王様の仕立て屋

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王様の仕立て屋
ジャンル 青年漫画職人漫画ファッション漫画
漫画:王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 スーパージャンプ
レーベル SJ
発表号 2003年14号 - 2011年21・22合併(最終)号
巻数 全32巻
漫画:王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 グランドジャンプPREMIUM
発表号 2012年創刊号 - 2013年15号
その他 グランドジャンプへ移籍
漫画:王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 グランドジャンプ
レーベル GJ
発表号 2013年7号 - 2016年6号
巻数 全13巻
漫画:王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 グランドジャンプ
発表号 2016年8号 - 2018年9号
巻数 全7巻
漫画:王様の仕立て屋〜下町テーラー〜
作者 大河原遁
出版社 集英社
掲載誌 グランドジャンプ
発表号 2018年17号 -
巻数 既刊4巻(2019年12月現在)
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王様の仕立て屋』(おうさまのしたてや)は大河原遁による日本漫画作品及びシリーズの総題。原案協力・監修に片瀬平太

王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜』として2003年に増刊『オースーパージャンプ』(集英社刊)MARCH号に読切として掲載された後、2003年14号より連載が開始された。その後、『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』『王様の仕立て屋〜下町テーラー〜』とシリーズを重ねている。

概要[編集]

イタリアナポリを舞台に、伝説の仕立て職人の弟子・織部悠の活躍を描く作品。服飾(主に紳士服)を題材にしており、靴や腕時計など服飾に関係する小物やアンティークを扱うことも多い。一話完結の短編形式の話と、一貫したストーリーを展開する長編形式の話で構成されているが、近年では単行本収録話数に合わせて、計7話でひとつの章「○○○編」とする長編が多い。

2003年に増刊『オースーパージャンプ』(集英社刊)MARCH号に読切として掲載された後、2003年14号より2011年21・22合併(最終)号まで本誌『スーパージャンプ』(同社刊)にて連載。スーパージャンプ誌の休刊に伴って『グランドジャンプPREMIUM』へ移籍し、『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』と一部改題して2011年12月21日発売の創刊号から2013年2月27日発売の第15号まで連載された後、2013年3月6日発売の2013年7号から『グランドジャンプ』本誌に移籍し、2016年6号まで連載。さらにこれを引き継ぐ形で『グランドジャンプ』にて2016年8号から第3部として『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』を連載する事になるが2018年9号にて突然「日本編」への移行が告知されて連載が終了。これに先駆け『グランドジャンプPREMIUM』2017年11月号にて第4部へのジャンクションストーリーとなる『王様の仕立て屋 維新の鋏』が掲載され『フィオリ・ディ・ジラソーレ』の現時点での最終単行本となる7巻の発売時に『維新の鋏』を併録した上で同作をプロローグとする第4部『王様の仕立て屋〜下町テーラー〜』が『グランドジャンプ』2018年17号より連載開始された。

単行本は『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜』が全32巻にて完結。また、本編の短編エピソードを再収録した傑作選集『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜The Special Edition』が計4巻まで刊行された。2009年8月に刊行された単行本第23巻の帯や広告などには、単行本の販売累計が200万部を突破したことが記されていた。2ndシーズンとなる『王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜』は全13巻。3rdシーズンとなる『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』は既刊7巻。

話数の単位は「Order(注文書)」。各話タイトルは「○○の××」という形式で、映画、舞台、文学作品の題名から取られていることが多い。落語歌舞伎浪曲をモチーフ・題材としたストーリーや演出がたびたび挿入され、また手塚治虫水木しげる藤子不二雄などの往年の漫画作品のパロディ的な描写も多用される。

ストーリーが展開される舞台はナポリが基点となるが、長編ではミラノフィレンツェなどのイタリア国内の他都市に赴くこともあり、イギリス、フランス、日本などイタリア国外にて仕事を行うことも少なくない。また、長編では「ミラノ編」や「フィレンツェ編」など舞台になった地名を冠される場合や、「欧州時計戦争編」「仕立て屋入門編」などテーマによって名付けられる場合もある。

登場人物[編集]

主人公と居候たち[編集]

織部悠(おりべ ゆう)
主人公。ナポリの泥棒市で仕立て屋を開く日本人青年。年齢は連載開始時点で26歳。連載中の時間経過は明確でないが、概ね20代後半から30代前半の男性として描かれている。縁のない丸眼鏡をかけた優男で、物腰は柔らかいが、年齢以上に落ち着きがあるため若年寄と形容されることもある。一方で職人気質で偏屈なところがあり、職人として我を通して強引に仕事を突き通すことも多い(特に初期は金を積まれても気に入らない仕事は拒否することもあった)。仕立て屋としては若造ながら、「ミケランジェロ」と称されたナポリの伝説の仕立て職人マリオ・サントリヨの唯一の弟子[注 1]として熟達した腕を持つ。後述の経緯から日本円にして約1億円の莫大な借金がカモッラ(マフィアと並ぶナポリの犯罪組織)にあり、持ち込まれる難題な案件を、高額報酬と引き換えに特急仕事と呼ぶ仕立てで解決していく。
仕立て屋としては若輩ながらその力量は非常に高く、服飾に対する知識も深い。他の職人と比べ仕事のスピードが異常なほど早く、またマリオがコーディネート一式を全て一人で作る流儀だったことから、ジャケットからシャツ、スラックス、靴下まで幅広く仕立てることができる。さらに見ただけで相手の体型や骨格をおおよそ把握してしまい、実際に触ることで体質や病歴なども察することができる。洋の東西を問わず古典から雑学まで服飾以外の広範な見識も備えており、それを駆使してコーディネートの演出を行うことで、顧客の服飾への価値観や人生観などを一変させてしまうことも少なくない。
悠のサルトの特徴として、本来は数ヶ月かかるナポリ仕立てを特急と称して数週間ないし数日で仕上げる。その代わり料金は割増となり(特急料金)、客に高額な報酬を請求する(時に金持ちの着道楽でも驚くほどの額が請求される)。ただし、これは悠自身、外道仕事と呼んでおり、一流の腕を持つが、職人として若いことや外国人であるために正規の依頼がほとんどなく、先述の莫大な借金を返済するために仕方なく行っている。ただし、そうした特別な仕事もそうそうにはないため、普段は仕立て仲間の下職(手伝い)で糊口をしのぐ。
プライベートでは大の酒好きで懐柔のネタにされることもある。また、女性運は今一つで、全く女性受けしないという訳では無いが(ヴィレッダとイザベッラは男性として評価している)、恋愛に対して不器用と見られているため恋仲に発展しない。しかし、(交際には至らなかったが)エレナからは明確なアプローチを受けている。概して本人の与り知らないところでの評価は高いが、当の本人が身もふたもない発言をするためか、なかなかロマンチックな展開にならない。
生まれは東京都台東区にある自転車屋で、3人兄弟の末っ子。幼い頃に実家の近くに住む足袋屋のお辰婆さんから裁縫の基礎を学び、お辰から紳士服の仕立ての道を勧められたことをきっかけに高校卒業後イタリアへ渡る。そこで上記マリオ・サントリヨの弟子となり、ナポリ仕立てや仕立て屋のイロハを学んだ。25歳の時(物語開始の前年)、師匠が急逝してしまったことで多額の借金を背負い、独り立ちを余儀なくされる。
物語初期では気に入った仕事以外はせず、代金を吹っ掛けるようなこともしていたが、マルコが居候し始めた辺りから現在の生活スタイルのベースができる。ジラソーレ社(以下ジ社)のナポリ進出で、ジ社と関わり合いを持つようになりヘルプとして働くことが多い。社長のユーリアに嫌われているとは言え、社のピンチを何度も救ったために今やジ社にとって無くてはならない存在となり、専属と勘違いされる時もある。第1部の終盤において、マリオと確執があったベリーニ伯に認められ、確かな伝統技術を持ちながら金銭的に裏社会に関与せざるを得なくなってしまっている状況を伯爵に助けられる。伯爵からの残りの借金の肩代わり、及びカモッラへの手切れ金と追加融資の申し出を受け入れ、これまでの自宅兼仕事場とは別に店舗を借りサルトリア・オリベを開店する。
マルコ・ジュリアーニ
ナポリの靴磨き兼靴職人見習いの少年。たまたま悠と知り合い、その後、押しの強さで悠の家に居候し始める。現在では悠の相棒役とも言える重要な存在。悠はよく「小動物」と呼ぶ。
まだ10代前半と思しき外見、言動であるが、長年の道端での靴磨きなどにより、革ソムリエと自称する程に革に対する造詣が深い。例えば、牛革を見て種類は当然のこと、その牛が生前何を食べていたかも当ててみせると言う。また行動力も高く、情報収集力もある。前述の知識と合わせて悠が助けられることもあるが、基本的にはトラブルを呼び込む方が多い。特に妹弟子であるヴィレッダが登場すると、2人で悪ノリするシーンが多くなる。幼くはあるが先述の図々しさなどのナポリ人らしい性格があり、悠と共に出会う各界の大物にも全く物怖じせず、美人を見つけるとナンパしてしまう。とはいえ、年相応の感覚も持っており、漫画やゲームなどの日本文化にも興味がある(そもそもそれが悠の家に居候を決め込んだ理由の一つとも言える)。
悠との生活では炊事を担当。時を経るごとに料理に対する造詣が深くなっていき、悠に「方向性を見失ってないか」と言われる程に本業にも劣らない技術・知識となっている。
セルジュ・リヴァル
フランス人青年。自国では有名なモデル。フランスのモード服の大ブランド「リヴァル」の総帥、アラン・リヴァルの次男。後述の理由により家出し、ナポリの悠の家に居候する。
トップモデルらしい童顔の端正な顔立ちの青年。 お坊っちゃま育ちでややナルシスト、大言壮語的な性格をしているが、気が弱く臆病な面もある。「リヴァル」の後継ぎであるが、当初は兄エリックが家業を継ぐことになっていたので(後に家出)、工房入りを免除されモデルとして活動していた。ジ社パリ支店長・エレナに秘かに惚れており、悠が彼女の誘いを断ったことに腹を立て、悠の才能が上げ底であると証明するために策を仕掛ける。しかし、知識不足によって失敗した上に父に工房に入れられそうになって家出し、ナポリの悠の家に転がり込む。「リヴァル」の工房を地獄と呼んで父を恐れ、例え冗談でも「パリへ帰す」というような発言をすると、周りが心配するほどに動揺する。
居候後は悠の弟子のようなポジションにいる。当初は悠が過去にやっていた骸骨磨きのバイトで、人体構造を把握する修行をやらされていたが、悠自身よりも短期間で人の骨格を見てとれるようになり(曰く「道行く人が骸骨に見える」)、悠を驚かせる。ギルレーズ・ハウス編までには相手を見ただけでおおよその寸法を見切ることもできるようになっており、才能の高さを伺わせる。また、セルジュ修行編では最終的に、詰めが甘く不合格とされつつも、アランやマダム・ロスタンにその服飾のセンスや技術を高く評価される。また、ナポリ式の仕立て技術が矯正不可能と言われるほどまで身に着いてしまったことから、父にリヴァル工房入りを断念させる。

ジラソーレ社[編集]

元々は若者向けカジュアル服ブランド。フィレンツェのバザーで服を売っていた女子大生の服飾サークルが事業化したもので、設立後わずか数年でイタリア国内外に支店を構えるほどに急成長を遂げた(ジラソーレ社史も参照)。ジラソーレ (girasole) とはイタリア語でひまわりを意味しており、社章もひまわりをモチーフにしている。ナポリ進出を機に、紳士服の分野にも手を広げるようになった。

社長以下12人の創立メンバーは全員が20代の女性で、その連帯感は非常に強い。しかし、社長の方針と支店間の方向性の食い違いから、最近では軋轢が生じることも少なくない。若い女性が立ち上げた新興企業だけに対外的な苦労も多いようで、資金繰りなどを内輪で解決しようとする傾向がある。

第3部『王様の仕立て屋〜フィオリ・ディ・ジラソーレ〜』では、ジラソーレ社を訪れた客から話が始まるストーリーとなる。

ナポリ店[編集]

