電磁場

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電磁気学
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電気 · 磁性

電磁場(でんじば, 英語: Electromagnetic Field, EMF)、あるいは電磁界(でんじかい)とは電場(電界)と磁場(磁界)の総称。

電場と磁場は時間的に変化する場合には、互いに誘起しあいながらさらにまた変化していくので、まとめて呼ばれる。 電磁場の変動が波動として空間中を伝播するとき、これを電磁波という。 電場、磁場が時間的に一定で 0 でない場合は、それぞれは分離され静電場静磁場として別々に扱われる。

電磁場という用語を単なる概念として用いる場合と、物理量として用いる場合がある。 概念として用いる場合は電場の強度電束密度、あるいは磁場の強度磁束密度を明確に区別せずに用いるが、物理量として用いる場合は電場の強度と磁束密度の組であることが多い。 また、これらの物理量は電磁ポテンシャルによっても記述され、ラグランジュ形式などで扱う場合は電磁ポテンシャルが基本的な物理量として扱われる。このような場合には電磁ポテンシャルを指して電磁場という事もある。

電磁場のふるまいは、マクスウェルの方程式、あるいは量子電磁力学(QED)によって記述される。マクスウェルの方程式を解いて、電磁場のふるまいについて解析することを電磁場解析と言う。

電磁場のエネルギー[編集]

電磁場中に荷電粒子が存在する場合に蓄えられる電磁気的なエネルギーは荷電粒子がもっていると考える(遠隔作用)ことも出来るが、周囲の電磁場がエネルギーを蓄えていると考える(近接作用)ほうがより現代的である。

静的な場におけるエネルギー[編集]

静的な電磁場においては、遠隔作用と近接作用に大きな違いは無い。遠隔作用と近接作用の違いが生じるのは電荷や電流の分布が変動し、その影響が周囲にどのように伝わるかを考えるときである。

電荷電荷密度 ρ で分布している場合には、

 U_e = \frac{1}{2} \int \rho(\mathbf{r}) \phi(\mathbf{r})d^3 r

あるいは、

 U_e = \frac{1}{8 \pi \varepsilon_0} \int \frac{\rho(\mathbf{r}) \rho(\mathbf{r}')}{|\mathbf{r}-\mathbf{r}'|}d^3 r d^3 r'

のエネルギーが蓄えられている。

また電流電流密度 j で分布している場合には、

 U_m = \frac{1}{2} \int \mathbf{j}(\mathbf{r}) \cdot \mathbf{A}(\mathbf{r})d^3 r

あるいは、

 U_m = \frac{\mu_0}{8 \pi} \int \frac{\mathbf{j}(\mathbf{r}) \cdot \mathbf{j}(\mathbf{r}')}{|\mathbf{r}-\mathbf{r}'|}d^3 r d^3 r'

のエネルギーが蓄えられている。

これらを場の量で表すと

 U_e = \frac{\varepsilon_0}{2} \int \mathbf{E}^2d^3 r
 U_m = \frac{1}{2\mu_0} \int \mathbf{B}^2d^3 r

となる。これが近接作用の考え方である。

エネルギー密度[編集]

エネルギー密度とは、

 u = \frac{1}{2} (\boldsymbol{E} \cdot \boldsymbol{D} + \boldsymbol{B} \cdot \boldsymbol{H} )
 = \frac{1}{2}\left(\varepsilon \boldsymbol{E}^2 + \frac{1}{\mu} \boldsymbol{B}^2 \right)

で定義される物理量である。 電磁場のもつエネルギーの密度を表しており、電磁場が外部に仕事をしない場合、

\boldsymbol{\mathsf{div}}\boldsymbol{S} + \frac{\partial u}{\partial t} = 0

連続の方程式を満たす。ここで、Sポインティング・ベクトルである。 ポインティング・ベクトルは電磁場のエネルギーの流れを表しており、この式は電磁場のエネルギーが保存していることを表している。

量子化された電磁場[編集]

関連項目[編集]