Laravel

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Laravel
LaravelLogo.png
開発元 Taylor Otwell
初版 2011年6月(7年前) (2011-06[1]
最新版 5.7.x[2] / 2018年9月4日(43日前) (2018-09-04
リポジトリ github.com/laravel/framework
プログラミング言語 PHP
対応OS クロスプラットフォーム
サポート状況 Active
種別 Webアプリケーションフレームワーク
ライセンス MIT License
公式サイト laravel.com
テンプレートを表示

Laravel は、MVCWebアプリケーション開発用の無料・オープンソースPHPで書かれたWebアプリケーションフレームワークである。LaravelはMITライセンスの下でリリースされており、そのソースコードGitHubホスティングされている[3][4]マイクロソフト.NETの開発に関わっていたTaylor Otwell が開発した[5]

GitHubでのスター獲得数がPHPフレームワークの中で最も多いなど、人気のフレームワークの1つとなっている[6]

2018年9月現在、最新の5.7系の対応PHPはバージョン 7.1.3以上となっている[7]

特徴[編集]

Laravelの主要な設計ポイントとして挙げられる特徴は下記の通りである[8]

  • バンドル」は、Laravelのモジュールパッキングシステムである。 Laravelバンドルリポジトリーは、アプリケーションへ簡単に機能を付け加えられるように、予め用意されている。バンドルリポジトリーからbundlesディレクトリーダウンロードしたり、"Artisan"コマンドラインツールを使い、自動的にインストールすることもできる。
  • 「Eloquent ORM」は、データベースオブジェクト間のリレーションシップに制約を適用する内部メソッド(eagerローディング等)を提供するアクティブレコードを実装している。 EloquentはLaravelのクエリービルダーである「Fluent」のメソッドを完全にサポートしている。
  • 「アプリケーションロジック」をコントローラーでアプリケーションに実装することもできる。また、Sinatraフレームワークと似たようなシンタックスを使い、ルートの定義を直接記述することもできる。
  • 「リバースルーティング」で名前付きのルートにリンクを作成できる。 リンクを作成するときにルートの名前を使えば、Laravelは自動的に正しいURIを挿入する。 これを使うことにより、後ほどルートを変更しても、Laravelがサイト中のリンク全部を適切に更新する。
  • RESTfulリソースコントローラー」はGETとPOSTに応答するロジックを分ける別の方法を提供する。例えば、ログインにおいて、コントローラーのget_login()アクションでフォームを担当させ、コントローラーのpost_login()アクションで、送信されたフォームを受け取り、バリデーションし、エラーメッセージと一緒にログインフォームにリダイレクトさせたり、各ユーザーのダッシュボードにリダイレクトさせたりすることもできる。
  • 「クラスのオートローディング」はオートローディングの環境設定を保つ手間を省き、使用していない不要なコンポーネントまでロードしてしまうことを防ぐことが出来る。
  • 「ビューコンポーザー」はビューがロードされた時点で実行されるコードブロックである。例として、ブログのサイドナビに見られる、投稿をランダムにリスト表示するものが挙げられる。コンポーザーは必要のあるブログポストを全てロードするロジックで構成してくれる為、ビューをロードすれば、表示する準備は全て予め済んでいる状態となる。これにより、メソッドのページコンテンツに関連する、ビューのモジュールで使用するデータのロードを、全てのコントローラー側で確実に行わなくてはならない手間を省くことができる。
  • 「IoC (Inversion of Control)コンテナ」は新しいオブジェクトを生成するメソッドを提供し、随意にインスタンスを生成したり、シングルトンでの使用をできるようにするものである。IoCにより、外部ライブラリーの使用準備を行う必要性を大幅に減らしてくれる。また、きっちりと決まった柔軟性のないファイル構造に係わる必要はなく、IoCを使用したオブジェクトにはコードのどこからでもアクセスできる。
  • 「マイグレーション(移行)」はスキーマのバージョンコントロールで、Laravelに直接統合されている。生成も実行も"Artisan"コマンドラインユーティリティーを使用して行うことが出来る。例えば、チームによる開発中に、他のメンバーがスキーマを変更したら、リポジトリーからコピーをローカル環境に置き、マイグレーションを実行すれば、自分のデータベースもアップデートされる。
  • ユニットテスト」は、Laravelは重要視している。新しい変更が予期せず他の部分を壊していないか確認する為に、何百ものユニットテストを行なっている。ユーザー自身も"Artisan"コマンドユーティリティーを使ってテストを実行できる。
  • 「自動パジネーション(改ページ)」は、"paginate"を呼び出し、ビュー内のページリンクを出力箇所を指定すれば、自動的に残りのページがパジネーションされる。パジネーションシステムは、簡単に手動/自動の切り替え等の設定・変更ができるように設計されている。
  • LaravelはComposerでのインストールを推奨している(パッケージ自体が存在しない)。