ユーリア・ペルッツィ
ジラソーレ社社長。ナポリ本店勤務。ジャコモ・ペッツオーリの実娘だが、今際の際の母を置いて、ペッツオーリ社のファッションショーで晴れやかに笑っている父の様子をテレビで目の当たりにしてから、父に対して心を閉ざすようになり、ペッツオーリ家と一方的に絶縁、母方の苗字であるペルッツィを名乗っている。悠からは「社長さん」と呼ばれている。
ウェーブがかかったロングヘア、長身、巨乳(Gカップ)でスタイルの良い美女。年齢は20代後半、作中のやりとりから悠よりは年下と見られる。非常に強気な性格で、社の強引な経営方針にもその性質が現われている。そのために対外的な問題や社内幹部との軋轢を引き起こすことも多いが、創立メンバーからはリーダーとして全幅の信頼を置かれている。その一方で、プライベートではマリエッタに対して別人のように甘えて弱気な姿を見せることもある。
父に対する敵愾心から、社の経営方針には常にペッツオーリ社への対抗意識が織り込まれており、派手な宣伝をぶちあげた結果、注文が工房のキャパシティを越えてしまうなど、それが経営上の問題となることも少なくない。そういった態度について、サンドラは「父親を憎悪しているのではなく、振り向いて欲しくてダダこねているだけ」と指摘している。
プレゼンティのピッツェリアの常連で、仕事帰りなどに頻繁にピッツァを食べに行っている。そのためにカロリーオーバーになって体型が変化していることを、自分でもしばしば気にしている。そういった体型の変化に伴う自分の服の仕立て直しや、抱え込み過ぎた注文を捌くための工房の手伝いを繰り返していたことから、仕立ての腕も高くなった。
悠の仕立ての腕を非常に高く評価しており、社の工房にヘルプとして呼ぶことが多く、自社へ高待遇でスカウトしようとしたこともある。一方で悠に対する対抗心も強く持っており、難題に直面する度に悠を頼らざるを得なくなっている状況に、しばしばやり場のない怒りを覚えている。ストレスが溜まると、解消のためにサンドバッグを殴る。
マリエッタ・カルドゥッチ
社長第一秘書。ナポリ本店勤務。創立時は副社長だったが、ナポリ進出に伴って第一秘書となった。悠からは「秘書さん」と呼ばれている。
ユーリアと同い年だが雰囲気が落ち着いており、眼鏡をかけたあまり目立たない装いが多く、実年齢より上に見られてしまうこともある。またその外見や仕事の内容からユーリアの引き立て役に見られがちで、本人も一時そのことに悩んでいた。
ユーリアの無二の親友で、プライベートでも行動をともにすることが多く、ユーリアも他人には見せない弱気な面を見せることがある。暴走したユーリアを止める際に、よくプロレス技を用いる。
読書家で、純文学や経済学を初め各分野の知識に精通している。
アンナ・ミノッティ
ナポリ本店総務課所属。時に店に出て接客を担当する。童顔、お下げ髪で背が低く、悠からは「お下げのお嬢ちゃん」と呼ばれている。創立メンバーの中では年齢が若い方にあたる。
大人しい性格で若干行動が鈍く、自身もそのことにコンプレックスを抱いている節があるが、社を守るためにユーリアの方針に逆らって悠に協力を頼みこんだり、ナポリ中のサルトに取材に回って秘伝の技術を修得したりするなど、意志が強く積極的な面もある
コンスタンツェ・ゼルビーニ
社長第二秘書。ナポリ本店勤務。ジェノヴァの海運王・ゼルビーニ家の長女。お嬢様育ちで物腰が柔らかく、性格は弱気。黒髪で髪型はセミロング。
会社創立時に筆頭株主となって資金を出資し、設立後も幹部として自ら経営に関わるだけでなく、立場を生かした資金調達も行なっていた。しかしお家騒動に付け込まれる形で兄マッシモに筆頭株主の座を奪われてしまい、現在は株主としての立場は弱くなっている。
ジラソーレお家騒動の際にベアトリーチェに誘拐され、箱根の旅館に隔離されて働かされるなど、育ちに反して苦労が多く、そのためか接客にも如才がない。プライベートではゼルビーニ家の娘として社交界に出るシーンが多くあり、イザベッラとも知り合いだった。家同士で付き合いのあるシモーネに言い寄られて困る場面も多い。
時計編では騒動の中心人物として最前線で奮闘、数々の難題を切り抜けるうちに性格が若干攻撃的になった様子が見られた。
ソフィア・ドルチーノ
ナポリ本店総務課所属。長身でスタイルの良いショートヘアの美人。フィレンツェ出身でシスターだった経歴を持ち、クリスマスにはかつてシスターをしていた教会で手伝いをしている。悠からは「ノッポの姉ちゃん」と呼ばれている。
会社の創成期、パリに拠点を構築するため、エレナ、サンドラとともにパリでスーパーモデルとして名を馳せていた。しかし本人は至って地味な性格の持ち主で、モデルのような目立つ仕事に大きな抵抗を感じており、モデルの仕事をやらされる度に必死で抵抗しては押し切られ、終わると羞恥心から酷く落ち込むことを繰り返している。
劇中ではモニカと一緒にいるシーンが多く、残業などでともに苦労している。
モニカ・マルピーギ
ナポリ本店総務課所属。ボーイッシュな外見で、胸は小さい(Bカップ)。我慢強い性格とクラリッサに評されている。
両親のいない孤児で、幼少時はスリ窃盗で生計を立てていた。収監された更生施設で服飾の資格を得て、大学のサークル時代のジラソーレで縫製を担当、会社が拡大した現在も工房で仕立てを担当しており、時に店に出て接客も行う。
その出自や過去を知りながらも分け隔てなく接してくれる創立メンバーのことを、深く尊敬している。身が軽く、その手先の器用さから手品師のアシスタントにスカウトされたこともある。劇中ではソフィアと一緒にいるシーンが多いが、ラウラとともに突貫仕事を行うこともままある。
胸が小さいことにコンプレックスを抱いており、度々ラウラからそのことを弄られるが、スタイルが悪いという訳ではなく均整のとれた体型で、ビアッジオの作る衣装ではバニースーツなど脚線美を見せる物が多い。

フィレンツェ店[編集]

サンドラ・デストーニ
フィレンツェ支店長兼ジラソーレ社チーフデザイナー。初登場時は副社長だった。スタイルが良く、エレナ、ソフィアとともにパリで売れっ子モデルとして活動していたこともある。黒人トスカーナ人との混血で、褐色の肌をしている。
社のナポリ進出に伴って副社長に昇格し、フィレンツェ本店を任されていたが、経営の行き掛かり上ベアトリーチェとともに独断でペッツオーリ社との提携を進め、お家騒動を引き起こしてしまった。それによってナポリに本店が移り、現在は支店長としてフィレンツェ支店の経営に当たっている。
褐色の肌のため、小さい頃から差別などで辛酸を舐めてきた。そのような心の傷を支え、強く育ててくれた父親のことを深く尊敬している。そのような考え方から、ユーリアがペッツオーリを憎悪していることについては批判的なスタンスをとっている。
凛々しく勝ち気そうな外見をしているが心労を溜めやすい性格で、経営方針の衝突やベアトリーチェの過激な行動で胃を痛める場面も多い。
ベアトリーチェ・パスコリ
フィレンツェ支店長補佐。経理担当で、状況に応じて企画・広報・営業など様々な活動を行うが、工房で仕立てを行うことはない。髪型がショートボブであることから、悠からは「オカッパ」、ヴィレッダからは「上司」と呼ばれている。ヴェネツィア出身。経済学部卒。
冷徹かつ行動的な性格で、経営のために非情な決断をためらいなく行うだけでなく、人の心の隙を見つけて弱点を容赦なく突き、必要ならば非合法的な手段を活用することも厭わないため、内外から恐れられている。しかしその行動は全て会社の安定や成長のために向けられており、また一方で「つまらない見栄や虚勢で嘘だけはつかないのが私の主義」とも公言している。何事にも綿密な計画を立てたがる点については、アドリブに滅法弱い性質で勝てる戦しかしたくないためと自己分析している。
表情は少ないが、状況に応じて笑顔も振りまくこともできる。策略を巡らす時には頭に悪魔のような角が描かれることが多い。本能と勘に頼って動きの読めないフェデリカのことを唯一苦手にしている。
ジラソーレお家騒動の際は社長派に対抗するため、お家騒動後は社全体の戦力として、ペッツオーリから一目置かれている悠を社員にしようと様々な策を巡らせていた。それが無理だと判断してからは、捏造した書類を用いての脅迫で、手早く安価な随時契約スタッフとして度々ヘルプに呼んでいた。その後、ペッツオーリ社のナポリ進出を機に、ベリーニ伯爵の威光を借りて正社員としてジラソーレへ引き込もうとしたが、伯爵の指摘によりジラソーレでは悠とカモッラとの関係を清算できないと悟り、悠の囲い込みから手を引くことを宣言した。

パリ店[編集]

エレナ・フォルミキーニ
パリ支店長。ショートヘアで長身、やや中性的な外見をしている。
ソフィア、サンドラとともにパリでスーパーモデルとして活躍したこともある。支店の長として外国で奮闘しているだけでなく、大学を首席で卒業し、各種スポーツ、社交、家事などもそつなくこなし、更に裏表なく男性に尽くす優しい性格という、非の打ち所のない人間性をしている。その一方で貧しい農村の生まれであるため、交際する上流階級の男性はその完璧さに対する劣等感を出自に対する優越感で埋めようとしてしまい、交際はいずれも長続きしない。
生まれ故郷は無医村で、当初は医者になって村を救うことを志していたが、学費の問題で断念。ジラソーレ社設立当初は事業に熱心ではなかったが、会社が大きくなってくると、村を丸ごと買い上げたある大ブランドを手本に、寂れる一方の故郷を自分の手で買い取って保護するという大きな目標を持って仕事に励むようになった。
リヴァルとの関係改善のためにパリに派遣され問題を簡単に解決した悠に、職人としてだけでなく男性としても惹かれていった。その後、自身との交際をかけたシモーネ、チャールズとの勝負を制した悠に、公私に亘るパートナーとしての正式な交際を申し込んだが、悠は目標を持って支店長業務に励むエレナの意志を尊重し、またあくまで自分は一介の職人に過ぎないという立場を曲げなかったため、交際は成立しなかった。しかし悠への思慕がなくなった訳ではなく、クラリッサが悠のサルトに入り浸っていると聞きつけた時には、リヴァルの工房に入れられそうになっていたセルジュを無理矢理奪還し、パリの仕事を放り出してナポリの悠の下に押しかけていた。

ロンドン店[編集]

クラリッサ・レオーネ
ロンドン支店長。ロンドン支店ではカジュアル服を主に扱っているが、技術の研鑽も兼ねてサヴィル・ロウのテーラーの下職を手伝っている。仕立て屋の家に生まれ、サークル時代には裁断を担当するなど、会社創設時点で既に高い仕立ての技術を持っていた。
幼い頃から家に閉じ篭って針子修行をしていたために内向的で悲観的な性格になり、また世間やおしゃれに疎いため同年代の子達と話が合わず、暗い少女時代を過ごした。大学でユーリア達と知り合ってからは、彼女らの助けもあって自分の容姿にやや自信を持てるようになり、また自分の得意分野で自分の道を開けるようになったことからある程度前向きな性格になったが、根本の内向きな人間性は変わっておらず、精神的許容量を超える事態が発生するとパニックを起こして暴走する。
幼少期から仕立て仕事をしていたために極度の近視になってしまい、作業中はレンズの分厚いいわゆる瓶底眼鏡をかけている。そのことに激しいコンプレックスを抱いており、創立メンバー以外の人間にそれを見られると極度のパニック状態に陥る。
仕立て職人としては一本気だが素直な面もあり、職人として貪欲に技術を吸収しようとしながら、行き詰まると意地を張らずに悠にアドバイスを求めたりもする。しかし一本気なあまり周りが見えなくなることがあり、修行のために悠の自宅兼サルト(つまり若い男の部屋)に住み込もうとして周囲を大騒動に巻き込んでしまったこともある。性格が正反対のラウラに懐いている。
ジュリア・ヴィスコンティ
ロンドン支店所属の海外営業担当。ポニーテール八重歯が特徴で、常に異様なほどテンションが高く、神経が図太く物怖じしない性格で、周囲を常に振り回し続けている。現地人でも酸欠で倒れるほどの高地でも平然としているなど、超人的な体力も持っている。
服飾に関しての高度な知識はなく縫製も全くできないが、営業担当としての行動力は高く、したたかで機転も利く。実家はヴィスコンティ家の傍流で、本家からあまりに遠く立場が一般人とさほど変わらない一方で、その家名を上流階級に対する営業の武器として活用する場面も見られる。似たような性格のフェデリカと仲が良い。
すぐに携帯電話の電波の届かないところに行ってしまうため、非常に連絡が取りづらい。

ニューヨーク店[編集]

フェデリカ・テッサリーニ
ニューヨーク支店長。髪型はストレートで瞳が大きく、勝気でさばけた性格をしている。非常にグラマラスなスタイルの持ち主。
幼少期をアメリカ合衆国で過ごしていたためアメリカの流行・経済などに詳しく、性格もアメリカ人に近い。ベアトリーチェとは同じ経済学部、同じゼミ出身の同期だが、ベアトリーチェが論理やデータを重視するのに対し、フェデリカは勘や感覚を重視した経営を行うため、ベアトリーチェが苦手としている唯一の人間でもある。
利益誘導のためには強引な手も厭わず、ユーリアらからの抗議にも自分の都合だけを主張して後は無視するといった点から、仲間内ではやや浮いた存在となっている。ニューヨークに配属された理由も、アメリカに詳しいという以外に、その経営方針が悪影響を与えかねないと判断されて本店から遠ざけられたという一面がある。
アメリカ編では、姉御肌な性格でヴィレッダらに慕われる一方、芸能界志望のロドリーゴに対して現実的かつ辛辣な言葉をぶつける場面も多かった。

開発第二課[編集]

各支店に問題が発生した時に助っ人として派遣される、遊撃隊的な役割を担っているチーム。元々は社と関係ない場面で個人的に仲良くなった3人組で、ペッツオーリ社との業務提携騒ぎの際に社の株を収得し、株主特権で入社した。当初は閑職だったが、やがてそれぞれが個性を発揮し、次第に存在感が高まっていった。ベアトリーチェからは「その気になれば独立してブランドを立ち上げられるだけの人材の集まり」と評されている。

特急仕事の外注委託やそこまではいかない段階でも客からの注文に応えるアドバイスを求めて、ヴィレッダやイザベッラは悠のところに頻繁に出入りして茶を飲んだりして過ごしている。

