死喰い人

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死喰い人(しくいびと、Death Eaters)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の集団である。映画版の翻訳では英語読みであるデスイーターが使われている。

概要[編集]

ヴォルデモートの思想に賛同し、彼に忠誠を誓った闇の魔法使い魔女を指す。

純血主義を標榜し、メンバーの多くは純血且つスリザリン寮出身である。ただし作者によればマグル生まれのメンバーも少数ながらいる模様で、そもそもヴォルデモートも純血ではない。

死喰い人になることは優れた闇の魔法使いになったことを意味する。そのため死喰い人に憧れる者もいるが、その暴力的な活動内容から純血主義者の全てから支持を得ているわけではない。

なお、死喰い人を全員把握しているのはヴォルデモートのみである。これは検挙されて仲間を売る死喰い人が出た場合に全滅することを避けるためである(イゴール・カルカロフの件で手段が正しいと認められた)。

闇の印[編集]

「闇の印」は、ヴォルデモート一派の印である。マークは、口から蛇が出ているドクロ。

ヴォルデモート一派は反対勢力に対する破壊活動を行う際、「モースモードル(闇の印を)」と呪文を唱え、上空に闇の印を打ち上げる(例えば民家を襲った場合、襲われた家の上空に印が打ち上げられている)。この印はヴォルデモート一派しか作り方を知らず、ヴォルデモートと並び民衆の恐怖の象徴である。

死喰い人は全員、左の前腕に闇の印を刻まれている。ヴォルデモートが一人の印に触れると全員の印が黒く変色して熱くなる(これがヴォルデモートによる招集の合図である)。印は消すことができず、また印の変色・発熱は痛みを伴わないが、直接ヴォルデモートから印に触れられた場合は苦痛が伴う(ピーター・ペティグリューは触られることを拒んでいた)。

なお、ハーマイオニー・グレンジャーは、死喰い人の招集方法にヒントを得て、ダンブルドア軍団の集合時間を知らせる方法を編み出している。

メンバー[編集]

主要メンバー[編集]

ルシウス・マルフォイ[編集]

死喰い人のリーダー格。ホグワーツの理事を務めていた。アーサー・ウィーズリーとは犬猿の仲。純血の名家・マルフォイ家の当主で、高い財力を背景に、魔法大臣に意見するほどの権力を有する。

ドラコ・マルフォイ[編集]

ルシウスの長男。小説では死喰い人と明言されていないが、第6巻以降ヴォルデモートから任務を与えられており、行動は死喰い人そのものである(映画では左腕に闇の印が刻まれている)。ハリーとはとても仲が悪い。

セブルス・スネイプ[編集]

ホグワーツ魔法魔術学校の教師。不死鳥の騎士団と死喰い人の二重スパイだったが、実際はダンブルドアの味方だった。

ピーター・ペティグリュー[編集]

ジェームズ・ポッターシリウス・ブラックリーマス・ルーピンの元学友。ジェームズを裏切ってヴォルデモートに密通した。

バーテミウス・クラウチ・ジュニア[編集]

バーテミウス・クラウチ・シニアの息子。ベラトリックスらと共にネビル・ロングボトムの両親を拷問の末、廃人にした罪でアズカバンに投獄されるが、母と入れ替わって脱獄する。第4巻でムーディに成りすまし、ヴォルデモートの復活に貢献する。

ベラトリックス・レストレンジ[編集]

シリウスの従姉。ネビル・ロングボトムの両親を拷問の末、廃人にした罪でアズカバンに投獄されるが、第5巻で脱獄する。ナルシッサとアンドロメダの3人姉妹で長女。シリウスを殺害した張本人。


その他[編集]

エバン・ロジエール[編集]

純血の名家・ロジエール家出身の死喰い人。ベラトリックスの母方の親戚に当たる。

ヴォルデモートの失墜する前年、闇祓いアラスター・ムーディによって殺害された(死に際の抵抗でアラスターの鼻の一部を削いだことが、後にアラスターから語られている)。

ウィルクス[編集]

ヴォルデモートの失墜する前年に闇祓いに殺された。

イゴール・カルカロフ[編集]

ダームストラング専門学校の校長。以前アズカバンに収監されていたが、魔法省と取引をし、釈放された。

レギュラス・ブラック[編集]

シリウス・ブラックの弟。R.A.Bの正体。

ロドルファス・レストレンジ[編集]

純血の名家・レストレンジの出身。ベラトリックス・レストレンジの夫であり、ラバスタン・レストレンジの兄。 ロドルファスは痩せており、神経質そうな魔法使い。初登場は四巻でハリーが憂いの篩を覗いたダンブルドアの記憶であり、大法廷で妻、弟、クラウチと伴に終身刑を言い渡されていた。