バージョン[編集]

バージョン リリース時期 サポート 必要PHPバージョン
v1 2011年6月[1]
v2 2011年11月[1]
v3 2012年2月[1]
v4.0 2013年5月[1] 5.3以上[9]
v4.1 2013年12月 5.3以上[10]
v4.2 2014年6月 5.4以上[11]
v5.0 2015年2月 5.4以上 [12]
v5.1 2015年9月 LTS 5.5.9以上 [13]
v5.2 2015年12月 5.5.9以上 [14]
v5.3 2016年8月 5.6.4以上 [15]
v5.4 2017年1月 5.6.4以上 [16]
v5.5 2017年8月[17] LTS 7.0以上 [18]
v5.6 2018年2月[19] 7.1.3以上 [20]
v5.7 2018年9月[21] 7.1.3以上 [22]
  • LTS(Long Term Support) のリリースはバグフィックスが2年間、セキュリティフィックスは3年間
  • LTSではない通常のリリースはバグフィックスが半年、セキュリティフィックスは1年間[23]
バージョン別機能比較 (Laravel 1 to 4)[1]
バージョン Laravel 1 Laravel 2 Laravel 3 Laravel 4
認証(Auth)
キャッシュ
Eloquent
MySQL
PostgreSQL
SQLite
SQLServer - -
マイグレーション - -
IoCコンテナ -
Config
Formヘルパー
HTMLヘルパー
URLヘルパー
ルーティング
コントローラー -
モデル
ビュー
モデル間のリレーションシップ -
リダイレクト
レスポンス
String(文字列)ヘルプ関数
バリデーション -
ユニットテスト - -
Bladeテンプレートエンジン - -
DB Seeding - - -
キュー[24] - - -
メール[25] - - -
ファサード(Facade)[26] - - -
コマンドライン(CLI) - -
拡張性 モジュールライブラリ モジュールライブラリ バンドルライブラリ Composerパッケージ
Laravel 4 と Laravel 5 のディレクトリ構造の違い[27][28]
Laravel 4 Laravel 5
app/commands app/Console
app/config config
app/controllers app/Http/Controllers
app/database database
app/lang resources/lang
app/models app
app/start 無し
app/storage storage
app/tests tests
app/views resources/views
app/filters.php 廃止(app/Providers/FilterServiceProviderに定義)
app/routes.php app/Http/routes.php(5.2以降はapp/routes/api.phpに定義)
app/database/production.sqlite storage/database.sqlite(ファイルはないので自分で作る必要あり)

他のPHPアプリケーションフレームワークとの比較と動向[編集]

