接続 (ファイバー束)

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ファイバーバンドル接続(せつぞく、: connection)とは、ベクトルバンドルの接続概念(Koszul接続)を任意のファイバーバンドルに拡張したものである。

これにより、原理的には任意のファイバーバンドル上で接続の概念を考えられるようになるが、実際に研究が進んでいるのはベクトルバンドルの場合とそれに対応する主バンドルの場合、具体的に回転群ユニタリ群シンプレクティック群スピン群等、一般線形群やその閉部分リー群に対する主バンドルの場合である。 なお、これらはそれぞれ実ベクトルバンドル、実計量ベクトルバンドル、複素ベクトルバンドル、複素計量ベクトルバンドル、シンプレクティックバンドル、クリフォードバンドル英語版に対応する。

こうした群の場合、主バンドルの接続からベクトルバンドルの接続が定義でき、逆にベクトルバンドルの接続から主バンドルの接続が定義できる事を本章で見る。ファイバーバンドルの接続、特に主バンドルの接続を考える主目的はベクトルバンドルの接続を別の角度から捉え直す事にある。

チャーン・ヴェイユ理論では、特性類という主バンドルを使って特徴づけられる概念を用いるので、上記のように主バンドルに対して接続を定義することで、理論の記述が可能になる。

以下、本項では特に断りがない限り、多様体、関数、バンドル等は全てC級の場合を考える。よって紛れがなければ「C級」を省略して単に多様体、関数、バンドル等という。

名称に関して[編集]

ファイバーバンドルの接続のことをエーレスマン接続[1]: Ehresmann conection)と呼ぶ場合があるが[2]主バンドルに対する接続の事を「エーレスマン接続」と読んでいる書籍[3]もあるので注意が必要である[4]。なお主バンドル上においても両者の概念は同値ではなく、ファイバーバンドルの接続のうち構造群の作用に関して不変なものを主バンドルの接続と呼ぶ。

両者の区別のため、一般のファイバーバンドルの接続を一般の接続: general connection[5])、主バンドルの接続を主接続: principal connection[6])と呼ぶ場合がある。

またファイバーバンドルの接続のうち、完備なもののみを「エーレスマン接続」と呼ぶ場合もある[7]。なおエーレスマン自身による定義では完備性を仮定していた[8]

動機[編集]

本節では、ファイバーバンドルの接続、中でも特に主バンドルの接続を定義する動機を説明する。


リーマン多様体接バンドル上のレヴィ・チヴィタ接続、あるいはより一般に任意の多様体ベクトルバンドル接続はベクトルバンドル上の微分演算子によって定義されている。

M上のベクトル場Xに対し行列

により定義し、Xを対応させる行列値の1-形式を局所的な基底に関する接続接続形式: connection form)という[9]

が定義する共変微分はライプニッツ則により、

とかけるので、接続形式ωが分かれば接続が再現でき、ωは1対1対応する。ここでEの切断である。

実はむしろωから接続概念を定義したほうが、数学的に有利である事が示唆され、このアイデアを結実したのが主バンドルの接続概念である。

接続形式ωから接続概念を定義したほうが有利な理由は2つある。第一に、リーマン多様体であればから定義される曲率テンソルを使って記述できた恒等式、例えば(第二)構造方程式や(第二)ビアンキ恒等式は、一般のベクトルバンドルではωを使わないと記述できない(接続 (ベクトル束)#曲率を参照)。


第二に、接続概念において重要な役割を果たす平行移動の概念は接続形式ωと強く関係しており、底空間Mの曲線に沿って定義された局所的な基底tで微分したものが接続形式に一致する。

よって特に(レヴィ・チヴィタ接続などの)Eの計量と両立する接続の場合、による平行移動は回転変換、すなわちの元なので、その微分である接続形式ωのリー代数の元、すなわち歪対称行列である[注 1]


このように接続形式を用いるとベクトルバンドルの構造群(上の例では)が接続形式の構造をリー群・リー代数対応により支配している事が見えやすくなる。

上では回転群の場合を説明したが、(を自然にの部分群とみなしたもの)や物理学で重要なシンプレクティック群スピン群に対しても同種の性質が証明でき、接続形式がリー群・リー代数対応により支配されている事がわかる。


