高野史男

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高野 史男(たかの ふみお、1917年 - 2002年)は、日本地理学者。専門は、地誌学都市地理学[1]学位は、理学博士

経歴[編集]

千葉市に生まれ、千葉女子師範学校附属小学校(千葉大学教育学部附属小学校の前身)、千葉県立千葉中学校(千葉県立千葉中学校・高等学校の前身)を経て、東京高等師範学校文科四部(地歴)で地理を専攻した[2]。卒業後、岡山県師範学校で教職に就いたが、後に休職して東京文理科大学地学科に入学して地理学を専攻した[2]。卒業後は特別研究生となり、その後、長野師範学校、それが移行した信州大学教育学部愛知学芸大学で教鞭を執った[3]1961年には、「都市圏パターンに関する地域構造論的研究」により、東京教育大学から理学博士を授与された[4]1971年東京教育大学理学部地理学教室へ移り、筑波大学への移行を経て、1980年に筑波大学を定年退官するまで、おもに地誌学都市地理学を講じた[3]。筑波大学退官後は、立正大学教授となり、1987年まで在職した[3]

高野は、木内信蔵山鹿誠次清水馨八郎田辺健一稲永幸男服部銈二郎らとともに、日本の都市化研究の全盛期をもたらしたと評されている[3]

主な著書[編集]

単著[編集]

  • 郷土の研究:しらべ方とその整理 社会科、古今書院、1950年
  • 都市形成の地理的基盤、大明堂、1980年

編著[編集]

共編著[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 岡田俊裕「資料 近世以降日本の地理学者に関する参考文献―地理学人物事典の作成に向けて」『高知大学教育学部研究報告』第69号、2009年、190頁。  NAID 120001509439
  2. ^ a b 正井, 1987, p.17.
  3. ^ a b c d 正井, 1987, p.18.
  4. ^ 都市圏パターンに関する地域構造論的研究”. 国立国会図書館. 2019年1月27日閲覧。
  5. ^ 単著として扱われることもあるが、内容は共同執筆による報告書を踏まえている。:正井泰夫「<新刊書紹介>『韓国済州島』:日韓をむすぶ東シナ海の要石, 高野史男著, 一九九六年一〇月二五日発行, 中央公論社(中公新書), 二〇七ページ」『立正大学文学部論叢』第105号、立正大学文学部、1997年3月20日、77頁“本書は高野史男(歴史・海女漁業)、高村弘毅(風土)、澤田裕之(農牧業)、大塚昌利(工業・観光)、鈴木厚志(都市)の五人の共同執筆であるが、高野教授が全体を増補修正してまとめ直したものである。” 

参考文献[編集]

  • 正井泰夫「高野史男教授を送るにあたって」『立正大学文学部論叢』第85号、立正大学文学部、1987年3月20日、17-24頁。