が入っていた場合、液体は戻らない。
- レペロ マグルタム(Repello Muggletum)(マグルを避けよ)
- マグル避けの呪文。マグルがこの呪文をかけた物に近づくと、急用を思い出し、対象物から遠ざかるようになる。
- レラシオ(Relashio)(放せ)
- 追い払い呪文。火花を飛ばして相手を追い払う効果があるが、第4巻でハリーが水中で使用した時は火花の代わりに熱湯が噴射された。また第7巻ではハリーがドラゴンの足枷に対して使用し、足枷を爆発させてドラゴンを解放した。
- ロコモーター・○○(Locomotor)
- 移動のための呪文(Locomotion Charm)物を浮かせ、杖を向けた方向に運ぶ呪文。○○には運びたい物の名前が入る(作中ではトランク)。
- ロコモーター・モルティス(Locomotor Mortis)
- 足縛りの呪い(Leg-Locker Curse)。第1巻でスネイプがクィディッチの審判をやった時、ハリーを守る為、ハーマイオニーとロンがスネイプにかけようと練習していた。映画『賢者の石』の未公開シーンではネビルがこの呪文をかけられている。
- ラテン語のmortisは、英語で死後硬直を意味するrigor mortisの語源である。
[編集] わ行
- ワディワジ(Waddiwasi)(逆詰め)
- 逆詰め呪文。何かに詰められた物を、詰めた者に詰め返す。第3巻でルーピンがピーブスに対して1度使用したきりであるが、呪文の鮮やかさからルーピンは生徒から賞賛された。呪文の効果から、使用する機会は少ないが、必要時には、とても役に立つとされる。
[編集] 許されざる呪文
「服従の呪文」「磔の呪文」「死の呪い」の3つの呪文を総称して「許されざる呪文」と呼ぶ。これらの呪文は1717年に人間に対して使用することが禁じられており、仮に人間に対して使用した場合、アズカバンで終身刑に値する。
- インペリオ(Imperio)(服従せよ)
- 「服従の呪文」。対象人物を自分の意のままに操ることができる。ヴォルデモート一派はこの呪文を使って大勢の魔法使いや魔女を操ったが、操られているか否かを見分けるのは難しく、そのため死喰い人の中には「服従の呪文で操られていた」として魔法省を欺き、罪科から逃れた者もいる。
- この呪文を受けると、頭の中に漠然とした幸福感のみが残る「最高にすばらしい気分」となる。この状態から命令に抗うのは困難であるが、心が強ければ命令に抵抗することができる。実際に第4巻で、ハリーやバーテミウス・クラウチ・シニアは、ヴォルデモートの服従の呪文に抵抗し、打ち破っている。
- クルーシオ(Crucio)(苦しめ)
- 「磔の呪文」。対象人物に、死の方がましだと思わせるほどの苦痛を与える。
- ベラトリックス・レストレンジ曰く、呪文の効果を長く持続させるためには「苦しめようと本気で思い」、かつ「苦痛を与えることを楽しむ」必要があるらしい。
- アバダ・ケダブラ(Avada Kedavra)
- 「死の呪い」。一瞬で相手の命を奪う呪文で[8]、緑色の閃光が特徴。
- 反対呪文が存在しない絶対の呪文であるが、その反面、呪文の行使には強大な魔力が必要となり、未熟な術者が使っても一切効果がない。
- 小説では他の「許されざる呪文」とともに第4巻で初めて登場するが、映画では『秘密の部屋』でルシウス・マルフォイがハリーに対し「アバダ…」と唱えるシーンがある[9]。
- 他の呪文と異なり、小説の邦訳では全巻を通じて呪文の意味が併記されていない。しかし、映画では「息絶えよ」と訳されている。
[編集] その他の魔法
- 姿現わし(Apparition)/姿くらまし(Disapparition)
- 特定の場所から姿を消し、その後別の場所に出現する魔法。姿を消すことを「姿くらまし」、別の場所に出現することを「姿現わし」という。姿をくらます瞬間と、現す瞬間に「ポン」という大きな音がする。
- この魔法を使うためには、「どこへ」「どうしても」「どういう意図で」という3D[10]を強く意識する必要がある。
- 難易度の高い術で、失敗した場合、身体が「ばらける[11]」こともある。そのため、魔法省には「姿現わし」を指導する教官が存在しており、試験を合格した魔法使い以外はこの術を使ってはならないと定められている。なお、試験を受験できるのは17歳以上であり、そのため未成年者は術を行使できないが、術を行使できる魔法使いに掴まることで「付き添い姿現わし/付き添い姿くらまし」をすることは可能。
