「加藤製作所」の版間の差分
Tamrono157 (会話 | 投稿記録) |
編集の要約なし |
||
97行目: | 97行目: | ||
なお、約40年にわたって量産されたそれらの小型機関車の大半は既に廃棄・解体されて現存しないが、[[山形県]][[真室川町]]の町営温泉施設[[梅里苑]]の敷地内で、夏季限定ながら4.8tディーゼル機関車の運行が行われており、車両は平成20年2月に[[経済産業省]]の[[近代化産業遺産]]として登録されている。また、[[大井川鐵道]]の[[大井川鉄道DB1形ディーゼル機関車|DB1形]]2両が現在も車籍を残している他、[[木曽森林鉄道|王滝森林鉄道]]を筆頭とする各地の森林鉄道や建設省利根川上流工事事務所をはじめとする工事軌道等で使用されていた小型機のいくつかが記念物として保存展示されている。海外においては、[[台湾]]の東部運材鉄道や七股塩場鉄道、布袋塩場鉄道で使用されていたものが池南国家森林遊楽区、林田山林業文化園区、南華森林公園及び台湾塩博物館、七股塩田旅遊服務中心前に保存展示されている他、花蓮県の[[民宿]]が動態保存している例があり、布袋塩場では非公開保存している<ref>蘇昭旭、『台灣輕便鐵道小火車』、2011年、人人出版、新荘 ISBN 978-986-6435-53-9</ref>。 |
なお、約40年にわたって量産されたそれらの小型機関車の大半は既に廃棄・解体されて現存しないが、[[山形県]][[真室川町]]の町営温泉施設[[梅里苑]]の敷地内で、夏季限定ながら4.8tディーゼル機関車の運行が行われており、車両は平成20年2月に[[経済産業省]]の[[近代化産業遺産]]として登録されている。また、[[大井川鐵道]]の[[大井川鉄道DB1形ディーゼル機関車|DB1形]]2両が現在も車籍を残している他、[[木曽森林鉄道|王滝森林鉄道]]を筆頭とする各地の森林鉄道や建設省利根川上流工事事務所をはじめとする工事軌道等で使用されていた小型機のいくつかが記念物として保存展示されている。海外においては、[[台湾]]の東部運材鉄道や七股塩場鉄道、布袋塩場鉄道で使用されていたものが池南国家森林遊楽区、林田山林業文化園区、南華森林公園及び台湾塩博物館、七股塩田旅遊服務中心前に保存展示されている他、花蓮県の[[民宿]]が動態保存している例があり、布袋塩場では非公開保存している<ref>蘇昭旭、『台灣輕便鐵道小火車』、2011年、人人出版、新荘 ISBN 978-986-6435-53-9</ref>。 |
||
製造終了してから年数が経過しているが、昭和62年に「加藤製作所の機関車」、平成26年に「加藤製作所 機関車図鑑」が、それぞれ出版されている。いずれも加藤製作所が協力している。 |
|||
{| class="wikitable" border="1" cellspacing="0" cellpadding="2" style="font-size:90%; text-align:center; width:85%;" |
{| class="wikitable" border="1" cellspacing="0" cellpadding="2" style="font-size:90%; text-align:center; width:85%;" |
||
154行目: | 156行目: | ||
* 荷役機械 |
* 荷役機械 |
||
**[[ラフテレーンクレーン|ラフテレンクレーン]](商品名Roughterラフター)- 現在の主力製品。4.9tから |
**[[ラフテレーンクレーン|ラフテレンクレーン]](商品名Roughterラフター)- 現在の主力製品。4.9tから75t吊までラインナップされている。 |
||
**[[オールテレーンクレーン|オルテレンクレーン]](商品名Allterrオルター)- 現在はクレーン部分だけでなく、キャリア部分も自社で設計。400t吊までラインナップされている。 |
**[[オールテレーンクレーン|オルテレンクレーン]](商品名Allterrオルター)- 現在はクレーン部分だけでなく、キャリア部分も自社で設計。400t吊までラインナップされている。 |
||
**[[車両積載形トラッククレーン]](トラック積載型クレーン) |
**[[車両積載形トラッククレーン]](トラック積載型クレーン) |
||
