キャロル・サッチャー

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キャロル・サッチャーCarol Thatcher1953年8月15日 - )は、イギリスジャーナリスト作家マーガレット・サッチャー首相、父は実業家デニス・サッチャーカーレーサー、実業家のマーク・サッチャー双子に当たる。

前半生[編集]

ロンドンにて双子の弟であるマークと共に、出産予定日より6週間早く帝王切開で生まれる。母マーガレットによると、父デニスが初めて我が子を見るや否や、「何てこったい、みたいだ。元に返してくれよ」と述べたという[1]

マーガレットが1959年の総選挙フィンチレー選挙区から出馬し初当選を果たすと[2][3]、翌年にはハートフォードシャー女子学校クイーンズウッドスクールへ入学[4]、次いでセントポール女子学校に籍を置く事となる[5]

その後ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン法学部卒業[5]1977年にはオーストラリアへ移住し、ジャーナリスト活動を開始した[4]。2年後の1979年マーガレットがイギリス初の女性首相に就くが、「貴女が首相の子弟となるためには、どんな誹謗中傷にも耐え、ユーモアのセンスを片時も忘れないように」と言明したという[4]

ジャーナリスト時代[編集]

1977年から1979年までシドニー・モーニング・ヘラルドに勤務する傍ら、シドニーテレビ局にレポーターとして出演。イギリス帰国後もLBCBBCラジオ4テレビamプレゼンテーターを務めた他、デイリー・テレグラフ旅行記を寄せている。しかし母が首相という事もあり、署名入り記事は一切載せなかった[6][7]

1983年に処女作『ある選挙の日記 キャンペーン中のマーガレット・サッチャーと共に』を刊行、次いで3年後には女子プロテニス選手のクリス・エバートとの共著『ロイドの上のロイド』を世に出す。後者は初のベストセラーとなった[7]。ベストセラーを記録した著書としては、この他に父デニスの伝記『胸壁の下で』(1996年)がある[7]2003年チャンネル4でデニスについてのドキュメント番組『マギーと結婚して』を手掛けた。また、デニスの生涯唯一のインタビューも行っており、放映直後デニスが死去。

母マーガレットに関しては、2008年9月4日に『金魚鉢の中でもがきながら ある追想録』を上梓、健康状態の悪化や認知症初期にある事を明らかにしている[8]。このように新聞雑誌のみならず、テレビ出演などフリーランスのジャーナリストとして多方面で活躍した[9]

ザ・ワン・ショー[編集]

2006年から2009年までBBC1の『ザ・ワン・ショー』に出演。2009年2月3日同年の全豪オープンにて、アフリカ[10]フランス人プロテニス選手のジョー=ウィルフリード・ツォンガに対する差別発言[11]が国内のメディアで報じられる。タイムズの記事によると、ツォンガの事を「ゴリウォーグ[12]ハーフ」や「ゴリウォーグのカエル野郎[13]」と詰ったという[14]。発言時プレゼンテーターのアドリアン・チルズや女性コメディアンジョー・バンドの他、ジャーナリストやゲストが数名居合わせている[15]

事態を重く見たBBCは、当該発言を謝罪しなければ同番組の降板もあり得ると発表[16]。しかしキャロルは謝罪を拒否[9]、番組降板を余儀無くされた。

リアリティ番組[編集]

私はセレブ。ここから出して![編集]

2005年11月ITVリアリティ番組私はセレブ。ここから出して!』第5シリーズに仲間のセレブリティ多数と出演。同番組はオーストラリアの熱帯雨林で少なくとも1週間、最低限の食料のみで過ごすというものであった。密林滞在中は昆虫カンガルー睾丸を口にせざるを得なかったものの、勝者となり第2代「密林の女王」の名を縦にする[17]

100%イギリス人[編集]

リアリティ番組『100%イギリス人』が2006年11月13日DNA調査を実施。ベドウィンの血を引くか、祖先が古代メソポタミアアッシリア砂漠にて農業を営んでおり、その後イラク全土や現在のトルコシリアイランの大部分へと足を伸ばしたのではないかとの結果が放映された[18]

