国際情報オリンピック
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国際情報オリンピック(こくさいじょうほうオリンピック、International Olympiad in Informatics, IOI)は、1989年から毎年行われる、高校生を対象としたプログラミング能力を競う国際大会である。
概要
1カ国あたり、最大4人の選手が参加できる。2005年のポーランド大会では、72カ国276人が参加した。日本から参加するには、日本情報オリンピックに参加する必要がある。回答言語はほとんどの選手がC++を使用している[1]。
テストは2日間あり、各1日5時間で3問ずつに挑戦する。各問題は100点満点で採点され、満点は2014年現在、600点である(2009年は800点であった。また、2010年は一部の問題において100点を超える解答が存在する可能性があったため、820点満点とされている[2])。各プログラムには実行時間やメモリの制限があり、その制限がアルゴリズム上の工夫を要し、問題を難しくする。採点は入力データに対して、正しい結果を返すかどうかという、コンピュータによる自動採点で行われる。
採点の結果、上位1/12には金メダル、次の2/12には銀メダル、次の3/12には銅メダルが授与される。
開催歴
過去の開催
- 1989年 第1回 - ブルガリア・プラヴェッツ
- 1990年 第2回 - ベラルーシ・ミンスク
- 1991年 第3回 - ギリシャ・アテネ
- 1992年 第4回 - ドイツ・ボン
- 1993年 第5回 - アルゼンチン・メンドーサ
- 1994年 第6回 - スウェーデン:ハーニンゲ
- 1995年 第7回 - オランダ・アイントホーフェン
- 1996年 第8回 - ハンガリー・ヴェスプレーム
- 1997年 第9回 - 南アフリカ共和国・ケープタウン
- 1998年 第10回 - ポルトガル・セトゥーバル
- 1999年 第11回 - トルコ・アンタルヤ
- 2000年 第12回 - 中華人民共和国・北京市
- 2001年 第13回 - フィンランド・タンペレ
- 2002年 第14回 - 大韓民国・龍仁市
- 2003年 第15回 - アメリカ合衆国・ケノーシャ
- 2004年 第16回 - ギリシア・アテネ
- 2005年 第17回 - ポーランド・ノヴィ・ソンチ
- 2006年 第18回 - メキシコ・メリダ
- 2007年 第19回 - クロアチア・ザグレブ
- 2008年 第20回 - エジプト・カイロ
- 2009年 第21回 - ブルガリア・プロヴディフ
- 2010年 第22回 - カナダ・ウォータールー
- 2011年 第23回 - タイ王国・パッタヤー
- 2012年 第24回 - イタリア・シルミオーネ
- 2013年 第25回 - オーストラリア・ブリスベン
- 2014年 第26回 - 中華民国・台北市
- 2015年 第27回 - カザフスタン・アルマトイ
- 2016年 第28回 - ロシア・カザン
- 2017年 第29回 - イラン・テヘラン
- 2018年 第30回 - 日本・つくば市
- 2019年 第31回 - アゼルバイジャン・バクー
- 2020年 第32回 - シンガポール(COVID-19のためオンライン開催)
- 2021年 第33回 - シンガポール (2020年開催国で、COVID-19のため当地開催を順延したが、結局オンライン開催)
- 2022年 第34回 - インドネシア・ジョグジャカルタ
メダル総数
2020年時点
順 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 中国 | 88 | 27 | 12 | 127 |
2 | ロシア | 65 | 39 | 12 | 116 |
3 | アメリカ合衆国 | 55 | 36 | 16 | 107 |
4 | 韓国 | 43 | 41 | 27 | 111 |
5 | ポーランド | 40 | 44 | 32 | 116 |
6 | ルーマニア | 31 | 52 | 32 | 115 |
7 | イラン | 27 | 58 | 23 | 108 |
8 | ブルガリア | 27 | 46 | 38 | 111 |
9 | 日本 | 25 | 26 | 10 | 61 |
10 | スロバキア | 24 | 42 | 33 | 99 |