174行目: | 176行目: | ||
主に建設機械、荷役機械、産業機械について(内燃機関車は前項参照) |
主に建設機械、荷役機械、産業機械について(内燃機関車は前項参照) |
||
* トラッククレーン(ラチスブームタイプ) |
* トラッククレーン(ラチスブームタイプ・35t吊りまで) |
||
* ヒアブクレーン |
* ヒアブクレーン(HIAB社のモデルを販売していた) |
||
* モビルクレーン |
* モビルクレーン |
||
* クローラークレーン(テレスコピックブームタイプ、ラチスブームタイプ) |
* クローラークレーン(テレスコピックブームタイプ、ラチスブームタイプ) |
||
* リバースサーキュレーションドリル |
* リバースサーキュレーションドリル |
||
* ペーパードレーン機 |
|||
* [[ロードローラー]] |
* [[ロードローラー]] |
||
* [[アスファルトフィニッシャー]] |
* [[アスファルトフィニッシャー]] |
||
* トラクター |
* トラクター(クローラータイプ、ホイールタイプ) |
||
* EXTEC社製の環境リサイクル機械 |
* EXTEC社製の環境リサイクル機械 |
||
* バックホーローダー(エキスカローダー) |
* バックホーローダー(エキスカローダー) |
2014年11月24日 (月) 13:03時点における版
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
略称 | 加藤、KATO |
本社所在地 |
日本 〒140-0011 東京都品川区東大井1-9-37 |
設立 | 1935年1月20日 |
業種 | 機械 |
法人番号 | 3010701002324 |
事業内容 | 建設機械・特装車の製造、販売、補修 |
代表者 | 加藤公康(代表取締役社長) |
資本金 | 29億3589万円(2012年3月31日現在) |
売上高 | 57,588百万円(2012年3月期、連結)[1] |
総資産 | 単独: 81,852百万円、連結: 86,176百万円(2012年3月期) |
従業員数 |
単独: 617名、連結: 774名 (2012年3月現在)[2] |
決算期 | 3月末日 |
主要株主 |
日本トラスティサービス信託銀行6.79% 第一生命保険5.55% 日本生命保険5.05% (2012年3月現在) |
主要子会社 | 加藤(中国)工程機械有限公司(連結)、三陽電器株式会社(非連結) |
外部リンク | http://www.kato-works.co.jp/ |
株式会社加藤製作所(かとうせいさくしょ、英称: KATO WORKS CO.,LTD)は、日本の建設機械・特装車メーカー。
概要
各種クレーンが現在の主力商品で、他にも油圧ショベル、アースドリルなどの建設機械や、除雪車、路面清掃車などの特装車の製造・販売・アフターサービスを行っている。
2011年3月期の連結売上構成は、荷役機械44%、建設機械53%、路面清掃車等2%となっている。また、連結売上のセグメント別では日本製が77%、中国製が23%となっている)[3]。
沿革
- 1895年 - 個人事業として加藤鉄工所が創業。
- 1923年 - 内燃機関車の生産を開始。
- 1935年 - 法人化し、株式会社加藤製作所を設立(代表取締役加藤秀三郎[4])[5]。
- 1938年 - トラクター、ロードローラー、クレーン車等の建機・特装車の生産を開始。
- 1962年 - 株式を上場。
- 1998年 - 国際標準規格ISO 9000:1994(現・ISO 9001:2000)の認証を取得。
- 2004年 - 代表取締役社長に加藤公康が就任。
工場
現在日本国内に2工場を有する。
- 1963年操業開始。クレーン関係を生産。
- 群馬工場(群馬県太田市)
- 1980年操業開始。クレーン以外のパワーショベルやアースドリルなどの品目を生産。
内燃機関車の製造販売
1920年代中盤から1960年代後半まで、加藤鉄工所(加藤製作所)は主として専用鉄道や工事用軌道などで用いられる小型内燃機関車の製造を行い、大きな成功を収めた。
