4.5インチ マーク 8 艦砲

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HMS F-185「アヴェンジャー」の砲

4.5インチ 55口径 (114 mm) マーク 8 艦砲 (4.5 inch L/55 Mark 8 naval gun) とは、イギリス海軍艦砲システム。1938年以来、4.5インチ砲は水上艦航空機沿岸の目標への用途にイギリス海軍において標準的な中口径砲で、そういった以前から使用されていた4.5インチ砲に取って代わった。以前からあった4.5インチ砲と同様に、実際の口径は4.45インチ (113 mm) である。

概要[編集]

1960年代に新型の駆逐艦フリゲート向けの主力艦砲が求められて設計が始まり、アボット自走砲を参考にヴィッカースによって開発が進められた。

ガン・ハウスの外殻にはガラス繊維強化プラスチックが使用されている。速射性の高さよりも信頼性を重視し、従来より軽量の単装砲への切り替えを可能とした。ガン・ベイとガン・ハウスは、深層弾薬庫、制御室、発電室により露天甲板から3層を貫いている。艦砲システムは電動部分とと油圧駆動部分を組み合わせ、半自動式で、以前の砲に比べてより少ない要員で操作できる。ガン・ハウスは無人で、装填するのにガン・ベイで砲弾を供給する人員が必要である。砲塔指揮官は制御室で継続運用を保持し、オペレーションルーム(戦闘指揮所)のオペレーターが目標設定と射撃を行う。

4.5インチ マーク 8の発射速度は毎分25発、射程は22 kmで新型の長距離榴弾 (High Explosive Extended Range round) を使用すれば、27.5 kmである。[1]

最初に搭載されたのは1971年で、イラン海軍向けのアルバンド級フリゲートの「ザール (Zal) 」であった。1973年にはイギリス海軍でも駆逐艦「ブリストル」に導入された。しかし、フォークランド紛争での運用により、欠陥のため何度も射撃を中止せざるをえないなど以前の4.5インチ マーク 6より信頼性が低いことが証明された。これは1990年代後半にMOD 1 (Modification 1) へ改修することで対応した。主にRCSのアセンブリを取り替え、装填システムを油圧から完全電子化に切り替えている。

イギリス国防省BAEシステムズから提案されている155 mmへの大口径化を研究している。これは、イギリス陸軍とイギリス海軍の弾薬を共通化するということと長距離精密誘導弾の開発を統合できるようになる[2]。そのため、既存の4.5インチ マーク 8に155 mm の砲身とAS-90自走榴弾砲の砲尾を適応させる計画である[3]。試作砲を開発させるため、奨励金に400万ポンド支払われ、2009年を目処に運用試験を行う予定である[4]

イギリス海軍では、SFコメディドラマの宇宙船レッド・ドワーフ号の登場人物クライテンにちなんで、クライテン・ガンというニックネームで呼ばれることがある[5]

採用艦艇[編集]

 イギリス海軍

 ブラジル海軍

 イラン海軍

 パキスタン海軍

 リビア海軍


脚注[編集]

  1. ^ British 4.5"/55 (11.4 cm) QF Mark 8, NavWeaps” (英語). 2006年7月31日閲覧。
  2. ^ Army to get new precision "search and destroy" anti-armour weapon” (英語). MoD Press. 2007年11月20日閲覧。
  3. ^ 155MM Study Looks To Pack More Punch Into The Royal Navy's Fleet” (英語). BAe Systems Press. 2007年12月14日閲覧。
  4. ^ Royal Navy Prepares to Roll out the Big Guns” (英語). Royal Navy. 2008年8月28日閲覧。
  5. ^ Navy News - News Desk - News - From South Wales to the West Indies” (英語). 2004年1月21日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]