うらが (巡視船)

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うらが
基本情報
船種 巡視船 (ヘリコプター1機搭載型)
船籍 日本の旗 日本
運用者  海上保安庁
建造所 日立造船舞鶴工場
母港 横浜鹿児島那覇
船舶番号 123567
信号符字 8KRT
IMO番号 7936387
改名 はやと (1997年3月24日以降)
うるま (2014年6月30日以降)
経歴
発注 昭和53年補正予算
起工 1979年3月14日[1]
進水 1979年10月12日[1]
竣工 1980年3月5日[1]
要目
総トン数 3,232トン(旧)[2]
全長 105.0メートル
15.0メートル
詳細な要目表はつがる型巡視船を参照
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うらが」(Uraga)は、海上保安庁ヘリコプター1機搭載型巡視船つがる型巡視船の3番船にあたる。船種記号は、当初は他の大型巡視船と同じPL(Patrol vessel Large)とされていたが、後にPLH(Patrol vessel Large with Helicopter)に変更された[注 1]。公称船型も、当初は単に「ヘリコプター搭載型」と称されていたが、2機搭載のみずほ型の出現によってヘリコプター1機搭載型となった[3]

また配属替えに伴って、1997年には「はやと」(Hayato)、2014年には「うるま」(Uruma)へと順次に改名された。

船歴[編集]

1980年3月5日に竣工し、横浜海上保安部第三管区)に配属された。船名は浦賀水道に由来する。

1988年11月9日、アメリカ海軍チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦タワーズ英語版」が房総半島沖において、訓練区域外であるにもかかわらず射撃試験を行い、しかもその砲弾のうち数発が本船の近くに着弾するという事件が発生した[4]。弾着点との距離について、海保側は300-500メートル程度と報告しているのに対し、アメリカ海軍の最終報告書では約1900メートルとされたものの、軍法会議により艦長は解任され、海軍側の最高責任者が外務省を訪問して外務大臣に遺憾の意を表するとともに再発防止を約した[4]

1997年3月24日には鹿児島海上保安部第十管区)に配属替えとなり、隼人に因んで「はやと」と改名した。2001年の九州南西海域工作船事件の際に派遣され、後方指揮を担い、停船後の強行臨検に備え、船内に特殊警備隊を待機させていた。なお平成24年度補正予算で延命・機能向上工事費が認められ、2013年から2014年にかけて工事を受けた[5]

その後、尖閣領海警備専従体制の構築に伴って、2014年6月30日には那覇海上保安部に配属替えとなり、沖縄の雅名に因んで「うるま」と改名した。

搭載機の変遷[編集]

機種 機番 愛称 配属期間
ベル 212 MH550 はやたか 1980年10月20日-2013年03月26日
MH684 2013年03月26日-2015年03月09日
シコルスキー S-76D MH911 しまわし 2015年03月09日-

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1985年6月1日付けで「海上保安庁の船舶の番号および名称の附与基準」(昭和24年海上保安庁達第54号)の一部が改正されて「PLH」の記号が制定されたもので、本船は同年11月22日付けで変更された[3]

出典[編集]

  1. ^ a b c Wertheim 2013, pp. 383–384.
  2. ^ 海人社 2001.
  3. ^ a b 海人社 1986.
  4. ^ a b 衆議院内閣委員会」『第114回国会』議事録、4巻、1989年3月23日。
  5. ^ JMU艦船事業本部 官公庁船・特殊船統括部 因島工場「ヘリコプター搭載大型巡視船-延命・機能向上工事-」『JMU テクニカル・レビュー』No.7、2020年1月。 

参考文献[編集]

  • 海人社 編「海上自衛隊・海上保安庁 艦船の動向 : 昭和60年度を顧みて」『世界の艦船』第366号、海人社、61-67頁、1986年7月。NDLJP:3292150 
  • 海人社 編「海上保安庁 PLHの全貌」『世界の艦船』第590号、海人社、53-59頁、2001年12月。 NAID 40002156202 
  • Wertheim, Eric (2013), The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World (16th ed.), Naval Institute Press, ISBN 978-1591149545 

関連項目[編集]