森一生
もり かずお 森 一生 | |
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キネマ旬報社『キネマ旬報』第122号 (1955) より映画『藤十郎の恋』ロケシーン。中央の人物が森一生 | |
生年月日 | 1911年1月15日 |
没年月日 | 1989年6月29日(78歳没) |
出生地 | 日本 愛媛県松山市 |
職業 | 映画監督、演出家 |
ジャンル | 映画、テレビドラマ |
森 一生(もり かずお、1911年1月15日 - 1989年6月29日)は、日本の映画監督、演出家[1]。通り名で「もり いっせい」とも呼ばれる。
来歴・人物
[編集]愛媛県松山市に生まれる[2][3]、その後は九州の八幡へと移り住んだ[1][4]。京都帝国大学文学部を卒業[3]。1933年、日活太秦撮影所に入所するも、脚本部へ配属された[3]。後に永田雅一により、第一映画社が創設され、主に伊藤大輔監督の助監督となる[1]。
1934年に第一映画社、1936年に新興キネマへ移籍した[2]。伊藤大輔、犬塚稔らの助監督を経て、1936年、『仇討膝栗毛』で監督デビューする[1][4]。その後、新興キネマを吸収した大映に移籍し、『大阪商人』などを監督。特に『大村益二郎』は高く評価されたが[3]、程なく応召され中国へと派遣された[3]。
復員後は大映京都撮影所入りし[3]、多くのプログラムピクチャーを監督。黒澤明とは、ほぼ同世代の映画人ということで戦前からの友人であり[5]、黒澤脚本の『決闘鍵屋の辻』を撮り[4]、のちに黒澤脚本の『日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里』も監督している[4]。大映では『座頭市シリーズ』、『忍びの者シリーズ』に代表される時代劇を主に監督した。
『不知火検校』においては勝新太郎の新しい魅力を引き出し[1][4]、『座頭市』製作へのお膳立てをした[4]。他には『薄桜記』や『ある殺し屋の鍵』などが時代劇の代表作品である[3]。現代劇では『兵隊やくざ』シリーズなどを監督した[1]。
1971年の大映倒産後は、テレビドラマの演出を手がけ[1]、『木枯し紋次郎』、『座頭市物語』、『横溝正史シリーズ』など多くの作品を手がけた。1987年、京都市文化功労者。1989年6月29日死去。78歳没。墓所は天龍寺三秀院。
フィルモグラフィー
[編集]映画
[編集]- 仇討膝栗毛(1936年)
- 祐天吉松(1937年)
- 錦絵江戸姿 旗本と町奴(1939年)
- お伊勢詣り(1939年)
- 鬼あざみ(1939年)
- 大阪町人(1942年)
- 三代の盃(1942年)
- 大村益次郎(1942年)
- 槍おどり五十三次(1946年)
- 龍虎伝(1947年)
- 婦人警察官(1947年)
- 生活の樹(1947年)
- 山猫令嬢(1948年)
- 狙われた女(1948年)
- 黒雲街道(1948年)※松田定次と共同担当。
- 紅蓮菩薩(1949年)
- わたしの名は情婦(1949年)
- エノケン・笠置の極楽夫婦(1949年)
- 私は狙われている(1950年)
- ごろつき船(1950年)
- 阿修羅判官(1951年)
- 銭形平次(1951年)
- 花ある怒濤(1951年)
- 逢魔が辻の決闘(1951年)
- 荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻(1952年)
- 銭形平次捕物控 地獄の門(1952年)
- 新やじきた道中(1952年)
- 腰抜け巌流島(1952年)
- 銭形平次捕物控 からくり屋敷(1953年)
- 絵本猿飛佐助(1953年)
- 花の講道館(1953年)
- 刺青殺人事件(1953年)
- 銭形平次捕物控 金色の狼(1953年)
- 鯉名の銀平(1954年)
- 酔いどれ二刀流(1954年)
- 知らずの弥太郎(1954年)
- 緑の仲間(1954年)
- 螢の光(1955年)
- 花ざかり男一代(1955年)
- 風雪講道館(1955年)
- 藤十郎の恋(1955年)
- 長崎の夜(1955年)
- 俺は藤吉郎(1955年)
- まらそん侍(1956年)