ヴィレッダ・インパラート
マルコの妹弟子の靴職人見習い。元々は修復師だったが、言い寄ってきた靴マニアの同僚に感化され、ペピーノ親方に弟子入りし靴職人に転向した。美術品やアンティーク、その背景にある歴史に詳しく、悠から「物知り姉ちゃん」と呼ばれている。
好奇心と行動力が旺盛で悪ノリしやすい性格をしており、マルコとともに余計な事件を引き起こしてしまうことが多い。しかし頭の回転が早く思慮深い策士的な一面もあり、その手腕についてはベアトリーチェも高く評価している。開発第二課においては、ラウラとイザベッラを引っ張る司令塔としての役割を担っている。策略を巡らすシーンでは、白羽扇を手に持った諸葛孔明を模した姿で描かれることが多い。
靴職人としては未熟な面が見られるが、ペピーノ親方から「若い内は色々見て回れ」と勧められている。骨董品漁りの際には、『かおす寒鰤屋』の法被を羽織っていることがある。
ラウラ・フォンターナ
開発第二課専属の仕立て職人。代々ミラノ貴族に仕える仕立て職人の家の生まれで、アンドレア・フォンターナの一人娘。年齢は初登場時点で17歳。その髪型から「ツインテール」というあだ名で呼ばれている。金髪で胸が大きく(Fカップ)スタイルも良い。
14歳にして自分の「究極の型紙」を完成させた自他ともに認める仕立ての天才で、ペッツオーリ社の服飾学校の秘蔵っ子だった。しかし自信満々で悠に仕立て勝負を仕掛けて敗北し、その屈辱を雪ぐため学校を辞めてナポリへ移住、ユーリアの家に無理矢理同居し、ジラソーレ社にも強引に入社した。そういった経緯から悠のことを激しくライバル視しており、悠の仕事の話題になると条件反射的に対抗意識をむき出しにする。
登場当初は才能には高い評価を下されていたものの、仕立ては顧客あっての仕事というより自身の技術を披露するアートと考えている節があり、客の事情を無視した仕立てに陥ることも多い。そのような社会的常識や実戦経験の少なさから顧客に満足を与えられない場面が多々見られ、悠に挑む度に圧倒的な実力差を見せつけられていた。その後、ビアッジォに弟子入りしたり、悠不在のサルトを一時引き継いだりと様々な経験を積み、やがて開発第二課に配属。その後は、職人として危うい面はまだ残っているものの、確かな手腕で内外から高く評価されるようになっている。
気に入った仕事は他人の手伝いを寄せ付けず身体を壊してでも果たす一方で、自分のノルマが終わって余裕がある時でも他人を手伝わない場面が多く、悠の仕事に対抗するために平気で会社を休むこともままある。ジラソーレ幹部達の神経を逆撫でするのを楽しんでいる節もあり、周囲からやや疎まれている様子も見られる。パウエル親方の一連の騒動後、腕の良さとノルマ以外手伝わない態度のせいで、親方の遅れた作業を取り返すためのヘルプとしてイギリスに送られ、コート編までずっとイギリスに滞在させられていた。漸く帰国しても特急仕事を振られ続けていたが、思いつくままにフランスに渡ってしまう。現在はパリに滞在しており、リヴァルの工房の下職などをしている。仕事をさせろとしゃしゃり出る割に気が乗らないと放り出そうとするため、世話をしているアランやエレナを冷や冷やさせている。
野心的でエネルギッシュな男性が好みだと公言しており、当初はアンドレアの希望通りペッツオーリと結婚することを目標としていたが、時を経るごとにその様子は見られなくなってきている。一方、悠のことは一貫してライバル視し続けているが、様々な意味で好意を抱いていると示唆されるような描写も度々見られる。
プライドの高い完璧主義で強気一辺倒の性格だが、単純で流されやすく、ヴィレッダやマルコ、母エミリアに振り回されることも多い。クラリッサを苦手にしている様子も見られる。性的な話題や色恋沙汰にも弱く、ビアッジォのパスタ店でコスプレウェイトレスをさせられる度に過度なストレスを溜めこんだり、クラリッサが悠のサルトに住み込むと言い出した時には思わず卒倒していた。ただしビアッジォのパスタ店でのコスプレウェイトレスは慣れたらしく、ジラソーレで不満が溜まったりして仕事をボイコットした時は、自らビアッジォのパスタ店へコスプレウェイトレスをやりに行っている。
イザベッラ・ベリーニ
ナポリの実力者・ベリーニ伯爵の令嬢。家出した時に酒場でヴィレッダと知り合い、ジラソーレお家騒動の時に父の後見のもとジラソーレ社の大株主となり、開発第二課に入社した。悠からは「お嬢」と呼ばれている。大学の馬術サークルの同窓会でカルロと知り合って以来、カルロと交際している。
服飾に関しては見識はあるものの飛び抜けた技能はなく、開発第二課ではヴィレッダやラウラの補佐に回ることが多い。しかし伯爵令嬢であるが故の豊富な人脈を持っており、しばしばそれを活かした立ち回りを見せる。相手の気持ちを汲んだ思いやりのある発言も多い。
おっとりした気品のある性格だが時に大胆な行動を起こすこともあり、特にカルロが絡むと思い込みが激しくなりしばしば暴走する。父に似て健啖家でもある。日本で触れたおたく文化を趣味にしている模様。

ペッツオーリ社[編集]

ジャコモ・ペッツオーリ
世界的ブランド「ペッツオーリ」の総帥兼デザイナー。ユーリアの実父。ミラノ貴族の生まれで、一代にして大ブランドを築き上げた。
経営者、デザイナーとして優れているだけでなく、職人として一流の腕を誇る。仕立て技術の習得に貪欲で、当時既にミラノのファッション界のカリスマとして確固たる地位を築いていたにも関わらず、生前のマリオに一時弟子入りしたことがある。そのため形式上は悠の弟弟子に当たり、マリオが逝去し悠が独立した後はその借金の保証人となり、必要に応じて仕事を依頼するなど、間接的にバックアップを行っている。悠の才能を高く買っており、自社に勤めないかと誘ったこともある。
会社の都合を優先して妻の死の際に傍にいなかったことから、娘のユーリアから絶縁され、現在も激しく憎まれている。しかしそれを知りながら今なお父としてユーリアに愛情を注いでおり、ジラソーレ社に対して遠回しな手助けや様々な試練を与えている。
社内でも服飾学校を催しているなど後進の教育には熱心だが、「向上心の続かない人間には早めの転職を勧める」など、自身にも他人にも厳しい人物。常に新しいデザイン、それも「去年を超える」と言われるようなものを生み出し続けなければならない重圧は尋常のものではなく、作中では一度ひどいスランプに陥ったことがあった。そのスランプ時の行動もアラン・リヴァルのように大暴れする訳でなくひっそりと失踪するというもので、場合によっては失踪したままの引退を覚悟するなど、自身への厳しさを窺わせるものであった。
アンドレア・フォンターナ
ラウラの実父で、エミリアの夫。ペッツオーリ社幹部。スーツ部門統括、附属服飾教室教頭、日本支店長を経て、現在はナポリ支店長。日本語にも堪能である。
代々貴族に仕える職人の家系に生まれ、ミラノ式の高い仕立ての技術を持っているが、デザインのセンスはないとエミリアに評されている。性格は高慢な面が目立つと同時に、気が小さい。いつかペッツオーリブランドを乗っ取ろうという野心を抱いてはいるものの、ラウラをペッツオーリ総帥と結婚させる作戦はラウラにその気がなくなり頓挫、ペッツオーリの失踪に伴うお家騒動の時も気の小ささから保身に終始してしまい、結局幹部の座に収まり続けている。
その一方で、冷静に人物の本質を見抜く洞察力と、年長の職人に対して敬意を払う礼儀正しさを備えている。また、任された日本支店も不況の中で軌道に乗せるなど、経営面でも一定の手腕を見せている。
ペッツオーリとナポリ仕立てに対する対抗心から悠に対して邪険に接することが多いが、悠の実力それ自体については高く評価している。天才肌の娘ラウラに対しては、自分に教えられる技術がもうないことなどからその奔放さに手を焼いているが、職人・人間として一人前になれるよう温かく見守っている。ペッツオーリとは、互いの父娘関係を羨む間柄でもある。

サービスジャングル[編集]

ゾーエ・シャッカルーガ
大手ネット通販サイト「サービスジャングル」のイタリア支社長。ユーリアたちの大学同期だが、社会学者をしている父親の影響で学生時代は運動家を気どっていた。そのような立場から貴族家から飛び出したユーリアを同志と勧誘するが、目的がペッツオーリ社打倒のみと知ると一転してその活動を邪魔するようになる。卒業後は渡米し、サービスジャングル内で頭角を表した結果イタリア支社長となる。ネット通販を「消費者に平等に機会が与えられる」という観点から肯定している。
イタリア支店は服飾を主とした企業展開を行い自社ブランドとして「ナルチーゾ(水仙)」を立ち上げる。アパレル企業各社から腕利きをヘッドハンティングするが、その中にペッツオーリ社に転がり込んでいたリッカルドがいたことで、そのマイペースっぷりに振り回されることになる。
キャサリン
ゾーエの部下。
まだ若いながら優秀な女性社員。暴走しがちなゾーエの手綱を握るべく奮闘するが、基本的には毎回振り回される立場にある。また、途中からドナが参入し、さらに振り回される。
ドナ・ウィンストン
新たにアメリカからイタリア支店に配属されたサービスジャングルの社員。初登場は第3部21話。
見かけは真面目で礼儀正しい美人で、仕事を的確にこなす。しかし、本性は極度のマゾであり、高飛車なゾーネの在り方に惚れ込み、自らをゾーネ様の雌犬と呼ぶ。ゾーネからはそのような態度を職務熱心と見られていて、性癖には気づかれておらず、逆に彼女をよく知るキャサリンからは忌避されている。

その他の準レギュラー[編集]

ナポリ[編集]

