東京劇場
東京劇場 Tokyo Gekijo | |
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情報 | |
通称 | 東劇 |
正式名称 | 東京劇場 |
完成 | 1975年 |
開館 | 1975年 |
収容人員 | 435人 |
設備 | ドルビーデジタルサラウンドEX、DTS |
用途 | 映画上映 |
運営 | 松竹マルチプレックスシアターズ株式会社 |
所在地 |
〒104-0045 東京都中央区築地4-1-1 東劇ビル3階 |
位置 | 北緯35度40分4.1秒 東経139度46分6.8秒 / 北緯35.667806度 東経139.768556度座標: 北緯35度40分4.1秒 東経139度46分6.8秒 / 北緯35.667806度 東経139.768556度 |
アクセス | 東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅(6番出口)から徒歩1分 |
外部リンク | 東劇 |
東京劇場(とうきょうげきじょう)は、かつて存在した日本の演劇場・映画館。現在の東京都中央区築地4-1-1に立地していた。1974年に閉館・解体され、東劇ビルが竣工、映画館は東劇(とうげき)と名を変え松竹マルチプレックスシアターズの直営映画館としてビル内に現存する。現在の定員は435人である。
本項では、現在の東劇ビル以前の建物(1930年 - 1974年)に存在した映画館、東京中央劇場(とうきょうちゅうおうげきじょう)および銀座ニュース劇場(ぎんざニュースげきじょう)、東劇バーレスクルーム等についても扱う。
沿革
[編集]- 1930年3月29日 - 演劇場として開館
- 1940年前後 - 5階・地階に映画館を併設
- 1950年12月31日 - 映画館に業態変換
- 1975年 - 改築・リニューアル再開館
「東京劇場」時代
[編集]概要
[編集]東京劇場は1930年(昭和5年)3月に演劇場として開業。六代目 尾上菊五郎と十五代目 市村羽左衛門、六代目 尾上梅幸の3大役者がこけら落とし興行を飾った[1]。築地に一際目立つ重厚な建物で知られ、歌舞伎や軽演劇が上演されていた。1945年(昭和20年)、歌舞伎座が東京大空襲で焼亡したため、東京劇場が歌舞伎の演劇場として選ばれるようになった。戦争終結後の9月には、早くも市川猿之助一座が『黒塚』と『東海道中膝栗毛』を演じていた[2]。 その後も1951年(昭和26年)に再建されるまでは、東京の歌舞伎の中心だった。
第二次世界大戦を目前とした1940年(昭和15年)前後に、同劇場地階にニュース専門の映画館「銀座ニュース劇場」、同5階に映画館「東京中央劇場」を開館する[3][4]。
終戦後、1945年(昭和20年)9月1日には、市川猿之助一座が興行を再開[5]。その5年後の1950年(昭和25年)12月31日、演劇場から映画館に転身している[1]。地階のニュース専門館は、戦後「東劇地下映画劇場」に改称したのち[6]、1955年(昭和30年)12月27日には大映系統の封切館「築地大映」として改めて開館している[7]。同時期に5階には「東劇バーレスクルーム」が開かれ、ジプシーローズの出世舞台となった[8]。1974年(昭和49年)、両館は高層ビル化を前提に閉館した。
データ
[編集]「東劇ビル」時代
[編集]1975年(昭和50年)高層ビル化され竣工。現在では同ビルに松竹本社が入っている。2025年で築50年を迎える。
1970年代においては渋谷東急等とチェーンを組む洋画封切館だったが、その後は独自で小規模のチェーンを構成する映画のチェーンマスターになったり、有楽町地域の松竹東急系のムーブオーバー(続映)や拡大ロードショーに利用されていた。2008年(平成20年)7月に新宿ピカデリーが再オープンして以降は、シネマ歌舞伎やMETライブビューイングなどの松竹配給のODS(Other Digital Staff)[9]作品のメイン館となることが多い。
2011年(平成23年)3月1日、松竹は映画興行部門をシネマコンプレックス「MOVIX」を運営する松竹マルチプレックスシアターズに継承したため、同社の経営・運営に切り替わった。ただし、MOVIX系のシネコンと同様のサービスは行っていない。
主な上映作品
[編集]※( )内は公開年
1975年7月5日オープニング作品はサンシャイン
- タクシードライバー(1976年)
- ロッキー(1977年)
- 遠すぎた橋(1977年)
- 愛と青春の旅立ち[9](1982年)
- さよならゲーム[9](1988年)
- ゴーストバスターズ2(1989年)
- わが心のボルチモア[9](1991年)
- キング・オブ・ハーレー(1993年)
- マトリックス(1999年)
- 偶然の恋人(2001年)
- パール・ハーバー(2001年)
- 少林サッカー(2002年)
- トランスポーター(2003年)
- ドラッグストア・ガール(2004年)
- 深呼吸の必要(2004年)
- 理想の恋人.com(2005年)
- NOEL ノエル(2005年)
- 美しき野獣(2006年)
- ヒストリー・オブ・バイオレンス(2006年)
- RENT/レント(2006年)
- タイヨウのうた(2006年)
- 花田少年史 幽霊と秘密のトンネル(2006年)
- 天使の卵(2006年)
- 椿山課長の七日間(2006年)
- 幸福な食卓(2007年)
- アルゼンチンババア(2007年)
- 大日本人(2007年)
- ドルフィンブルー フジ、もういちど宙へ(2007年)
- 河童のクゥと夏休み(2007年)
- 結婚しようよ(2008年)
- ポストマン(2008年)
- 王妃の紋章(2008年)
- はじまりのみち(2013年)
- 俺はまだ本気出してないだけ(2013年)
- 昭和歌謡危機一髪!(2014年)
- ファーナス/訣別の朝(2014年)
- ザ・テノール 真実の物語(2014年)
- 唐山大地震(2015年)
- しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2018年)
脚注
[編集]- ^ a b 松竹の歴史:会社案内 - 企業情報 松竹株式会社
- ^ 東劇、帝劇、東宝など各劇場次々に再開(昭和20年9月10日 毎日新聞(東京))『昭和ニュース辞典第8巻 昭和17年/昭和20年』p14 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
- ^ a b c d 年鑑[1942], p.10-28.
- ^ a b c d 年鑑[1943], p.449.
- ^ 岩波書店編集部 編『近代日本総合年表 第四版』岩波書店、2001年11月26日、345頁。ISBN 4-00-022512-X。
- ^ 東京航空写真地図 第1集、国立国会図書館、2013年8月11日閲覧。
- ^ a b c 中央区[1986], p.13.
- ^ 『松竹百年史』に上演記録。
- ^ a b c d 違いのわかる映画館 Vol.20:東劇 - レッツエンジョイ東京(2012年6月)