ドノヴァン
ドノヴァン | |
---|---|
USA・ワシントンD.C.公演(2007年8月) | |
基本情報 | |
原語名 | Donovan |
出生名 | Donovan Phillips Leitch |
生誕 | |
ジャンル | |
職業 | |
担当楽器 | |
活動期間 | 1964年 - |
レーベル | |
配偶者 |
リンダ・ローレンス (結婚 1970年) |
公式サイト | Official website |
ドノヴァン・フィリップス・レイッチ(Donovan Philips Leitch、1946年5月10日 - )は、スコットランド出身のシンガーソングライター[4]。ボブ・ディランらと共に代表する、フォークロックの草創期から活動するアーティストの1人。通称「ドノヴァン」[注 1] (Donovan) として知られる。
2012年『ロックの殿堂』入り[5]、および2014年『ソングライターの殿堂』入り[6]。
来歴
[編集]スコットランド、グラスゴーのメリーヒルで生まれる。彼は幼少時にポリオに感染したが、幸いにも後遺症は残らなかった。1956年に一家はイングランドのハットフィールドに転居する。家族はスコットランドやイングランドのフォーク・ミュージックを愛し、その影響を受けた彼は14歳でギターを始める。学校を卒業後、彼は長年の友人ジプシー・デイヴと共にイギリスの周りを数年間、フォークソングを演奏しながら旅行した。
1965年、デビューシングルの「Catch the Wind」が全英シングルチャートで4位、ビルボード・Hot 100で23位を記録した。 いくつかのテレビ番組出演後、彼の成功はイギリス国内に限られたものであった。エピック・レコードと契約し、プロデューサーのミッキー・モストと組むようになって彼はフォーク、ジャズ、ポップ、サイケデリック、そしてワールド・ミュージックを混合したスタイルで成功を得た。
1966年、「Sunshine Superman」が全米1位、「Mellow Yellow」が全米2位を記録した。1968年の「幻のアトランティス」は当時のニューエイジ思想の浸透に支えられ、全米7位を記録するほか[7][8]、スイス、オランダ、ニュージーランドで1位を記録した。
当時のドノヴァンのバンドにはレッド・ツェッペリン結成前のジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムやジェフ・ベック、エンジニアにはエディ・クレイマーなどが参加していた。
彼はビートルズとも親交を深め、ポール・マッカートニーの作詞に協力したりジョン・レノンにギター・テクニックを伝授して[9]、彼らとコラボレーションを行った僅かなアーティストの内の一人であった。さらに1968年には、ビートルズのメンバー、女優のミア・ファロー、ザ・ビーチ・ボーイズのマイク・ラヴと共にインドを訪問している[10]。
彼は1970年代から1980年代にかけて、シーンから乗り遅れ気味になったものの、カントリー・ミュージックなどを取り入れながら、コンサートやレコーディングを行った。しかし、グラム・ロックの要素を導入した『コズミック・ホイールズ』(1973年)を最後に、以後数十年にわたって全英アルバムチャートから遠ざかるようになった[11]。アメリカでも『Slow Down World』(1976年)を最後にチャート入りしなくなる[12]。
ドノヴァンは、その長い経歴の間に数度、公演やレコーディングから身を引いたが、1990年代にはリバイバル・ブームによってその人気をやや回復し、1996年に著名なプロデューサーであり、彼の長年のファンであったリック・ルービンと共にアルバム『スートラ〜教典』をリリースした。その後もコンスタントに活動しており、自主レーベル「Donovan Discs」を設立。2004年のアルバム『Beat Cafe』から作品リリースを開始している。
息子のドノヴァン・レイッチ・ジュニア、子女アイオン・スカイは、共に俳優として活動している。
ディスコグラフィ
[編集]- 詳細は en:Donovan discography を参照
スタジオ・アルバム
[編集]- 『ホワッツ・ビン・ディド・アンド・ホワッツ・ビン・ヒィド』 - What's Bin Did and What's Bin Hid [イギリス](1965年)
- 『キャッチ・ザ・ウィンド』 - Catch the Wind [アメリカ](1965年)
- 『ドノヴァン/話題のフォーク・シンガー』[日本](1965年)SL-1200-Y
- 『ドノヴァンのおとぎ話』 - Fairytale(1965年)PS-1321-Y
- 『サンシャイン・スーパーマン』 - Sunshine Superman(1966年)
- 『メロー・イエロー』 - Mellow Yellow [アメリカ](1967年)
- 『ドノヴァンの贈り物/夢の花園より』 - A Gift from a Flower to a Garden(1967年)※ダブルアルバム。アメリカでは当初、別々にリリース。
- Wear Your Love Like Heaven [アメリカ](1967年)
- For Little Ones [アメリカ](1967年)
- 『ハーディー・ガーディー・マン』 - The Hurdy Gurdy Man [アメリカ](1968年)
- 『バラバジャガ』 - Barabajagal [アメリカ](1969年)
- 『オープン・ロード』 - Open Road(1970年)
- H.M.S. Donovan(1971年)イギリス以外発売
- 『コズミック・ホイールズ』 - Cosmic Wheels(1973年)
- 『エッセンス』 - Essence to Essence(1973年)
- 『セブンティーズ』 - 7-Tease(1974年)
- Slow Down World(1976年)日本未発売
- 『旅立ち』 - Donovan(1977年)
- Neutronica [フランス](1980年)日本未発売
- Love Is Only Feeling(1981年)日本未発売
