アークヴィグラス

リンクを追加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
アークヴィグラス
欧字表記 Arc Vigorous[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 牝[1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2016年5月18日[1]
死没 2020年9月17日（4歳没）[2]
抹消日 2020年9月25日[3]
父 サウスヴィグラス[1]
母 キセキノショウリ[1]
母の父 フジキセキ[1]
生国 日本の旗 日本(北海道新冠町)[1]
生産者 村上牧場[1]
馬主 アークフロンティア（株）[1]
調教師 小野望（北海道）
→平田正一（川崎）
→嶋田幸晴（大井）
→小野望（北海道）
[1]
競走成績
タイトル NARグランプリ2歳最優秀牝馬（2018年）[1]
生涯成績 22戦7勝
地方：21戦7勝
中央：1戦0勝[1]
獲得賞金 7750万円[1]
勝ち鞍 JpnIII：エーデルワイス賞（2018年）
SI：東京2歳優駿牝馬（2018年）
SII：ローレル賞（2018年）
H3：フルールカップ（2018年）
H3：リリーカップ（2018年）
読売レディス杯（2020年）
[1]
テンプレートを表示

アークヴィグラス(Arc Vigorous)[1]は、日本の競走馬。主な勝ち鞍に2018年のエーデルワイス賞、東京2歳優駿牝馬、2020年の読売レディス杯など。NARグランプリ2018の2歳最優秀牝馬に選出された。

戦績[編集]

2018年5月31日、門別競馬場でのフレッシュチャレンジでデビューして1着。2戦目の栄冠賞、3戦目のカーネリアン特別は連続して5着に終わるが、8月のフルールカップでは逃げ馬と並ぶ先行策から押し切って重賞初勝利[5]。2週間後のリリーカップでも先行馬を差し切って重賞2連勝とした[6]。10月のエーデルワイス賞も先行集団から抜け出したところを差してきたデンバーテソーロを振り切って重賞3連勝でダートグレード競走も制した[7]。エーデルワイス賞のあと、当初は大井競馬場・嶋田幸晴厩舎に移籍する予定であったが[8]、川崎競馬場のローレル賞を使う意向から川崎競馬場・平田正一厩舎に一時移籍[9]。レースでは2戦目で騎乗経験のある滝川寿希也が同期でこれまでの主戦を務めていた石川倭から情報を集めて臨み、3番手から抜け出してダバイダバイを半馬身差下して重賞4連勝を達成[10][11]。この後予定通りに嶋田幸晴厩舎に移り[9]、12月の東京2歳優駿牝馬ではインコースから伸びて優勝し、重賞5連勝[12]。GRANDAME-JAPAN2018の2歳馬部門でも優勝し[12]、さらにはNARグランプリ2018の2歳最優秀牝馬にも選ばれた[13]。

3歳時は中央競馬に遠征してのクイーンカップから始動もクロノジェネシスの9着。南関東公営競馬の牝馬三冠路線を進むも、一冠目の桜花賞、二冠目の東京プリンセス賞ともにトーセンガーネットの前に3着、2着と勝てず、三冠目の関東オークスもラインカリーナの5着に終わった。また、この間に瀧川が騎手を引退（免許返上は同年8月）したため、東京プリンセス賞以降主戦騎手が定着せずに乗り替わりが頻繁に続いた。秋以降は短距離路線を行くも5戦して5着以内に入れない競馬が続き、2020年4月のしらさぎ賞5着を最後に、初めに所属したホッカイドウ競馬・小野望厩舎に戻る。北海道再転入初戦のヒダカソウカップで2着に入り、グランシャリオ門別スプリント4着のあと、「北海道では斤量を背負わされる」ということで金沢競馬場に遠征して読売レディス杯に臨み、レースでは3コーナーから押し切る競馬で2着サラーブを3馬身差下して優勝、東京2歳優駿牝馬以来の勝利を挙げた[14][15]。しかし、「条件が合う」[15]として出走した次走の秋桜賞のレース中、馬体を合わせに来たサラーブと並んで迎えた最後の直線走路、ゴール前約100メートルあたりで右前脚粉砕骨折を発症して騎乗の吉原寛人が落馬し、競走中止[16][2][17]。予後不良で安楽死処分となった[2]。

没後に行われた道営記念のファン投票では、43票を集めた[18]。

競走成績[編集]