マリオ・サントリヨ
ミケランジェロ」の異名で内外にその名を知られた、ナポリの伝説の仕立て職人。悠の仕立て屋の師匠であり、またマリオにとって悠は唯一の正式な弟子でもある。物語開始時点ですでに故人。
職人気質の非常に強い極端に偏屈な性格で、家庭を顧みず収入も一切考慮せずに仕事を続けていたことから、家族に逃げられ多額の借金を抱えていた。弟子入りに当たって課した地下墓地での骸骨磨きの修行を8ヵ月やり通し、貪欲かつ天才的に技術を吸収し続ける悠を「自分の遺産を受け継げる」とまで評していたが、志半ばでクモ膜下出血に倒れ、帰らぬ人となった。
生前残した日本円にして累計約1億円にも上る借金は悠が引き継ぎ、現在も返済し続けている。
ペピーノ親方
ナポリの靴職人。マルコとヴィレッダの師匠。ベリーニ伯など有力者の靴も手がけたこともあり、靴マニアからも絶賛されるほどの腕を持つ。良い靴を造るためなら水虫の足に触れることも辞さない。マルコによると「進化論も信じてないガチガチのクリスチャン」だという。
ジャンニ・ビアッジォ
マリオの兄弟子に当たる仕立て職人。礼服をフルオーダーで仕立てられるほどの技術を持っている。現在はカサルヌオボに隠居し、息子の経営するパスタ問屋に身を寄せ、パスタ料理店を経営して生計を立てている。悠からは「叔父貴」、マルコからは「ご隠居」と呼ばれることも。
老齢などのため一見ボケているように見えるが、職人として鋭い言動を見せることもあり、その技術は老いてなお磨かれ続けている。技術の研鑽も兼ねてメイド服を始めとする様々な女性用コスチュームを仕立てており、弟子入りしてきたラウラや仕事の相談に来たジラソーレ社のメンバーにそれを着せて、ウエイトレスとしてパスタ店で接客させることを趣味にしている。仕立てたコスチュームはいわゆる「アキバ系」で際どいデザインだが、見た目に反して見えそうで見えない絶対領域を死守した高い技術をつぎ込んだ代物。またモニカに仕立てたバニースーツなどはバストが自然な感じで大きくサイズアップしたように見えるように仕立てられており、その事に感嘆したモニカはビアッジォに弟子入りをお願いしている。
生前のマリオに、悠の将来を思うなら破門して別の職人に弟子入りさせるよう諭していた。
ロドリーゴ・サンチェス
ナポリ旧市街にサルトを構えるパンツ職人。パンツの仕立ての腕は悠をして自分では敵わないと言わしめ、悠やマリオから何度となく下職を受けていた。パンツだけでなく他の分野の仕立ても一通りこなせる。マルコやセルジュからは、長髪と口周りのヒゲからフック船長になぞらえて「船長」と呼ばれている。
代々パンツ職人の家系で、それ故に突出した技術と才能を持っているが、それで得られる収入の乏しさに嫌気が差し、若い頃からアイドルになることを目指し続け、40歳手前になっても未だに歌やダンスのレッスンを続けている。その夢のために方々から借金をしており、生活は常に苦しい。モデルとして成功していたセルジュに対して対抗心を抱いている。
悠の顧客となったアメリカ上院議員が、20年程前に出世払いの約束を踏み倒して役者から政治家に転向したアメリカ人の友人と知り、借金取りのためにフェデリカの誘いに乗る形で渡米。そこでひょんなことからハリウッド映画への主演が決まってしまい、紆余曲折を経て撮影は成功し作品は大ヒット、一躍全米に名前の知られる存在となり、借金も完済した。しかし件の友人との和解の席で、銃に否定的な意見[注 2]を述べて同席していた全米ライフル協会幹部の不興を買ってしまい、アメリカから逃げ出すようにしてナポリに帰り、再びパンツ職人となった。ただし現在でも芸能界に復帰する夢は捨てておらず、大部屋俳優の溜まり場などにも顔が利く。
職人らしい生真面目な性格で、鋭い観察眼や洞察力も持ち合わせているが、芸能界へデビューするにはその生真面目さが足枷となっていた面があり、アメリカから逃げ帰った時もフェデリカから同様の指摘をされている。ヒゲを剃り落として髪型を整えると、別人のように精悍になる。
リッカルド・サントリヨ
マリオ・サントリヨの息子。父譲りの天賦の才能と並外れた技術を持ち、マリオの再来とまで謳われる仕立て職人だが、作中屈指のダメ人間としてあらゆる方面から「ナポリの白アリ」「油虫」と呼ばれ忌避されており、特に直接的に多大な被害を受けた悠(彼がマリオから引き継いだ借金の内、三割はリッカルドがマリオから盗んだ生地の代金)からは蛇蝎のごとく嫌われている。それでもなおその得難い職人としての腕を求められ、なんだかんだで仕事をし続けている。
幼いころから父であるマリオの指導を直接受けていたが、マリオが家庭を顧みなかったため母と共に一時ナポリを離れる。その後ナポリに戻りサルトを開業するも、その人間性が災いしあっという間にサルトを潰すハメになる(悠がマリオに弟子入りした際には既に人手に渡っていた)。元々酒好きで放浪癖があったため、失踪しても誰にも探されることはなかった。その間外国を放浪していたのだが、その最中政情不安定な国においてスパイ容疑をかけられ長期に渡って投獄され、融和政策によって釈放された後、ナポリ仕立て屋協会革新派の招聘を受ける形で帰郷。悠らを下職に使ってベリーニ伯の注文を10日で完成させ、その先見性や実力を再び認められてジラソーレにモデリストとして雇用された。協会の内部分裂が終息した後はイタリアを離れ、フランスに渡ってリヴァルのチーフデザイナーとなったが、あまりに怠惰かつ完璧な仕事ぶりや、工房の若手が会社の金で遊ぶ口実に彼を使ったためアランも頭を痛め、ジョナタとの勝負をさせている間に工房の引き締めを果たした後穏便に退職させられる。その後、今度はペッツオーリ社に転がり込み、ジラソーレ・フィレンツェ店を通して悠と「デニムとナポリファッションの組み合わせ」を競った。この際、悠は相手がリッカルドとは知らずに仕事を絶賛していたが、リッカルドは噂話のクシャミで病気にでも罹ったかとうろたえていた。途中でリッカルドだと知った悠はひどく落ち込んでいた。その後、大手ネット通販サイト・サービスジャングルの新ブランド「ナルチーゾ(水仙)」の工房に転がり込み、雇い主の注文を煙に巻きながら居座っている。
悠よりも長くマリオの指導を受けていただけあってその腕前は本物。さらに放浪期間中の長い収容所生活では仕立て仕事を繰り返していたため、縫製の腕は昔よりも上がっているという。仕事に取り掛かり始めると全力を尽くし、時には客の要望を無視してでも「その客に真に必要なもの」を提供できるなど、作中で幾度となく語られる「職人の条件」は満たしている。問題はその人格ただ一点で、前金を呑んで納期は守らない、他所の店の貴重なデッドストックをちょろまかして自分の飲み代に充てる、会社に所属すれば経費と称して飲み歩く、借金や堕落の道に他人も巻き込むなど、「職人として100点の腕前を持つが-200点の人格であらゆる信用を失っている」人物。一見するといかなる重圧や権威、義理や義務にも屈さない世間を超越した世捨て人のようだが、その実際は納期や評価、子供の頃からかけられ続けてきた期待がプレッシャーになって逃げ出したくなったために仕事ができなかっただけと自身で振り返っている。リッカルドの存在は悠の肩書きの一つ「マリオの生涯唯一の弟子」と矛盾するようだが、これは実父マリオにすら迷惑をかけ続けたリッカルドを、マリオの弟子の勘定から外そうという業界の配慮によるもの。修業時代に厳しくしごかれたドラゴネッティ親方を唯一苦手にしている。
ジョナタ・ジャイオッティ
ナポリ職人若手の有望株。実家が貧乏だったため幼い頃から仕立て屋に奉公に出されており、そのため若手の中では群を抜いて高い技量を誇っている。強面で気性が激しく、口調が独特で、有体に言えば荒木飛呂彦風のキャラクター。尚、雑誌掲載時は名字がジョイオッティとなっていた。貧乏にコンプレックスを抱いている。
仕立て屋協会の技術養成所の一期生として協会からスカウトされ、当初はカモッラに入って成り上がりたいからと拒否していたが、カモッラの幹部に納める悠の仕事を間近に見たことをきっかけに本格的に職人を目指すようになり、養成所に入学した。その後、モード服の仕立てで世に出たいと言い出し、リヴァルのデザイナーとなったリッカルドに勝負を挑み、当初は圧倒的実力差で敗北していたが、回を重ねる毎に飛躍的に成長し、最後には自力でリッカルドに勝てるまでに至っていた。
ベリーニ
ナポリ貴族。爵位伯爵。ナポリ屈指の実力者で、世界的な実業家でもあり、伝統文化の保護・育成にも尽力している。趣味は馬術で、大会に何度も入賞したことがある。
基本的には公明正大な人物で、誰に対しても分け隔てなく接し、それ故に野に埋もれていた傑物を見出すことがしばしばあるが、そのような人間性のために相手の欠点などを人前で辛辣に指摘することも多い。一方で激しい気性とプライドも持ち合わせ、半ば個人的な理由で強権を振るおうとする場面もまま見られる。
かつてマリオを庇護しようとしたことでマリオとの確執が生まれ、それによって図らずもマリオに対する圧力を業界にかけさせてしまったことがある。悠に対しては初対面時に本人の目の前で「独自性がない」「師匠の猿真似」と鋭く批判していたが、その後に結婚記念日用の一着を仕立てる依頼を完遂したことで成長を認め、評価を改めた。以来悠と一流の職人として交誼を結び、ペッツオーリ社のナポリ進出を機に、カモッラに対する借金の肩代わりと手切れ金の用意を申し出て、カモッラと悠との関係を清算する手筈を整えた。
カルロ・スパランツァーニ
トスカーナ貴族の末裔。爵位は男爵。悠から「殿下」と呼ばれている。留学経験があり、英語や日本語を始めとする12種類もの言語を使いこなす。
かつては裕福な生活を送っていたが、父の死去に伴って没落して市井に落ち、ニコラとともにナポリで貧しい生活を送っていた。ふとした偶然で悠と出会い、悠に仕立ててもらったスーツで大学の同窓会に出席。同じ同窓会に出席していたイザベッラとその父であるベリーニ伯に見初められ、伯の紹介で貿易会社へ入社、現在は商社マンとして世界中を飛び回る忙しい生活を送っている。またしばしばベリーニ伯の通訳を務め、最近では大型プロジェクトを手掛けることも多くなっている。
同窓会で出会って以来イザベッラと交際しているが、多忙な生活を送っていることなどからすれ違いになることが多く、それが原因でしばしばイザベッラと諍いを起こしている。
初登場時は世間知らずな面があり、没落後の生活がニコラの稼ぎでなく家の財産の残りで営まれていると思っていた。
ニコラ・ロンギ
カルロの秘書兼執事。悠らから「三太夫さん」と呼ばれている。3代に渡ってスパランツァーニ家に仕えており、家が没落した後は老骨に鞭打っての労働でカルロの生活を支えていた。幼少の頃から世話をしてきたカルロを孫のように見ている。
カルロや目上の人間に接する時以外は傲然としており、悠のサルトに依頼に訪れる度にアップで「ひかえおろう庶民!」と叫ぶのが定番となっている。
プレゼンティ
ナポリの場末で40年間開業しているピッツェリアの店主。店の看板にはスイカをモチーフにしたデザインのピッツァの絵が描かれ、「ドン・メローネ・ロッソ(スイカおじさんの店)」と呼ばれている。
悠やマリオ、ビアッジォらの馴染みで、「真正ナポリピッツァ協会」加盟店を上回ると言われるほどの腕を誇っていたが、店の立地が良くないことと両腕に入れ墨を彫っていたことから、近年は客の入りが芳しくなかった。しかし悠が入れ墨を覆い隠すシャツを仕立て、店のことを紹介したテレビ番組が好評だったことで客足が戻り、再びピッツァ職人として忙しい生活を送るようになった。ユーリアを始めとするジラソーレ社の面々も度々店を訪れている。
親分
カモッラの頭目の一人。名前は不明。マリオの馴染みの顧客で、マリオに対して莫大な債務を負わせていた。マリオが倒れた際、マリオの治療と引き換えに借金の引き継ぎを申し出た悠の腕前を認め、借用書の名義を全て悠に変更すると同時に、悠の馴染みの顧客となった。悠が日本に帰国していた時に、サルトを引き継いでいたラウラにモーニングを依頼したこともある。
クッカリーニ
クッカリーニ鞄店の元社長で、マリオの旧友。鞄職人の家の生まれで自身も職人だったが、父が金銭や納期にこだわらない仕事を続け家が困窮したため、父の仕事を管理するべく商人に転向。やがて実家を立て直したのみならず、支店をいくつも構える大商人となった。
会社経営からリタイアし隠居しようとナポリに帰郷した時に悠と出会い、悠の鞄に対する見識や特急仕事に激昂し、腕を見極める課題と称して鞄と仕立て服の調和するコーディネートの仕事を宛がい続けていた。やがて悠の実力を素直に認めるようになったが、悠との対決に刺激を受けたのか、隠居のつもりで帰って来たナポリに新しい支店を開き、自ら店長として収まり再び鞄販売に勤しむようになった。

イタリア(ナポリ以外)[編集]

マッシモ・ゼルビーニ
ジェノヴァの海運王・ゼルビーニ家の長男。コンスタンツェの兄。ゼルビーニ商会社長として、会長である父とともに会社の経営に携わっている。
その経営手腕と投資家としての才には定評があり、後にコンスタンツェに代わってジラソーレ社の筆頭株主となった。経営・投資方針は「守銭奴」、「銭ゲバ」とまで称されるほど(しかも本人もそれを否定していない)自己中心的かつ合理的で、将来性のある会社等を目ざとく見つけ出して投資を行う一方、投資価値がなくなったと判断した場合の見切りは極めて早い。ただしアゴスティ造船に関しては、家族ぐるみの付き合いや会社としての恩があることなどから、何かと世話を焼くことも多い。
悠の仕立ての力量を高く評価しており、自らの服の仕立てを含めて何度か仕事を依頼したことがある。
シモーネ・アゴスティ
ジェノヴァの造船業大手・アゴスティ造船の創業者の一人息子。甘やかされて育ったため傲慢で他人の迷惑を省みない性格になってしまい、金銭や資産でしか他人を評価しない。特に想像力が欠如しているとマッシモから指摘されている。事業の手腕もなく、父親から当てがわれた子会社を潰してしまっている。テンションも常に高く、マルコから「こち亀」のキャラクターになぞらえて「白鳥さん」と呼ばれている。
美しい女性と見るとすぐに口説こうとするが、「一定以上の生活レベルに達していない女性との関係は交際した内に入れていない」と公言し、基本的に格下と見下している他人との約束も守らないという最低男。家どうしの付き合いのあるコンスタンツェや、フランス服飾界でその名を知られるエレナに強引に言い寄っているが、コンスタンツェからは家族ぐるみで交際を拒絶され、エレナはチャールズも含んだ三つ巴の争いの末、勝負の舞台に立つことすら出来ず悠に取られた形になっている。この時も悠の邪魔をすることを思いつき「バッタもの(ロスタンのコピー品)を作れ」と注文を出したが、マダム・ロスタンのパーティ会場でバッタ物とバレて引っ立てられた。ただし、これは悠の仕立てがまずかったからではなく、むしろ逆だったが故[注 3]
窮地に陥る度に横柄な態度で悠に仕事を依頼し、それによって一時は状況が好転するものの、調子に乗り過ぎて最後には前より悪い状況を作り出してしまう。そのような状況に陥ると、海軍出身の父親から「帝王学を身に着けるため」などと称してイタリア軍に強制入隊させられており、海軍空軍陸軍のみならず軍警察にまで在籍していたが[注 4]、いずれもごく短期間で除隊し、その後も問題行動が収まらなかったため遂にはスペインのマグロ漁船に放り込まれてしまった。そのため、かつては甘やかしていた父親からも「馬鹿野郎」呼ばわりされるなど、見捨てられつつある。
エミリア・フォンターナ
ラウラの母でアンドレアの妻。ファッション誌「ヴェトリーナ」の記者。年齢に不相応なほど若々しい外見をしており、その行動力や体力はジュリアに勝るとも劣らない。娘と同様、極めて奔放な性格の自信家で、周囲を巻き込んで気ままに行動する場面が多く見られる。記者としての取材能力は高く、服飾に対する造詣も深い。
仕事熱心なあまり家族と別居し、家庭を顧みず仕事に打ち込み続けている。しかしラウラについては、将来を心配して大学への進学を奨め、その一方で職人としてのラウラの立場を尊重するなど、親としての一定の愛情を見せている。また夫・アンドレアに対しても、その気の小ささに辟易している様子は見られるものの、仕立ての技術については的確に評価しており、家庭を顧みず仕事に打ち込める環境を整えてくれたことに感謝し、現在でも夫婦として愛情を抱いている。
ラウラを一方的に振り回せる数少ない人間の一人であるが、ある意味ラウラ以上に周囲を振り回している。ラウラ幼少時の様々な写真(父親お手製のフリフリドレス姿やコスプレ写真)を常に持ち歩いており、ラウラを利用したい時はそれをネタにしている。
ボンピエリ
ミラノ貴族の末裔でもある服飾評論家。辛口な批評で知られ、かつて駆け出しのペッツオーリブランドを酷評して倒産寸前に追い込んだこともある。
ナポリ進出を画策するペッツオーリ社の急進派幹部の意向を受ける形でジラソーレ社を訪れ、ブランドとしての確たる方向性がないことを指摘し「ブランドの神話を見せろ」と注文、「女性が憧れる男性像」というジラソーレのコンセプトを確立させるきっかけを作った。
ペッツオーリ家とは個人的な付き合いがある。幼い頃のユーリアにも会ったことがあり、父に対して依怙地になる彼女に、ペッツオーリの本心の一端を語った。

イギリス[編集]