- Lady of the Stars(1984年)(別名 Sunshine Superman〈1994, 1997〉, Till I See You Again, Forever Gold, Golden Tracks)日本未発売
- One Night in Time(1993年)日本未発売 ※カセットのみでアルバムをリリース。
- The Children of Lir(1994年)日本未発売
- 『スートラ〜教典』 - Sutras (1996)
- Pied Piper(2002年)
- Sixty Four(2004年)
- Brother Sun, Sister Moon(2004年)
- Beat Cafe(2004年)
- Brother Sun, Sister Moon(2005年)※iTunes Store限定リリース
- Ritual Groove(2010年)
- Shadows of Blue(2013年)
- Lunarian(2021年)
- Gaelia(2022年)
ライブ・アルバム
[編集]- 『イン・コンサート』 - Donovan in Concert(1968年)
- 『ライヴ・イン・ジャパン: スプリング・ツアー・1973』 - Live in Japan: Spring Tour 1973 [日本](1974年)
- Rising [イギリス](1990年)日本未発売
- The Classics Live [アメリカ](1990年)日本未発売
- 25 Years in Concert [オランダ](1990年)日本未発売
- 『ライジング・アゲイン』 - Rising Again(2001年)
- Greatest Hits Live: Vancouver 1986(2001年)
コンピレーション・アルバム
[編集]- 『グレイテスト・ヒッツ』 - Donovan's Greatest Hits(1969年)
- The Best of Donovan(1969年)
- 『ドノバンのすべて』 - All About Donovan(1970年)
- Sunshine Superman - The Very Best of Donovan(2002年)
著作
[編集]『ハーディ・ガーディ・マン』ドノヴァン著 渚十吾監修 池田耀子訳 工作舎 2008年 ISBN 978-4-87502-412-5
関連項目
[編集]- ブラザー・サン シスター・ムーン - 1972年の映画(音楽を担当)。
- 加藤和彦 - 彼の曲のカバーをすることもあったことから「トノバン」との別名があった。
- 仲井戸麗市 - ステージ・ネームの「麗市」はレイッチからとった。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「ドノバン」の表記もある。
出典
[編集]- ^ Young, Amy (15 March 2021). "'60s Folk Icon Donovan Releases Unheard Songs Featuring Legendary Guitarist Nils Lofgren". Phoenix New Times. 2024年9月20日閲覧。
- ^ a b Gaydos, Steven (2 December 2022). "Donovan Dives Into the Ancient Roots of His New Album, 'Gaelia,' and Why He Still Believes Music Can Save the World". Variety. Penske Media Corporation. 2024年9月20日閲覧。
- ^ "Donovan Celebrates 40 Years of Being Mellow Yellow". IGN. 17 November 2005. 2024年9月20日閲覧。
- ^ Vivarelli, Nick (19 May 2024). "Donovan Talks Celebrating His Soundtrack for Franco Zeffirelli's 'Brother Sun, Sister Moon' With Italy's President and Franciscan Monks (EXCLUSIVE)". Variety. Penske Media Corporation. 2024年9月20日閲覧。
- ^ Donovan: inducted in 2012 | The Rock and Roll Hall of Fame and Museum - 2015年3月22日閲覧
- ^ Songwriters Hall of Fame Taps Ray Davies, Donovan for Class of 2014 | Billboard - 2015年3月22日閲覧
- ^ “The Hot 100 - Week of May 24, 1969”. Billboard. 2022年4月21日閲覧。
- ^ “The Hot 100 - Week of May 31, 1969”. Billboard. 2022年4月21日閲覧。
- ^ Donovan offers world's most exclusive songwriting course – in Bahamian paradise - News - Music - The Independent - 2015年3月22日閲覧
- ^ 46 Years Ago: The Beatles Arrive In Rishikesh, India To Study With The Maharishi - ultimateclassicrock.com - 2015年3月22日閲覧
- ^ DONOVAN | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される - 2015年3月22日閲覧
- ^ “Donovan - Awards”. AllMusic. 2016年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月3日閲覧。