最初期にはホイットコム社やプリマス社などアメリカのメーカーから輸入された産業用小型ガソリン機関車を参考として、輸入品のエンジンとフリクションドライブなどの動力伝達機構を組み合わせた構造の内燃機関車を製造した。
設計製造技術が確立された1930年代以降は、主として鋳造台枠の形状・寸法と搭載エンジンの変更による作り分けで顧客の要望に応じた自重・出力・軌間の機関車を供給する標準設計化が進み、台枠側面とボンネット前面のラジエータ上部にKATO WORKS(戦前・戦中に製造されたものの一部ではカトウとカタカナ表記された)と鋳出しで記された社名は、文字通り同社製機関車のトレードマークとなった。
戦前・戦中は土木業界だけではなく、海軍省向け納品実績が大きな割合を占めており、海軍側の指定で社名に代えて海軍の錨マークをラジエータ上部に陽刻したそれらの機関車は、第二次世界大戦中にその大半が戦地の飛行場整備などのために南方や大陸などへ向けて発送されたが、輸送船の撃沈で目的地に届かなかったものも多かったという。
第二次世界大戦後は主として建設省(河川改修事業用工事軌道)向けで大きなシェアを獲得し、主に林野庁(森林鉄道)向けで大きなシェアを獲得していた酒井工作所と並んで日本国内の産業用小型ディーゼル機関車市場を二分する大手メーカーとして著名であった。
その作風はライバルであった酒井工作所が主たる顧客である森林鉄道の軌道条件の特殊性からF型ディーゼル機関車のように野心的な設計を試みる傾向があったのに対し、こちらは砂塵や泥などが機構部に入り込むことが当然、という厳しくかつ乱暴な使用条件にさらされる建設業界が主要顧客であったためもあり、総じて手堅く単純で平凡な設計に終始した。
この他国鉄向けの貨車移動機や、純然たる地方鉄道向けディーゼル機関車にも製造実績がある。
1960年代に入り自動車、特にダンプカーなどの大型トラックが普及すると、これらの小型内燃機関車製造事業は大打撃を受けた。そのため工事用軌道のトラックへの転換が急速に進んだ1960年代後半には機関車事業から撤退し、以後は建設機械専業へと業態転換がなされることとなった。
なお、約40年にわたって量産されたそれらの小型機関車の大半は既に廃棄・解体されて現存しないが、山形県真室川町の町営温泉施設梅里苑の敷地内で、夏季限定ながら4.8tディーゼル機関車の運行が行われており、車両は平成20年2月に経済産業省の近代化産業遺産として登録されている。また、大井川鐵道のDB1形2両が現在も車籍を残している他、王滝森林鉄道を筆頭とする各地の森林鉄道や建設省利根川上流工事事務所をはじめとする工事軌道等で使用されていた小型機のいくつかが記念物として保存展示されている。海外においては、台湾の東部運材鉄道や七股塩場鉄道、布袋塩場鉄道で使用されていたものが池南国家森林遊楽区、林田山林業文化園区、南華森林公園及び台湾塩博物館、七股塩田旅遊服務中心前に保存展示されている他、花蓮県の民宿が動態保存している例があり、布袋塩場では非公開保存している[6]。
製造終了してから年数が経過しているが、昭和62年に「加藤製作所の機関車」、平成26年に「加藤製作所 機関車図鑑」が、それぞれ出版されている。いずれも加藤製作所が協力している。
形式 | 自重 | 軌間 | 全長 | 全幅 | 全高 | 牽引力 | 走行速度 | 機関形式 | 機関定格出力 | 用途 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
t | mm | mm | mm | mm | kg | km/h | PS/rpm | ||||
P形 | 2 | 508-762 | 2,450 | 1,104 | 1,104 | 500 | 4.9-10.7 | DA220 | 43/1500 | 坑内用 | クラッチ乾単板 |
P形 | 4 | 508-762 | 3,200 | 1,177 | 1,600 | 1,000 | 3.3-21.2 | DA220 | 43/1500 | 坑内用 | クラッチ乾単板 |
N形 | 5 | 508-762 | 3,378 | 1,392 | 2,115 | 1,250 | 4.3-23.6 | DA220 | 43/1500 | 一般用 | |
