東ロボくん

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東ロボくん(とうろぼくん)とは、日本国立情報学研究所(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構)が中心となって2011年に立ち上げられたプロジェクト「ロボットは東大に入れるか」において研究・開発が進められる人工知能の名称[1]東京大学に合格できるだけの能力を身につける事を目標としていた。2016年11月に東京大学合格を断念した事を発表[2][3]

概要[編集]

人工知能分野は1960年代に黎明期を迎え、1980年代に入ると細分化の一途を辿っているが、同分野を再統合することにより、新たな地平を開拓するのみならず、後進の育成をも視野に入れ発足[1]。大目標としては、2016年度までに大学入試センター試験にて高得点を獲得し、2021年度の東京大学入学試験突破を掲げている[1]

またプロジェクトを通して、情報技術分野の未来価値創成を目指し、人間の思考に関する学際的、包括的な理解を深めると共に、国際的な連携も見据えた研究活動を行う方針という[1]

プロジェクト参加者[編集]

国立情報学研究所の所員を中心に、私立大学、国立研究機関の関係者総勢39名(2014年10月現在)のメンバーが参集[4]

プロジェクトディレクタ ・ サブプロジェクトディレクタ[編集]

プロジェクトメンバー[編集]

共同研究者[編集]

なお、この他にもベネッセコーポレーション東京書籍数研出版岩波書店をはじめ教育出版関連の企業も共同研究に協力している[4]

成果[編集]

プロジェクト始動から2年が経過した2013年代々木ゼミナールで行われた初の模擬試験に挑戦[5]。「東大入試プレ」の数学では文系理系とも偏差値60程度の成績を納めた[5]。「全国センター模試」では、点数が最も高かったのが世界史の58点(偏差値55)で、私立403大学の8割でA判定が出ているという[6]。また国立大学では1大学2学部で合格圏内となったものの、その大学は芸術系のため実技試験で落とされるのでは、と慶應義塾大学理工学部山口高平教授は語っている[6]

2014年11月に代々木ゼミナールにて再度「全国センター模試」を受けた[7]。 その結果は東大合格にははるかに及ばないものの、偏差値は47.3と昨年の45.1を上回り、私大なら全国581大学の8割にあたる472大学で合格可能性が80%以上の「A判定」となった。

2015年6月ベネッセコーポレーション協力の下、6月実施の進研模試「総合学力マーク模試」を受験した。 その結果、5教科8科目で511点(全国平均416.4点)、偏差値57.8という成績を収め、これは私立大学の441大学1055学部、国公立大学の33大学39学部で合格可能性80%以上に相当するものとなった。 特に富士通研究所名古屋大学が担当した「数IA」で偏差値64(前年46.9)、「数IIB」で65.8(同51.9)、日本ユニシスが担当した「世界史B」で偏差値66.5(同56.1)と、計3科目で偏差値60を超えた[8]

2016年11月に東京大学合格は実現不可能であり、断念した事を発表し、今後は記述式試験を解くための研究などに集中したいとした[2][3]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 概要ロボットは東大に入れるか
  2. ^ a b 人工知能「東ロボくん」 東大を断念 | NHKニュース
  3. ^ a b 人工知能「東ロボくん」が東大合格を断念 - 産経ニュース
  4. ^ a b 研究活動ロボットは東大に入れるか
  5. ^ a b 人工知能「東ロボくん」が代ゼミ模試に挑戦、その結果は? - NIIと富士通2013年11月25日 マイナビニュース
  6. ^ a b 東大生がロボットに仕事を奪われる日は来るのか2014年1月16日 アスキー
  7. ^ ロボットは東大に入れるか2014 -東ロボくん、代ゼミ模試に挑戦- 成果報告会ロボットは東大に入れるか
  8. ^ 人工知能「東ロボくん」、センター試験模試で「偏差値57.8」 数学と世界史は偏差値60超え2015年11月16日 ITmediaニュース

関連項目[編集]

外部リンク[編集]