福岡IT講師殺害事件

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福岡IT講師殺害事件
場所 福岡県福岡市の施設
日付 2018年6月24日
原因 被害者のブログを荒らしたペナルティでサイトの運営者からアクセス禁止にされたことへの逆恨み
攻撃手段 刺殺
武器 刃物
死亡者 「Hagex」と名乗るブロガー
(事件当時41歳、記事中仮名A)
容疑 「低能先生」と呼ばれる人物
(事件当時42歳、記事中仮名X)
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福岡IT講師殺害事件(ふくおかITこうしさつがいじけん)とは、2018年6月24日福岡県福岡市中央区大名の官民協働型施設にて発生した殺人事件。被害者は著名なブロガーであり、加害者が起こしたネット上のトラブルに被害者が巻き込まれた事件と見られている。

事件の概要[編集]

東京都江東区のインターネットセキュリティ会社に勤務するAは、「Hagex」というハンドルネームでブログ「Hagex-day info」を運営しており、インターネット上のトピックを拾い出して独自の視点で伝えるスタイルで人気を博していた[1]。また、2014年には「ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い ネットで人々をとりこにする40の手口」(アスキー新書) という著作も出版していた。

Xは、ポータルサイトはてなが運営するはてなブックマークやはてな匿名ダイアリーに出没し、複数のユーザーに誹謗中傷のコメントを送り、通報されてアカウントが凍結されても新規のアカウントを再取得して同じ事を繰り返すという行為を行っていた。中傷コメントに「低能」という表現を多用したため[2]、いつしか「低能先生」と呼ばれるようになった。

Aは、2018年5月に上記のXの行動と「低能先生」と呼ばれていることを説明した上で、1.自身も度々Xより誹謗中傷を受けていること 2.その度に「はてな」の運営に通報していること 3.詳細な理由を書かずとも「低能先生です」とだけ書けば運営が迅速に対応してくれることをブログに取り上げた[3]

「低能先生」と呼ばれていたX(福岡市東区在住)はそのことに逆上し、6月24日の福岡市の創業支援施設「福岡グロースネクスト」(旧大名小学校跡地)で開催されるセミナーに講師として参加したAを待ち伏せし、セミナーが終了した午後9時に1階トイレで刃渡り16.5cmの刃物で刺した[1]

Aの殺害後、Xは24日深夜になって凶器の包丁を持って交番に出頭[1]福岡県警殺人罪および銃刀法違反緊急逮捕した。

「犯行声明」[編集]

犯行終了後、出頭の間にXは「はてな匿名ダイアリー」に、自分に批判を行った他のユーザー達を対象とした「最後の書き込み」を行った[注 1]

この書き込みはインターネット上で他の利用者から「ネット弁慶」「『低能先生』に人を殺せる筈がない」と言われたこと[4]などを受けた内容で、「おいネット弁慶卒業してきたぞ。改めて言おう。これが、どれだけ叩かれてもネットリンチをやめることがなく(中略)俺を『低能先生です』の一言でゲラゲラ笑いながら通報&封殺してきたお前らへの返答だ」などと書き込まれており、東京の「はてな」本社に向かおうとする計画だったが断念したこと、書き込みをした後「自首を行う」としたことが書かれた[1]

その他[編集]

本事件は「加害者と被害者がネット上でトラブルがあった」と見られることもあるが、両者が相互に対し批判的な態度をとることはあっても、実際にAとXがネット上で直接やり取りをした事実はなく[1]、Aは事実上、仮想の人間関係においても「赤の他人」であったXに殺害されたと言える。

Aのブログの中で「炎上ネタ」として取り上げられることが多かったはあちゅうイケダハヤトは、Aの死に対して追悼のメッセージを残している[5]

2ちゃんねる元管理人の西村博之は、「ネット上でお互いに顔を知らない同士で揉めるのはあるけど、殺人事件まで行ったケースは日本では初めてな気がします」とコメントしている[6]

インターネットニュース編集者の中川淳一郎は、加害者Xについて「秋葉原通り魔事件の犯人に似ている」とし「大事な居場所である『はてな』でボコボコに通報されまくり、運営さえも自分に牙を向けたと思ってしまったのではないでしょうか」「(Xにとって)やっと見つけた居場所が『はてな』だった。それを奪われるのが怖くなり、奪った連中に復讐しようと考えたのではないでしょうか」と犯行の動機を分析している[7]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ はてな匿名ダイアリーは匿名で発言者を特定することは難しいが、供述と犯行声明の内容が合致していることからXの書き込みであるとみられている。

関連項目[編集]