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ヨハネの黙示録の四騎士

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『黙示録の騎士』。ヴィクトル・ヴァスネツォフ作(1887年)。

ヨハネの黙示録の四騎士(ヨハネのもくしろくのよんきし)は、『ヨハネの黙示録』に記される四人の騎士とされているが、これは「馬に乗る者」(英語では「Horseman」)の意訳であり、原典には身分階級としての「騎士」に相当する単語は無い。小羊(キリスト)が解く七つの封印の内、始めの四つの封印が解かれた時に現れるという。四騎士はそれぞれが、地上の四分の一の支配、そして剣と飢饉と病・獣により、地上の人間を殺す権威を与えられているとされる。

第一の騎士

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アルブレヒト・デューラーの木版画『黙示録の四騎士』

『ヨハネの黙示録』第6章第2節に記される、第一の封印が解かれた時に現れる騎士。白い馬に乗っており、手にはを、また頭にを被っている。勝利の上の勝利(支配)を得る役目を担っているとされる。

第二の騎士

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『ヨハネの黙示録』第6章第4節に記される、第二の封印が解かれた時に現れる騎士。赤い馬に乗っており、手に大きなを握っている。地上の人間に戦争を起こさせる役目を担っているとされる。

第三の騎士

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『ヨハネの黙示録』第6章第6節に記される、第三の封印が解かれた時に現れる騎士。黒い馬に乗っており、手には食料を制限するための天秤を持っている。地上に飢饉をもたらす役目を担っているとされる。

第四の騎士

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『ヨハネの黙示録』第6章第8節に記される、第四の封印が解かれた時に現れる騎士。青白い馬(蒼ざめた馬)に乗った「死」で、側に黄泉(ハデス)を連れている。疫病や野獣をもちいて、地上の人間をに至らしめる役目を担っているとされる。

ギリシャ語のchloros(クロロス、緑)がpale(ペール、青白い)と訳されたもので、翻訳者によっては、病的な緑、または、白よりもむしろ灰色とされた。

解釈

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多くのキリスト教徒は四騎士を未来の苦難の予言と解釈している。黙示録がすでに実現したという解釈では、1世紀のローマ帝国とパルティア王国闘争の歴史という解釈や、赤い騎士が共産主義、黒い騎士がアフリカなど、現代に置き換える解釈も存在する。白い騎士がキリスト教という解釈では、その他の騎士は対比として反キリストの象徴とされる。また、すべての騎士がキリスト教に与えられた権威と力とする解釈では、白い騎士『勝利の上に勝利を』(キリスト教国家連合の絶対的地位)。赤い騎士『剣をもって争いを』(死の商人として他国を争わせる力)。黒い騎士『手にはかりを、小麦1デナリオン』(超大国のコモディティ、資源価格を統制できる権限)『オリーブ油を損なうな』(原油価格を統制せよ)、などの解釈がある。

キリスト教外の俗用法

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第四の騎手はタロット死神のモデルとされている。クリント・イーストウッドが出演・監督した映画ペイルライダー』のタイトルはこれから採られている。

フィクションにおけるヨハネの黙示録の四騎士

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音楽
  • アフロディテス・チャイルド:1971年に発表された、新約聖書のヨハネの黙示録を題材としたアルバム『666』に「4人の騎手 - The Four Horsemen」という曲が収録されている。
  • メタリカ:1983年発表のデビューアルバム『キル・エム・オール』に、黙示録の四騎士を題材にした「ザ・フォー・ホースメン」という曲が収録されている。
  • MIssionary:音楽ゲーム『Dynamix』に『White Horse Disease』『Red Horse Massacre』『Black Horse Famine』『Grey Horse Underworld』が収録されている。
映画
テレビドラマ
漫画
  • チェンソーマン:支配の悪魔、戦争の悪魔、飢餓の悪魔、死の悪魔、の登場が言及されている。
  • 力王:正確には四騎士を模した人物が登場し、力王と死闘を繰り広げる。
ゲーム
  • 女神転生シリーズ:それぞれ「ホワイトライダー(White Rider)」「レッドライダー(Red Rider)」「ブラックライダー(Black Rider)」「ペイルライダー(Pale Rider)」という名で登場。
  • ディビジョン(Tom Clancy's The Division):侵略ミッション『ドラゴンズネスト』において、敵であるクリーナーズのメンバーからコレクティブと称する4人のボス「デス」「ウォー」「ファミン」「ペスティレンス」が登場する。
  • ブラスレイター:「BLASSREITER」とはドイツ語。英語に直すと「PALERIDERS」で、「青ざめた騎手(騎士)」となる。
  • レッド・デッド・リデンプション: アンデッド・ナイトメア(レッド・デッド・リデンプション: コンプリート・エディション)西部開拓時代を舞台に、黙示録の4頭の馬にまたがりゾンビと戦うオープンワールドのアクション・シューティング・ゲーム。
  • AR∀GO -ロンドン市警特殊犯罪捜査官-:四騎士をモチーフとした敵四幹部が登場。それぞれが各騎士の記述に由来した特殊能力武器を持つ。
  • スーパーナチュラル:アポカリプスにおいて四騎士が登場。黙示録とは多少異なり、「戦争」の騎士、「飢饉」の騎士、「疫病」の騎士、「死」の騎士で構成されている。各騎士が馬の色と同じ車を有している。
  • Darksiders:ジョー・マデュレイラ作のアメコミおよびTHQが発売する同名のゲームソフト。「ウォー(War)」「フューリ(Fury)」「ストライフ(Strife)」「デス(Death)」の四騎士が登場する。
  • ガンダムシリーズ:四騎士の名を冠したモビルスーツペイルライダー」、「レッドライダー」、「ホワイトライダー」、「ブラックライダー」が登場する。
  • フューチャーカード バディファイト:四騎士モチーフとした百鬼「黙示録の第一騎士 グラトス」「黙示録の第二騎士 ヴォレモス」「黙示録の第三騎士 アベルシア」「黙示録の第四騎士 サナトス」が登場する。
  • 終わりのセラフ:未知のウイルスの蔓延時と同時に地上世界に出現した怪物。
  • Let it Die:黙示録の四騎士をモデルとした4forcemenという敵キャラクターが登場する。
  • ケイオスリングスII:黙示録の四騎士を元にした四騎士が登場している。馬にこそ乗っていないがスキルとして馬を使う。名前は「ルール」、「ウォー」、「ファーミン」、「デス」となっている。作中の図書館に黙示録らしきものが存在する(四騎士の説明として登場)。
  • lobotomy corporation:黙示録の四騎士をモデルとした「REDダメージ」「WHITEダメージ」「BLACKダメージ」「PALEダメージ」という攻撃が登場する
  • NetHack:終盤に登場するモンスターとして「ペスティレンス」「フェミン」「デス」の3人の乗り手が登場する。「ウォー」に相当する乗り手が敵として出てこない理由は3人が主人公に投げかける言葉で示唆される。

関連項目

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