Mk 45 5インチ砲

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Mk 45 5インチ砲
Fantail.jpg
Mk.45 Mod 2
種類 艦砲
原開発国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
運用史
配備先 採用艦艇を参照
開発史
開発期間 1964年-1968年
製造期間 Mod 0:1971年-
Mod 1:1980年-
Mod 2:1988年-
Mod 4:2000年-
諸元 ([1])
重量 Mod 2:21.691t
Mod 4:28.924t
全長 Mod 2:8.992m
Mod 4:10.008m
要員数 遠隔操作 6名

砲弾重量 31.75 kg
口径 127 mm (5 in)
銃砲身 Mod 2:54口径長(6.858m, ライフリング:5.82m, 寿命:8,000発)
Mod 4:62口径長(7.874m, ライフリング:6.836m, 寿命:7,000発)
仰角 -15°/+65°
旋回角 340°
発射速度 16-20発/分
初速 Mod 2:762.0m/s
Mod 4:1,051.6m/s
最大射程 Mod 2:24.1km
Mod 4:37km
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Mk.45 5インチ砲は、アメリカ海軍艦砲システム。54口径5インチ(127mm)砲Mk.19(5"/54 Caliber Gun Mark 19)または62口径5インチ砲Mk.36(5"/62 Caliber Gun Mark 36)を軽量の単装砲塔と組み合わせた両用砲である。

来歴[ソースを編集]

アメリカ海軍は、1934年38口径12.7cm砲(Mk.12 5インチ砲)を制式化し、駆逐艦級艦艇の主砲、あるいは大型艦の副砲/対空砲として広く搭載した[2]第二次世界大戦後期に至ると、艦種にかかわらず、遠距離用として38口径12.7cm砲(方位盤Mk.37)、中距離用として56口径40mm機銃(方位盤はMk.51)、近距離での最終防御用として70口径20mm機銃(照準器はMk.14)の3種類に対空兵器を統一し、縦深的な防空網を構築した[3]

その一方で、38口径12.7cm砲の後継となる新型対空砲の開発も進められており、まず長砲身化した54口径12.7cm単装砲(Mk.39 5インチ砲)が実用化されたものの、アメリカ海軍での搭載艦はミッドウェイ級航空母艦のみとなった[注 1][4]。続いて、同様の長砲身を踏襲しつつ、揚弾薬作業の機械化によって発射速度の向上を図った54口径127mm単装速射砲(Mk.42 5インチ砲)が開発され、経空脅威の深刻化を背景として、1950年代以降、航空母艦巡洋艦駆逐艦護衛駆逐艦に広く搭載された[5]

Mk.42 5インチ砲は毎分40発という高い発射速度を誇ったものの、これを実現するために揚弾薬・装填機構は複雑化し、所要人員も多く、砲システムの重量容積も増大していた。一方ヨーロッパでは、1960年代より、砲塔の無人化を図った軽量自動砲の開発が盛んになっていた。アメリカ海軍もこの趨勢にあわせて、1964年、FMC社 (FMC Corporationに新型軽量自動砲の開発を発注した。これによって開発されたのが本砲である[6]

開発は1968年に完了し、同年12月より実験艦「ノートン・サウンド」での試験を受けて、1967年度計画のカリフォルニア級原子力ミサイル・フリゲート(DLGN)より装備化された[6][1]

設計[ソースを編集]

前任のMk.42 5インチ砲は艦隊の主力対空砲として期待されたために高発射速度を追求したのに対し、1960年代の時点では、既に対空兵器の主力は艦対空ミサイルに移行しつつあったことから、本砲では対空射撃は副次的な任務としてあまり重視されず、むしろ対水上・対地艦砲射撃が主体とされた[7]。これに伴い、Mk.42では2組が設置されていた揚弾薬機構は1基のみとされており、発射速度は毎分20発、即応弾も20発と、いずれも半減した。また最大仰角も、Mk.42では85度であったのに対し、本砲では65度とされている[6]

一方、このようなスペックダウンに伴って、揚弾薬・装填機構や砲塔の駆動機構は簡素化され、軽量化が実現するとともに、信頼性も向上した。砲塔重量は、Mk.42のなかでは軽量型と位置付けられるMod.10でも63.9トンであったのに対し、本砲では24トンとなっている。砲塔は耐水構造のアルミニウム合金製で、自動装填により完全無人化されている[6]。砲盾は、通常型のMk.63と、ステルス性に配慮したMk.63 mod.1の2種類がある[7]

