襲名

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襲名(しゅうめい)は、を継ぐこと。名を襲うことの意で、先人と同じ名前を意図的に継ぐことを言う。

人名の襲名[編集]

「戸籍上の氏名」全て(そのまま)を、当人の子供か、他人が引き継ぐことを意味する。

日本の伝統[編集]

日本だと実名改名家庭裁判所の承認(法的な判断)が求められるが、芸能などの襲名であれば比較的認められやすい傾向にある。

戸籍上の本名か、芸名筆名(変名)との区別を問わずに用いるが、通常の襲名だと歌舞伎落語などで名跡を継ぐことを想像する人が多いのかと想われる。珍しい例として、初代桂文枝は、明治維新戸籍ができた際に、本名も桂文枝とした。

伝統芸能以外では、ヤクザ的屋の世界において、伝統的に名跡の襲名により代替わりが行われる。また、企業社会における例として、ミツカンの例がある。同社の社長は「中埜又左衛門」を名乗ることになっており、社長に就任すると戸籍上の本名も「中埜又左衛門」に変更することが伝統となっている。現在[いつ?]でも社長は『中埜又左衛門』である[1]

競技においては、大相撲で師匠や所属部屋の名力士の四股名を襲名することがあり、こうして伝統あるものとなった四股名は出世名と呼ばれる。また、現役力士が引退して年寄となる際には「引退して年寄○○を襲名」となる。行司については、三役格の行司から立行司に昇格した時点でまず序列第2位の「式守伊之助」を襲名して、その後に最高位の立行司に昇格する時点で「木村庄之助」を襲名することが慣例となっている[2]登録名リングネームが襲名されることがほとんどなく、プロレスで2世レスラーが『父親のリングネーム+ジュニア』を名乗ることがあり、『タイガーマスク』のように覆面レスラーが代替わりする際にも襲名と表現されることがある。

西洋の伝統[編集]

一般的に、Jr.ジュニア)が襲名の準備として用いられ、父親が他界する事で、Jr.の表記を外して襲名する。

船名の襲名[編集]

海軍、海運会社では、特に活躍した艦船の名前をその艦船の退役後に後代の艦船が引き継ぐことがある。

この場合、先代の艦船の名前をそのままつけることもあれば、先代の艦船の名前に襲名の回数を意味する数字等を付けることもある。

2015年現在において現役の艦船がある、長期にわたって襲名されてきた艦船名の例[編集]

軍艦[編集]

イギリス海軍[編集]
アメリカ海軍[編集]

商船[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 社長と社名の運勢・ミツカン 中埜又左エ門社長”. 2012年5月閲覧。
  2. ^ 明治前期までは木村行司と式守行司は完全に別系であり、他方の姓に存在する名を名乗ることはなかった。また、昭和前期に木村玉之助が第3の立行司として存在した時代には伊之助襲名前に玉之助を襲名していた。