ヴォルデモートの消滅後、他の死喰い人達が相次いで闇の陣営を去る中彼を探し続け、その際ネビルの両親を拷問して廃人にした罪で先述したようにアズカバンに収監される。このことからヴォルデモートには高く評価されており、復活した直後には最高の栄誉を与えると宣言されている。第5巻でヴォルデモートの手引きによって脱獄。神秘部の戦いに参加したが、アルバス・ダンブルドアに捕らえられ、兄弟共にアズカバンへ再収監となった(ベラトリックスはヴォルデモートと共に逃亡したため捕まっていなかった)。

第7巻でアズカバンを再脱獄。その後、ロドルファスは七人のポッター作戦の襲撃に参加して、負傷したことが明かされているが、それ以降の消息は不明。 ヴォルデモートからは分霊箱の守護を任されるほどの信用を得ており、7巻ではレストレンジ家の金庫が登場。数多くの財宝を所持していた。

ラバスタン・レストレンジ[編集]

ロドルファスの弟。がっちりした魔法使い。初登場は四巻でハリーが憂いの篩を覗いたダンブルドアの記憶であり、大法廷で兄、義姉、クラウチと伴に終身刑を言い渡されていた。

ヴォルデモートの消滅後、他の死喰い人達が相次いで闇の陣営を去る中彼を探し続け、その際ネビルの両親を拷問して廃人にした罪で先述したようにアズカバンに収監される。このことからヴォルデモートには高く評価されており、復活した直後には最高の栄誉を与えると宣言されている。第5巻でヴォルデモートの手引きによって脱獄。神秘部の戦いに参加したが、アルバス・ダンブルドアに捕らえられ、兄弟共にアズカバンへ再収監となった。

アントニン・ドロホフ[編集]

死喰い人の最古参の1人。プルウェット家の兄弟(ギデオンとフェービアン)を殺害した罪でアズカバンに収監されていた死喰い人。顔はひん曲がっていて色黒。第5巻でアズカバンを脱獄、神秘部の戦いでアラスター・ムーディを倒すも、ダンブルドアに捕らえられ、アズカバンに再収監となった。第7巻でアズカバンを再脱獄、ホグワーツの戦いでリーマス・ルーピンを殺害するが、フィリウス・フリットウィックに敗れた。死喰い人の中でも戦闘に秀でているようで、杖を鞭のように振るい、紫の炎を出して相手に致命傷を与えるという特殊な魔法を披露している。

映画ではアーベン・バジラクタラジが演じていた。日本語版の吹き替えは山口りゅうが担当した。

ワルデン・マクネア[編集]

魔法省危険動物処理委員会の死刑執行人。がっちりとして大柄で、細く黒い口ひげを生やしている。第3巻でバックビークに死刑を執行すべくホグワーツを訪れたが、バックビークが脱出したため失敗に終わる。第5巻では巨人の居住地に赴いているのをルビウス・ハグリッドらに目撃されている(ハグリッドはマクネアのことを「殺人鬼」と評していた。)。その後、神秘部の戦いに参加するがダンブルドアに捕らえられ、アズカバンに収監される。第7巻で脱獄、ホグワーツの戦いに参加するが、ルビウス・ハグリッドに投げられ、そのまま壁にぶつかって意識を失う。

オーガスタス・ルックウッド[編集]

魔法省の元職員。青白い痘痕面。神秘部に勤務し、魔法省の内部からヴォルデモートに情報を流していたが、カルカロフの告発に遭い、アズカバンに収監される。第5巻で脱獄し、神秘部に保管されていた「予言」の情報をヴォルデモートに与える。神秘部の戦いにも参加するがダンブルドアに捕らえられ、アズカバンに再収監となる。第7巻で再脱獄し、ホグワーツの戦いに参加するが、アバーフォース・ダンブルドアに敗れた。ルード・バグマンの父とは古い親友で、その関係から若い頃のバグマンを騙し、情報集めに利用していた。

マルシベール[編集]

「服従の呪文」に長けた死喰い人。第5巻でアズカバンを脱獄、神秘部の戦いに参加するが、ダンブルドアに捕らえられてアズカバンに再収監となった。スリザリン寮出身で、同寮のスネイプとも交流があった。学生時代から他の学生に闇の魔術を使用しており、スネイプとリリー・エバンズの間に亀裂を生じさせる一因になった。

ヤックスリー[編集]