パウエル親方
サヴィル・ロウ最高と言われ、世界一とも称されるウェストコート職人。そのウェストコートは「血が通っている」と言われるほどの出来映えを誇る。そのためにサヴィル・ロウで引き抜き合戦が起きたこともあり、貴族の調停によって、特にどこにも属さないサヴィル・ロウのご意見番的な立場となった。
馴染みの顧客が過去に自分の仕立てたウェストコートが遠因で事故死したことにショックを受け、一時は引退していたが、悠に触発される形でサヴィル・ロウに復帰。ギルレーズ・ハウス騒動では、ウォーレン卿の命を受けて悠を再びロンドンへと連れて行った。更に後年、後進国の富豪が金に物を言わせ休暇中のホテルを強襲してまで自分の注文をねじ込もうとするトラブルに遭い、単身悠の下へ逃亡ししばらくの間サルトを手伝っていた。
本家はイギリス海軍軍人の名家。悠のことを「ナポリタン」と呼ぶ。パウエル親方の指導を受けた経験から、この後悠は仕立ての分業仕事を請け負う際にウェストコートを担当するようになった。
フレデリック・ウォーレン
イギリス王家の外戚に当たる貴族。世界的な実業家でもあり、サヴィル・ロウの保護に尽力している。
悠と直接対面する前に、あるパーティーの場で悠の仕事を目にしたことがある。その後、イタリア訪問中に起きたトラブルに際し、事態解決のためカルロが悠に引き合わせたのをきっかけに、その腕を見込んでイギリスに招待、サヴィル・ロウにスカウトしようとした。その後のギルレーズ・ハウス騒動では旧店を支持、悠を助っ人として再びサヴィル・ロウへ呼び寄せたり、様々な情報収集や対策の立案・実行を行った。パウエル親方の失踪騒動の際は、親方の居場所の隠蔽と件の富豪への対策に尽力していた。
チャールズ・エバンズ
イギリスの油田王。ウォーレン卿の縁戚にあたる。没落していた家を石油事業によって立て直したほどの経営手腕を誇り、紳士的な人間性も持っているが、一方で魅力的な女性と見るや即座に口説こうとするプレイボーイで、三度の離婚歴もある。
経営手腕と奔放な振る舞いは、若い頃の女性に関するトラウマに起因するもので、ラウラに振られたことによってトラウマから解放されたようだと本人も語っていたが、その後もプレイボーイぶりは変わらず、ラウラ以外にもエレナやクラリッサ、エミリアにまで言い寄っている。

フランス[編集]

アラン・リヴァル
フランスのモード服の大ブランド「リヴァル」の総帥。セルジュとエリックの父。
フランスの田舎の仕立て屋に生まれ、画家を目指してパリに移るも挫折、生活のために始めた服飾デザインの仕事が成功し、やがて現在の地位を築き上げた。貧しい生まれで挫折も経験し、更に服飾業界で様々な辛酸を舐め続けた経験から、激情的で嫉妬や劣等感などの負の感情が強い性格。様々な天賦の才能を持つ人間や良家の出身者に対して、必要以上に反感や対抗心を抱くことが多い。その対象はペッツオーリなど同業の商売敵だけでなく、実子であるセルジュにまで及ぶ。敵と見た相手を叩き潰す際は一切容赦せず、むしろ周囲が引くほど嬉々として相手を追い詰める。
そのような性格のためか、家庭や会社の教育方針は徹底したスパルタ方式で、特に所属する職人の4分の3が脱落すると言われる工房の厳しさは内外に知れ渡っており、セルジュとエリックにとって深いトラウマとなっている。また工房から独立した職人も、リヴァルの睨みが強過ぎるために業界で思うように活躍できず、そのことに対する批判も多い[注 5]
ジラソーレ社設立初期にエレナ達がモデルのアルバイトをしていた縁で、ジラソーレ社とは友好的な関係にある。ジラソーレ社とペッツオーリ社の提携によって一時関係が悪化しかけたが、悠の活躍によって元通り修復された。
経営方針は攻撃的で、常に新しいアイデアを求めそれを実践し続けている。「時計編」ではジラソーレが手掛けようとしていた「腕時計も含めたトータルコーディネート」企画を真似て、大ブランドの力を背景に無理矢理プロジェクトを進めたものの、職人側の事情を考慮しない無茶な注文が相次いだために倒産の危機を迎え、最終的にはベアトリーチェの奇策で難を逃れた。
家出したセルジュをどうにか連れ戻し工房入りさせようと画策していたが、セルジュが悠直伝のナポリ式の技術を確立させたためにパリ式への矯正が不可能になったと判断したことから、最後は悠への弟子入りを認めた。
耐え難い暗い感情が湧き上がると、チョコレートなど甘味を食べることである程度抑え込める。
マダム・ロスタン
フランスの高級紳士服ブランド「ロスタン」の創始者。90歳近い年齢になる老婦人で、フランスファッション界の長老格。イタリア・シチリア出身の針子で、嫁ぎ先のフランスで近所の子供達に作った服が評判となり、夫の協力でブランドを立ち上げ、今日の地位を築き上げた。
現在会社の実権は息子シャルルが握っているが、今なお業界に強い影響力を持っており、相談役的な立場で現場に関わることもある。同じイタリア人であるマリオのことも知っており、母子で悠をロスタンにスカウトしようとした。

日本[編集]

悠の父
東京都台東区で自転車店「織部自転車」を経営している。若いころはイタリアに修業に行っていた自転車職人でもあり、出場しているかは不明だが筑波八耐にも赴いている。悠たちが日本に帰国した際には逗留したりしている。悠を含めた息子3人は既に独立しており上の2人は結婚している。弟子らしき者もいないが、息子同様に飄々としている。
お辰(おたつ)
東京都台東区の足袋職人の老婆。悠に裁縫の基礎を教え、紳士服の仕立ての道を奨めた師匠でもある。人間国宝を顧客に持ち、自身も勲章を授与されるほどの腕前を持っていたが、悠がイタリアに渡ってから脳卒中に倒れ、手に麻痺が残ってしまったため足袋職人を引退した。
悠がペッツオーリ青山店のアドバイザーをしていた際、日本人柔道選手のスーツに関する相談を悠に持ち込んだ。

各長編の主要人物[編集]

上記以外の各長編の主要人物について記載する。

ギルレーズ・ハウス編[編集]

第1部95話-109話。

ハリー・ベーコン
ギルレーズ・ハウスのサブカッター。のち同名の「ギルレーズ・ハウス」(以後、新店と表記する)を立ち上げギルレーズ・ハウスのお家騒動を引き起こした人物。初登場は第1部95話。
ギルレーズ・ハウスの後継者と目される程に腕の良い職人で先進的な人物。客足が減った店を守るためネットやCMを使った大々的な広告を打ち、それによって増えた需要に対応するため、外国人や偽物屋すら対象とする節操のない職人の確保を行う。これによって共同経営者で保守的なジョンソンのみならず、サヴィル・ロウの他店や王室も巻き込んで問題視され、一連の騒動が起こることとなる。そして職人全員を引き抜いて新店を立ち上げて独立し、腕前は高いとは言え若いフランス人であるエリック・リヴァルを採用し、その技術力と方向性をアピールする。
クラリッサとは友人であったが、彼女を引き抜こうとして間接的に断られたため、新店設立後は対立関係になる。実は彼女を女性として意識しているのだが、気づいてもらえてない。
エリック・リヴァル
「ギルレーズ・ハウス」新店のチーフカッター。アラン・リヴァルの長男でセルジュの兄。初登場は第1部95話。
かつて「リヴァル」の工房で修行するも、過酷な生活やアランに全く認めてもらえないことから家出。後にイギリスでヘンリーに匿われ、新店のチーフカッターに選ばれる。結果として工房から逃げ出したとはいえ、その腕前はフランス人の若手でチーフカッターに選ばれるだけのものを有している。
セルジュ同様に父をかなり恐れており、その父から匿ってくれたヘンリーには恩があるため逆らえない(ヘンリーの強引なやり方に全面的に賛同している訳ではない)。弟同様に心の何処かでは父親に認められたいと思っている。
ラルフ・ヒューイット
イギリス貴族ヒューイット家の当主。主に香港で活躍する実業家。英国人と香港人のハーフ。ヘンリー・ベーコンの影のスポンサー。
かつて植民地時代の香港で財を成したヒューイット家の若い現当主。前当主で父のモルガンが香港で作った現地人の妾の子だったため幼少期は香港の下層階級の中で過ごした。このため顔立ちは東洋系だが瞳の色は青い。正当な後継ぎが皆早世したため、後継者としてイギリスに連れてこられ、貴族として教育を受ける。その後才覚を現わし、傾いていたヒューイット家を建て直す。このような出自から、自身の国というアイデンティティに悩んだこともある。その関係で伝統についてドライな面をみせるものの、中国への返還によって、香港から英国的雰囲気が失われていくことを危惧している。
ベーコンに多大な援助を行ない、ギルレーズ・ハウス騒動の黒幕とも呼べる。ただ、その真の狙いは、先述の香港の伝統の保護に関係しているものであり、香港において新ブランドを立ち上げるためにイギリス服飾界で実績を作ることを目論んだものであった。
オスカー・ジョンソン
ギルレーズ・ハウス(旧店)のチーフカッター。初登場は第1部95話。
保守的な職人。先代よりギルレーズ・ハウスを継ぎ、ハリーと共同経営者となるも、他国人を店の職人に迎え入れたいというハリーと仲違いし、お家騒動を引き起こす。職人全員を引き抜かれてしまったことで半ば諦めていたが、旧知のパウエル親方から紹介された織部の仕事に奮起し、再び本家ギルレーズ・ハウスを守るために立ち上がる。

ハリウッド編[編集]

第1部135話-140話(23巻)。

ジョン・ゴールドバーグ
世界的な有名映画監督。初登場は第1部135話。
アカデミー賞常連という大監督で多忙な人物。1930年代のハリウッドを舞台とした新作映画の構想に悩んでいたところ、ある紹介で面談したロドリーゴを気に入り、主演に大抜擢する。完璧を求めるあまりに気難しく偏屈なところがある面倒な性格で、またプライベートでも離婚騒動を抱えている。
新作映画の撮影にあたって、服飾面の問題もこなして行く織部やラウラを気に入る。順調に進むが、途中で世界同時不況でスポンサーが撤退し完成が危ぶまれる自体に陥るが、自らの財産を処分して制作費を捻出し、また映画の内容も明るいものに変更して完成させる。最終的には公開と同時に世界的な大ヒットを遂げる。
エイミー・シェパード
アメリカ人女優。初登場は第1部136話。
10年前、人気子役であった気の強い女性。現在はマネージャーだった父ハロルドのスキャンダルで没落しているが、過去の人気を引きずっており、未だに高飛車。ゴールドバーグ映画の主演女優としてスターダムに返り咲くことを狙っているが、相手役のロドリーゴはおろか、ゴールドバーグにも気に入らないことは食ってかかる。最終的に映画の大ヒットにより、芸能界への返り咲きに成功する。
ポール・ホーマー
長年ゴールドバーグと組む映画プロデューサー。初登場は第1部135話。
気難しいゴールドバーグを熟知し、彼に振り回されながらも、映画を完成させようと奔走する。

マフィア編[編集]

第1部165話-172話(28巻)。本編開始の少し前のエピソードとして展開され、シチリア島を舞台とする。

ピエル・サントゥニオーネ
先代ドンの孫で、ファミリーの後継者。初登場は第1部167話。
軟弱で肥満体の青年。島外の大学に進学中。オタク趣味に傾倒しており、ファミリーの金で大学生活にかこつけた放蕩生活を送る。外見的にも内面的にもまったくマフィアらしさがなく、先代ドンの遺言とはいえ、母チェチーリア以下、叔父で大幹部であるバルトロメオとガスパーレの頭を悩ます。当初はあくまでドンになる気はなく、隙きを見つけては母や叔父達から逃げ出そうとする。しかし、従兄弟ファウストの登場によって、彼を恐れつつも、彼の計画に反対の意を示す。最終的にファウストが仕掛けた抗争が始まる中にあって、織部が見つけ出したピート香のジャケットにより先代のような貫禄を持ち、抗争を無難に収める。
チェチーリア・サントゥニオーネ
先代ドンの長男の嫁で、ピエルの母。初登場は第1部165話。
先代ドンのトト死去後に、実質的にファミリーを率いる女傑でゴッドマザーとも呼ばれる。貫禄に欠ける息子ピエルが次期ドンになるにあたって、先代のツイードのジャケットを再現し、貫禄不足を補うことを画策する。そのため、元を仕立てたマリオ親方を島に招待しようとしたが、故人であったためにその弟子である織部が島に招かれることとなる。当初は若い東洋人である織部を危惧するものの、その力量を知るとジャケット代10万ユーロ(約1200万円)という法外な値段も飲む。ピエルの軟弱ぶりに思わず拳銃を撃ってしまうこともある。
バルトロメオ・サントゥニオーネ
先代ドンの次男でファミリーの幹部。初登場は第1部165話。
先代時代よりファミリーを支えてきた守旧派の男で、弟ガスパーレと対立している。血の掟(オメルタ)など、従来のシチリア人やファミリーのあり方を重視し、それを守ることが生活を守ることであると強く考えている。チェチーリアが行った織部への依頼に対し、その法外な値段と、さらにそれが対立組織のカモッラに流れるということから激怒し、織部にそれだけの価値があるか職人としての腕を試す。その注文品の出来と共に、ガスパーレとの一触即発の現場にも平然と立ち入り、職人としての筋を通す織部の態度に感心し、評価を改める。
ガスパーレ・サントゥニオーネ
先代ドンの三男でファミリーの幹部。初登場は第1部165話。
先代時代よりファミリーを支えてきた革新派の男で、兄バルトロメオと対立している。時代が変わり、旧態依然ではファミリーはおろかシチリア島自体が困窮していくことを危惧し、時代にあった業種にも手を出すべきと考えている。チェチーリアが行った織部への依頼に対し、当初はバルトロメオと同じ見解で反対するが、チェチーリアの言い分を聞き、実際に頼りないピエルのことも踏まえ、賛成に回る。裁ち鋏を踏まれ織部がピエルを殴った件では織部の言い分を認め、解放する。
バッチ
サントゥニオーネ・ファミリーの構成員。初登場は第1部165話。
スキンヘッドの強面の男で、織部の監視役。故マリオの後継者として、有無を言わさず織部をシチリア島に強制的に連れてくる。当初は若い東洋人の織部を軽んじるものの、マフィア相手に引かない態度に関心するようになる。編の終盤ではピエルをファウストの襲撃から庇い重傷を負うも一命は取り留める。最後は最初に織部に作ってもらったコッポラ帽を被り、ゼノーニと共に島を出る織部を見送る。
ファウスト・サントゥニオーネ
バルトロメオの長男。初登場は第1部167話。
ピエルの従兄弟であり、よほど彼よりもマフィアらしい青年。血の気が多く、放蕩者で、堅気にも手を出し、最後は自身に諫言した幹部を半殺しにしたことで先代ドンに追放される。跡目を狙って島に舞い戻り、最終的にはピエルの暗殺も画策する。また、新規事業にかこつけて、殺し合いの見世物を行おうとしており、父バルトロメオからも危険視される。
編の終盤でピエル暗殺未遂を引き起こし、ついに抗争に至る。しかし、もともと堅気からの人望が無かったために情報戦で不利になり、さらに最後は先代の雰囲気を纏ったピエルに気圧され、負けを認める。本来であれば粛清されるところであったが、バッチが死んでいないこともあり、ピエルの命令により命は助けられる。
ゼノーニ親方
シチリアの仕立て職人。初登場は第1部165話。
現地にてサントゥニオーネ・ファミリーに贔屓にされている老職人。織部の技術力を評価するにあたってチェチーリアに呼び出され、彼が作った帽子を「糸が置いてある」として高く評価する。以降、現地での織部の働きをサポートし、島の情報などを教える。その穏やかな見かけに反し、シチリアの男として非常時には銃も扱う。