こうした事実は接続概念を直接リー群と接続形式とで記述する方が数学的に自然である事を示唆する。後で説明する、リー群の主バンドルに対する接続はこのアイデアを定式化したもので、主バンドルの接続は接続形式に相当するものを使って定義される。


そこで本項では、まずベクトルバンドルの接続と主バンドルの接続の両方を包括する概念であるファイバーバンドルの接続概念を導入する。この概念は「そもそも平行移動とは何か」を直接的に定式化したもので、この概念それ自身が接続形式の言葉で記述されるわけではない。

そして次にファイバーバンドルの接続概念を用いて主バンドルの接続概念を定義すると同時に、主バンドルの接続を接続形式の言葉で再定式化する。そして構造群を持つファイバーバンドルにその主バンドルから接続を誘導する方法を説明する。そして最後にベクトルバンドルの接続と主バンドルの接続の接続形式の言葉で記述する。

ファイバーバンドルの接続の定義[編集]

ファイバーバンドルの接続概念は、ベクトルバンドルの接続における平行概念を自然に拡張する事で定義する。

定義の背後にある直観[編集]

をベクトルバンドルとし、をこのバンドルのKoszul接続とする。M上の任意の曲線c(t)c(t)上の任意の切断s(t)で平行なものに対し、s(t)E上の曲線とみなしたときにが入るTeEの部分空間を「水平部分空間」と呼ぶ。

以上のように接続から水平部分空間が定まるが、逆に水平部分空間の情報があれば接続を再現できる事も知られている。実際、が常に水平部分空間に入るような切断s(t)を平行な切断とみなす事で水平部分空間から平行が再現でき、平行概念から接続概念を再現できる事も知られている[10]

よってベクトルバンドルの場合は接続概念は水平部分空間の概念は等価なので、一般のファイバーバンドルに対する接続を水平部分空間の概念を用いて定義する事にする。

定義[編集]

以上の考察を元に、ファイバーバンドルの接続を定義する。そのためにまず「垂直部分空間」という概念を定義する。をファイバーFを持つファイバーバンドルとし、eEEの元とするとしπが誘導する写像をとするとき、

を、eにおけるTeE垂直部分空間: vertical subspace)という[11][12][注 2]。そしてファイバーバンドルの接続を以下のように定義する:

定義 (接続) ―  ファイバーバンドルの(C級の)接続(: connection)とは、Eの各点eにおけるTeMの部分空間eに関してC級であり[注 3]、以下の性質を満たすものである[13]

eにおける水平部分空間: horizontal subspace)という[13]

分解

があれば、TeEの元のへの射影

すなわちとなる線形変換を定義できる。このVe垂直射影: vertical projection[14])もしくは接続写像: connection map[14])といい、接続写像によって接続概念を定式化することも可能である:

定義 ―  ファイバーバンドルの(C級の)接続(: connection)とは、eに関してC級な[注 4]写像

の族で以下の性質を満たすものである[14]

後で述べるように、この垂直射影Veが主バンドルの接続の場合は接続形式に対応している。

ジェットバンドルによる特徴づけ[編集]

本節ではジェットバンドル英語版の概念を用いる事でファイバーバンドルの接続を特徴づける。

ジェットバンドルの定義[編集]

をファイバーバンドルとし、uMの点とする。uの近傍で定義されたEの2つの切断ss'に対し、

という同値関係を定義し、その同値類をと書き、sの1次のジェット: jet)という[注 5]。さらに同値類全体をと書き、とすると、

によりJ1EM上のバンドルとみなせる。このバンドルをファイバーバンドルに関する1次のジェットバンドルという。なお、

によりJ1EE上のバンドルとみなすこともできる。

ジェットバンドルを使った接続の特徴づけ[編集]