  • Laravelは、他の主要なPHPアプリケーションフレームワークと比べて、ベンチマークでのテスト時の速度が遅かったというデータがある[29]
  • Eloquent ORM・Redisサーバーの利用やクラスのオートロードなど、Laravelは先進的な機能を持っている[5]
  • ドキュメントの充実に力を入れている[5]
  • CodeIgniterがバージョン 3.0 においてGPLと互換性のない「Open Software License (“OSL”)」を採用した為、コミュニティの反発を買っており、英語圏ではCodeIgniterからLaravelにユーザーが流れる動きが進んでいることが見られる[30]。その後、CodeIgniter 3.0はMITライセンスに改められた[31]
  • CodeIgniterからFuelPHPに移行したユーザーもいるが、CodeIgniterやLaravelには数が及ばない[30]。ただし、日本では2013年時点でLaravelを引き離しCodeIgniterに匹敵するほど人気がある[29]
  • CakePHPは、世界的にはCodeIgniterと並ぶ人気であり、日本においては圧倒的人気である[29]
  • Yiiは、日本では人気がないが、世界的にはCodeIgniterやCakePHPに次ぐ大きなシェアを占めている[29]。しかし、アメリカでのGoogleの検索数は、Laravelが追い抜くだろうと予想される状態である[32]

カンファレンス[編集]

Laraconは Laravelのコンベンション(カンファレンス)のことである[33]。様々なスポンサーの追加支援を受けたUserScape[34]によって大規模にオーガナイズ化されて開かれている[35][36][37]

Laracon開催スケジュール
日付 会場
2013年2月22–23日  ワシントンD.C.
2013年8月30–31日[38]  アムステルダム
2014年5月15–16日  ニューヨーク
2014年8月28–30日[39]  アムステルダム
2015年8月11–12日[40]  ケンタッキー州ルイビル
2015年8月25–26日[41]  アムステルダム
2016年7月27–29日[42] ケンタッキー州ルイビル
2016年8月23–24日[43] アムステルダム
2017年3月8日[44] オンライン
2017年7月25–26日[45] ニューヨーク
2017年8月28–30日[46][47] アムステルダム
2018年2月7日[48] オンライン
2018年7月25-26日[49] シカゴ

ライセンス[編集]

LaravelはMITライセンス[50]の下にライセンスされているオープンソースのソフトウェアである[51]。すなわち、Laravelを誰でも自由・無制限に扱って良い。ただし、著作権表示および本許諾表示をLaravelのすべての複製または重要な部分に記載しなければならない。作者または著作権者は、ソフトウェアに関して一切の責任を負わない。

名前の由来[編集]

Laravelの名前は『ナルニア国物語』に登場するナルニア国の王都、ケア・パラベルにちなむ[52]

関連するフレームワーク[編集]

Larvelを軽量化したマイクロフレームワークとして、Lumenがある。[53]