以下の内容は、JBISサーチ[4]、netkeiba.com[19]、地方競馬全国協会[3]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 格 距離（馬場） 頭
数		 枠
番		 馬
番		 オッズ
（人気）		 着順 タイム
（上り3F）		 着差 騎手 斤量
[kg]		 1着馬（2着馬） 馬体重
[kg]
2018.05.31 門別 フレッシュチャレンジ 新馬 ダ1000m（重） 10 8 9 009.60（4人） 01着 R1:01.6（36.9） -0.0 0阿部龍 54 （シーザスターライト） 438
0000.06.28 門別 栄冠賞 H2 ダ1200m（重） 14 4 6 008.10（5人） 05着 R1:16.2（41.2） -1.2 0瀧川寿希也 54 イッキトウセン 430
0000.07.31 門別 カーネリアン特別 OP ダ1200m（良） 10 3 3 003.10（1人） 05着 R1:17.0（40.4） -1.1 0石川倭 54 ラブミージュニア 428
0000.08.16 門別 フルールC H3 ダ1000m（不） 9 4 4 014.50（6人） 01着 R1:01.0（37.5） -0.4 0石川倭 54 （パレスラブリー） 430
0000.08.30 門別 リリーC H3 ダ1200m（稍） 7 2 2 004.30（4人） 01着 R1:13.5（37.7） -0.1 0石川倭 54 （ゲッテルフルケン） 434
0000.10.16 門別 エーデルワイス賞 JpnIII ダ1200m（稍） 16 8 16 008.00（4人） 01着 R1:13.5（37.7） -0.0 0石川倭 54 （デンバーテソーロ） 436
0000.11.27 川崎 ローレル賞 SII ダ1600m（良） 12 6 7 004.40（2人） 01着 R1:44.1（40.3） -0.1 0瀧川寿希也 54 （ダバイダバイ） 433
0000.12.31 大井 東京2歳優駿牝馬 SI ダ1600m（良） 16 2 4 001.70（1人） 01着 R1:44.0（41.1） -0.4 0瀧川寿希也 54 （ラブミーピンク） 443
2019.02.11 東京 クイーンC GIII 芝1600m（良） 9 5 5 080.70（9人） 09着 R1:37.0（35.9） -2.8 0瀧川寿希也 55 クロノジェネシス 436
0000.03.27 浦和 桜花賞 SI ダ1600m（良） 11 8 10 003.60（2人） 03着 R1:42.3（39.1） -1.9 0瀧川寿希也 54 トーセンガーネット 446
0000.04.23 大井 東京プリンセス賞 SI ダ1800m（良） 12 7 10 003.30（2人） 02着 R1:56.0（38.7） -0.4 0森泰斗 54 トーセンガーネット 449
0000.06.12 川崎 関東オークス JpnII ダ2100m（重） 14 1 1 015.70（5人） 05着 R2:22.3（43.0） -4.6 0森泰斗 54 ラインカリーナ 457
0000.10.23 川崎 サルビアC 準重賞 ダ2000m（重） 13 6 8 001.80（1人） 12着 R2:19.3（47.3） -6.1 0森泰斗 55 サツマキリコ 461
0000.11.14 大井 シンデレラマイルTR OP ダ1600m（良） 12 1 1 004.50（3人） 08着 R1:43.5（39.7） -1.0 0本橋孝太 56 サンルイビル 455
0000.12.30 大井 東京シンデレラマイル SIII ダ1600m（稍） 16 4 8 020.20（6人） 09着 R1:43.1（40.8） -1.0 0的場文男 55 ローレライ 445
2020.01.23 大井 '20ウインタースプリント 準重賞 ダ1200m（重） 16 5 9 036.40（8人） 11着 R1:14.1（39.1） -1.6 0的場文男 55 サブノジュニア 455
0000.04.02 船橋 マリーンC JpnIII ダ1600m（重） 14 4 5 433.3（13人） 12着 R1:43.7（40.8） -3.6 0張田昴 55 サルサディオーネ 453
0000.04.22 浦和 しらさぎ賞 SIII ダ1400m（重） 12 2 2 074.40（9人） 05着 R1:28.5（39.0） -1.2 0張田昴 56 ストロングハート 458
0000.06.17 門別 ヒダカソウC H3 ダ1400m（良） 13 6 9 003.40（2人） 02着 R1:44.0（40.6） -0.0 0石川倭 57 クオリティスタート 450
0000.07.02 門別 グランシャリオ門別スプリント H2 ダ1000m（不） 8 3 3 006.50（4人） 04着 R0:59.3（35.8） -0.9 0石川倭 54 アザワク 450
0000.08.18 金沢 読売レディス杯 重賞 ダ1500m（良） 11 8 10 005.40（2人） 01着 R1:34.3（37.6） -0.6 0吉原寛人 55 （サラーブ） 450
0000.09.17 名古屋 秋桜賞 SPI ダ1400m（良） 11 2 2 001.70（1人） 競走中止 0吉原寛人 56 サラーブ 453