ジェットを一つ指定すると、点における平面で垂直部分空間とを満たすものが定義できる。逆にを満たす平面からジェットが1つ定まる事も容易に示せる。


ファイバーバンドルの接続とはEの各点eを満たすを定めるものであったので、上述の議論から、これはEの各点eを満たすジェットを定める事に等しく、Eの各点にそのようなジェットを定める行為は

の切断を定める行為に等しい。よっての接続概念を以下のように定式化できる:

定理 (ジェットバンドルを使った接続概念の定式化) ― をファイバーバンドルとし、J1Eの1次のジェットバンドルとする。このとき、

の切断を接続という[15]

「切断」という「水平部分空間」よりも数学的に扱いやすい対象によって接続を定義できる点でこの定義は有益である。

諸概念[編集]

本節では、上記の接続の概念に基づいて、一般のファイバーバンドルに対して平行移動、共変微分、および曲率形式の概念を定義していく。 ベクトルバンドルの場合にこれらの概念がこれまで議論してきた平行移動、共変微分、および曲率形式の概念に一致する事は後述する。

平行移動[編集]

平行移動の概念を以下のように定義する:

定義 (平行移動) ― M上の曲線上定義された切断平行であるとは、

が任意のtに対して成立する事をいう。さらにt0t1を2つの時刻とするとき、に沿って平行移動した元であるという[13]

接続の定義から、

はベクトル空間としての同型であるので、この逆写像

を考える事ができる。eへの水平リフト: horizontal lift[13])といい、vに水平リフトを対応させる写像 クリストッフェル写像: Christoffel map[16])という事もある。この写像とクリストッフェル記号の関係は後述する。


水平リフトの定義から明らかなように、切断が平行である必要十分条件は

を満たす事である。


常微分方程式の解の局所的な存在一意性から、平行移動は局所的に存在し、かつ一意である。

すなわちsを曲線の時刻t0のファイバーの元とするとき、(t0sに依存した)t0の近傍が存在し、上ではsの平行移動が一意に存在する。

完備性[編集]

定義[編集]

前節で平行移動が局所的には必ず存在する事を見たが、平行移動の大域的な存在性は必ずしも保証されない。平行移動が大域的に存在するときに接続は完備であるという:

定義 (完備性) ―  任意のおよびを通る任意の曲線に対し、に沿ったeの平行移動が定義できるとき、接続完備: complete)であるという[17][18][19]

任意のファイバーバンドルに完備な接続が少なくとも1つ入る事が知られている[17]


なお、接バンドルにおいては「完備」という言葉は

  • アフィン接続の測地線完備性[注 6]
  • リーマン計量が入っている場合の距離空間としての完備性

にも使われるが、上述した接続の完備性はこれらの完備性概念とは別概念である。実際、(アフィン接続に限らず)Koszul接続の場合には、平行移動は常に定義可能である[20]ので、Koszul接続は上述の意味で常に完備である。


ファイバーがコンパクトの場合も完備性が成り立つ:

定理 ―  をファイバー空間Fを持つファイバーバンドルとし、をこのバンドルの接続とする。 このとき、Fがコンパクトであればは完備である[21]

反例[編集]

本節では完備ではない接続の例をあげる。とし、M上のファイバーバンドル

を考え、このファイバーバンドル上に下記のような接続を考える:

における水平部分空間は、内の傾きの直線である[注 7]

ここで直線の「傾き」はを自然にと同一視したときの傾きである。

このようにすると、上の直線に沿って点のファイバー上の点を平行移動した結果できる曲線は

である事を容易に示す事ができる。この平行移動は

の範囲でしか延長できず、完備でない事が言えた。


上記の例でも分かるように、水平移動の局所的存在性において、水平移動が存在する範囲がファイバーの元(上記の例ではy0)に依存しており、上記の例であればでなくてはならない。この事が水平移動の大域的存在性を保証できない原因となっている。

共変微分[編集]

本節ではまず共変微分を天下り的に定義し、次に平行移動の概念を用いて共変微分の概念の意味付けを行う。

定義[編集]

定義 (共変微分) ―  を接続が定義されたファイバーバンドルとし、sMの開集合U上で定義されたEの切断とし、XUの点におけるMの接ベクトルとする。sを多様体Uから多様体Eへの写像とみなしたときにsが接ベクトル空間に誘導する写像を