- この術を無効化する呪文も存在し、第5巻でアルバス・ダンブルドアは「姿くらまし防止呪文」で死喰い人を拘束し、逃走を阻止した。またホグワーツ城の敷地内では「姿現わし」も「姿くらまし」も使えないようになっている。
- 屋敷しもべ妖精もこの術を使うことができる。ただし、屋敷しもべ妖精の魔法は魔法使いの魔法とは異なるため、ホグワーツ城内でも「姿現わし/姿くらまし」ができる。
- 移動キー/ポートキー(Portkey)
- 瞬間移動ができる魔法。移動キーに触れることで移動できる。「ポータス」(Portus) という呪文によって移動キーを作成。定められた時間に、定められた場所に到着できるようにすることが一般的。キー(鍵)になる物体は、何でも良い。姿あらわし/姿くらましよりも安全性が高く、複数人が同時に移動でき、かつ未成年者でも合法的に利用可能。
- 目くらまし術(Disillusion)
- 対象を周囲の質感・色彩に同化させる魔法。保護色と同様の効果が得られる呪文であり、ハリーは初めてこの魔法をかけられた際に「人間カメレオンになったようだ」と述べている[12]。
- この術を行使された者は、身体に冷たいものが流れるような感覚を覚える。一方で術を解除されたときは、身体に熱いものが流れるような感覚を覚える。
- 天馬やヒッポグリフなど、一部の魔法生物は飼う際にこの魔法をかける義務がある。
- 憂いの篩/ペンシーブ(Pensieve)
- 4巻で初登場。浅い石製の盆で、外縁にはルーン文字などが彫られている。中は光を放つ銀白色の物質(気体の様でもあり、液体の様でもある)で満たされている。こめかみに杖をあてると、その人物の「記憶」を糸状にして放出できる。「記憶」は瓶に保存でき、憂いの篩の中に入れることで、「記憶」を見ることができる。
- 盆に顔を近づけて覗き込むと、「記憶」の中に入り込んだように追体験できる。顔を近づけなくても、杖で憂いの篩をつつくと、「記憶」の中の人物が浮かび上がってくる。
- 悪霊の火(Fiendfire)
- 呪われた火。キメラやドラゴンなどに形状を変え、意思を持っているかのように襲いかかる。
- 分霊箱を破壊することができるほど強力な炎だが、その分制御は難しく、実際に第7巻でこの魔法を行使したビンセント・クラッブ[13]はこの魔法を制御できずに焼死している。
- なお、映画では小説に先駆けて『不死鳥の騎士団』で登場した。魔法省神秘部において、ヴォルデモートがダンブルドアに対して使用したが、このとき炎はバジリスクに形状を変えていた。
[編集] 「忍びの地図」関連
ホグワーツ魔法魔術学校の地図・「忍びの地図」に関連する呪文。
- われ、ここに誓う。われ、よからぬことをたくらむ者なり(I solemnly swear that I am up to no good.)
- 忍びの地図を使うときに唱える。映画では前半が省略され、「われ、よからぬことをたくらむ者なり」と短縮されている。
- いたずら完了!(Mischief managed!)
- 忍びの地図を使った後、地図を羊皮紙に戻す呪文。
- ディセンディウム(Dissendium)(降下)
- ホグワーツ城からハニーデュークスへの抜け道を開くために必要な呪文。ホグワーツ城4階の「隻眼の魔女」の石像に向かってこの呪文を唱えると、隠されていた抜け道が出現する。
- 映画では「分解せよ」と訳されており、『死の秘宝 PART1』ではスリザリンのロケットを破壊しようとして使用されたが、ロケットに傷を与えることはできなかった。
[編集] 「半純血のプリンス」関連
「半純血のプリンス」ことセブルス・スネイプが開発した呪文。
- セクタムセンプラ(Sectumsempra)(切り裂け)
- 対象人物の身体を切り裂くことができる。「切り裂く」という効果には2種類あり、呪文が命中した箇所が切り傷になる場合[14]と、呪文が命中した身体の部位を切り離す場合[15]がある。切り裂かれた箇所から血が噴出する為、放置してそのまま出血死に追い込むことも可能。
- ルーピン曰く、この呪文は昔からスネイプの十八番だったらしい。
- マフリアート(Muffliato)(耳塞ぎ)
- 周囲の人に謎の雑音を聞かせ、会話が盗み聞きされないようにする。
- ラングロック(Langlock)(舌縛り)
- 舌を口蓋に貼り付ける。
- レビコーパス(Levicorpus)(身体浮上)
- 対象人物の踝を見えない力で吊り上げて、強制的に空中に浮かせる。反対呪文は「リベラコーパス(Liberacorpus)」(身体自由)。
- ハーマイオニーは、クィディッチ・ワールドカップのときに死喰い人がマグルを空中で回転させていた呪文はこの呪文と同一のものと考えている。
