五十殿利治
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五十殿 利治(おむか としはる、1951年 - )は、日本の美術史学者、筑波大学名誉教授・特命教授。研究分野は、芸術学・近代美術史(中心は20世紀初頭)。とりわけロシア・アヴァンギャルド、大正期新興美術運動が専門。著作・翻訳書を多く刊行するほか、展覧会企画にも度々関わった。
経歴
[編集]東京都生まれ。1975年早稲田大学第一文学部美術史学科卒業、1978年同大学文学研究科芸術学博士後期課程中退。1978年から1985年まで北海道立近代美術館学芸員。1985年筑波大学専任講師、1992年助教授、2002年教授、人間総合科学研究科芸術学専攻長および同研究科副研究科長・研究科長、同大芸術系長・執行役員を歴任。2017年同大を定年退職、同年特命教授[1]。
1994年筑波大学に提出した学位論文「大正期新興美術運動の研究」により博士(芸術学)を取得。1995年著書『大正期新興美術運動の研究』により毎日出版文化賞奨励賞受賞。2017年度『非常時のモダニズム』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。1996年から1997年まで文部省在外研究員(Visiting Professor, Obermann Center for Advanced Studies, University of Iowa)[1]。
2018年3月、著書『非常時のモダニズム』の成果によって、平成29年度(第68回)芸術選奨・文部科学大臣賞受賞。
企画した主な展覧会
[編集]- 極東ロシアのモダニズム1918-1928(2002年):共同企画
- 町田市立国際版画美術館(4月6日~5月19日)
- 宇都宮美術館(5月26日~7月7日)
- 北海道立函館美術館(7月16日~9月1日)
著書
[編集]- 『大正期新興美術運動の研究』(スカイドア、1995年、改訂版1998年)
- 『日本のアヴァンギャルド芸術 <マヴォ>とその時代』(青土社、2001年)
- 『観衆の成立―美術展・美術雑誌・美術史』(東京大学出版会、2008年)
- 『非常時のモダニズム―1930年代帝国日本の美術』(東京大学出版会、2017年)
共編著
[編集]- 『ロシア・アヴァンギャルド4 コンストルクツィア 構成主義の展開』土肥美夫共編、国書刊行会、1991年
- 『シュールレアリスムの美術と批評』 本の友社、2001年
- 『モダニズム/ナショナリズム』水沢勉共編、せりか書房、2003年
- 『クラシック/モダン 1930年代日本の芸術』河田明久共編、せりか書房、2004年
- 『観衆の成立 美術展・美術雑誌・美術史』 東京大学出版会、2008年
- 『板垣鷹穂 クラシックとモダン』森話社、2010年
- 『島村抱月の世界 ヨーロッパ・文芸協会・芸術座』井上理恵、五十殿利治、岩井眞實、林廣親、安宅りさ子、永田靖、共著(2021-11-25、社会評論社)ISBN 978-4-7845-1155-6
訳書
[編集]- ステファニー・バロン、モーリス・タックマン編『ロシア・アヴァンギャルド 1910-1930』(リブロポート(アール・ヴィヴァン選書)、1982年)
- カジミール・マレーヴィチ『無対象の世界』<バウハウス叢書11>(中央公論美術出版、1992年、新版2020年)
- 『マレーヴィチ画集』(ジャン=クロード・マルカデ解説、リブロポート、1994年)