とする。このとき、に対し、

を点uにおけるsX方向の共変微分という[14]

定義 (曲線に沿った共変微分) ―  を接続が定義されたファイバーバンドルとし、M上の曲線とし、に沿ったEの切断とする。このとき、

に沿ったの共変微分という[14]

リフトとの関係[編集]

M上のベクトル場Xに対し、Eの各点eを対応させるベクトル場を

と書くことにすると、以下が成立する事が知られている[14]

定理 (共変微分とリフトの関係) ― sMの開集合上で定義された切断とするとき、

よって特に次が成立する:

定理 ― を曲線上の切断とするとき、

が成立する。

平行移動の定義より、が平行であれば、

であった。この事からすなわち、共変微分とは、平行移動からのズレを表す量である事がわかる。

成分表示とクリストッフェル写像[編集]

本節では共変微分を成分表示で表し、これにより水平リフトがなぜクリストッフェル写像と呼ばれるのかを見る。このためにファイバーバンドルの点に対し、の近傍Uにおける局所座標を選び、さらにの局所座標

として、局所座標がの元をで写像するしたものの局所座標がとなるものを取る。


水平リフトはの右逆写像であった事から、U上のベクトル場とすると、における水平リフトは何らかの実数の組を用いて

という形に成分表示できる[22][注 8]共変微分とリフトの関係性から、簡単な計算により、以下の定理を示すことができる:

定理 (共変微分の成分表示) ― 記号を上述のように取り、さらにsU上定義されたEの切断とし、sを成分表示で

と書く、このとき以下が成立する:

上記の定理をKoszul接続に関する共変微分の成分表示と比較する事で、クリストッフェル記号に対応している事が分かる。事実Koszul接続ではsに関して線形であり、成分表示がクリストッフェル記号と一致する(後述)。

水平リフトの事をクリストッフェル写像と呼んだのは以上の理由による。

曲率[編集]

定義[編集]

接続概念の定義において垂直方向への射影

を導入したが、同様にして水平方向への射影

も定義できる。

曲率概念はこのVeHeを使って定義できる:

定理・定義 (ファイバーバンドルの曲率形式) ―  を接続が定義されたファイバーバンドルとし、への射影をとする。

E上のベクトル場ξηに対し、

と定義すると、Ω-線形である[23][24][注 9][注 10]。ここでリー括弧英語版である。

よってΩは双線形写像

であるとみなせる[注 9]ΩをファイバーバンドルEの接続に関する曲率形式という[23]

なお、Frölicher–Nijenhuis bracketを用いると、曲率形式は

とも書き表せる[27][注 10]。 さらに曲率形式に対する下記の(第二)ビアンキ恒等式が成立する事も示せる[27]

.

曲率概念の可積分性による意味付け[編集]

曲率概念の意味付けをみるため、いくつかの概念を定義する。 を接続が定義されたファイバーバンドルとし、をこの接続が定める共変微分とする。

sMの開集合U上で定義されたEの切断がUの任意の点uuにおけるUの任意の接ベクトルvに対し、

を満たすとき、s平坦(: flat)であるという[28]

定義から明らかなようにsが平坦であるとは、sUからEへの写像とみなしたとき、sが誘導する写像によるTUの像が常に水平部分空間に属する事と同値である。

Eの任意の点eに対し、eを通るEの平坦な切断が存在するとき、接続平坦であるという[29]

定義から明らかなように、接続が平坦であるという事は、超平面の族可積分である事と同値である[30]

フロベニウスの定理を用いると、次が成立する事を証明できる:

定理 (曲率と可積分性の関係) ―  を接続が定義されたファイバーバンドルとするとき、以下の3つは同値である[31]

  1. は平坦な接続である
  2. 超平面の族は可積分である
  3. の曲率形式Ωは恒等的に0に等しい。

したがって曲率形式は水平部分空間 が可積分ではない度合いを表す量である

曲率概念のホロノミーによる意味づけ[編集]

