クリーパー (Minecraft)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クリーパー
Minecraftシリーズのキャラクター
簡略化された顔
初登場2009年8月31日
初登場作品Minecraft(α版)
作者マルクス・ペルソン
キャラクターデザインバグ
属性敵性モブ
ファイトスタイル自爆
国籍(出身地)オーバーワールド
身長Java Editionでは1.7メートル Bedrock Editionでは1.8メートル
武器もたない
所属敵性モブ

クリーパー英語: Creeper)は、サンドボックスビデオゲームMinecraft」に登場する架空のキャラクターである。ゲーム内では敵性モブに分類され、プレイヤーに近づき自爆攻撃を仕掛ける。クリーパーは2009年8月31日のアップデートでアルファ版のMinecraft[注 1]に初めて登場した[1]

概要[編集]

クリーパーはMinecraftの開発中、ブタの制作ミスによって生まれたキャラクターである。プレイヤーと敵対するモンスターで、自爆することによってプレイヤーを攻撃する。

クリーパーの顔はMinecraftのロゴの一部に意匠として使われており[1]、ゲームを象徴するキャラクターとして広く知られている[2]。その攻撃の特殊性から多くインターネット・ミームの題材としても扱われ、日本では「」(たくみ)という愛称で知られている(後述[3]

歴史[編集]

クリーパーは、Minecraftの開発段階のアルファ版において、コーディングの誤りの結果、生まれたキャラクターである[4]。Minecraftの開発者マルクス・ペルソンは、豚のモデルに奇妙な容姿をつけさせて開発した。ペルソンは、丈と身長を入れ替えるなどして、寸法を混ぜ合わせた。更に、プレイヤーを見るAIが組み合わさったことで、クリーパーは敵対的なモブとなった[1][2][5]。初期の段階では、クリーパーは殺された後でのみ、近距離でダメージを負わせることができる仕様であったが、すぐ後に、ステルス性を重視した行動に変更され、時限的に爆発して攻撃し、死ぬことで爆発物の信管を取り外せるようになった。

2011年には、ゲームMinecraftのロゴの一部が、クリーパーの顔となった[1]

影響[編集]

クリーパーの頭を被った人物と、ゲーム『Minecraft』に登場するデフォルトのキャラクターであるスティーブの頭を被った人物とが並んでいる。

クリーパーはMinecraftの象徴として広く認知されており、作中で重要な敵モブのひとつとされる。クリーパーのピクセル化された顔は、Minecraftのロゴの「A」に組み込まれており、数々のハロウィンコスチュームやコスプレに使用されている[5]レゴのMinecraftのセットにもクリーパーが登場しており、内1つではクリーパーがメインとなっている[3]

クリーパーの画像は、衣類、寝具、ランプなどを始めとした多種多様な『Minecraft』のグッズに使用されており、、かご、おもちゃぬいぐるみなどにも使用されている[6][7][8]

場所を問わずに爆発し、かつ周辺の地形を大幅に変えてしまうことから、日本ではリフォームを題材とした番組『大改造!!劇的ビフォーアフター』にちなんで「匠」(たくみ)というあだ名が付けられている[9][10]

動画配信[編集]

クリーパーは、しばしばゲーム実況者の中でも話題となっている。

動画配信者のGisthekeyは、一度でも死んだら復活できないハードコアモードにおいて500時間も生き延びたものの、クリーパーの爆発に巻き込まれてゲームオーバーになったという[11]

シリアル[編集]

2020年7月に、Mojang Studiosケロッグの共同パートナーシップにより、パッケージにクリーパーが大きく描かれた、公式にMinecraftの商標がついたシリアル「Minecraft Creeper Crunch」が発表された。2020年8月にアメリカの店で販売される予定であった。全ての袋にはMinecraftの衣料品などと交換できるユニークコードが含まれている[12][13][14][15][16]

大衆文化[編集]

クリーパーは大衆文化でパロディの対象となってきた。

連続ホームコメディアニメ『ザ・シンプソンズ』のシーズン25のエピソード「Luca$」では、キャラクターのモー・シズラックがクリーパーとして登場し、テーマ曲『couch gag』の最後で爆発している[17][18][19]