腕時計編[編集]

第1部173話-186話(29-30巻)。腕時計とのコーディネートがテーマとなる。

ハンネス・オーネゲル
スイスの独立時計職人。腕時計編の主要人物。初登場は第1部174話。
まだ年若い青年ながら、かなり腕の立つ時計職人。非常に生真面目な性格であり、フランシーヌが家出してくると彼女を母屋に泊まらせ自身は工房で寝るなど、正式に仲を認められるまで決して手を出さないという。その職人としての腕や人格はジェロームから高く評価されるものの、職人ゆえの経済観念を危惧されており、フランシーヌとの仲を認めてもらうために、ジェロームの出す難題に対応していくこととなる。
フランシーヌ・ジェローム
ジェロームの娘でハンネスの恋人。コンスタンツェの友人。初登場は第1部174話。
深窓の令嬢といった美人。ジェロームが歳を取ってから得た一人娘であり、大事に育てられてきた。ジェロームが縁談話を持ってくるなど自分の人生がすべて父のレールの上にあることに反発して大喧嘩し、予てより繋がりがあって惹かれていたハンネスの家に半ば押しかける形で家出する。幼い頃より父から時計のことを聞かされて育ったために、自身も時計好きであり、腕の良いハンネスに惚れた理由ともなっている。
ジェローム
フランスの実業家。ハンネスのパトロン。初登場は第1部173話。
高齢の大実業家で、機械式時計の熱心なコレクター。クロードのスポンサーを務めており、彼の狙いが娘のフランシーヌと気付きつつ、時計談義に話を咲かせていた。ところが、娘が自身がパトロンを務めるハンネスと駆け落ちしてしまったため、一時時計嫌いとなる。ハンネスの時計師としての実力や素朴で真面目な人となりは高く評価しているが、その性格ゆえに資産家の娘を妻にして、彼女を守りきれるかを疑問視されており、その点で援助を打ち切るなどハンネスにキツく当たる。フランシーヌの友人であるコンスタンツェ(及びその背後にいるマッシモ)の仲裁によって、ハンネスが経済的実力を示せば二人の仲を認めるとして腕時計編が始まる。
クロード
フランス人テニスプレーヤー。セルジュの友人。初登場は第1部76話。
フランス屈指の強豪選手だが、暴力的・傍若無人な振舞いから「悪童」と呼ばれる問題児。自分のやり方を否定してきたコーチ達がクラシックスーツを着用していたことからクラシックを嫌い、モード一辺倒であったが、スポンサーと拗れた仲を修復するために、織部にクラシックを仕立ててもらい、態度を一部改める。
腕時計編の冒頭で再登場し、スポンサーであるジェロームの娘フランシーヌに恋慕して、ジェロームの歓心を買うために機械時計に凝るようになる。しかし、フランシーヌの駆け落ち騒動で目論見はすべて壊れ、再び悪童と呼ばれる状態に戻ってしまう。

セルジュ修行編[編集]

第1部187話-193話(31巻)。

ダミアン
セルジュのモデル業の先輩。初登場は第1部190話。
かつてカリスマモデルとして名を挙げた人物で、アランやマダム・ロスタンとも面識がある青年。しかし、とあるスキャンダルで干されたことをきっかけに大病を患い、薬の影響で頭髪は薄く身体は痩せこけ、30手前にして老け顔となってしまう。本来はまだ安静が必要な身体であるにも関わらず、元が伊達男であるため、弱った姿を見せないように気を張っており、舞台俳優としてカムバックすることを公言する。セルジュ修行編において、セルジュの修行の成果を最終的に試す人物となっている。
ヴァレリー、ジェルマン、ルネ
セルジュのモデル時代の仲間。初登場は第1部187話。
モデルらしくイケメン揃いの青年たち。モデル業の傍らで服飾のプロデュース業も行おうとし、セルジュと行動を起こす。初登場はセルジュ修行編であるが、そもそもフランス編の終盤でセルジュが織部の家に家出するきっかけとなった雑誌企画の服飾プロデュースの話も彼らが関わっていたという。その時の企画が上手くいったことを踏まえて、将来を考えて本格的に店を開くことを検討する。そのためにナポリで修行しているセルジュに再び声を掛け、セルジュ修行編が始まる。最終的には、マダム・ロスタンが指摘した袖丈七ミリの差を軽視する発言を行い、その服飾に対する見識の甘さをアランにダメ出しされてしまう。

魅惑のシャツ編[編集]

第2部37話-43話(7巻)。シャツをテーマとする。

ジョー・ローリング
アメリカの有名ステーキハウスチェーンの社長。アメリカ人。シャツ編の主要人物。初登場は第2部37話。
フェデリカの顧客で、カウボーイ気質的な人物。イタリア進出の際、服装、特にシャツに関して現地で馴染めなく、悠の顧客となる。 毎回、期間が短いため、シャツのみの新調となり、シャツ編を通して様々な依頼を行う。
イタリア進出の真の目的は、自分をフッた学生時代の元恋人パオラへの復讐であった。しかし、更なる真の目的は別れ際にパイを投げつけられた仕返し(同様に顔面にパイを投げつける)と、アッサンドリ財団を影から支援するためであった。
パオラ
アッサンドリ財団社長夫人。初登場は第2部38話。
かつてアメリカの大学に留学し、ローリングの恋人だった美女。しかし、家業の悪化によって実家に呼び戻され、財団から支援を受けるため、年の離れたアッサンドリに嫁ぐこととなる。ローリングに別れを切り出せないでいたところ、さらに卒業パーティーの際に彼から思いがけないプロポーズを受け、パニックを起こしてその場にあったパイを投げつけてアメリカを後にしたという過去を持つ。シャツ編において、あくまでビジネスの体裁を装ってアッサンドリ財団に近づいてきたローリングを復讐に来たと考え怯える。
アッサンドリ
アッサンドリ財団の社長。初登場は第2部38話。
イタリア中部を代表する中堅財閥アッサンドリ財団の長。性格は穏やかな初老の人物で、身体がやや弱い。ローリングのイタリア進出によって財団が危機に陥り、パオラとの過去を知って抵抗を試みるが、ことごとく失敗し、心因性の発作を悪化させる。

コートをめぐる冒険編[編集]

第2部51話-57話(9巻)。とある由緒あるカシミアのコートの行方を探すと同時にコートにまつわる依頼を織部が解決していく。

ニナ・ベルトロット
五つ星ホテル「ルクックス」のクローク係。コート編の主要人物。初登場は第2部51話。
大ホテルのクローク係を務める若い女性。番号札を読み間違え、上得意のコートを間違った客に渡してしまいコート編のきっかけとなる。大の酒好きで仕事の失敗や理不尽な目にあったことをイレーネのバーで発散するのが日常となっている。このため、イレーネとも顔馴染みであり、同じくコートで問題を抱える常連客・井ノ原もあって、彼女のツテで織部を紹介される。その後、同編においてコートの問題を抱えるお客に対し、織部と一緒に問題に関わる。
第2部9巻の巻末オマケの後日談として反省して酒を断つものの、そのイライラでポカをやらかし、再び支配人に怒られる。
イレーネ・フリジメリカ
女性バーテンダー。クラリッサのルームメイト。初登場は第1部116話。
元は文学少女ながら文学好きが高じて酒の道に入ったという美女。大学時代のクラリッサのルームメイトであり、ジラソーレの面々とも面識がある。巨乳で、それゆえに多くのシェイクが必要なピンクレディをやたら注文される問題に悩まされる(シェイク回数が多いことで胸が揺れ、さらに汗ばむなどして胸のシャツがはだけるのをスケベな客に狙われる)。そのため師匠より、この問題を解決できなければ破門という危機に陥り、ジラソーレに特注のシャツを頼むこととなる(これは最終的に織部の奇策によって解決する)。
コート編で再登場し、舞台となるホテルのバーテンダーを務めている。常連客ニナの友人でもあり、彼女の愚痴を聞きつつ、結果としてかつて自分も救われた存在として織部を紹介する。
その後も愛しのカプリ島編など、しばしば端役で登場している。
支配人
本名不明。ルクックスの支配人でニナの上司。初登場は第2部51話。
禿頭の威厳のある人物。接客業のプロとしてニナに厳しくあたる。先代からの上得意であるイラーリオのコートを紛失した件について真剣に悩み、ホテルとしてできる最大限の配慮をなそうとする。編の終盤で開き直ったニナがイラーリオに啖呵を切った件については、イラーリオ側がニナの言い分を認めたこともあって、これをあえて怒ることをせず、失敗を糧にすべしとニナを静かに諭す。
イラーリオ・ボルゲーゼ
コート編のきっかけとなるコートの持ち主。初登場は第2部54話。
少壮の大企業の社長。先代から受け継いだ大事なカシミアのコートをニナの手違いで失い捜索している。長年のホテルとの関係も配慮して次のコートが必要なシーズンまで待つとしているが、リミットを超えれば訴訟も辞さないと豪語する。自身がまだ若輩であるがゆえに、先代からの取引先から舐められないために先代のコートを必要としており、それを叔父に危惧されている。最終的に様々な行き違いから大事な会合にコートが間に合わない窮地に陥るも、織部の仕立てで助かる。
イラーリオの叔父。
本名不明。イラーリオの会社の相談役。初登場は第2部54話。
年配の落ち着いた男性。甥のイラーリオがコートに拘っている危惧している。コート編の終盤で開き直ったニナの指摘に乗る形で、イラーリオを諭す。
リベラート。
本名不明。イラーリオの弟。探偵。初登場は第2部55話。
半ば趣味で探偵業をしている男。一応は常務待遇の地位にあるが、素人劇団で放蕩生活を送る。イラーリオから軽視されるも、コート編では容易く当該のコートの持ち主であるベルナルディーノを見つけ出す。それとは別にシャーロキアンでもあり、かつてシャーロキアンのオフ会で鹿撃ち帽のホームズのコスプレで顰蹙を買った失敗から、織部にホームズのコスプレにふさわしいコートを依頼する。
ベルナルディーノ
ボローニャの雑貨商。初登場は第2部55話。
コート編のきっかけとなるカシミヤのコートを持ち去った中年男性。最高級カシミヤの効果で商談を数々の成功させるも、間違いに気づいた後はクリーニング店にあずけていた。ところが、店のミスで似たようなコートと取り違えられ、さらに候補が2着になるという事態に見舞われる(ただし、持ち主であるボルゲーゼが見れば写真でもすぐに見分けられるレベル)。

デニムとのマリアージュ編[編集]

第2部58話-64話(10巻)。デニム(ジーンズ)とナポリ仕立てのコーディネートがテーマとなる。

アボガドロ
アート芸ユニット「グラッフィート」のツコッミ役。ジーンズ編の発端で主要人物。初登場は第2部58話。
同郷の幼馴染であるベッタリーニと共に元は普通の左官であったがイベントでの即興芸が認められタレントデビューする。左官の仕事着ということもあり、互いに熱心なジーンズマニアであったが、互いに自分が手に入れた希少品を自慢争いしだし、だんだんと仲が悪くなる。極め付きにコメディアンの先輩であるジョルジが所有するマニア垂涎の「リーバイス501XX1930年代モデル」を巡って完全に仲違いする。ジョルジが譲る条件として出したジーンズのコーディネート勝負に勝つため、イメージキャラクター契約をしているジラソーレ社のフィレンツェ支店(サンドラ)を頼る(相方がナポリ本店に依頼していることを見越してフィレンツェに行った)。ベアトリーチェの思惑もあり、ジラソーレのナポリVSフィレンツェの代理戦争に至る。
ベッタリーニ
アート芸ユニット「グラッフィート」のボケ役。ジーンズ編の発端で主要人物。初登場は第2部58話。
アボガドロと共に元は左官という経歴のコメディアン。アボガドロの説明欄の通り、ジョルジが所有するビンテージ・ジーンズを巡って相方と争うこととなり、イメージキャラクター契約をしているジラソーレ社のナポリ本店(ユリア)を頼る。
ジョルジ
イタリア・コメディアンの大御所でグラッフィートの先輩。ジーンズ編の主要人物。初登場は第2部58話。
趣味人で自由闊達な初老のコメディアン。祖父の遺品としてたまたまビンテージ・ジーンズの「リーバイス501XX1930年代モデル」を所有していたが、これをグラッフィートの2人が欲しがったことから、ジーンズとナポリ仕立ての組み合わせという課題を出し、素晴らしいコーディネートの方に譲るという形でジーンズ編が起こる。