これまで通りを接続が定義されたファイバーバンドルとする。さらにの原点O開近傍とし、Uの元を成分でと表し、を埋め込みとし、に対し、

とする。上の以下のような閉曲線とする:からだけ右に動き、だけ上に動き、だけ左に動き、だけ下に動く。

このときに沿って、のファイバーの点eを平行移動したものは、

where

に等しい。このを使って曲率形式を特徴づける事ができる:

定理 ― 記号を上のように取る。このとき、を局所座標で表すと、その局所座標で定義される足し算に関して、

が成立する。

成分表示[編集]

クリストッフェル写像の節と同様に、Eの元がMの局所座標およびEの垂直方向の局所座標の組で書き表されているとし、に対し、 曲率を

と成分表示する。さらにクリストッフェル写像の節と同様、における水平リフトを

と書く。


定理 ― 記号を上述のように取る。このとき曲率は

と成分表示できる[34]

ホロノミー群[編集]

本節では特に断りのない限り、完備な接続が定義されたファイバーバンドルでM連結なものとする。

定義[編集]

Mの点とし、x0からx0自身への区分的になめらかな閉曲線とすると、接続が完備なのでx0のファイバーの任意の元eに対し、eに沿って一周平行移動してできた元をとする事で、上の可微分同相写像

を定義できる。

定理・定義 (ホロノミー群) ― 

x0から出てP自身への区分的になめらかな閉曲線

は閉曲線の連結に関して自然に群構造をなす。この群をEに関するx0におけるホロノミー群: holonomy group)という[35]

さらに以下を定義する:

定理・定義 (制約ホロノミー群) ― 

x0から出てx0自身へと戻る区分的になめらかな閉曲線でM上0-ホモトープなもの

とすると、の部分群をなす。PにおけるEに関する制約ホロノミー群: restricted holonomy group)という[35]

Mが連結である事から(制約)ホロノミー群の群構造はx0によらないので、紛れがなければを単にと書く。

ホロノミーリー代数[編集]

における接ベクトルに対し、eでの水平リフトを対応させる

をファイバー上の切断とみなしたものをと書く。

2つのベクトルに対し、はいずれも上のベクトル場なので、曲率形式Ωに対して、

を定義でき、これは上のベクトル場とみなせる。さらにをfixし、uからまでつなぐ曲線に沿ってを平行移動したものをと書く。

定理・定義 ― 上のベクトル場全体の集合リー括弧英語版に関する「無限次元リー代数」とみなしたとき、

xからx0までつなぐM上の曲線

を含む最小の(C-位相に関する)閉部分線形空間 を

と書くとき、の部分リー代数になっている。

ホロノミーリー代数: holonomy Lie algebra)という[35]

実は以下の定理が成立する。なお、以下の定理は主バンドルに対するAmbrose–Singerの定理を任意のファイバーバンドルに一般化したものである:

定理 (Ambrose-Singerの定理の一般化) ― ホロノミーリー代数が有限次元であれば、以下が成立する:

  • ホロノミー群をリー代数として持つリー群である[35]
  • あるG-主バンドル、およびGのファイバーへの作用が一意に存在し、へのG作用を使って作ったバンドルはと同型である[35]
  • 主バンドルには主バンドルとしての接続(詳細次章)が一意に存在し、この接続が上述のバンドルに誘導する接続との接続と同一である[35]

クリストッフェル形式[編集]

をファイバー空間Fを持つファイバーバンドル、をその上の接続とし、Mの点x0x0の近傍Vに対し、の局所座標を とする。ここでUの開集合である。以下、紛れがなければとその局所座標を同一視する。

定理・定義 ― 記号を上述のように取るとき、 における接空間の元に対し、

と書けるが存在する。

Fの点aを対応させるF上のベクトル場をと書く。

ξxF上のベクトル場の集合の元を対応させる値1-形式とみなせるので、を接続の座標近傍に関するクリストッフェル形式: Christoffel form)という[36][注 11]

クリストッフェル形式を使うと曲率が以下のように書ける:

