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ダチョウ目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダチョウ目
生息年代: 暁新世-完新世 56–0 Ma
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
上目 : 古顎上目 Palaeognathae
: ダチョウ目 Struthioniformes
学名
Struthioniformes Latham1790

ダチョウ目(ダチョウもく、学名:Struthioniformes)は鳥類の1目である。ダチョウ科ダチョウのみ)を含む目であり、現世鳥類の中で原始的なグループである古顎類に含まれる。

ただしその定義には諸説あり、中でも、現世種ではダチョウのみを含む「狭義のダチョウ目 (Struthioniformes sensu stricto)」と、平胸類あるいは古顎類に等しい「広義のダチョウ目 (Struthioniformes sensu lato)」とが広く使われている。

狭義のダチョウ目

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狭義のダチョウ目は、古顎類の全ての現生科を独立目に分類する分類体系で使われる。古くからある定義の1つで、伝統分類であるクレメンツ分類ピーターズ分類などで採用されている。

現生種ではダチョウ科のみが含まれる。ただし、化石鳥類エピオルニス科を含める説もある[要出典]

データベースではNCBIDDBJなどが採用している。

系統

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Mayr and Zelenkov (2021)[1]による。

ダチョウ目(狭義)
Palaeotididae

Palaeotis

Galligeranoides

Geranoididae

Eogruidae

Eogrus

Sonogrus

Proergilornis

Ergilornithidae

ダチョウ科 Struthionidae

Struthioniformes

広義のダチョウ目

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広義のダチョウ目は、古顎類の中で完全に竜骨突起を失って地上棲に適応した、平胸類をまとめた目とされた。この場合、古顎類はダチョウ目とシギダチョウ目(シギダチョウ科のみ)に分けられていた。

かつては、平胸類はその顕著な特徴から単系統とするのが主流だった。Mayr (1979) はそれに従い、平胸類の従来の4つの目を亜目に格下げし、ダチョウ目に統合した[2]シブリー・アールキスト分類で採用されたこともあり、この広義のダチョウ目はある程度普及した。データベースではITISWikispeciesなどが採用している。

ただし現在は分子系統などにより、シギダチョウ科が平胸類(広義のダチョウ目)に内包される、すなわち平胸類は側系統群であることが判明した。古顎類の共通祖先が飛翔可能であったことも考えると、竜骨突起の喪失は古顎類の複数の系統で起こった平行進化だと見られている[3]

BirdLife Internationalは2020年時点でシギダチョウ科を含めた古顎類全体をダチョウ目としている[4]。これが最広義のダチョウ目の範囲である。

Mitchell et al.(2014)[5]による最広義のダチョウ目の系統樹は以下。

ダチョウ目(最広義)

ダチョウ科 Struthioniformes

Notopalaeognathae

レア科 Rheiformes

シギダチョウ科 Tinamiformes

モア科 Dinornithiformes

Novaeratitae

キーウィ科 Apterygiformes

エピオルニス科 Aepyornithiformes

Casuariiformes

ヒクイドリ科 Casuariidae

エミュー科 Dromaiidae

Palaeognathae

脚注

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  1. ^ Mayr, Gerald; Zelenkov, Nikita (2021-11-13). “Extinct crane-like birds (Eogruidae and Ergilornithidae) from the Cenozoic of Central Asia are indeed ostrich precursors” (英語). Ornithology 138 (4): ukab048. doi:10.1093/ornithology/ukab048. ISSN 0004-8038. https://academic.oup.com/auk/article/doi/10.1093/ornithology/ukab048/6338403. 
  2. ^ Christidis, Les; Boles, Walter (2009), Systematics and Taxonomy of Australian Birds, CSIRO Publishing 
  3. ^ Harshman, John; et al. (2008), “Phylogenomic evidence for multiple losses of flight in ratite birds”, Proc Natl Acad Sci 105, http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=2533212 
  4. ^ Handbook of the Birds of the World and BirdLife International (2020). Handbook of the Birds of the World and BirdLife International digital checklist of the birds of the world. Version 5. Available at: https://datazone.birdlife.org/userfiles/file/Species/Taxonomy/HBW-BirdLife_Checklist_v5_Dec20.zip. (Accessed 25 May 2021)
  5. ^ Mitchell, K. J.; Llamas, B.; Soubrier, J.; Rawlence, N. J.; Worthy, T. H.; Wood, J.; Lee, M. S. Y.; Cooper, A. (2014-05-23). “Ancient DNA reveals elephant birds and kiwi are sister taxa and clarifies ratitle bird evolution”. Science 344 (6186): 898-900. Bibcode2014Sci...344..898M. doi:10.1126/science.1251981. hdl:2328/35953. PMID 24855267. https://hdl.handle.net/2328/35953. 

関連項目

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