コキクガシラコウモリ

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コキクガシラコウモリ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: コウモリ目 Chiroptera
亜目 : コウモリ亜目 Microchiroptera
上科 : Rhinolophoidea
: キクガシラコウモリ科
Rhinolophidae
亜科 : キクガシラコウモリ亜科
Rhinolophinae
: キクガシラコウモリ属
Rhinolophus
: コキクガシラコウモリ R. cornutus
学名
Rhinolophus cornutus
Temminck, 1835
和名
コキクガシラコウモリ
英名
Little Japanese horseshoe bat
Least horseshoe bat

コキクガシラコウモリ(小菊頭蝙蝠、Rhinolophus cornutus)は、動物界脊索動物門哺乳綱コウモリ目(翼手目)キクガシラコウモリ科キクガシラコウモリ属に分類されるコウモリ。

分布[編集]

  • R. c. cornutus コキクガシラコウモリ

日本北海道本州四国九州固有亜種

  • R. c. orii オリイコキクガシラコウモリ

日本(奄美大島沖永良部島加計呂麻島徳之島)固有亜種

形態[編集]

頭胴長が3.5-4.8cm、尾長が1.6-2.6cm、前腕長3.6-4.4cm、体重が4.5-9gになる。下唇の裸出板は4つに分かれる。和名の通りキクガシラコウモリより体の大きさが2分の1ほどであり、小型である。体毛は淡い褐色になる。出産を経験した雌は、下腹部に1対の擬乳頭が肥大する。北の個体の方が大型であり、南へいくに従って小さくなるという地理的変異がある。

分類[編集]

  • Rhinolophus cornutus cornutus Temminck, 1835 コキクガシラコウモリ、ニホンコキクガシラコウモリ
  • Rhinolophus cornutus orii Kuroda, 1924 オリイオキクガシラコウモリ Orii's least horseshoe bat

生態[編集]

主に山地から里山に生息する。夜行性であり、昼間は100頭を越える大きな集団で洞窟や民家、廃坑、トンネル等を利用して休む。日没後及び日の出前に洞穴から出て採餌行動を行い、日の出前に洞穴へ帰ってくる。洞穴等から出る時は、出入り口付近で何度も出入りを繰り返す。その後は決まった経路を繰り返し飛びながら採餌する。食性は動物食で、主にガガンボや小型のなどの飛翔昆虫類を飛翔しながら捕食する。夜間には、ねぐらとは違う場所に数頭集まって休息場所とすることもある。

冬季になると洞窟等で冬眠する。冬眠期と繁殖期では温度など求める条件が異なるようであり、同一の洞穴で両方の条件を満たさない時は、条件の合う別の洞穴へ移動することが知られている。秋の繁殖期以外は雌雄がわかれて生活する傾向が強い。冬眠期には、雄は集団を作り11-13℃の場所で冬眠するが、多くの成獣の雌は単独で10℃以下の場所で冬眠する。

繁殖形態は胎生であり、繁殖期には妊娠した雌と雄に分かれて数百頭になる集団を形成する。6月に1頭の幼獣を産む。幼獣は約25日で飛翔できるようになる。哺育の初期には、幼獣が雌の下腹部にある擬乳頭をかんでしがみつく。

保護上の位置づけ[編集]

亜種 オリイコキクガシラコウモリ Rhinolophus cornutus orii 

開発による生息地の破壊や、ねぐらや冬眠場所である洞窟の減少等により生息数は減少している。

日本では1929年に西湖蝙蝠穴およびコウモリ、1938年岩泉湧窟及びコウモリとして、西湖蝙蝠穴と岩泉湧窟(竜泉洞)の個体が国の天然記念物に指定されている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、20、199頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館2002年、124頁。
  • 前田喜四雄 阿部 永 監修 『改訂2版 日本の哺乳類』 東海大学出版会、2008年、P31
  • 山本輝正 コウモリの会 編 『コウモリ識別ハンドブック』 文一総合出版、2005年、P16-17

外部リンク[編集]