純血の名家・ヤックスリー家出身の死喰い人。長身で顔は厳つい。 第6巻でホグワーツを襲撃した死喰い人の1人。スネイプがダンブルドアを殺害した後、逃亡を図るがハリーに凍結呪文をかけられた。しかし何とか逃げおおせたようで、第7巻ではパイアス・シックネスを服従させ、シックネスがルーファス・スクリムジョールの後任として魔法大臣になると、魔法法執行部部長に就任していた。 その後、ホグワーツの戦いに参加。ジョージ・ウィーズリーリー・ジョーダンと戦うが敗れた。 映画ではピーター・マランが演じていた。日本語版の吹き替えは廣田行生が担当した。映画では出番が削られており、ホグワーツ襲撃やホグワーツの戦いには不参加となっていた。

アミカス・カロー[編集]

アレクトの兄。妹同様ずんぐりとしていて、目が小さく青白い。第6巻で他の死喰い人と共にホグワーツを襲撃する。第7巻では兄妹でホグワーツ魔法魔術学校の教師に就任し、アミカスは「闇の魔術に対する防衛術」、アレクトは「マグル学」を担当した。同時に規律係も務めているが、「磔の魔法」で体罰を行う残酷さから「ドローレス・アンブリッジすらカロー兄妹に比べればかわいいもの」と言わしめた。第7巻では、レイブンクロー寮にアレクトの闇の印の連絡を受け駆けつけるもののマクゴナガルを侮辱したことによってハリーの怒りを買い磔の呪いをかけられ、兄妹揃ってミネルバ・マクゴナガルに拘束される。その後の消息は不明(映画『死の秘宝 PART2』では、スネイプとマクゴナガルが決闘した際、マクゴナガルの魔法の流れ弾を喰らって気絶した描写がある)。映画ではアミカスをラルフ・アイネソンが演じている。

アレクト・カロー[編集]

アミカスの妹。兄同様ずんぐりとした体型。第6巻で他の死喰い人と共にホグワーツを襲撃する。第7巻では兄妹でホグワーツ魔法魔術学校の教師に就任し、「マグル学」を担当、マグルを蔑視した教育を行った。同時に規律係も務め、「磔の魔法」で体罰を行った。第7巻の後半、レイブンクロー寮に侵入したハリーを発見し、闇の印を使ってヴォルデモート一派に連絡するが、直後にルーナ・ラブグッドに失神させられる。その後、兄と共にマクゴナガルによって拘束された。映画ではスザンヌ・トースが演じている。原作ではアレクトがドラコにダンブルドアを殺害するよう迫る場面があるが、映画ではベラトリックスがその役目を務めている。

ソーフィン・ロウル[編集]

短いブロンドでかなりの巨漢。第6巻でホグワーツを襲撃した死喰い人の1人。ハリーたちと交戦するが、このとき相当量の魔力が必要となる死の呪いを乱射している(作中で死の呪いを乱射したのはヴォルデモートとロウルのみ)。またホグワーツの戦いでは、捕縛した半巨人であるハグリッドを杖の一振りで黙らせており、死喰い人の中では上位の実力者と推測される。映画ではロッド・ハントが演じていた。

ギボン[編集]

第6巻でホグワーツを襲撃した死喰い人の1人で、天文台の上空に闇の印を打ち上げた。ハリーたちと交戦中、ロウルが唱えた死の呪いが当たってしまい死亡した。

映画版では登場せず、闇の印を打ち上げる役目はベラトリックスが務めていた。

クラッブ、ゴイル、ノット[編集]

それぞれ、ビンセント・クラッブグレゴリー・ゴイルセオドール・ノットの父親。クラッブとノットは神秘部の戦いに参加するがダンブルドアに捕らえられ、アズカバンに収監された。

エイブリー、ジャグソン[編集]

神秘部の戦いに参加するが、ダンブルドアに捕らえられ、アズカバンに収監された。エイブリーは学生時代にスネイプと交流があった。

トラバース、セルウィン[編集]

マッキノン一家の殺害に協力した死喰い人。第7巻後半でゼノフィリウス・ラブグッドから連絡を受け、ラブグッド邸を訪れてハリーを捕らえようとした。

トラバースはその後、ダイアゴン横丁で変装したハリーたちと遭遇する。ポリジュース薬でベラトリックスに変身していたハーマイオニーと共にグリンゴッツ銀行に向かうが、銀行で透明マントで姿を隠していたハリーに服従の呪文をかけられ、グリンゴッツ銀行の地下洞窟に置き去りにされる。ホグワーツ最終決戦にも死喰い人として参戦しパーバティ・パチルと交戦するが、その後の消息は不明。

関係者[編集]

フェンリール・グレイバック[編集]

現存する狼人間の中で最も残酷といわれる男。死喰い人のローブを纏うことを許されているが、腕に闇の印が刻まれていないため、正式な死喰い人ではない。