ライフル砲

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120mm迫撃砲 RTの砲身内部(施条砲)。ライフリングが刻まれている
L16 81mm 迫撃砲の砲身内部(滑腔砲)。ライフリングが刻まれていない

ライフル砲(ライフルほう)は、砲身内に施条(ライフリング)を持つ大砲である。

概要[編集]

ライフル銃と同様に、砲身内のライフリングにより砲弾に回転を加えることで、弾道線を安定させ命中率を高める砲である。ライフル砲とは反対に、砲腔内面が平滑な砲は滑腔砲と呼ばれる。

主に榴弾砲艦砲などで採用されており、迫撃砲は従来滑腔砲だけだったが、大口径砲を中心に遠距離での命中精度向上のためにライフル砲が採用されている。 下に簡単に記してある通り、戦車砲では滑腔砲が主流となっている。これは、車体の重量の兼ね合いから大口径化、あるいは長砲身化に限度があり、その制約の中で威力を求めたためである。 ライフリング開発の経緯からも明らかである様に、APFSDSを除き、命中精度は根本的にライフル砲の方が滑腔砲よりも高い。同初速であれば当然砲弾質量が大きい方が砲の威力は高まるため、十分に反動に耐える事が可能な榴弾砲や艦砲では通常砲弾を用い、必然的にライフル砲を使用することになる。また、これらにおいては着弾時の速度が終端速度に到達しており、どれだけ初速を大きくしても砲の威力は増大しない。すなわち、同一の運動量を与える場合において(すなわち、一定の反動に対して)、運動量を速度に振り向け砲弾のエネルギーを最大化すると言うAPDSのコンセプトは通用しない。このため、滑腔砲を使用する余地がない。

戦車砲では、主な対戦車用の砲弾であるAPFSDS弾(装弾筒付翼安定徹甲弾)の使用に向いていないため、第三世代戦車の多くは滑腔砲が採用されている。回転がAPFSDS弾の侵徹作用を阻害、または折れることによる。また、HEAT弾(対戦車榴弾)の使用に際しても、APFSDS弾と同様に、成形されたメタルジェットが回転による遠心力で前方へ集中できなくなるため、使用されることは無い。

関連項目[編集]