やしま (巡視船・初代)

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やしま
基本情報
船種 巡視船 (ヘリコプター2機搭載型)
船籍 日本の旗 日本
運用者  海上保安庁
建造所 日本鋼管鶴見造船所
母港 横浜 (第三管区)
福岡 (第七管区)
船舶番号 130214
信号符字 JPDX
IMO番号 8618724
経歴
発注 昭和58年度
起工 1987年8月3日
進水 1988年1月20日
竣工 1988年12月1日
要目
総トン数 5,204トン[1]
全長 130 m
15.5 m
詳細な要目表はみずほ型巡視船 (初代)を参照
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やしま」(Yashima)は、海上保安庁のヘリコプター2機搭載型巡視船みずほ型巡視船の2番船にあたり、PLH-22の記号・番号を付されている。

船歴[編集]

1988年12月1日に竣工し、横浜海上保安部第三管区)に配属された。

竣工翌年の1989年9月2日から11月11日にかけて、海上保安庁の巡視船として初の世界一周航海を行った。これはロンドンで催行される国際海事機関(IMO)創設30周年記念行事に参加するためのもので[注 1]、往路でパナマ運河、復路でスエズ運河を経由する東回り世界一周航路を航海したした。イギリスでは、沿岸警備隊王立救命艇協会との合同訓練を行ったが、これは英国放送協会(BBC)によって全英にテレビ放送された。その後、テムズ川を遡行して記念艦「ベルファスト」に横づけ繋留した[3]が、行事の会期中には、テムズ川上での日英合同パレードに同船搭載の警備救難艇とヘリコプターが参加したほか、一般公開にも多くの市民が訪れた[2]

帰国後も長らく横浜海上保安部最大の巡視船として運用されたが、「あきつしま」の就役に伴い、2013年10月11日には福岡第七管区)に配属替えとなった。

令和4年度予算において延命工事の調査を行った[4]結果、予想以上に老朽化が進んでいることが判明し、令和5年度補正予算において代船の建造が決定されている[5][6][7][8]

搭載機の変遷[編集]

機種 機番 愛称 配属期間 備考
ベル 212 MH684 シーダック1号 1989年03月23日~2009年02月09日 本船への搭載終了とともに解役
MH560 2009年02月09日~2013年5月01日
MH565 2013年03月26日~2014年04月11日
MH931 シーダック2号 1989年03月24日~2014年04月09日
ベル 412 MH795 はなみどり1号 2014年02月24日~
MH908 はなみどり2号 2014年03月12日~

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ IMOのスリバスタバ事務局長は、1986年に東京で開催されたIMOアジア・太平洋地域海上捜索救助会議に出席するために訪日した際、海上保安庁の捜索救難体制を視察して感銘を受けたために、招待されたものであった[2]

出典[編集]

  1. ^ 海人社 2001.
  2. ^ a b 邉見 1993, pp. 205–210.
  3. ^ 「ロンドンを訪れた巡視船「やしま」」 『世界の艦船』第416集(1990年1月特大号) 海人社 P.16
  4. ^ 巡視船やしま・えちご調査(延命工事)に関する公募”. 海上保安庁. 2023年10月19日閲覧。
  5. ^ 令和5年度 新規事業採択時評価(海保)”. www.mlit.go.jp. 2023年10月19日閲覧。
  6. ^ ヘリコプター搭載型巡視船(6,000トン型)1隻建造に関する公募”. 海上保安庁. 2024年2月7日閲覧。
  7. ^ 特機23064 4,400kWディーゼル機関4基ほか4点製造”. 海上保安庁. 2024年2月7日閲覧。
  8. ^ 物23088 中距離もやい銃1式ほか4点買入”. 海上保安庁. 2024年2月7日閲覧。

参考文献[編集]

  • 海人社(編)「海上保安庁 PLHの全貌」『世界の艦船』第590号、海人社、2001年12月、53-59頁、NAID 40002156202 
  • 邉見正和『海上保安庁 巡視船の活動』成山堂書店〈交通ブックス201〉、1993年。ISBN 9784425770014 

関連項目[編集]