関連項目[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f Maks Surguy (2013年7月27日). “History of Laravel PHP framework, Eloquence emerging” (英語). maxoffsky.com. 2014年2月23日閲覧。
  2. ^ Release Notes for 5.7.x”. laravel-news.com (9 4, 2018). 2018年9月4日閲覧。
  3. ^ Laravel Documentation”. utexas.edu. 2013年12月17日閲覧。[リンク切れ]
  4. ^ Daniel Gafitescu (2013年6月6日). “Goodbye CodeIgniter, Hello Laravel”. sitepoint.com. 2013年12月21日閲覧。
  5. ^ a b c LaravelはポストCodeIgniterの最有力候補なのか”. 2014年2月23日閲覧。
  6. ^ これでスッキリわかる!最新PHPのフレームワーク7選!” (2017年3月16日). 2017年5月19日閲覧。
  7. ^ framework/composer.json at 5.7 · laravel/framework”. 2018年9月4日閲覧。
  8. ^ Laravelドキュメント[リンク切れ]
  9. ^ laravel/framework v4.1.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  10. ^ laravel/framework v4.2.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  11. ^ laravel/framework v4.3.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  12. ^ laravel/framework v5.0.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  13. ^ laravel/framework v5.1.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  14. ^ laravel/framework v5.2.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  15. ^ laravel/framework v5.3.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  16. ^ laravel/framework v5.4.0” (英語). Packagist. 2018年3月28日閲覧。
  17. ^ Paul Redmond (2017年8月30日). “Laravel 5.5 LTS is Now Released” (英語). Laravel News. 2017年11月7日閲覧。
  18. ^ laravel/framework v5.5.0” (英語). Laravel News. 2018年3月28日閲覧。
  19. ^ Paul Redmond (2018年2月7日). “Laravel 5.6 is Live, Here’s What’s New!” (英語). Laravel News. 2018年2月9日閲覧。
  20. ^ laravel/framework v5.6.0” (英語). Laravel News. 2018年3月28日閲覧。
  21. ^ Eric L. Barnes (2018年9月4日). “Laravel 5.7 is now released!” (英語). Laravel News. 2018年9月4日閲覧。
  22. ^ laravel/framework v5.7.0” (英語). Laravel News. 2018年9月5日閲覧。
  23. ^ Release Notes - Laravel”. Laravel. 2018年9月5日閲覧。
  24. ^ キュー[リンク切れ]
  25. ^ メール[リンク切れ]
  26. ^ ファサード[リンク切れ]
  27. ^ Laravel 5 はこう変わる! ディレクトリ構造編
  28. ^ Laravel 5.0.dev リリースノート
  29. ^ a b c d PHPフレームワークのベンチマーク比較と2013年のトレンド”. 2014年2月23日閲覧。[リンク切れ]
  30. ^ a b 2013年において注目すべき PHP フレームワークは Laravel”. 2014年2月23日閲覧。
  31. ^ CodeIgniter 3 Will be Released Under the MIT License”. 2015年11月19日閲覧。
  32. ^ Laravel、2013年からの将来性”. 2014年2月23日閲覧。
  33. ^ Laravelの紹介
  34. ^ Userscape | Home
  35. ^ Laravel wiki”. laravel.io. 2014年1月2日閲覧。[リンク切れ]
  36. ^ Laracon EU 2013”. laracon.eu. 2014年1月2日閲覧。
  37. ^ Userscape home page”. userscape.com. 2014年1月2日閲覧。
  38. ^ Laracon EU 2013”. laracon.eu. 1 2, 2014閲覧。
  39. ^ Laracon EU 2014”. laracon.eu. 8 30, 2014閲覧。
  40. ^ Laracon 2015 will be in Louisville KY”. laravel-news.com (1 15, 2015). 7 9, 2015閲覧。
  41. ^ Laracon EU 2015”. laracon.eu. 7 9, 2015閲覧。
  42. ^ Eric L. Barnes (1 6, 2016). “Laracon tickets are now on sale”. laravel-news.com. 1 7, 2016閲覧。
  43. ^ Eric L. Barnes (1 7, 2016). “Laracon EU tickets on sale”. laravel-news.com. 4 7, 2016閲覧。
  44. ^ “Announcing Laracon Online” (英語). Laravel News. (2017年2月6日). https://laravel-news.com/announcing-laracon-online 2017年3月24日閲覧。 
  45. ^ “Laracon 2017 – Location and dates have been announced” (英語). Laravel News. (2016年11月9日). https://laravel-news.com/laracon-2017 2017年3月24日閲覧。 
  46. ^ WebEngineers. “Announcing Laracon EU 2017 the official European Laravel conference.” (英語). Laracon EU 2017. https://laracon.eu/2017/news/2017/01/12/announcing-laracon-eu-2017-the-official-european-laravel-conference/ 2017年3月24日閲覧。 
  47. ^ “Laracon EU 2017 is Announced” (英語). Laravel News. (2017年1月16日). https://laravel-news.com/laracon-eu-2017-is-announced 2017年3月24日閲覧。 
  48. ^ Eric L. Barnes (2017年10月25日). “Announcing Laracon Online 2018” (英語). Laravel News. 2017年11月7日閲覧。
  49. ^ Laracon 2018” (英語). Laravel LLC. (2018年7月25日). 2018年9月4日閲覧。
  50. ^ The MIT License (MIT)
  51. ^ Laravel PHP Framework
  52. ^ taylorotwellのツイート(339196313155563520)
  53. ^ Lumen - PHP Micro-Framework By Laravel

外部リンク[編集]