Total | 392 | 376 | 227 | 995 |
各国からの参加
日本
→「国際科学オリンピックへの日本の参加」も参照
日本は、1994年から1996年の間、国際大会に参加しており、その後9年間の中断の後、2006年から参加している。
成績
- 1994年 銀2 - 15位
- 1995年 金1銅1 - 11位
- 1996年 なし
- 2006年 金2銅1 - 6位
- 2007年 金1銀1銅1 - 14位
- 2008年 金1銀1銅2 - 11位
- 2009年 金2銀1銅1 - 6位
- 2010年 金2銀2 - 2位
- 2011年 金1銀3 - 8位
- 2012年 金1銀3 - 7位
- 2013年 金1銀2 - 11位
- 2014年 金1銀2銅1 - 11位
- 2015年 金3銅1 - 5位
- 2016年 金2銀2 - 4位
- 2017年 金3銀1 - 1位
- 2018年 金1銀1銅2(この他特別参加選手が、金相当1、銀相当2、銅相当1) - 12位
- 2019年 金1銀3 - 7位
- 2020年 金2銀2 - 5位
- 2021年 金2銀2 - 5位
- 2022年 金4 - 1位
1996年までは日本からの世界大会参加者は2名、2006年以降は4名。(2018年は、開催国としての特別参加選手を加えて8名。)
日本人金メダリスト
- 伊藤哲史(筑波大学附属駒場高等学校)1995年(5位)
- 渡部正樹(筑波大学附属駒場高等学校)2006年(21位)
- 片岡俊基(高田高等学校)2006年(16位),2007年(19位)
- 保坂和宏(開成高等学校)2008年(23位),2009年(2位)
- 滝聞太基(筑波大学附属駒場高等学校)2009年(14位)
- 村井翔悟(開成高等学校)2010年(9位),2011年(14位),2012年(4位)
- 原将己(筑波大学附属駒場高等学校)2010年(16位)
- 熊崎剛生(筑波大学附属駒場高等学校)2013年(16位)
- 高谷悠太(開成中学校・開成高等学校)2014年(16位),2015年(10位),2016年(15位),2017年(1位)
- 増田隆宏(筑波大学附属駒場高等学校)2015年(16位)
- 井上卓哉(開成高等学校)2015年(27位),2016年(5位)
- 川﨑理玖(筑波大学附属駒場高等学校)2017年(4位)
- 河原井啓(筑波大学附属駒場高等学校)2017年(5位)
- 井上航(北九州工業高等専門学校) 2018年(6位)
- 米田優峻(筑波大学附属駒場高等学校) 2019年(25位), 2020年(23位)(2018年特別参加選手金メダル相当(17位))
- 松尾凛太朗(麻布高等学校) 2020年(22位)
- 菅井遼明(渋谷教育学園渋谷高等学校) 2021年(6位)
- 児玉大樹(灘高等学校) 2021年(28位), 2022年(16位)
- 渡邉雄斗(渋谷教育学園幕張高等学校)2022年(17位)
- 田村唯 (大阪公立大学工業高等専門学校) 2022年(23位)
- 田中優希(灘高等学校) 2022年(24位)
アメリカ合衆国
テレビ番組
- 情報オリンピック特別番組『未来への鍵』 - 2011年3月21日にテレビ東京にて放送。出演は岡本玲など[3]。
- 『岡本玲の未来への鍵Ⅱ 〜体験! 国際情報オリンピック タイ大会〜』 - 2011年9月23日にテレビ東京にて放送。出演は岡本玲など[4]。
- 『青春アルゴリズム』 - 情報オリンピックを元にした青春ドラマ。2012年12月24日[5]にテレビ東京にて放送。監督は呉美保。出演は岡本玲[6]など。
関連項目
脚注
- ^ “General Assembly of International Olympiad in Informatics”. ioinformatics.org. IOI. 2020年1月3日閲覧。
- ^ International Olympiad in Informatics - Statistics
- ^ 岡本玲 - ニュース - 国際情報オリンピック日本代表 応援団長就任!!
- ^ 情報オリンピック TV特別番組
- ^ 出演者情報も解禁!!-「青春アルゴリズム」
- ^ 岡本玲オフィシャルブログ | 情報オリンピック。
- ^ “アジア太平洋情報オリンピック”. www.apio.olympiad.org. APIO (2007年11月23日). 2020年1月3日閲覧。