鈴木善徳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
鈴木 善徳
(すずき よしのり)
誕生 1974年
日本の旗 茨城県
職業 小説
言語 日本語
教育 学士(文学)東洋大学1997年
最終学歴 東洋大学文学部卒業
ジャンル 小説
代表作 「河童日誌」(2012年)
主な受賞歴 文學界新人賞(2011年)
デビュー作 「髪魚」(2011年)
Portal.svg ウィキポータル 文学
テンプレートを表示

鈴木 善徳(すずき よしのり、1974年 - )は、日本小説家東洋大学卒業。

来歴[編集]

1974年に生まれ、茨城県にて育つ[1]東洋大学に入学し、文学部国文学科(のちの日本文学文化学科)にて学んだ[1][2]。在学中には竹内清己の指導を受けて同人誌「極光」に参加、優秀論文に選出されるなどの活躍を見せ[2]1997年に同大学を卒業した[1][2]

大学卒業後は、出版社専門学校広告代理店などで勤務した[1]。その後、フリーライターとして執筆活動を行う[1]なか、2011年、「髪魚」にて、第113回文學界新人賞を受賞した[2][1][3]。翌年、『文學界』誌上にて発表した「河童日誌」にて、第147回芥川龍之介賞候補となった[1]

作風[編集]

文學界新人賞を受賞した「髪魚」は、作中に人魚が登場するなど、民俗学の要素を取り入れている[2]。また、芥川龍之介賞候補ともなった「河童日誌」には、河童が取り上げられている。

芥川龍之介賞の審査においては、選考委員の村上龍が「欠点も目立つ作品」[4]としつつも、「イントロが面白かった」[4]と評したうえで「きわめて奇妙で非科学的なことが、医師の目を通して淡々と描かれているのも好感を持った」[4]として「△で推した」[4]とされている。だが、他の選考委員の賛同を得られなかったため[4]、受賞には至らなかった。同じく選考委員の堀江敏幸は「伏線の張り方が丁寧で、声にならない笑いもある」[5]と評するも、展開が先読みできてしまうと指摘している[5]。そのうえで、作者の鈴木について「もっと規模の大きな『物語』を書ける人だと思う」[5]と評している。また、選考委員の山田詠美は「山場もなく意味もなく落ちもなく……はっ、これって新種の『やおい』なのか!? と、いうより、純文学って、元々そう思われてる!?」[6][註釈 1]と困惑しつつも、河童について「もう少し気を引く存在にして欲しかった」[6]などの要望や指摘を行っている。同様に、選考委員の島田雅彦も河童の存在について言及しており、「肝心の河童が名詞のまま、発展しない。何のアレゴリーにもメタファーにもなっていない」[7]と述べている。

略歴[編集]

賞歴[編集]

小説[編集]

  • 「髪魚」(『文學界』2011年12月号)
  • 「河童日誌」(『文學界』2012年5月号)
  • 「二十三日の灰」(『文學界』2014年6月号)
  • 「じゃあぼ」(『文學界』2014年12月号)
  • 「たらちね」(『文學界』2016年2月号)
  • 「天使の断面」(『文學界』2017年6月号)

作詞[編集]

脚注[編集]

註釈[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 山田詠美の文には、題名が鍵括弧付きで“「選評」”と記載されている。そのため、本記事の脚注の括弧内では、二重鍵括弧にて表記した。なお、『文藝春秋』の同じ号に掲載された村上龍の文章には、題名が鍵括弧なしで“選評”と記載されている。

出典[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g 日本文学振興会「第147回芥川賞は鹿島田真希さんに決定!」『文藝春秋|各賞紹介|芥川賞文藝春秋
  2. ^ a b c d e 「卒業生の鈴木善徳さんの作品が文學界新人賞を受賞」『卒業生の鈴木善徳さんの作品が文學界新人賞を受賞 - News & Information 詳細ページ - 東洋大学東洋大学2011年10月19日
  3. ^ 「文學界新人賞受賞作」『文藝春秋|雑誌|文學界_111201文藝春秋
  4. ^ a b c d e 村上龍「選評」『文藝春秋』90巻12号、文藝春秋2012年9月1日、379頁。
  5. ^ a b c 堀江敏幸「体感は説明できない」『文藝春秋』90巻12号、文藝春秋、2012年9月1日、372頁。
  6. ^ a b 山田詠美「『選評』」『文藝春秋』90巻12号、文藝春秋、2012年9月1日、376頁。
  7. ^ 島田雅彦「過去の自分との訣別」『文藝春秋』90巻12号、文藝春秋、2012年9月1日、377頁。
  8. ^ 南波一海『ヒロインたちのうた』(音楽出版社)p.238

関連項目[編集]