選挙管理内閣
選挙管理内閣(せんきょかんりないかく)とは、国政選挙が行われるまでの間、暫定的に組閣される内閣である。
解説
政情不安な国において、政治的に中立な人物を大統領や君主が任命し、国政選挙実施に向けて行政府の運営に当たる文字通りの選挙管理内閣もあれば、独裁政権が民政移管する際に設置されるものもある。また戦後の日本のように、単に目前に大型国政選挙を控えた時期に組閣される内閣を指すこともあり、この場合には選挙で与党が勝利をすれば本格政権となることもあり得る。
日本の例
単に議員任期が近づいている時期に組閣された内閣を指すことが多い。特定の内閣を指す正式な呼称ではない。
- 1954年 - 第1次鳩山一郎内閣(第27回衆議院議員総選挙)
- 1989年 - 宇野宗佑内閣(第15回参議院議員通常選挙)
- 1989年 - 第1次海部俊樹内閣(第39回衆議院議員総選挙)
- 2000年 - 第1次森喜朗内閣(第42回衆議院議員総選挙)
- 2001年 - 第1次小泉純一郎内閣(第19回参議院議員通常選挙)
- 2010年 - 菅直人内閣(第22回参議院議員通常選挙)
戦前の例では、1924年の清浦奎吾内閣のように政党から中立な立場で衆議院議員選挙を実施することを期待されて大命降下を受けた例もあったが、これも正式な呼称ではない。なお清浦内閣は政党から全く大臣を取らなかったため衆議院の反発を買い、第二次護憲運動を誘発することとなった。
「超然主義#超然主義の脆さ」および「護憲運動#第二次憲政擁護運動の背景と発端」も参照
海外の例
- ギリシャでは、2012年5月ギリシャ議会総選挙と2012年6月ギリシャ議会総選挙の間で、無所属のパナギオティス・ピクラメノスが首相になったケースと、アレクシス・ツィプラスの辞表提出と2015年9月ギリシャ議会総選挙の間で、無所属のバシリキ・タヌーが首相になったケースがある。