- 刑事部屋(1956年)
- 銭形平次捕物控 人肌蜘蛛(1956年)
- あばれ鳶(1956年)
- 朱雀門(1957年)
- 弥太郎笠(1957年)
- 万五郎天狗(1957年)
- 稲妻街道(1957年)
- 日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里(1957年)
- 赤胴鈴之助 三つ目の鳥人(1958年)
- 七番目の密使(1958年)
- 人肌孔雀(1958年)
- 人肌牡丹(1958年)
- 若き日の信長(1959年)
- 次郎長富士(1959年)
- 薄桜記(1959年)
- 濡れ髪喧嘩旅(1960年)
- 続次郎長富士(1960年)
- 不知火検校(1960年)
- 忠直卿行状記(1960年)
- 風と雲と砦(1961年)
- おけさ唄えば(1961年)
- 大菩薩峠 完結篇(1961年)
- 怪談蚊喰鳥(1961年)
- 新源氏物語(1961年)
- 化身(1962年)
- 三代の盃(1962年)
- 新悪名(1962年)
- 江戸へ百七十里(1962年)
- 続・座頭市物語(1962年)
- 陽気な殿様(1962年)
- 破れ傘長庵(1963年)
- 悪名市場(1963年)
- てんやわんや次郎長道中(1963年)
- 悪名波止場(1963年)
- 新・忍びの者(1963年)
- ど根性物語 図太い奴(1964年)
- 昨日消えた男(1964年)
- 駿河遊侠伝 賭場荒し(1964年)
- 悪名太鼓(1964年)
- 博徒ざむらい(1964年)
- 駿河遊侠伝 度胸がらす(1965年)
- 暴れ犬(1965年)
- 忍びの者 伊賀屋敷(1965年)
- 座頭市逆手斬り(1965年)
- ほんだら剣法(1965年)
- 忍びの者 新・霧隠才蔵(1966年)
- ほんだら捕物帖(1966年)
- 兵隊やくざ 脱獄(1966年)
- 陸軍中野学校 雲一号指令(1966年)
- 大魔神逆襲(1966年)
- あの試走車を狙え(1967年)
- ある殺し屋(1967年)
- 若親分兇状旅(1967年)
- ある殺し屋の鍵(1967年)
- 悪名十八番(1968年)
- 鉄砲伝来記(1968年)
- 秘録おんな蔵(1968年)
- 出獄四十八時間(1969年)
- 関東おんな極道(1969年)
- 関東おんな悪名(1969年)
- 四谷怪談 お岩の亡霊(1969年)
- 眠狂四郎円月殺法 (1969年)
- 忍びの衆(1970年)
- あぶく銭(1970年)
- 皆殺しのスキャット(1970年)
- 若き日の講道館(1971年)
- 座頭市御用旅(1972年)
テレビドラマ
[編集]- 戦国ロック はぐれ牙(1973年)7話
- 木曽街道いそぎ旅(1973年)8、10話
- 唖侍鬼一法眼(1973年)- 7話
- 座頭市物語(1974年)
- 八州犯科帳(1974年)- 11、13話
- 江戸の旋風(1975年) - 2、3、10、7、24、30、38、49話
- 痛快!河内山宗俊(1976年)- 4、11話
- 夫婦旅日記 さらば浪人(1976年)- 1、3、12、17、25話
- 江戸の旋風II(1976年-77年)- 11、22、23、33、49話
- 新・木枯し紋次郎(1977年 - 1978年)
- 江戸の旋風(3)(1977年 - 1978年)11、13、37、39話
- 横溝正史シリーズ 悪魔の手毬唄(1977年)
- 横溝正史シリーズII 不死蝶(1978年)
- 江戸の旋風IV(1978年 - 1979年)- 10、12、22、24話
- 江戸の波濤 (1979年)
- 新・江戸の旋風(1980年)- 6、17、18、23話
- 江戸の朝焼け (1980年) -2、4話
- 警視-K(1980年)
- 斬り捨て御免!第2シリーズ(1981年)- 1話
- 江戸の用心棒 (1981年) - 4)、4、19、23話
- 無明剣走る (1983年)
関連書籍
[編集]- 『森一生 映画旅』(草思社、1989年)
脚注
[編集]外部リンク
[編集]- 森一生 - allcinema
- 森一生 - KINENOTE
- 森一生 - 日本映画データベース
- Kazuo Mori - IMDb