砲そのものはMk.19と称されており、Mk.42で採用されていたMk.18と同じ54口径127mm砲だが、砲身命数は、Mk.18砲では3,070発だったのに対し、Mk.19砲では7,000発とされている[8]砲口初速は、新品状態で808メートル毎秒、砲身命数の中間時期で762メートル毎秒とされる[7]。またその後、62口径長に長砲身化したMk.36 mod.4が開発され、Mk.45 mod.4で採用された[1]。本来は射程93キロメートル以上を狙ったERGM (Extended Range Guided Munition誘導砲弾も開発されていたものの、これは2008年に頓挫した。ただしその後も、BAEシステムズ社では、射程100キロメートル級のMS-SGP(Multi Service - Standard Guided Projectile)誘導砲弾の開発を進めている[9]

砲の操作要員は合計6名で、管制室には砲台長とコントロールパネル操作員、下部給弾室に給弾員4名が配置されている。管制室には、砲の操作・給弾をコントロールする電源パネル(EP-1)、コントロール・パネル(EP-2)、テスト・パネル(EP-3)の3基が配置されている[6]

派生型[ソースを編集]

Mod 2
Mod 4
Mod 0
原型砲。
Mod 1
信管調定装置を機械式から電子式に変更したほか、誘導砲弾の使用にも対応したが、肝心の誘導砲弾は装備化されなかった。1977年より生産が開始され、1982年より量産に入った[8]
Mod 2
Mod 1の国外輸出版[8]
Mod 3
管制システムを更新するとともに砲身を62口径長に延長したバージョン。実用化されなかった[8]
Mod 4
62口径長のMk.36 mod.4砲を採用したバージョン。また多くの場合、砲盾もMk.63 mod.1に更新されている。ただし既存の砲との相互運用性も重視されており、図面の85パーセントはそのままで、システムの90パーセントが共用化されている[7]


採用艦艇[ソースを編集]

 アメリカ海軍

 オーストラリア海軍

Naval Ensign of Japan.svg 海上自衛隊

 大韓民国海軍

 ギリシャ海軍

 スペイン海軍

 タイ海軍

 中華民国海軍

 デンマーク海軍

 トルコ海軍


登場作品[ソースを編集]

映画・テレビドラマ[ソースを編集]

ザ・ラストシップ
架空のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦DDG-151 ネイサン・ジェームズ」に搭載されており、対空戦闘や対水上戦闘のほか、精密艦砲射撃に使用される。
バトルシップ
アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」「サンプソン」、こんごう型護衛艦みょうこう」(CGモデルはあたご型護衛艦)に搭載されたものが、エイリアンとの戦闘に使用される。エイリアンの電波妨害によりレーダーを使った射撃ができないため、手動操作による光学照準射撃を行った。また艦内に侵入したエイリアンのパワードスーツに対して零距離射撃を行った。
名探偵コナン 絶海の探偵
登場する架空のあたご型護衛艦「ほたか」に搭載されたものが、公開演習用の対空戦闘訓練で使用された。終盤、コナンがスパイXを捕まえるために本砲を活用する。
エンドロールでは実写による砲撃シーンも映し出された。

アニメ・漫画[ソースを編集]

戦闘妖精・雪風
タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦に搭載され、超空間通路から飛び出したジャム機に対して使用される。

脚注[ソースを編集]

注釈[ソースを編集]

  1. ^ ミッドウェイ級が搭載したMk.39 5インチ砲は後の近代化改修の際に撤去され、海上自衛隊初代むらさめ型あきづき型に転用された。

出典[ソースを編集]

  1. ^ a b c BAEシステムズ 2016.
  2. ^ 梅野 2007, pp. 90-94.
  3. ^ 香田 2015, pp. 78-81.
  4. ^ 梅野 2007, pp. 86-90.
  5. ^ 梅野 2007, pp. 118-121.
  6. ^ a b c d e 梅野 2007, pp. 122-125.
  7. ^ a b c d 大塚 2014.
  8. ^ a b c d Friedman 1997, pp. 461-462.
  9. ^ 多田 2015.
  10. ^ 多田 2014.

参考文献[ソースを編集]

外部リンク[ソースを編集]