ヌルハチウス

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ヌルハチウス
生息年代: 120 Ma
ヌルハチウスのイメージ図
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
約1億200万年前
中生代白亜紀前期
バーレム階- アプト階
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
階級なし : (未整理[1]主竜類 Archosaurs
(未整理)鳥頸類 Ornithodira
: 翼竜目 Pterosauria
亜目 : 翼指竜亜目 Pterodactyloidea
: イスティオダクティルス科 Istiodactylidae
: ヌルハチウス属
Nurhachius
学名
Nurhachius Wang et al, 2005
和名
ヌルハチウス
下位分類群(
  • ヌルハチウス・イグナキオブリトイ
    N. ignaciobritoi Wang et al, 2005 (模式種)

ヌルハチウスNurhachius)またはヌルハキウスは、中生代白亜紀前期に生息していた翼竜の一種。現在の中華人民共和国遼寧省より発見された。属名はの初代皇帝ヌルハチに由来する。大きさは翼開長2.4-2.5mほどと推測される。


概要[編集]

イスティオダクティルス類の頭蓋。Cがヌルハチウス。: A) Istiodactylus latidens (NHMUK R3877) (B) Istiodactylus sinensis (NGMC 99-07-11) and (C) Nurhachius ignaciobritoi (IVPP V-13288)

記載[編集]

発掘地は中華人民共和国の遼寧省朝陽市にある、前期白亜紀、バレミアン(バーレム期)からアプチアン(アプト期)の地層。不完全な頭蓋と骨格により記載された。ホロタイプ標本はIVPP V-13288。

解剖学的特徴[編集]

頭蓋の長さは315mmほどであり、完全な状態でも330mmほどであったと思われる。 鼻前眼窩窓(nasoantorbital fenestra)[2]が特に大きく、頭蓋長の約58%を占める。全体的に、イギリスの同時代の地層で発掘されたイスティオダクティルスIstiodactylus)に似るが、頭蓋の高さが小さく、頬骨jugal)などにも違いがみられる。またよく湾曲した歯が顎の先端に並ぶ。歯の数は上顎に28、下顎に26。

体幹の骨格は、頸椎や肋骨などいくつかの部分を除いてよく見つかっている。

注釈[編集]

  1. ^ 分類学上、現在のところ未整理の階級。階級未定の分類群。以下同様。
  2. ^ 翼竜では外鼻孔(naris)と前眼窩窓(antorbital fenestra)が二次的に一体化し、鼻前眼窩窓(nasoantorbital fenestra)となる。

参考文献[編集]

Xiaolin Wang, Kellner, A.W.A., Zhou Zhonghe, and de Almeida Campos, D. (2005). Pterosaur diversity and faunal turnover in Cretaceous terrestrial ecosystems in China. Nature 437:875-879.</