コンテンツにスキップ

中の小路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Peka (会話 | 投稿記録) による 2023年6月13日 (火) 16:41個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (画像の追加整理)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

日本 > 佐賀県 > 佐賀市 > 中の小路
中の小路
中の小路にある県内唯一の百貨店・佐賀玉屋
中の小路にある県内唯一の百貨店・佐賀玉屋
日本
都道府県 佐賀県
市町村 佐賀市
面積
 • 合計 0.105 km2
人口
2022年令和4年)1月31日時点)[1]
 • 合計 388人
 • 密度 3,700人/km2
等時帯 UTC+9 (JST)
郵便番号
840-0833
市外局番 0952
ナンバープレート 佐賀

中の小路(なかのこうじ)は、佐賀県佐賀市の地名。郵便番号は840-0833。

地理

中の小路は佐賀市中心部の地名で、江戸時代にも同名の通称があった[2]。市街中央部を南北に走る県道29号線(中央大通り)と市街地西部を南北に走る国道264号線旧道(紡績通り)の間に位置する。西・南端は人工河川の多布施川が境界となる。多布施川からは中川橋と辻の堂橋の中間にある井樋で中の小路水路が、さらに辻の堂橋で東に折れた先にあるポンポン井樋で松原川が分かれてそれぞれ東に流れている。なお中の小路水路は裏十間川に注いでいる。北から時計回りに八幡小路、中央本町、松原、堀川町、川原町に接する。

東部には県内唯一の百貨店佐賀玉屋」があり、中心市街地の一角となっている。明治22年創業の老舗「旅館あけぼの」、佐賀ラーメン玉名ラーメン熊本ラーメンの源流とも言われる「三九中華そば専門店」、現代の名工に選ばれたそば職人・長尾茂穂が経営した「そば勢」などの名店があるが、三九は2013年の火事で店を閉じ、そば勢は2016年タイバンコクのホテルへ進出のため閉店した[3]。ほか、ポンパドウル佐賀店やサッカー・サガン鳥栖のオフィシャルグッズ専用販売スペースなどを設けたコラボ店、ローソン中の小路店などがある[4]

中・西部は佐賀地方裁判所佐賀家庭裁判所佐賀簡易裁判所佐賀地方検察庁といった官公庁や官舎及び住宅地となっている。当地には武家屋敷の門が残り、佐賀地方検察庁の官舎の門として使われている。佐賀市の重要文化財に指定されているが建築年代は不明である。裁判所・検察庁と法曹関係官庁が所在することから弁護士事務所も多く、佐賀県弁護士会館も当地にある。2020年から迎賓館となり定期的に一般公開されている「中之小路賓館」は旧佐賀県県知事公舎で、1891年完成の明治中頃の和洋折衷の建築である[5][6]

面積は約0.105㎢。2022年1月末の住民基本台帳による世帯数は201世帯。人口は男性180人・女性208人の合計388人[1]

歴史

中の小路は佐賀城下の武家屋敷地で別名は大名小路といった。『弘化二巳総着到』(鍋島報效会所蔵の佐賀藩士名簿)によると居住する武士は27人、総石高は7,319石(平均271石)で諸小路中高い部類に入り、大身の武士が多かったことがわかる。鍋島播磨、岡部杢之助、鍋島三太夫、石井勘解由と4人の大組頭の名があり、大組頭の人数は城内に並び最高位である[2]

家屋の密集していた城下は火事が多く、正徳元年(1711年)には当町から出火して武家屋敷と町家49軒、6つの寺が焼けたとの記録がある。宝暦11年(1761年)の大火では高木町や呉服町から当町までの広範囲に火が及んだという。『明治7年取調帳』(1874年)には松原村の枝町、中ノ名と記載されている[7][2]

1881年(明治14年)に松原村は佐賀郡松原町となり、当地に佐賀郡役所が設置され行政の拠点となった。1889年(明治22年)佐賀市が発足しその一部となり、市役所は松原町の北濠端に置かれることとなった[7][2][8]

1968年(昭和43年)の住居表示開始により松原町の一部が独立して成立した[9]

中の小路の人口推移
人口 世帯数
1976(昭和51)年 23月末
495
1980(昭和55)年 23月末
414
1985(昭和60)年 23月末
366
1990(平成02)年 23月末
377
1995(平成07)年 23月末
367
2000(平成12)年 10月1日
291
138
2004(平成16)年 23月末
331
2010(平成22)年 10月1日
313
164
2020(令和02)年 10月1日
398
211

出典:1976-1995,2004[10]、2000,2010,2020[11]

交通

中央本町との境界になっている県道29号線に「中の小路」バス停があり、複数のバス路線が運行されている。

その他施設

ギャラリー

脚注

  1. ^ a b 佐賀市の人口(令和4年1月末現在)”. 佐賀市 (2022年2月4日). 2022年7月7日閲覧。
  2. ^ a b c d 「中小路(近世)」、角川日本地名大辞典
  3. ^ 「そば勢」10日閉店 “玉屋の味”ホテルで勝負佐賀新聞 - 2016年10月7日
  4. ^ サガン鳥栖とローソンのコラボ店オープン佐賀新聞 - 2017年5月27日
  5. ^ 「中之小路賓館」GWで連日公開中」、朝日新聞デジタル、2022年4月30日付、2022年7月7日閲覧
  6. ^ 新緑鮮やか「中之小路賓館」 1891年建設の旧知事公舎、特別公開 /佐賀」、毎日新聞 佐賀地方版、2022年5月4日付、2022年7月7日閲覧
  7. ^ a b 「佐賀城下(近世)」、角川日本地名大辞典
  8. ^ 佐賀市制成立後の佐賀市役所庁舎」、さがの歴史・文化お宝帳(佐賀市地域文化財データベース)、2022年7月7日閲覧
  9. ^ 「中の小路(近代)」、角川日本地名大辞典
  10. ^ 佐賀市中央大通り再生計画 第2章 pp.16-18、2022年7月7日閲覧
  11. ^ 各年(2000, 2010, 2020)の国勢調査 小地域集計 男女別人口 佐賀県

参考文献

  • 角川日本地名大辞典編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 41 佐賀県』角川書店、1991年9月1日。ISBN 4040014103 
  • 「弘化二巳総着到」 (弘化2年)
  • 佐賀市中央大通り再生計画 第2章 中央大通り(中心市街地)の現状と課題」、佐賀市 経済部 商業振興課 街なか再生係、2015年6月