- 小説では第6巻で初めて登場するが、映画『不死鳥の騎士団』ではルーナ・ラブグッドがこの呪文を使用している[16]。
[編集] 関連作品の呪文
[編集] 映画オリジナル
- アセンディオ(Ascendio)(昇れ)
- 『炎のゴブレット』で登場。第二の課題で、ハリーは湖から脱出するためにこの呪文を使用し、自身の身体を浮上させた。
- アラーニア・エグズメイ(Arania Exumai)(蜘蛛よ、去れ)
- 『秘密の部屋』で登場。杖先から白い光を出し、蜘蛛を吹き飛ばす呪文。
- アレスト・モメンタム(Aresto momentum)(動きよ、止まれ)
- 『アズカバンの囚人』で初登場。ダンブルドアが、吸魂鬼に襲われて箒から落下するハリーに対して使用した。
- 後に『死の秘宝 PART2』でハーマイオニーも使用した。
- イモビラス(Immobulus)(動くな)
- 『秘密の部屋』で登場。闇の魔術に対する防衛術の授業でハーマイオニーが使用し、ピクシー妖精の動きを止めた。
- ヴァルネラ・サネントゥール(Vulnera Sanentur)(傷よ、癒えよ)
- 『謎のプリンス』で登場。スネイプが、セクタムセンプラの呪文で負傷したドラコに対して使用し、傷はおろか、流れ出た血や破れた服まで元通りにした。
- 小説では「歌うような呪文」という記述があるが、呪文名は登場していない。
- ヴィペラ・イヴァネスカ(Vipara Evanesca)(蛇よ、消えよ)
- 『秘密の部屋』で登場。決闘クラブでドラコが出現させた蛇を、スネイプはこの呪文を唱えて、燃やすような形で退治した。
- エヴァーテ・スタティム(Everte Statum)(宙を踊れ)
- 『秘密の部屋』で登場。決闘クラブでドラコがハリーに対して使用し、ハリーを吹き飛ばした。
- オキュラス・レパロ(Oculus Reparo)(眼鏡よ、直れ)
- 『賢者の石』で登場。ハーマイオニーが初対面のハリーの眼鏡が壊れているのに気づき、この呪文を唱えて眼鏡を直した。
- システム・アペーリオ(Cistem Aperio)(箱よ、開け)
- 『秘密の部屋』で登場。「リドルの日記」に登場した過去の記憶の中で、アラゴグを隠してあった箱を開けるためにリドルが使用した。
- ディミヌエンド(Diminuendo)(縮め)
- 『不死鳥の騎士団』で登場。ナイジェルが死喰い人の模型人形に向かってこの呪文を使用し、人形を小さくした。
- パーティス・テンポラス(Partis Temporus)(道を開けよ)
- 『謎のプリンス』で登場。ダンブルドアが亡者を追い払う為に炎を出したが、その炎が道を塞いでしまったため、この呪文を唱えて炎をどかし、再び道を作った。
- ハーモニア・ネクテレ・パサス(Harmonia Nectere Passus)(そのもとに還れ)
- 『謎のプリンス』で登場。「姿をくらますキャビネット」に入れた物を、対になっているキャビネットへ送る呪文。
- フィアント・デューリ(Fianto Duri)
- 『死の秘宝 PART2』で登場。スラグホーン、モリー、フリットウィックが、ホグワーツ城防衛のために使用した呪文。
- フェラベルト(VeraVerto)(杯になれ)
- 『秘密の部屋』で登場。変身術の授業で、ロンがスキャバーズをゴブレットに変えようとしてこの呪文を唱えたが、杖が折れていたため中途半端な姿になった。
- プロテゴ・マキシマ(Protego Maxima)(最大の防御)
- 『死の秘宝 PART2』で登場。スラグホーン、モリー、フリットウィックが、ホグワーツ城防衛のために使用した呪文。
- ペリキュラム(Periculum)(救出せよ)
- 『炎のゴブレット』で登場。第三の課題でハリーがフラー・デラクールを救出するためにこの呪文を使用して杖先から赤い火花を打ち上げた。
- ボンバーダ(Bombarda)(砕けよ)
- 『アズカバンの囚人』で登場。シリウスを閉じ込めている牢を破壊するためにハーマイオニーが使用した呪文。
- ボンバーダ・マキシマ(Bombarda Maxima)(完全粉砕せよ)
- 『不死鳥の騎士団』で登場。ドローレス・アンブリッジが「必要の部屋」に侵入しようとして使用した。
- ラカーナム・インフラマーレイ(Lacarnum Inflamarae)
- 『賢者の石』で登場。ハーマイオニーがクィディッチの試合の際、スネイプの気を逸らす為、この呪文を唱えてローブの裾を炎上させた。
- 小説では「杖から明るいブルーの炎が飛び出し」という記述があるが、呪文名は登場していない。また悪魔の罠を退治する際にもこの呪文を使っている[17]。