TC形 | 6 | 610-762 | 3,670 | 1,272 | 1,500 | 1,500 | 0-16.9 | KEZ1-15C | 62/1500 | 坑内用 | クラッチ乾単板 |
P形 | 7 | 610-762 | 3,835 | 1,468 | 2,235 | 1,750 | 6.18-22.2 | DS70A | 65/1200 | 一般用 | |
TC形 | 10 | 610-762 | 4,568 | 1,450 | 1,800 | 2,500 | 低0-10.8 高0-21.3 |
6DB10L | 98/1400 | 坑内用 | |
TC形 | 10 | 1067 | 5,206 | 2,656 | 2,620 | 2,500 | 0-20.5 | 6DB10L | 120/1800 | 入換用 | |
TC形 | 15 | 1067 | 6,206 | 2,386 | 3,100 | 3,750 | 0-23.3 | DA59A | 153/1800 | 入換用 | |
TC形 | 20 | 1067 | 7,606 | 2,545 | 3,350 | 5,000 | 0-19.4 | DA59A2 | 200/1800 | 入換用 | |
TC形 | 25 | 1067 | 7,506 | 2,645 | 3,350 | 6,250 | 低0-17.5 高0-27.5 |
DMH17C | 180/1500 | 入換用 |
- 「建設工事用機関車仕様一覧表」『日本建設機械要覧1968年版』日本建設機械化協会、1968年、82-83頁
- 標準仕様であり注文に応じて変更化
主要製品
現在扱っているもの
- 荷役機械
- ラフテレンクレーン(商品名Roughterラフター)- 現在の主力製品。4.9tから75t吊までラインナップされている。
- オルテレンクレーン(商品名Allterrオルター)- 現在はクレーン部分だけでなく、キャリア部分も自社で設計。400t吊までラインナップされている。
- 車両積載形トラッククレーン(トラック積載型クレーン)
- 建設機械
- 全油圧式パワーショベル(商品名REGZAM)- 主力製品。最近ではショートリーチを使用した建物解体機にも力を入れている。
- 基礎工事用アースドリル
- 産業機械
- 真空吸込式路面清掃車
- 万能吸引車(商品名MultiVac)
- スノースイーパー
加藤製作所は「ラフター」、「オルター」をそれぞれラフテレンクレーン(ラフテレーンクレーン)、オルテレンクレーン(オールテレーンクレーン)の商標として登録している。「ラフター」呼称は日本では普通名称化されるほど普及し、他メーカーの「ラフテレンクレーン」が「ラフタークレーン」などと紹介される。
現在、日本ではトラッククレーンの販売を行っていないが、海外では行われている。
過去に扱っていた製品
主に建設機械、荷役機械、産業機械について(内燃機関車は前項参照)
- トラッククレーン(ラチスブームタイプ・35t吊りまで)
- ヒアブクレーン(HIAB社のモデルを販売していた)
- モビルクレーン
- クローラークレーン(テレスコピックブームタイプ、ラチスブームタイプ)
- リバースサーキュレーションドリル
- ペーパードレーン機
- ロードローラー
- アスファルトフィニッシャー
- トラクター(クローラータイプ、ホイールタイプ)
- EXTEC社製の環境リサイクル機械
- バックホーローダー(エキスカローダー)
- ロータリースクーパ(隧道掘削機)
- 水陸両用車(ドラゴン)
など
脚注
- ^ “平成24年3月期 決算短信”. 株式会社加藤製作所. 2013年4月18日閲覧。
- ^ “第112期 事業報告書”. 株式会社加藤製作所. 2013年4月18日閲覧。
- ^ “第112期 事業報告書”. 株式会社加藤製作所. 2012年5月6日閲覧。
- ^ 『人事興信録. 第11版(昭和12年) 』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ^ 『日本全国銀行会社録. 第45回(昭和12年)』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
- ^ 蘇昭旭、『台灣輕便鐵道小火車』、2011年、人人出版、新荘 ISBN 978-986-6435-53-9