北九州市立文学館

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北九州市立文学館
北九州市立文学館(手前のカーブしている部分) 地図
地図
施設情報
愛称 北九州文学館
専門分野 北九州地域ゆかりの文学者の資料展示
館長 佐木隆三(名誉館長)
管理運営 北九州市
建物設計 磯崎新
開館 2006年11月1日
所在地 803-0813
日本の旗 日本 福岡県北九州市小倉北区城内4番1号
位置 北緯33度52分56.1秒 東経130度52分23.7秒 / 北緯33.882250度 東経130.873250度 / 33.882250; 130.873250座標: 北緯33度52分56.1秒 東経130度52分23.7秒 / 北緯33.882250度 東経130.873250度 / 33.882250; 130.873250
アクセス JR西小倉駅から徒歩10分
西鉄バス北九州北九州市役所前バス停から徒歩2分
外部リンク http://www.kitakyushucity-bungakukan.jp/
プロジェクト:GLAM
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北九州市立文学館(きたきゅうしゅうしりつぶんがくかん)は、福岡県北九州市小倉北区城内にある文学資料館。初代館長は門司区在住のノンフィクション作家佐木隆三2012年4月1日からは名誉館長職に、2015年10月31日没)。

概要[編集]

2006年11月1日開館。

北九州地域は古くから様々な文学関係者を世に送り出してきた。その中でも旧小倉市出身の松本清張については死後単独で記念館がつくられたが、「その他の北九州地域の文学者たちの資料を常設展示するための施設をつくるべきだ」との意見もあがっていた。

そこで、北九州市立中央図書館向かい(同一建物群)にあった北九州市立歴史博物館いのちのたび博物館に統合された後の施設の活用方法として、中央図書館とも連携を図ることができるとして文学館がつくられることになった。

基本的に、清張以外の北九州地域出身者その他ゆかりの作家にまつわる資料を集約・展示している。館内の自分史ギャラリーにおいて、北九州市自分史文学賞大賞受賞作を閲覧することができる。また、向かいにある中央図書館でも、文学館開館を機に文学館で紹介されている作家の作品のコーナーを充実させるなどの対応を行っている。

北九州市にゆかりのある文学者として、森鷗外林芙美子火野葦平杉田久女などの資料等を展示、また明治以降の北九州文芸に関する常設展示や様々な文学に関する企画展も開催している[1]

文学賞として、九州芸術祭文学賞、子どもノンフィクション文学を主催すると共に、新たな文学の才能を発掘するという目的で、平成26年度には「林芙美子文学賞」を創設した[2]

文学賞をめぐる動向[編集]

2021年3月、本館主催の「第12回子どもノンフィクション文学賞」で悠仁親王[注釈 1]に対し中学生の部で佳作を授与し作品をホームページ上で公開した[3]

ただし同作品については、『週刊新潮』2022年2月24日号が「『盗用』疑惑」[4]を報じた。国内諸メディアはこれに追随し、ついには外国の主要メディアまでに及ぶに至り[5]、 2月23日付のデイリー・テレグラフは「日本の15歳の王子、盗作問題にもかかわらず文学賞はそのまま授与」、2月23日付のザ・タイムズは「プリンス悠仁、受賞作の作文のために“ガイドブックを剽窃”」などと報じた[6]

これを受けて、2022年2月、宮内庁は作文に関し参考文献の記載が不十分だったと明らかにし[7][5]、「悠仁さまは、指摘に感謝なさっている」[8]と伝えた。2022年4月8日、宮内庁は悠仁親王が、参考文献や注釈などを追記して主催者に送ったことを明らかにした[9]

ただし同館は、作文の募集要項に「応募した後の訂正は受け付けません」と明記している[10]にもかかわらず、同12日、ネット上において当初の作文を訂正後の作文に差し替えている[11][12]。これによって修正版では文末に脚注が2つ加わり、「参考にした資料」として従来は1点だったのが5点となった[13][注釈 2]

このときの選考委員は那須正幹最相葉月リリー・フランキーである[11]

沿革[編集]

  • 2017年、「展示リニューアル基本計画」を策定し[14]、2020年施工した[15]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 作品は「秋篠宮悠仁」の名前で応募。
  2. ^ 同館は2022年04月12日付けの「お知らせ」において「第12回子どもノンフィクション文学賞受賞作品集の一部を修正をしています。」のみ記し、差し替えの経緯や、今後他の応募者に対しても同様の配慮がなされるかどうか等については説明はなされていない。

出典[編集]

  1. ^ 北九州市立文学館”. 北九州市観光サイト. 2019年3月9日閲覧。
  2. ^ 文学賞”. 北九州市立文学館. 2019年3月9日閲覧。
  3. ^ 「中学生の部佳作『小笠原諸島を訪ねて』秋篠宮悠仁」『北九州市文学館・文学賞・コンクール・第12回子どもノンフィクション文学作品集』pp.74-82 (PDF)
  4. ^ 「ガチンコ勝負に方針転換!? 超難関「筑附高」受験「悠仁さま」入選作文に指摘された“悲しき「盗用」疑惑”検証」『週刊新潮』2022年2月24日梅見月増大号
  5. ^ a b “Prince Hisahito of Japan ‘copied guidebook’ for award-winning essay” (英語). The Times. (2022年2月23日). https://www.thetimes.co.uk/article/prince-hisahito-of-japan-copied-guidebook-for-award-winning-essay-jwvhbzm36 
  6. ^ “天皇家は大歓迎だが、秋篠宮家はイメージが悪い…海外での日本皇室の評価が兄弟でまったく違う理由 家族で話し合う定例会は休止されたまま”. PRESIDENT Online. p. 2. https://president.jp/articles/-/67833 
  7. ^ “悠仁さまの作文コンクール受賞作品、参考文献の記載が不十分…外部から指摘”. 読売新聞. (2022年2月16日). https://www.yomiuri.co.jp/koushitsu/20220216-OYT1T50331/ 
  8. ^ 永井貴子 (2022年2月18日). “悠仁さまの筑付合格の吉報が吹き飛んだ「作文」引用問題の余波_OBは報道に首をかしげる”. AERAdot.. https://dot.asahi.com/articles/-/42213 
  9. ^ “悠仁さま、参考文献を追記 入賞作文の不備巡り”. 日本経済新聞. (2022年4月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE08B0P0Y2A400C2000000/ 2024年1月9日閲覧。 
  10. ^ 北九州市民文学館>文学賞・コンクール>『子どもノンフィクション文学賞チラシ』 (PDF)
  11. ^ a b 「お知らせ・「第12回子どもノンフィクション文学賞作品集について」北九州市民文学館>ホーム>お知らせ
  12. ^ 「中学生の部佳作『小笠原諸島を訪ねて』秋篠宮悠仁」『北九州市文学館・文学賞・コンクール・第12回子どもノンフィクション文学作品集』pp.74-82 (訂正版) (PDF)
  13. ^ “参照資料など追記=悠仁さまの作文―北九州市”. 時事通信ニュース. (2022年4月13日). https://sp.m.jiji.com/article/show/2736692?free=1 
  14. ^ 『北九州文学館展示リニューアル基本計画書』平成29年12月 (PDF)
  15. ^ 株式会社アダチ実績紹介「北九州市立文学館」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]