- リクタスセンプラ(Rictusempra)(宙を舞え)
- 『秘密の部屋』で登場。決闘クラブでハリーが使用し、ドラコを回転させながら吹き飛ばした。
- ルーマス・ソレム(Lumus Solarum)
- 『賢者の石』で登場。ハーマイオニーは、この呪文を唱えて日光を出現させ、悪魔の罠を退治した。
- レペロ・イニミカム(Repello Inimicum)(敵をよけよ)
- 『死の秘宝 PART2』で登場。スラグホーン、モリー、フリットウィックが、ホグワーツ城防衛のために使用した呪文。
[編集] ゲームオリジナル
- アビフォース(Avifors)
- PS1『賢者の石』、PS2及びGC『秘密の部屋』で登場。物を一時的に鳥に変える。
- ヴェーディミリアス
- PS『賢者の石』『秘密の部屋』で登場。足場を出現させたり、隠し通路を通れるようになる。一定時間が経過すると呪文の効果が消える。
- グレイシアス(氷河となれ)
- PS2及びGC『アズカバンの囚人』で登場。水を凍らせることができるが、ゲーム中ではハーマイオニーしか使用できない。
- スポンジファイ(Spongify)(衰えよ)
- PS2及びGC『賢者の石』、PC『秘密の部屋』で登場。PCでは特定の床に使用すると、その床に跳び乗ることで、普段より高く跳ぶことができる。
- フリペンド(huripent)
- 全作品に登場する攻撃呪文。壷などを破壊することができる。
[編集] 失敗例
- お陽さま、雛菊、溶ろけたバター。デブで間抜けなねずみを黄色に変えよ
- フレッドがロンに教えたインチキ呪文。1巻でロンがこの呪文でスキャバーズを黄色くして見せようとしたが失敗に終わり、ハーマイオニーに馬鹿にされる。
- ペスキピクシペステルノミ(ピクシー虫よ去れ)
- 2巻でギルデロイ・ロックハートが使用。「闇の魔術に対する防衛術」の時間、部屋を飛び回るピクシーに対して使用したが何の効果も表れず、直後ロックハートはピクシーに杖を奪われてしまった。
- 兎の目、ハープの音色、この水をラム酒に変えよ(Eye of rabbit, harp string hum. Turn this water into rum.)
- 映画「賢者の石」で、シェーマスが水をラム酒に変えようと使った呪文。最初は紅茶に変わり、2回目は爆発した。紅茶に変わったので効果が全くないわけでは無いらしい。
- ウィンガード・レビオーサ(Wingerd Leviosa)
- 映画「賢者の石」で、シェーマスが呪文学の時に使用。浮遊呪文「ウィンガーディアム・レビオーサ」を言い間違えたものであり、唱えると、対象物が爆破する。
[編集] 脚注
- ^ 『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』、クリストファー・ベルトン著、コスモピア、2006年発行、p.239
- ^ J・K・ローリング公式HP(日本語版)そのほかのこと>その他>呪文の定義
- ^ J・K・ローリング公式HP(英語テキスト版)Extra Stuff>Miscellaneous>Spell Definitions
- ^ 『幻の動物とその生息地』によればレシフォールドという魔法生物を追い払うことも可能。
- ^ 作中ではニンファドーラ・トンクスが該当する。
- ^ 主に杖。
- ^ 第4巻では三大魔法学校対抗試合の選手を選ぶゴブレットが錯乱させられた。
- ^ この呪文で死亡したトム・リドル・シニア一家を検死したマグルの医師団は「死亡していること以外は、健康な状態と全く変わらない」と報告している。
- ^ しかし、直前まで自分の屋敷しもべ妖精だったドビーに妨害されて失敗、逃走している。
- ^ 原書では「Destination,Determination,Deliberation」。
- ^ 術を行使した際、身体の一部がその場に残ってしまうこと。原書では「splinch」と表記されるが、これは作者の造語である。
- ^ 第5巻第3章。
- ^ 映画ではグレゴリー・ゴイル。
- ^ 第5巻第28章で、この呪文が命中したジェームス・ポッターの頬がぱっくりと割れた。
- ^ 第7巻第5章で、この呪文が命中したジョージ・ウィーズリーは片耳を失った。
- ^ 映画では「浮上せよ」と訳された。
- ^ 第1巻第16章で、「スネイプにしかけたのと同じリンドウ色の炎が植物めがけて噴射した」という記述がある。
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