私生活[編集]

保守党所属の政治家ジョナサン・アイトケンとの熱愛が報じられるも、1979年の総選挙で同党が躍進した直後に破局。破局はアイトケンが大臣職を忌避したためとされており、母でもあるサッチャー首相が閣僚に「キャロルを泣かせる」男に仕事を与えるのであれば、悲惨な目に遭うと伝えたからともという[1][19]

1992年以降はスイススキーインストラクターであるマルコ・グラスと交際。同国のスキーリゾート地であるクロステルスとロンドンとを往復する生活を送っている。未婚であり、「私は永遠に独身でいたい。その方が私に合っている」とまで述べている[20]

脚注[編集]

  1. ^ a b Gillian Bowditch "Oh Carol, why are we so in love with you?" The Scotsman, 7 December 2005. Retrieved on 8 February 2009.
  2. ^ London Gazette: no. 41842, p. 6433, 1959年10月13日. 2008年2月28日閲覧。
  3. ^ Biography”. Margaret Thatcher Foundation. 2007年12月9日閲覧。
  4. ^ a b c Langley, William (2008年8月30日). “Carol Thatcher, daughter of the revolution”. The Daily Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/profiles/2652365/Profile-Carol-Thatcher-daughter-of-the-revolution.html 2009年6月25日閲覧。 
  5. ^ a b Hoggard, Liz (2005年11月27日). “Queen of the jungle”. Guardian. http://www.guardian.co.uk/media/2005/nov/27/realitytv.politicsandthemedia 
  6. ^ Liz Hoggard "Queen of the jungle", The Observer, 27 November 2005. Retrieved on 8 February 2009.
  7. ^ a b c Thatcher, Carol (2006年9月25日). “Carol Thatcher: My Life in Media”. The Independent (UK). http://www.independent.co.uk/news/media/carol-thatcher-my-life-in-media-417411.html 2009年6月25日閲覧。 
  8. ^ “Book Recounts Margaret Thatcher's Decline”. CBS News. (2008年8月25日). http://www.cbsnews.com/stories/2008/08/25/health/main4380977.shtml 
  9. ^ a b Gordon, Bryony (2009年6月3日). “Carol Thatcher: Life in my mother's shadow”. London: Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/news/newstopics/politics/margaret-thatcher/5438092/Carol-Thatcher-Life-in-my-mothers-shadow.html 2009年6月25日閲覧。 
  10. ^ Thatcher axed by BBC's One Show”. BBC News (2009年2月4日). 2010年11月15日閲覧。
  11. ^ Singh, Anita (2009年2月4日). “Carol Thatcher 'golliwog' jibe referred to black tennis player Jo-Wilfried Tsonga”. The Daily Telegraph. 2010年11月15日閲覧。
  12. ^ イギリスの絵本作家フローレンス・ケイト・アプトン1873年 - 1922年)が1895年に創作した黒人キャラクターの名称だが、現在では専ら黒人に対する侮蔑語としての色合いが強い
  13. ^ カエルを食用とするフランス人に対する蔑称
  14. ^ Carol Thatcher's golliwog remarks ‘made eyes roll in the green room’(2011年6月15日時点のアーカイブ
  15. ^ “BBC defends action over Thatcher”. BBC News. (2009年2月5日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7871746.stm 2010年4月1日閲覧。 
  16. ^ Pierce, Andrew (2009年2月5日). “Carol Thatcher golliwog row: behind the doors of the Green Room”. The Daily Telegraph. 2010年11月15日閲覧。
  17. ^ Robin Stummer "Carol Thatcher: 'I partly blame Mark for Mummy's anguish'", The Independent, 11 December 2005. Retrieved on 7 February 2009.
  18. ^ DNAPrint Genomics EuroDNA(TM) Test Used as Basis for Reality Show on British Television
  19. ^ "UK Politics: Jonathan Aitken – a 'swashbuckling' life", BBC News, 7 December 1998l. Retrieved on 8 February 2009.
  20. ^ Wendy Holden (2008年9月15日). “Sink or swim with the Iron Mother”. Daily Mail. 2010年11月15日閲覧。