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ソウルメトロ3000系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソウル交通公社3000系電車
ソウルメトロ3000系(301編成)
基本情報
製造所 現代ロテムタウォンシス
主要諸元
編成 10両編成
軌間 1,435 mm
電気方式 直流1,500 V架空電車線方式
最高運転速度 80 km/h
設計最高速度 110 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
主電動機 かご形三相誘導電動機(1次車:KTM-ILS-210CA型)
駆動方式 WNドライブ
歯車比 14:99=1:7.07
編成出力 定格:4,200 kW (1時間定格:4,600 kW)
定格出力 定格:210kW (1時間定格:230kW)
制御装置 VVVFインバータ制御 (IPMIGBT素子)
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ
保安装置 ATCATO
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ソウルメトロ3000系電車(ソウルメトロ3000けいでんしゃ)は、ソウル交通公社(旧:ソウルメトロ)の通勤形電車首都圏電鉄3号線で使用されている。

概要

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旧3000系の老朽化に伴う代替車両として1次車(34編成)と2次車(15編成)の計49編成490両が導入された。製造会社は1次車が現代ロテム、2次車がタウォンシスとなっている。

車両概要

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1次車

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1984年の地下鉄3号線開業時から使用されている旧3000系(そのうち改造を施された編成を除く)の置き換え車両として、2009年から計34編成が導入された。そのうち349編成のみ、3号線梧琴駅延伸に伴う増備車として導入されたため、旧3000系348編成からの連番である。

2号線2000系2次車をベースとして製造されており、主電動機も2000系と同じ現代ロテムが開発したKTM-ILS-210CA型(定格出力:210kW、端子電圧:,100V、定格電流:136A、回転数:2,200rpm)を採用しており、日本の一部の全閉式誘導電動機のような音を発する。VVVFインバーターは三菱電機の素子を基にした現代ロテム製のIGBT素子VVVFインバーターを採用。車内設備も2000系2次車に準じており、車両間の貫通路にはスイッチ操作式の自動ドアが設置されている。ただし、車体は2000系2次車が2シート工法であるのに対し、3000系1次車ではビードプレス工法を採用している。また、2000系2次車では、扉上部に発光ダイオード(LED)を用いる路線図が採用されていたが、3000系1次車では紙の路線図が採用されている。

なお、客室天井部の枕木方向には停車駅案内や動画広告を放映する液晶モニター式情報表示装置(1台あたり表裏計4画面)が1両あたり2台ずつ設置されているが、画面サイズは2000系の17インチから19インチに拡大され、アスペクト比も4:3から16:9に変更された。

2次車

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残存した旧3000系の中で先頭化改造を施された316編成-320編成・341編成-344編成(計9編成)と、1990年に製造された334編成-335編成・345編成-348編成(6編成)の置き換え用車両として2019年に、2号線に導入された2000系3次車をベースにした2次車がタウォンシスから受注された。当初は2020年から導入予定であったが、新型コロナウイルス感染症に伴い製造時期が遅れており、2021年6月に第1編成目となる316編成が出場し2022年2月14日から運用開始となり、2022年11月までに全ての旧3000系を置き換えた。

VVVFインバーターは、日立製作所の素子を基にしたタウォンシス・KEC製のIGBT素子VVVFインバーター制御となった。

2000系3次車をベースにした点から、機器設計などは同一設計となっているが、保安装置の方式が2号線と3号線では異なっているため、相違点も見られる。

座席はプラスチックシートに変更され、座席も480mmに拡張されたことにより7席から6席と変更され、車体もステンレス車体からアルミ車体へと変更された。なお、車内の液晶ディスプレイも客室天井部の枕木方向から、扉上部のみと変更され、液晶も2画面式とされた。

また、車両貫通路上部に3色の発光ダイオード(LED)が設置された。

編成表

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ソウル交通公社の編成番号は、4桁の車号のうち号車を意味する百の位を除く3桁で表現する。(例:1号車が3001である編成=301編成)

 
梧琴
大化
 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 製造年
形式 3000形 3100形 3200形 3300形 3400形 3500形 3600形 3700形 3800形 3900形
区分 Tc M M' T M' T1 T M M' Tc
搭載機器 SIV,CP,BT VVVF VVVF VVVF SIV,CP,BT VVVF VVVF SIV,CP,BT
車両番号 3001

3015
3101

3115
3201

3215
3301

3315
3401

3415
3501

3515
3601

3615
3701

3715
3801

3815
3901

3915
2009年
3016

3020
3116

3120
3216

3220
3316

3320
3416

3420
3516

3520
3616

3620
3716

3720
3816

3820
3916

3920
2021年
3021

3033
3121

3133
3221

3233
3321

3333
3421

3433
3521

3533
3621

3633
3721

3733
3821

3833
3921

3933
2009年
3034
3035
3134
3135
3234
3235
3334
3335
3434
3435
3534
3535
3634
3635
3734
3735
3834
3835
3934
3935
2021年
3036

3040
3136

3140
3236

3240
3336

3340
3436

3440
3536

3540
3636

3640
3736

3740
3836

3840
3936

3940
2010年
3041

3048
3141

3148
3241

3248
3341

3348
3441

3448
3541

3548
3641

3648
3741

3748
3841

3848
3941

3948
2022年
3049 3149 3249 3349 3449 3549 3649 3749 3849 3949 2010年
凡例
  • VVVF -主制御装置
  • SIV -静止形インバータ
  • CP -空気圧縮機
  • BT -蓄電池
備考
  • パンタグラフは、M'(3200形、3400形、3800形)に下枠交差形を2基ずつ搭載する。
  • 太字は2次車。

配属

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写真

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関連項目

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