モノトーンの彩り編[編集]

第2部65-71話(11巻)。黒・白・グレーのモノトーンスタイルがテーマとなる。

チェレスティーノ・バルツァーギ
ルポライター。バルツァーギ家の子息。モノトーン編の主要人物。初登場は第2部65話。
バイカースタイルの青年で、実際にバイクに乗り、各地の風景を撮影し記事を書く生活を送る。ジェノヴァでも屈指の貿易商であるバルツァーギ家の出身であることからマッシモとも知り合いで、彼の紹介で織部と出会う。趣味的にも仕事的にも黒の服を好むが度が過ぎること、さらにバルツァーギ家の長老ジャンパオロが黒服に拒否感を持ち、あえて黒服で仕事が失敗するよう仕向けるなどの妨害に合い悩む。そこで織部より提案されたモノトーンスタイルを気に入り、同編のテーマとなる。
ジャンパオロ
バルツァーギ商会の先代で長老。チェレスティーノの曽祖父。モノトーン編の主要人物。初登場は第2部65話。
御年90の古老で、大戦後の混乱期にも商会を守り切った人物。黒シャツ隊の思い出から、病的なほど黒服を嫌い、曾孫のチェレスティーノが黒服を愛用していることに激怒する。その黒服というただ一点で、チェレスティーノを支援したゼルビーニ家やベリーニ家に喧嘩を売ろうとするほどで、一族からも白眼視され始める。ビジネスでもあまりに頑固な態度に最後は一族の総意で実権を取り上げられてしまう。
実は若い頃ファシスト党に期待し、黒シャツ隊に憧れていたことが黒服嫌いの裏返しであったことが明かされ、最終的に織部の仕立てにより黒タキシードを着て認識を改める。
サブリナ
フリーアナウンサー。初登場は第2部67話。
売出し中の美人アナウンサー。北部出身の名家出身で、ファッションにも詳しい。南部(ナポリ)嫌いで、安易な黒系ファッションを酷評したこともあり、ジャンパオロの差し金でチェレスティーノとの対談を担当することになる。しかし、織部のモノトーンのコーディネートや、チェレスティーノ自身のナポリの説明、さらに彼の人となりに好印象を懐き、むしろジャンパオロの思惑を外してチェレスティーノと付き合うようになる。
同編の終盤ではチェレスティーノからプロポーズされこれを受けるも、モノトーンだけの装いでは駄目だと釘を刺す。

愛しのカプリ島編[編集]

第2部72-78話(12巻)。保養地カプリ島を舞台にリゾート地向けのカジュアルな服装がテーマとなる。

井ノ原(いのはら)
日本人雑貨商。初登場は第2部51話。
初登場はコート編の初話であり、のちカジュアル編のレギュラーを務める。コート編で助けてもらった縁から愛しのカプリ島編のきっかけとなる仕立てを織部に頼む。
夏見
小学校の校長。初登場は第2部73話。
引退間近の落ち着いた初老の男性。大学時代の旧友の伝手でカプリに逗留している。教育者として片意地を張っており、スーツもリゾート地とは反するブリティッシュスタイルに固執する。井ノ原の紹介を受けた織部にもあくまでブリティッシュスタイルが良いというが、場所に合わない装いの結果、熱中症となり、半信半疑で織部のリゾート向けのカジュアルな仕立て着るとこれを気に入り、以降同編中においてカジュアル仕立てで登場する。
メイスン
ロンドンミュージック界の大物プロデューサー。初登場は第2部74話。
とある一件で井ノ原や夏見と出会い、織部のリゾート向けのカジュアルなスタイルに興味を持ち、仕事を依頼するようになる。

ハートウォーミング・チェック編[編集]

第2部79-85話(13巻)。タータンチェック柄がテーマとなる。

ラムゼイ
スコットランド旧家の老当主。初登場は第2部79話。
ベリーニ伯も援助している遺跡発掘調査の場所の地主。ジラソーレ社の新規製品のチェック柄が、ラムゼイの家のタータンに酷似していたため、抗議のためにナポリを訪れる。ジラソーレ社のタータンに対する見識を確認するため、難しいチェック柄の装いに関する課題を出す。この後、ジラソーレの新店騒動も重なり、 ラムゼイの家や発掘調査に関連してジラソーレや織部にチェック柄の依頼が数多く舞い込み、チェック柄編のきっかけとなる。
ラムゼイの息子
本名不明。初登場は第2部79話。
父・ラムゼイがジラソーレにタータン使用の許可を出したことに真っ向から反対する。タータンはあくまで一族のものであって当主の一存で決められるようなものではないとし、改めてジラソーレに課題を与える。

白シャツ編[編集]

第3部8-13話(2巻)。それまでの長編とやや異なり、1編2話構成で3編展開される。

プロイエッティ
ミラノのシェフ。白シャツ編のきっかけとなる。第3部8・9話の登場人物。
ミラノに店を構える世界的に有名な三ツ星シェフ。厨房の皇帝の異名を取り、プロ意識が高い。料理の腕もさることながら、オンもオフも身だしなみに気をつけており、特にブルーのナポリシャツを長年愛用している。ボンピエリとも旧知の仲。東京出張に際して随行させる弟子を決める際、ブルーシャツで自分に阿る弟子が多い中で、織部の働きで白シャツを来た弟子に目を止め、その服装を気に入る。ところが、ボンピエリからそれが特急仕事を行っている日本人仕立て屋の働きと知ると、へそを曲げ(特急仕事はプロ仕事の美意識に反する)、白シャツ編のきっかけとなる。
当初は織部に敵対心を抱いていたが、実はかつて夏の日本での仕事でカラーシャツゆえの失敗をしたことがあり(汗だくとなり洒落者としての醜態を晒した)、白シャツへの興味から最終的には織部に仕事を依頼する。
コーエン
ニューヨークのトラベルコーディネーター。第3部10・11話の登場人物。
実直なアメリカ人ビジネスマン。とあるハリウッドセレブの南イタリアでのハネムーンを請け負うも、アメリカのビジネスマンらしい白シャツが肩苦しいと現地の不興を買い、織部に助けを求める。本来的にはフォーマルな場で着用される白シャツで、洒落者のイタリア人を納得させるという目的で話が展開される。地元のマフィアのバカンス日程と被ったり、顧客のハリウッドセレブの我儘ぶりによる日程の変更でスタッフが怒るなど、苦労する。
丸山
日本の雑誌社の編集者。第3部12・13話及び第3部2巻収録の特別編「禊の白褌」の登場人物。
売れっ子小説家のニッコライの担当の青年。ニッコライから原稿を受け取るためにイタリアへとやってきたが、締め切りを過ぎても原稿を完成させない彼に業を煮やす。しまいにはその日本人らしい白シャツ黒靴という恰好にケチをつけられ、白シャツ黒靴で自分を納得させる着こなしを見せろと難題をふっかけられて織部を頼る。その後、織部によってニッコライの鼻をあかすが、今度はノーネクタイパーティに白シャツ黒靴というさらなる難題を課される。
ニッコライ
イタリア人小説家。第3部12・13話の登場人物。
売れっ子の小説家。イタリア人らしい気質で、仕事は怠けがちで美女には甘い。締め切りを過ぎても仕事をサボろうとするが丸山には通用せず、最終的にその日本人らしい服装(白シャツ黒靴)にケチを付け、自分を納得させる着こなしを見せなければ原稿を完成させないと難題を課す。その後、織部に助けられた丸山の服装に負けを認めるが、短編の依頼を勝手に前後篇にしており、再び後編の原稿を巡って同様の騒動を起こす。今度はノーネクタイパーティに白シャツ黒靴という織部でもまずは無理と即答する難題を課す。

下町テーラー編[編集]

針生親方(はりゅうおやかた)
東京下町・谷中の老舗テーラー「テーラー針生」の主。下町テーラー編のきっかけの人物。存在自体は下町テーラー編の前段となる特別編『維新の鋏』だが実際の登場は第4部6話。
長年下町でテーラーを経営しきた熟練の仕立て職人。イギリス式が主流の日本にあって珍しいイタリアで修行した職人であり、長年、東洋人の体型に合わせてきた技術を持つ。そのために織部が日本に帰郷した時に教えを受けていた恩人の一人。階段で転んで肩の骨を折る重傷を負い入院し、退院までの店番を旧知の織部に頼んだことが下町テーラー編のきっかけとなる。織部には報酬として、明治に製作された吉田弥十郎の裁ち鋏の逸品を譲ることを約束している。
第4部6話にて退院するが、働きたくないと言い出し、結局、織部の日本滞在が延長されることとなる。実は後遺症が残り、まだ完全に復調していなかった面もある。
針生舞花(はりゅう まいか)
針生親方の孫娘。通称ケメ子。下町テーラー編のレギュラーキャラクター。初登場は第4部特別編『維新の鋏』。
ギャル系の女子高生(高1)。下町テーラー編の狂言回し的存在。織部が祖父の店を預かることになってから頻繁に店の方に顔を出すようになり、織部にちょっかいを出しつつも、彼の仕事ぶりに感銘を受ける。織部の言い回しに反発することも多いものの、一方で織部がイタリアに戻るという話を聞いた時には残り少ない織部との生活を悲しんだ(祖父が仕事を拒絶したために織部の滞在が延長される)。
幼馴染の智坂に付き合う形で東京でも有名な進学校に入ったが、外見通りに勉強は苦手。入学後、すぐに勉強についていけず、創立以来の劣等生とまで呼ばれる。このためグレていたが、織部に諭されたり、その仕事ぶりを見て一念発起し、東大合格を目指し始める。
織部からはかつて祖父から名付けられた渾名「ケメ子」と呼ばれ、舞花自身はこの渾名を非常に嫌っている。
智坂頼子(ともさか よりこ)
舞花の幼馴染。通称ガリ子。初登場は第4部特別編『維新の鋏』。
典型的な委員長キャラの女子高生。舞花の幼馴染で友人。東大も狙える秀才であり、学校での評判も高い。
実家は下町の町工場で精密部品の製造を行っている。下町テーラー編の実質最初のエピソードである『維新の鋏』では、家が米企業の宇宙開発事業の依頼の設備投資で多額の借金を背負いピンチに陥っていたところを、織部の仕立てで救われる。
大島依都(おおしま いと)
舞花の中学時代の同級で友人。初登場は第4部7話。
趣味でコスプレ服の仕立てを行っている女子高生。家が日暮里の繊維街に近く服の素材が手に入りやすかったことから、既製服の改造によるコスプレ衣装の製作や仕立直しで小遣いを稼ぐようになる。アマチュアではあるが、そこまで高度なものを求められていないコスプレ服ということもあり、顧客からの評判は高い。また、(後に部分的に織部に否定されるものの)ハイテクを駆使した仕立てを行い、事情を知らなければ織部が感嘆するほどの作業を行うこともできる。それら活動が高じて将来は同好の士と衣装受注会社を経営する夢を持ち、また女子大生の服飾サークルから立身出世したユーリアを自分に重ねて目標としている。
舞花との関係や、ユーリアと知り合いということで織部と出会う。上記の通り、パソコンやネットを使った仕立て屋稼業は織部も感嘆させる一方で、そのアマチュアぶりによって危機に陥ることが多く、織部に手助けしてもらうことが多い。織部からの助言によって飛躍的に能力を向上させていく。

ジラソーレ社史(抄)[編集]

正確な年代は不明であるので、主要事項を時系列順に並べる。


起業・拡大[編集]

  • ユーリアを部長として、自作の服を露店で売る大学の服飾サークルとしてスタート。陸上界のホープの同窓生に服を仕立てて最初の実績とする。そしてサークルの面々(計12名)とフィレンツェで若者向けカジュアル服ブランドとして起業する。社長:ユーリア、副社長:マリエッタ、筆頭株主:コンスタンツェ。
  • 生地の仕入れルート確保、人脈作り、資金稼ぎのためにパリ支店の準備。そのためにソフィア、サンドラ、エレナがパリでリヴァルの専属モデルとしてアルバイト。
  • パリ支店開店。モデル3人が配属。その後、ロンドン、ニューヨークに支店を置く(開店順序は不明)。
  • 高級婦人服を扱うようになり、紳士服業界へも進出。その足がかりとしてナポリに進出。

ナポリ進出[編集]

