園尾隆司
表示
園尾 隆司(そのお たかし、1949年11月19日 - )は、徳島県出身の日本の弁護士。元裁判官で、在職中は静岡地方裁判所所長、東京高等裁判所部総括判事等を歴任。
来歴
[編集]徳島県三好市山城町出身。徳島県立城南高等学校を経て、1972年、東京大学法学部卒業。東京地方裁判所民事第20部(破産再生担当の部)総括判事時代に破産・民事再生等を担当。
東大落語研究会出身。1年おきに落語家の独演会で客演。「話が面白く『まるで漫談をやっているみたい』」との評判がある[1]。
破産分野のスペシャリストであり、東京地裁部総括時代に「少額管財制度」を考案・導入した。この制度は、破産手続きに多額の費用が必要な従来の破産制度を改め、わずか20万円で破産を可能にしたものであり、利用者や弁護士から高い評価を受けた[2]。
2007年11月、宇都宮地裁所長在職中の同年2月、同地裁に係属中の破産事件の審尋に、正規の裁判官3人とは別に出席し債務者に質問をしたとして、東京高裁から厳重注意処分を受けた[3]。園尾所長は処分を受けた後、「本件の破産事件が珍しいので、個人的な研究心から立ち会った」とコメントしたという[4]。審尋の出席に際しては福島節男裁判長の許可を得ており、福島裁判長も厳重注意処分を受けた。
経歴
[編集]- 1972年 東京大学法学部卒業(LL.B.)
- 1972年 司法修習生(26期、水戸)
- 1974年 東京地方裁判所判事補
- 1988年 最高裁判所事務総局 民事局第二課長
- 1990年 最高裁判所事務総局 民事局第一課長兼第三課長
- 1993年 東京地方裁判所判事
- 1995年 東京地方裁判所民事第20部総括判事
- 2003年 最高裁判所事務総局 民事局長兼行政局長
- 2004年 最高裁判所事務総局 総務局長
- 2006年 宇都宮地方裁判所所長
- 2007年 静岡地方裁判所所長
- 2009年 東京高等裁判所第10民事部部総括判事[5]
- 2014年 弁護士登録(東京弁護士会)[6]
- 2015年 事業再生研究機構理事
- 2017年 東日本大震災事業者再生支援機構取締役
- 2021年 瑞宝重光章受章
- 2022年 東日本大震災事業者再生支援機構監査役
著編書
[編集]- (塚原朋一・柳田幸三・加藤新太郎との共編)『新民事訴訟法の理論と実務』(上下巻、ぎょうせい、1997年)
- (中島肇との共編)『新・裁判実務大系10 破産法』(青林書院、2000年)
- (三宅省三・小林秀之・塩崎勤との共編)『注解民事訴訟法〈2〉第61条‐第132条』(青林書院、2000年)
- (佐藤鉄男・田頭章一・中西正著、山本和彦・小林秀之との共編)『解説・個人再生手続』(弘文堂、2001年)
- (国井恒志・杉浦徳宏・植村京子との共著)『少額管財手続の理論と実務』(経済法令研究会、2001年)
- (田井雅巳と共著)『破産の銀行実務』(BSIエデュケーション、2001年)
- (深沢茂之と共編、東京地裁破産再生実務研究会の著)『破産・民事再生の実務』(上下巻、金融財政事情研究会、2001年)
- (須藤英章と共監修、第二東京弁護士会倒産法制検討委員会編)『民事再生法書式集〔第3版〕』(信山社出版、2004年、初版2001年)
- 『Q&A金融機関個人再生の実務』(金融財政事情研究会、2002年)
- (小林秀之との共編)『条解民事再生法〔第2版〕』(弘文堂、2007年、初版2003年)
- (西謙二・中島肇・中山孝雄・多比羅誠との共編)『新・裁判実務大系28 新版破産法』(青林書院、2007年)
- (竹下守夫編集代表、上原敏夫・深山卓也・小川秀樹・多比羅誠との共編)『大コンメンタール破産法』(青林書院、2007年)
- 『民事訴訟・執行・破産の近現代史』(弘文堂、2009年)
脚注
[編集]- ^ 池添徳明 +『裁判官Who's Who』刊行委員会編『裁判官Who's Who(東京地裁・高裁編)』(現代人文社、2002年) ISBN 4877980822
- ^ 読売新聞社会部『ドキュメント裁判官―人が人をどう裁くのか』(中公新書、2002年) ISBN 4121016777
- ^ 現職所長に厳重注意 - 日本裁判官ネットワークブログ
- ^ 名物裁判官のこと: 弁護士紀藤正樹のLINC TOP NEWS-BLOG版
- ^ 地方裁判所が被告へ送付すべき訴状が原告に到着し原告が勝訴した事件に関する『東京高等裁判所平成26年(ネ)第533号判例』、他。
- ^ 登録番号50324、西村あさひ法律事務所。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|