高度プロフェッショナル制度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

高度プロフェッショナル制度(こうどプロフェッショナルせいど)とは、高度な専門知識を有し一定水準以上の年収を得る労働者について、労働時間規制の対象から除外する仕組みである[1]。略称は高プロ(こうプロ)[1]

労働時間と賃金との関係を切断するもので、対象とされた労働者は、時間外労働休日労働深夜労働に対する割増賃金の支払いを受けない[1]が、他方自由な時間で働くことを使用者から認められる[2]、とされる。

経緯[編集]

2007年第1次安倍内閣は類似の仕組みであるホワイトカラーエグゼンプション制度を検討したが、過労死の懸念が強く示され、法案提出に至らなかった[3]

2014年4月22日産業競争力会議雇用・人材分科会は、「個人と企業の成長のための新たな働き方」のひとつとして「高度なプロフェッショナルとして活躍するようなモデル」を提起した[4]。この考え方は、「『ホワイトカラー・エグゼンプション』の拡大版」[5]「『残業代ゼロ』制度」[3]などと評される中、同年5月28日の同会議で提案され、6月閣議決定された[3]

2015年4月3日第189回国会労働基準法等改正案が上程され、長時間労働抑制策や企画業務型裁量労働制見直しなどとともに高プロ新設が提案された[6]が、2017年9月審議未了・廃案となり導入に至らなかった[7]

2018年4月6日第196回国会に提出された働き方改革関連法案に再度盛り込まれた[2]。対象職種は証券アナリスト・研究開発職・コンサルタントなど、年収は1075万円以上が想定されている[2]。同法案は、最終的な適用範囲は労働政策審議会での議論を経て厚生労働省令で定める、2019年4月施行、などとしている[2]

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c 高度プロフェッショナル制度”. 朝日新聞 (2018年3月12日). 2018年6月14日閲覧。
  2. ^ a b c d 南文枝 (2018年). “高度プロフェッショナル制度”. 知恵蔵. 2018年6月14日閲覧。
  3. ^ a b c 金谷俊秀 (2018年). “「残業代ゼロ」制度”. 知恵蔵. 2018年6月14日閲覧。
  4. ^ 産業競争力会議 雇用・人材分科会 主査 長谷川閑史 (2014年4月22日). “個人と企業の成長のための新たな働き方 ~多様で柔軟性ある労働時間制度・透明性ある雇用関係の実現に向けて~ (PDF)”. p. 6. 2018年6月14日閲覧。
  5. ^ 山崎元 (2014年4月30日). “「残業代ゼロ」法案はブラック的で的外れ。労働の規制緩和は「解雇の金銭補償」で一点突破せよ!”. 2018年6月14日閲覧。
  6. ^ 「労働基準法等の一部を改正する法律案」について (PDF)”. 厚生労働省. 2018年6月14日閲覧。
  7. ^ 働き方改革 問題多い一括法案 性格異なり”. 毎日新聞 (2017年9月15日). 2018年6月14日閲覧。

外部リンク[編集]