オーストラリアの哺乳類化石地域

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世界遺産 オーストラリアの哺乳類化石地域(リバーズレー/ナラコーアテ)
オーストラリア
ナラコーアテ・ケーブ国立公園内の フクロライオンの骨格展示
英名 Australian Fossil Mammal Sites (Riversleigh / Naracoorte)
仏名 Sites fossilifères de mammifères d'Australie (Riversleigh / Naracoorte)
面積 10,300ha
登録区分 自然遺産
IUCN分類 現存の自然でないため無し
登録基準 (8),(9)
登録年 1994年
公式サイト 世界遺産センター(英語)
地図
オーストラリアの哺乳類化石地域の位置
使用方法表示

オーストラリアの哺乳類化石地域(オーストラリアのほにゅうるいかせきちいき)はオーストラリアにあるユネスコ世界遺産(自然遺産)の一つ。

概要[編集]

オーストラリアの哺乳類化石地域はクイーンズランド州リバーズレー南オーストラリア州ナラコーアテにある哺乳類の化石がある地区に分けられる。リバーズレーの化石発見現場はローン・ヒル国立公園英語版(Lawn Hill National Park)、ナラコーアテの現場はナラコーアテ・ケーブ国立公園に登録され保護されている。この両地域で発見される化石はオーストラリア大陸における哺乳類の進化を研究する上で非常に重要なものである。

リヴァーズレーでは現生の有袋類フクロモグラ属英語版ニセフクロモモンガ英語版の早期の仲間の化石が発見され、漸新世から中新世までの低地雨林から乾燥したユーカリ林への植生の変化に関する記録ともなっている。現在のオーストラリアの乾燥地に生息する哺乳類の大部分が雨林に起源を持つことを示唆した[1]

ナラコーアテではより近い時期の更新世中期氷期から現在までに生息していた陸生脊椎動物、つまりティラコレオタスマニアデビルフクロオオカミワラビーポッサムなどの有袋類のほか、有胎盤類ネズミコウモリ、そしてヘビトカゲカエルカメの化石も発見された。その動物相の生息する時代はちょうど人間がオーストラリアに到着したと思われる時期と一致するため、気候変動と人間の到来がオーストラリアの哺乳類、特に大型動物に与える影響を解明するのに役立つと考えられる[1]

登録基準[編集]

この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。

  • (8) 地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。これには生物の記録、地形の発達における重要な地学的進行過程、重要な地形的特性、自然地理的特性などが含まれる。
  • (9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。

脚注[編集]

  1. ^ a b Australian Fossil Mammal Sites (Riversleigh / Naracoorte)” (英語). UNESCO World Heritage Centre. 2023年4月30日閲覧。