血統表[編集]

アークヴィグラスの血統 （血統表の出典）[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
 [§ 2]
父

*サウスヴィグラス
1996 栗毛
父の父
*エンドスウィープ
End Sweep
1991 鹿毛 		*フォーティナイナー Mr. Prospector
File
Broom Dance Dance Spell
Witching Hour
父の母
*ダーケストスター
Darkest Star
1989 黒鹿毛 		Star de Naskra Naskra
Candle Star
Minnie Riperton Cornish Prince
English Harbor
母

キセキノショウリ
2002 鹿毛 		フジキセキ
1992 青鹿毛 		*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ミルレーサー Le Fabuleux
Marston's Mill
母の母
サマーベイブ
1997 黒鹿毛 		*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
ダイナフェアリー *ノーザンテースト
ファンシーダイナ
母系(F-No.) フアンシミン(USA)系(FN:9-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Northen Dancer 5 × 5 = 6.25％ [§ 4]
出典
  1. ^ [20]
  2. ^ [21]
  3. ^ [21]
  4. ^ [20][21]


脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q “アークヴィグラス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月20日閲覧。
  2. ^ a b c “重賞6勝のアークヴィグラスが抹消 17日の秋桜賞で故障して予後不良に”. スポーツ報知 競馬. 報知新聞 (2020年9月30日). 2021年7月20日閲覧。
  3. ^ a b c “アークヴィグラス 出走履歴”. 地方競馬全国協会. 2021年7月20日閲覧。
  4. ^ a b “アークヴィグラス 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月20日閲覧。
  5. ^ “【門別・フルールC】アークヴィグラスが抜け出し重賞初V/地方競馬レース結果”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2018年8月16日). 2021年7月20日閲覧。
  6. ^ “【門別・リリーC】アークヴィグラスが差し切り重賞連勝/地方競馬レース結果”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2018年8月30日). 2021年7月20日閲覧。
  7. ^ “エーデルワイス賞(Jpn3)はアークヴィグラスが重賞3連勝を飾る”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地ニュース. 公益社団法人日本軽種馬協会 (2018年10月22日). 2021年7月20日閲覧。
  8. ^ “【地方競馬】北海道のアークヴィグラスが大井に移籍、エーデルワイス賞勝ち馬”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2018年10月27日). 2021年7月20日閲覧。
  9. ^ a b “【南関散歩道】アークヴィグラス平田師、自分を貫き重賞初Ｖ”. サンスポZBAT！競馬. サンケイスポーツ (2018年11月30日). 2021年7月20日閲覧。
  10. ^ “【ローレル賞】アークヴィグラスが重賞4連勝！”. サンスポZBAT！競馬. サンケイスポーツ (2018年11月27日). 2021年7月20日閲覧。
  11. ^ “【川崎・ローレル賞】アークヴィグラスが重賞4連勝　ホウショウレイルは5着/地方競馬レース結果”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2018年11月27日). 2021年7月20日閲覧。
  12. ^ a b “【大井・東京2歳優駿牝馬】アークヴィグラスが内から抜け出し重賞5連勝！/地方競馬レース結果”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2018年12月31日). 2021年7月20日閲覧。
  13. ^ “【NARグランプリ2018】2歳最優秀牝馬はアークヴィグラス　北海道と南関東で重賞5連勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2019年1月16日). 2021年7月20日閲覧。
  14. ^ “【金沢・読売レディス杯結果】北海道のアークヴィグラスが後続を突き放し久々のV”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2020年8月18日). 2021年7月20日閲覧。
  15. ^ a b “GDJ古馬シーズン 第38回読売レディス杯”. web Furlong 2020. 地方競馬全国協会. 2021年7月20日閲覧。
  16. ^ “【名古屋・秋桜賞結果】サラーブが8馬身差の圧勝で待望の重賞初制覇”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2020年9月17日). 2021年7月20日閲覧。
  17. ^ “古馬シーズン 第14回秋桜賞”. web Furlong 2020. 地方競馬全国協会. 2021年7月20日閲覧。
  18. ^ “【門別・道営記念】昨年に続き2018年覇者スーパーステションがファン投票1位に！”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2020年10月13日). 2021年7月20日閲覧。
  19. ^ “アークヴィグラスの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年7月20日閲覧。
  20. ^ a b “アークヴィグラス 血統情報：5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年7月20日閲覧。
  21. ^ a b c “アークヴィグラスの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年7月20日閲覧。

外部リンク[編集]

2010年代
2020年代
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=アークヴィグラス&oldid=97296833」から取得