スートラ〜教典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スートラ〜教典
ドノヴァンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1994年 - 1996年[1]
カリフォルニア州ハリウッド Akademie Mathematique of Philosophical Sound Research[1]
カリフォルニア州ヴァン・ナイズ サウンド・シティ・スタジオ[1]
カリフォルニア州ロサンゼルス オーシャン・ウェイ・レコーディング[1]
ウェールズ モンマスシャー ロックフィールド・スタジオ[1]
ジャンル フォーク
時間
レーベル アメリカン・レコーディングス
プロデュース リック・ルービン
専門評論家によるレビュー
ドノヴァン アルバム 年表
Rising
(1990年)
スートラ〜教典
(1996年)
ライジング・アゲイン
(2001年)
テンプレートを表示

スートラ〜教典』(原題:Sutras)は、イギリスシンガーソングライタードノヴァン1996年に発表したスタジオ・アルバム。新曲によるアルバムとしては12年振りの作品に当たる[2]

背景[編集]

ドノヴァンはリック・ルービンの主宰するレーベル、アメリカン・レコーディングスとの契約を得て、ルービンのプロデュースにより2年以上かけて本作を完成させた[2]。ドノヴァンは1996年当時、「僕はリック・ルービンが同志だってことが分かったよ。彼の家を訪ねて書斎を見た時、僕が前の月に入手したばかりのニューエイジ系の本を、彼も読んでいたんだからね」と語っている[2]

本作のレコーディングには、ダニー・トンプソン(元ペンタングル)、スティーヴ・フェローン、ベンモント・テンチ(トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ)に加えて、デイヴ・ナヴァロジェーンズ・アディクションレッド・ホット・チリ・ペッパーズ)や、アメリカン・レコーディングス所属のジョニー・ポロンスキー英語版を含む若手ミュージシャンも参加した[3]。「黄金郷 (Eldorado)」は、エドガー・アラン・ポーの同名の詩を引用した曲で[4]ナイジェル・ケネディアレンジ及びヴァイオリン演奏で参加している[1]

反響・評価[編集]

セールス的には大きな成功に結びつかず、全英アルバムチャート入りもBillboard 200入りも逃す結果となった[5][6]

Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「彼の有名曲に見られたカラフルなサイケデリック・ポップ色を捨て去った代わりに、初期のレコードのアコースティック・フォーク色を押し出しており、ドノヴァンのソングライティングには少々ムラがあるとはいえ、温かみのあるパフォーマンスは、特に長年のファンにとって魅力的かつ歓迎に値するだろう」と評している[7]

収録曲[編集]

特記なき楽曲はドノヴァン作。アメリカ盤CDは14曲入りだが[8]、日本盤CD(FHCA-1001)には「ガーデン」が追加された。
なお、日本盤の日本語対訳歌詞、及び対訳タイトルは「王様」が担当しており、訳者のイメージ通りに「対訳歌詞でそのままメロディーに乗せて歌える」仕様になっている。

  1. 曲げないで - "Please Don't Bend " – 4:12
  2. 何もいらない - "Give It All Up " – 3:09
  3. 眠り - "Sleep " – 2:47
    • Fiona Macleodの"Blessing for the Soul's Release"からの引用を含む[1]
  4. 永遠に続く海 - "Everlasting Sea" – 3:32
  5. 気高いあなたの愛 - "High Your Love" – 2:30
    • 曲はサイババ・コミュニティのスピリチュアル・メロディにインスパイアされた[1]
  6. 澄んだ額の御方 - "The Clear-Browed One" – 3:18
  7. 道 - "The Way" – 2:14
  8. 深い平和 - "Deep Peace" – 3:10
  9. 涅槃 - "Nirvana" – 3:31
  10. 黄金郷 - "Eldorado" – 3:06
  11. 我がものに - "Be Mine" – 3:27
    • 『The Love Songs of Sappho』(訳:Paul Roche)からの引用を含む[1]
  12. 明かりの貴婦人 - "Lady of the Lamp" – 4:09
  13. 永遠の今 - "The Evernow" – 4:08
  14. 私は宇宙 - "Universe Am I" – 4:44
  15. ガーデン - "The Garden" – 2:51

参加ミュージシャン[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m CD英文ブックレット内クレジット
  2. ^ a b c Sinclair, Tom (1996年8月2日). “Donovan experiences a Resurgence in popularity”. Entertainment Weekly. 2015年3月22日閲覧。
  3. ^ Rosen, Craig (1996-08-31). “Rick Rubin, American Recordings aim to bring back Donovan”. Billboard 108 (35): 13-16.  Google Books参照
  4. ^ Willcoma. “Donovan - Sutras - Music Review”. Tiny Mix Tapes. 2015年3月22日閲覧。
  5. ^ DONOVAN | Official Charts Company - 「Albums」をクリックすれば表示される
  6. ^ Donovan | Awards | AllMusic
  7. ^ Sutras - Donovan | AllMusic - Review by Stephen Thomas Erlewine
  8. ^ Donovan - Sutras (CD, Album) at Discogs - アメリカ盤CDの情報