  • 紳士服業界の拠点としてナポリ支店開店(第1巻)。
    • 重要拠点として創業メンバーの多くを投入し、社長も常駐して指揮を執る。それに伴いマリエッタが秘書としてユーリアに随行し、パリ支店のソフィアもナポリ店に配属する。サンドラが副社長に就任し、ベアトリーチェとともにフィレンツェ本店勤務に。
    • ナポリのサルトに圧力をかけて傘下に納め、早期にナポリを制圧する計画であったが、これに失敗する。当初予定していたナポリのサルトからの支援を受けられなくなったため、その分の負担が創業メンバーにかかり、彼女らはナポリ支店から離れられなくなる。
  • ラウラがナポリにやってきて半ば強引に入社する。(第4巻)
  • 地元のナポリ仕立てに対抗して、納期の早さを売りとして攻めの経営を行う。しかし、結果として自社工房の処理能力を越えた量の注文を受けるようになり、創業メンバーの残業が目立つようになる。
  • 悠がウォーレン卿により英国に招待されたのを切っ掛けに、ラウラがロンドン支店への出張を要求、送り出すもラウラと同行者のヴィレッタは行方不明となり、結局ロンドン支店と接触することなく帰国。(第5巻)
  • ラウラが、社の功労者に送るネクタイを題材とした勝負で悠に敗北、修行を理由に辞職。そのままジャンニ・ビアッジオに入門。(第6巻)
  • フィレンツェ本店がナポリ(=社長)に無断でペッツオーリ社との業務提携を進める(ジラソーレお家騒動、第9-10巻)。
    • ペッツオーリ社のフィレンツェ進出を危惧したサンドラとベアトリーチェが、ユーリアに無断で巡らした策謀が発端。
    • マッシモが筆頭株主となり、株主として経営に介入される可能性が発生(マッシモはフィレンツェ本店の副社長側の方針に賛同しているため、乗っ取りの可能性が出てくる)。
    • アンドレア経由でラウラからフィレンツェの思惑がナポリに伝わり、社長派は対策を迫られる。
    • ヴィレッダの計略によってベリーニ家が大株主となる。株主権限でヴィレッダ、ラウラ、イザベッラが幹部して送り込まれるが、ナポリ店は彼女らを開発第二課として隔離。
    • 業務提携に関する意思決定を売り上げ競争の結果で行うことになる。フィレンツェに紳士服向けの第二支店を置き、アンナと開発第二課を配属。
    • フィレンツェ本店が競争に勝利。ペッツオーリ社との業務提携が決まる。以後、本社はナポリに移転し、第二支店と統合したフィレンツェ本店は一支店となる。開発第二課はそのままフィレンツェ支店に配属。

本店移転後[編集]

  • ペッツオーリ社との業務提携によってパリ支店とリヴァルとの関係が悪化する(「パリ編」第12-13巻)
    • 解決のため開発第二課をパリへ派遣するも失敗。追って派遣した悠の働きでリヴァルとの関係回復。
    • パリ支店強化のため、一時的にソフィア、サンドラをパリへ派遣。恒例のファッションショーにて新たなビジネスモデルを確立する。
  • 開発第二課をナポリ本店へ異動。以後、開発第二課を緊急時に各支店へ派遣するヘルプ(遊撃隊)とする。
  • ナポリ本店の仕事量が限界に達し、ラウラは辞表を提出。
  • ギルレーズ・ハウスを発端とするロンドン服飾業界の騒動にロンドン支店が巻き込まれる(「ギルレーズ・ハウス編」第16-18巻)。
    • 復職したラウラを含む開発第二課をロンドンに派遣し、さらに悠も赴く。
    • 騒動は終結し、ロンドン支店は希少な生地を確保してロンドン服飾界に存在をアピールする。開発第二課をナポリへ戻す。
  • ニューヨーク支店強化のため、優良な職人の確保を狙って、フェデリカがナポリ訪問(「アメリカ編」第20-23巻)。
    • フェデリカがユーリアに無断で開発第二課(及び悠、マルコ、セルジュ、ロドリーゴ)を連れてアメリカへ戻る。ナポリは再三に渡って職人の返還を迫る。
    • 日本産のデニムとパンツについて調べるため、悠達は日本へ。ナポリからの職人返還要求を拒否し、かつベアトリーチェから逃げるため、フェデリカと開発第二課、ロドリーゴはアメリカ国内でバカンス(「第2次日本編」第22巻)。
    • 世界的な大不況の影響で仕事が減り、経営状態が急激に悪化する。しかし、協賛したハリウッド映画へのグッズ独占販売で勢いを盛り返す。
  • 有名評論家ボンピエリからブランドの神話(コンセプト)を問われる(「ボンピエリのスーツ編」第24巻)。
    • ジラソーレ社の対抗的態度を不愉快に思うペッツオーリ社幹部が依頼した横槍役として、ボンピエリがジラソーレ社にやって来る。
    • 「女性が憧れる男性(恋人、夫、父親)像の提案」をコンセプトとして立て、ボンピエリに認められる。
  • ヘルプでナポリに来たクラリッサが悠に弟子入り志願し、そのまま留まる(「紳士服地編」第26-27巻)。
    • イギリスで通用する生地を求めるという目的もあり、生地探しが始まる。
    • 高級フランネルをイギリス支店の看板とすることが決まり、クラリッサはイギリスへ戻る。
  • コンスタンツェをきっかけとして「腕時計を含めたトータルコーディネート」のプロジェクトが始まる(「腕時計編」、29巻-30巻)。
    • ジラソーレの話を聞きつけたアランが、自分も企画を温めていたと主張して「腕時計を含めたトータルコーディネート」を始めてしまう。
    • エミリアが介入。ジラソーレ側の企画をヴェトリーナ誌で取り上げることで、リヴァル社に先んじていることを世間に表明する。
    • ラウラ、悠がこの件に関わっていることを知って(ラウラには伏せていた)イギリスに行き、クラリッサを巻き込み自分もやろうとする。ウォーレン卿達にブリストル公を紹介される。この頃、リヴァル社の企画が顧客要望の超インフレ化により頓挫しかけていたので、リヴァル社から溢れた客がジラソーレ社に殺到しないよう、ブリストル公を実用的にコーディネイトすることでインフレを沈静化させ、結果的にリヴァル社を救済する。
    • 突貫でフランシーヌのウェディングドレスを作り、企画完了。
  • ペッツオーリ社がついにナポリにも進出するという情報が入る。(「エスコート編」、32巻)
    • ユーリア、ペッツオーリ社に対抗しようとするが、方法は無作法かつ無茶なものばかりで社員を呆れさせ、マリエッタに止められる。エミリアから、ペッツオーリとユーリアの関係を邪推する未発表のゴシップ記事を見せられる。
    • あらぬ誤解を世間に広めないため、ベアトリーチェの発案で悠が受けた依頼と絡め、ペッツオーリとジラソーレのコラボ企画を行う。
    • 和解しかけたペッツオーリとユーリアだったが、ペッツオーリは敢えてユーリアに敵対する言葉を放つ。
  • ペッツオーリ社、ナポリに進出(「サルトリア・ナポレターナ」1巻)
  • 守旧派と革新派の争いが本格化。ペッツオーリ社が守旧派であるという理由で当初の方針を撤回、革新派に付くことをユーリアが宣言、モデリストとしてリッカルド・サントリヨを起用する。
    • しかし、リッカルドが仕事を放棄して放浪したり、アンドレアによる妨害工作に対して革新派が非協力的だったりしたため、革新派を名乗りながら守旧派に応援を頼むなど、対応に苦慮する。
    • やがて中国企業が職人の引き抜きに動き出し、対決どころではなくなる。
  • ベアトリーチェ、悠とクッカリーニの対決を耳にする。
    • ジラソーレ社なりの鞄のスタンスを確立するため、悠とクッカリーニの対決に密かに介入し、彼等のアイディアを吸収する。
  • ベアトリーチェ、パウエル親方のトラブルを知り、これを解決してベリーニ伯爵の覚えを良くするために、全社を挙げて策を練り、トラブル解決の一翼を担う。

書誌情報[編集]

サルト・フィニート関連書籍一覧[編集]

  1. 2004年01月05日発売 ISBN 978-4088593999[注 6]
  2. 2004年04月02日発売 ISBN 978-4088594125[注 6]
  3. 2004年07月02日発売 ISBN 978-4088594309[注 6]
  4. 2004年10月04日発売 ISBN 978-4088594422[注 6]
  5. 2005年02月04日発売 ISBN 978-4088594859[注 6]
  6. 2005年05月02日発売 ISBN 978-4088595054[注 6]
  7. 2005年08月04日発売 ISBN 978-4088595207[注 6]
  8. 2005年11月04日発売 ISBN 978-4088595412[注 6]
  9. 2006年03月03日発売 ISBN 978-4088595597[注 6]
  10. 2006年05月02日発売 ISBN 978-4088595740[注 6]
  11. 2006年08月04日発売 ISBN 978-4088595924[注 6]
  12. 2006年11月02日発売 ISBN 978-4088596044[注 6]
  13. 2007年01月04日発売 ISBN 978-4088596198[注 6]
  14. 2007年05月02日発売 ISBN 978-4088596419[注 6]
  15. 2007年08月03日発売 ISBN 978-4088596594[注 6]
  16. 2007年11月02日発売 ISBN 978-4088596792[注 6]
  17. 2008年02月04日発売 ISBN 978-4088596877[注 6]
  18. 2008年05月02日発売 ISBN 978-4088597041[注 6]
  19. 2008年08月04日発売 ISBN 978-4088597195[注 6]
  20. 2008年11月04日発売 ISBN 978-4088597393[注 6]
  21. 2009年02月04日発売 ISBN 978-4088597560[注 6]
  22. 2009年05月01日発売 ISBN 978-4088597737[注 6]
  23. 2009年08月04日発売 ISBN 978-4088597874[注 6]
  24. 2009年11月04日発売 ISBN 978-4088598055[注 6]
  25. 2010年02月04日発売 ISBN 978-4088598222[注 6]
  26. 2010年04月30日発売 ISBN 978-4088598376[注 6]
  27. 2010年07月02日発売 ISBN 978-4088598468[注 6]
  28. 2010年11月04日発売 ISBN 978-4088598604[注 6]
  29. 2010年12月29日発売 ISBN 978-4088598697[注 6]
  30. 2011年04月04日発売 ISBN 978-4088598819[注 6]
  31. 2011年07月04日発売 ISBN 978-4088598888[注 6]
  32. 2011年11月04日発売 ISBN 978-4088587738[注 6]
  • 大河原遁(原案協力・監修:片瀬平太)『王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜The Special Edition』集英社〈ジャンプ・コミックス・デラックス〉全4巻
    • 単行本ジャンプ・コミックス・デラックス版から抜粋したテーマ別の選集。
  1. The Special Edition 1 ナポリ発スーツ革命〜着ごこち世界一の紳士服〜 2008年8月4日発売 ISBN 978-4088597249
  2. The Special Edition 2 ビジネス必勝服装術〜できる男のVゾーン〜 2008年9月4日発売 ISBN 978-4088597317
  3. The Special Edition 3 体型カバーの魔法〜見た目アップの隠し技〜 2008年10月3日発売 ISBN 978-4088597362
  4. The Special Edition 4 モテる男の法則〜美女を射止める紳士の装い〜 2008年11月4日発売 ISBN 978-4088597423

サルトリア・ナポレターナ関連書籍一覧[編集]

  1. 2012年05月18日発売 ISBN 978-4-08-879343-6[注 7]
  2. 2012年10月19日発売 ISBN 978-4-08-879450-1[注 7]
  3. 2013年03月19日発売 ISBN 978-4-08-879543-0[注 7]
  4. 2013年07月19日発売 ISBN 978-4-08-879621-5[注 7]
  5. 2013年10月18日発売 ISBN 978-4-08-879715-1[注 7]
  6. 2014年03月19日発売 ISBN 978-4-08-879762-5[注 7]
  7. 2014年07月18日発売 ISBN 978-4-08-879876-9[注 7]
  8. 2014年12月19日発売 ISBN 978-4-08-890066-7[注 7]
  9. 2015年03月19日発売 ISBN 978-4-08-890138-1[注 7]
  10. 2015年07月17日発売 ISBN 978-4-08-890238-8[注 7]
  11. 2015年11月19日発売 ISBN 978-4-08-890280-7[注 7]
  12. 2016年02月19日発売 ISBN 978-4-08-890368-2[注 7]
  13. 2016年04月19日発売 ISBN 978-4-08-890408-5[注 7]

フィオリ・ディ・ジラソーレ関連書籍一覧[編集]

  1. 2016年09月16日発売 ISBN 978-4088905020[注 7]
  2. 2016年12月19日発売 ISBN 978-4088905686[注 7]
  3. 2017年04月19日発売 ISBN 978-4088906171[注 7]
  4. 2017年07月19日発売 ISBN 978-4088907147[注 7]
  5. 2017年11月17日発売 ISBN 978-4088907925[注 7]
  6. 2018年03月19日発売 ISBN 978-4088908878[注 7]
  7. 2018年07月19日発売 ISBN 978-4088910598[注 7]

下町テーラー関連書籍一覧[編集]

  1. 2018年12月19日発売 ISBN 978-4088911816
  2. 2019年03月19日発売 ISBN 978-4088912448
  3. 2019年07月19日発売 ISBN 978-4088913292
  4. 2019年12月19日発売 ISBN 978-4088914145

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ マリオの教えを受けた者としては、作中では他にペッツオーリやマリオの息子リッカルドがいるが、正式な弟子と対外的に認められているのは悠のみ。
  2. ^ 子供の頃にカモッラの銃撃戦に巻き込まれており、その際に自分をかばって負傷した人物は今でも障害を抱えているなど、客観的に見ても当然の理由ではあった。
  3. ^ 明らかにロスタンの仕立てを再現されているが、スタッフの記憶にない品物だった。ロスタン社長は「これだけの仕事ができる職人なら、うちにほしい」と仲裁に来たアランに詰め寄っていた。
  4. ^ このことで「自分自身が軍隊に関わりたくない」という理由で反戦運動に被れた言動を行うようになる。
  5. ^ しかし、逆の見方をすれば「脱落するまでは徹底的に扱いてくれる非常に面倒見のいい性格」だとペッツオーリには評されている。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af サルト・フィニートの発売日については外部リンク「集英社マンガネット S-MANGA.net - 王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜 - 全巻リスト」を参照。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t サルトリア・ナポレターナの発売日については外部リンク「集英社マンガネット S-MANGA.net - 王様の仕立て屋〜サルトリア・ナポレターナ〜 - 全巻リスト」を参照。

出典[編集]

外部リンク[編集]