2011年8月19日に、CaptainSparklezとして知られているYouTuberのジョーダン・マロンは、「DJ Got Us Fallin' in Love」のパロディー曲にあたる楽曲『Revenge』を発表した。『Minecraft』のプレイヤーがクリーパーに何度も殺されてしまったがために、プレイヤーがクリーパーに復讐しようとする様子を描いた同作は、2019年7月頃にインターネット・ミームとして人気が再燃した[20]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ Minecraftの中でも最古のバージョンとして知られるバージョンである。

出典[編集]

  1. ^ a b c d Guthrie, Robert (5 June 2017). "The History Of The Creeper, Minecraft's Most Infamous Monster". Kotaku (アメリカ英語). 2021年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  2. ^ a b Stone, Tom (15 May 2017). "Meet the Creeper". Minecraft.net. 2020年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月24日閲覧
  3. ^ a b MacManus, Christopher (16 February 2012). "Lego Minecraft available for preorder". CNET. CBS Interactive. 2012年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月17日閲覧
  4. ^ Gesualdi, Vito (15 October 2012). "Notch Calls Minecraft's Creepers "a Mistake"". GameZone (アメリカ英語). 2021年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  5. ^ a b Goldberg, Daniel; Larsson, Linus (2015). Minecraft, Second Edition: The Unlikely Tale of Markus "Notch" Persson and the Game That Changed Everything. Translated by Hawkins, Jennifer. ニューヨーク: Seven Stories Press. ISBN 978-1-6098-0575-3. OCLC 891676528. OL 27189443M
  6. ^ Strauss, Paul (4 March 2020). "This Minecraft Creeper Lamp Shouldn't Explode When You Turn It On". Technabob. 2021年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  7. ^ 『マインクラフト』のキャラクターたちが抱っこできるぬいぐるみになって登場。クリーパー、ゾンビなど全5種がラインアップ」『ファミ通』、2021年6月16日。2021年7月19日閲覧。オリジナルの2021年7月20日時点におけるアーカイブ。
  8. ^ 人気ゲーム「マインクラフト」がリアルに 「クリーパー」発掘できるキット」『J-CASTトレンド』、2021年7月11日。2021年7月19日閲覧。オリジナルの2021年7月19日時点におけるアーカイブ。
  9. ^ Agawa Ryo「『マインクラフト』人気テクスチャ変更Modが、アップデートにより凶悪化。バイオームごとに七変化するクリーパーの姿」『AUTOMATON』、2021年4月27日。2021年7月19日閲覧。オリジナルの2021年7月20日時点におけるアーカイブ。
  10. ^ 夢崎「【『マインクラフトXbox360 edition』珍物件探訪】第1回:無限の可能性を持つ『マインクラフト』世界」『ファミ通KADOKAWA、2012年6月29日。2021年7月19日閲覧。オリジナルの2021年7月19日時点におけるアーカイブ。
  11. ^ 古嶋誉幸「『マインクラフト』の死んだら終わりのハードコアモードで500時間生き延びたプレイヤー、些細なミスで全てを失う」『電ファミニコゲーマー』、2020年8月4日。2021年7月18日閲覧。オリジナルの2021年4月20日時点におけるアーカイブ。
  12. ^ Phillips, Tom (3 July 2020). "Minecraft is getting an official breakfast cereal". Eurogamer. 2021年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  13. ^ Watts, Rachel (2 July 2020). "Kelloggs is releasing a Minecraft 'Creeper Crunch' cereal". PC Gamer. 2020年9月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  14. ^ Gerblick, Jordan (2 July 2020). "Minecraft is getting a cereal with codes for in-game clothes". GamesRadar. 2021年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  15. ^ Jones, Alistair (3 July 2020). "Minecraft Now Has Its Own Cereal". Kotaku UK. 2020年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  16. ^ Watts, Steve (3 July 2020). "Minecraft Cereal Creeping Onto Store Shelves". GameSpot. 2020年10月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月23日閲覧
  17. ^ Peckham, Matt (7 April 2014). "Simcraft: What If The Simpsons Did Minecraft?". Time. 2020年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月24日閲覧
  18. ^ "Minecraft gets Simpsons couch gag and Globe Theatre performance". メトロ英語版. 7 April 2014. 2020年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月24日閲覧
  19. ^ Makuch, Eddie (7 April 2014). "The Simpsons do a Minecraft couch gag, Notch doesn't know how to feel about it". GameSpot. 2021年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月24日閲覧
  20. ^ Anderson, Sage (30 July 2019). "The 'Creeper Challenge' has group chats fighting to finish song lyrics in the right order". Mashable. 2021年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年12月17日閲覧