定理 ― 上述の記号の元、曲率Ωは局所座標において以下を満たす[36][注 13]

ここでであり、はリー括弧である。

上述の定理はあくまで局所座標で成立するものに過ぎないが、後述する主バンドルの接続の場合は局所座標ではなく手バンドル自身の上で同種の定理が成り立つことを後で示す。

接続の引き戻し[編集]

を接続が定義されたファイバーバンドルとし、を多様体NからMへのなめらかな写像とすると、ファイバーバンドルの引き戻し

が定義できる。

定義 ―  f*E上の点に対し、垂直射影V'eを合成関数

により定義する事で引き戻しに接続を定義できる。ここではそれぞれの垂直部分空間である。

接続の接続引き戻し: pullback)という[27]

曲率は引き戻しに対して自然に振る舞う:

定理 ― 上述の記号の元、Ω上の接続の曲率とし、Ω'を引き戻し上の引き戻された接続の曲率とする。このとき以下が成立する[27]


一方、接続に関する他の諸概念、例えば水平リフトは引き戻しに関して自然に振る舞うとは限らない。実際Nを一点に潰す写像であれば、TNの像は全て0ベクトルであるので、で写像してから水平リフトするのと水平リフトしてからで写像したのでは結果が異なる。

水平リフトは引き戻しに関して自然に振る舞う条件は微分がfull rankになる事で、が点においてfull rankであれば、TxNの元をで写像してから水平リフトするのと水平リフトしてからで写像したのは結果が等しくなる。

主バンドルの接続[編集]

本節では主バンドルの接続を定義する。

定義[編集]

主バンドルの接続は、ファイバーバンドルの接続で群作用に対して不変になるものである:

定義 (主接続の定義) ―  Gをリー群とし、を構造群Gを持つ主バンドルとする。C級の(主バンドルとしての)接続(: connection)あるいは主接続: principal connectionとは、Pの各点pにおけるTpMの部分空間pに関してC級であり[注 3]、任意のに対し以下の性質を満たすものである[37]

  • 任意のに対し、

ここで垂直部分空間であり、Pへの右からの作用TPに誘導する写像である。pにおける水平部分空間という。


一般のファイバーバンドルの接続の場合と同様、垂直射影を用いて接続概念を定義することも可能で、

  • 任意のに対し、
  • 任意のに対し、

により接続概念を定義づけられる。

しかし次節に見るようにリー群・リー代数対応に着目する事で、リー代数の言葉を使った定式化も可能である。

リー代数を使った定式化[編集]

本節では、前節で定義した主バンドルの接続概念をリー代数を使って特徴づける。

そのためにまず、定義のために必要な概念を導入する。

基本ベクトル場[編集]

Gをリー群とし、をそのリー代数とし、さらにNGが右から作用する多様体(例えばG-主バンドルの全空間P)とする。

定義 (基本ベクトル場) ―  リー代数の元と点に対し、

により、N上のベクトル場を定義する。Aに対応するN基本ベクトル場英語版: fundamental vector field on N associated to A)という[38][39]

なお、NG-主バンドルの全空間Pの場合にはは垂直部分空間の元である事が容易に示せる。

随伴表現[編集]

定義 (リー群の随伴表現) ― Gをリー群としをそのリー代数とする。このとき、Gの線形表現

に対し、

により定義し、AdG随伴表現: adjoint representation)という[40]

ここで上の線形同型全体のなすリー群である。随伴表現の定義はの取り方によらずwell-defninedである。

定式化[編集]

基本ベクトル場の定義より明らかに各に対し、写像

は全単射であるので、ζpの写像の逆写像を垂直射影と合成する事で、

作る事ができる。この写像をに値を取る1-形式とみなしたものを

とし、各点pωpを対応させるP上の値1-形式の場ω接続形式: connection form)という[41]。ここでP上の値1-形式全体の集合である。

以上の議論から明らかに垂直射影からωが定まり、逆にωから垂直射影が定まるのでωによって接続概念を定式化できる:

定義・定理 (接続形式) ―  Mを多様体、Gをリー群とし、Gのリー代数とし、さらにM上のG-主バンドルとする。上定義された-値の1-形式のC級の

で以下を満たすものを接続形式という[42][43][44]

  1. 任意のに対し、
  2. 任意のに対し、

主バンドルとしての接続から前述の方法でPの接続形式が定まり、逆に接続形式ω0になる方向を水平方向とすることでPに主バンドルとしての接続が再現できるので、両者の定義は同値である。

諸概念[編集]

本節では主バンドルの接続に関する諸概念を接続形式を使って表現する。

共変微分[編集]

接続が定義された主バンドルにおいて、切断sの共変微分は

により定義されていた。一方主接続の接続形式ωは垂直射影を基本ベクトル場を考えてリー代数と対応付ける事で定義されていた。よって次が成立する:

定理 (共変微分の具体的表記) ― 

ここで

for

である。

曲率[編集]

本節では、上記で定義したリー代数による接続の記述を使って曲率形式をリー代数の言葉で書き換える。

そのために-値1-形式αβに対し、

と定義する。ここで上のリー括弧である。さらに前節同様

を考える。紛れがなければ添字pを省略し単にζと書く。

定理 (主バンドルの接続の曲率) ―  Mを多様体、Gをリー群とし、Gのリー代数とし、さらにM上のG-主バンドルとし、ωPの主バンドルとしての接続とする。このとき曲率形式Ωは以下を満たす[45][46][47][注 12]

  • 構造方程式[46]

紛れがなければを単にΩと書き、接続形式ω曲率形式という。

曲率形式は次を満たす:

定理 (曲率の性質) ― 次が成立する[48]

  • 任意のに対し、
  • 任意のに対し、
  • (第二)ビアンキ恒等式

ここでHpは水平部分空間への射影である。

モーレー・カルタン形式[編集]

接続形式の意味を見るため、リー群のモーレー・カルタン形式を定義する。

定義 (モーレー・カルタン形式) ―  Gをリー群とし、をそのリー代数とするとき、Gの各点gに対しG上の値1-形式

により定義し、μgGgにおけるモーレー・カルタン形式という[49][注 14]

ここでは群の左作用が誘導する写像である。

モーレー・カルタン形式は以下を満たす[49]

定理 ― 

上記の2式のうち下のものをモーレー・カルタンの方程式[50]: Maurer-Cartan equation)、もしくはリー群G構造方程式[51]: structure equation)という。


一点集合0次元多様体とみなし、G上のG-主バンドルとみなすと、上記の定理から明らかにモーレー・カルタン形式はこのバンドル上の接続となる。

構造方程式から以下が明らかに従う:

定理 ―  モーレー・カルタン形式をG-主バンドルの接続とみなしたとき、この接続の曲率は0である。

曲率が0である事は水平部分空間が可積分である事と同値であったので、水平部分空間が自明になる一点上のバンドルでは曲率が0になるのは自明である。


実は以下が成立する:

定理 ―  モーレー・カルタン形式は一点集合上のG-主バンドル唯一の接続である[52]

実際、底空間が一点である事から は同次元なので垂直射影は恒等写像しか存在せず、しかも基本ベクトル場の定義からに対し、

であるので、上の接続は

のみになる。


以上のことから接続形式ωが定義されたG-主バンドルに対し、ωM上の一点x0のファイバー(すなわちこの接続の垂直方向)に制限したものは必ずモーレー・カルタン形式μに一致する。


実は次が成立する:

定理 ― G-主バンドルとし、ωP上定義された微分形式のなめらかな場とする。さらに各に対し、を自然な同一視とする。 このとき、以下の2つは同値である:

  • ωは接続形式の定義の1つ目の条件をみたす。すなわち、任意のに対し、
  • 任意のに対し、

ここでμはモーレー・カルタン形式である。

以上のことから、接続形式とは、各ファイバー上ではモーレー・カルタン形式に一致し、しかもGの作用との両立性をみたすものとして特徴づけられる。

平行移動[編集]

主バンドルの接続の場合、平行移動は以下を満たす:

定理 ― 主バンドルの接続は常に完備である。

すなわち、主バンドルの底空間M上の任意の曲線の始点のファイバーの元pに対し、pに沿った平行移動が常に定義可能である[53]

定理 ― 平行移動はGの作用と可換である。

すなわち、を接続が定義されたG-主バンドルとし、を底空間M上の曲線とし、の一点のファイバーの元に沿って平行移動した結果を対応させる写像を

とすると、

が任意のに対して成立する[54]

よって特に以下が成立する:

 ―  記号を上述の定理のように取る。x(0)x(1)の周りに局所座標を取り、局所座標でと表す事でG上の自己同型とみなすと、

と書けるが存在する。

実際、とすれば上の系が成立する。ここでeGの単位元である。

ベクトル値を取る微分形式[編集]

本節では主バンドルPの微分形式のうち性質の良いものがPに対応するベクトルバンドルの微分形式と1対1に対応する事を見る。次節でこの同型を曲率形式がリー代数のバンドルの元とみなせる事を示すのに利用し、更に後の章でベクトルバンドルの共変外微分を定義するのに利用する。


Vをベクトル空間とし、

をリー群GからV上の一般線形群へのなめらかな準同型(すなわちなめらかな線形表現)とし[注 15]を接続形式ωが定義されたG-主バンドルとする。

定義 (テンソル形式) ―  kを非負整数とし、P上のk次のV値微分形式η

  • 水平性)あるviが垂直であれば、

を任意のと任意のに対して満たすものをタイプρのテンソル形式[訳語疑問点]: tensorial form of type ρ[55][56])であるといい[55][注 16]P上のk次のV値微分形式でタイプρのテンソル形式であるもの全体を

と書く。

ベクトルバンドルを考え、に対し、

を商写像とすると、の元はによりの元と自然に対応する。ここでEに値を取るk次微分形式全体の集合である:

定理 (テンソル形式と底空間上の切断の関係) ―  に対し、を満たすを選んで

とすると、pの取り方によらずwell-definedであり、

は全単射である[57][注 17]

上記の写像の逆写像は以下のように書ける:

定理 ―  に対し、

とすると、

は: の逆写像である[57]

随伴バンドル[編集]

本節ではリー群の随伴バンドルを定義し、曲率形式は随伴バンドル上の微分形式とみなせる事を見る。まず随伴バンドルを定義する:

定義 (随伴バンドル) ― Gをリー群としをそのリー代数とし、さらにG-主バンドルとし、を随伴表現とする。このとき、

随伴バンドル: adjoint bundle)という[58]

前述した主接続の曲率の性質から、Pに接続形式ωが定義されているとき、

が成立する。すなわち曲率形式は随伴バンドルの元と見なすことができる[59]一方、接続形式は(恒等的に0でない限り)テンソル形式の定義における水平性を満たさないので、である[60]

共変外微分[編集]

主バンドル上の共変外微分[編集]

を接続形式ωが定義されたG-主バンドルとし、

を接続ωに関するPの点pにおける水平射影とし、さらにVをベクトル空間とする。k-形式全体の集合とすると、に対し、

を定義できる。

定義 (主バンドルの共変外微分) ―  外微分H*との合成

を接続ωに関する次数k共変外微分: covariant exterior derivative)という[61][62]

共変外微分は通常の外微分と違い、0になるとはかぎらないが、が構造群Gのリー代数である場合には、以下の関係式を示すことができる。以下でΩは接続形式ωに関する曲率である:

定理 ― であり、以下が成立する[61]

  • (第二)ビアンキ恒等式

同伴バンドルへの接続の誘導[編集]

本節では主バンドルの接続からそれに同伴するバンドルに接続を誘導する方法を述べる。

準備:同伴バンドル[編集]

まず同伴バンドルの定義を復習する。G-主バンドルとし、Fを左からのGの作用を持つ多様体とするとき、P×F

for

という同値関係で割った空間をとすると、

は構造群Gを持つファイバーFのファイバーバンドルになる。Pに関する同伴バンドル英語版という。

接続の誘導[編集]

定義[編集]

本節では主バンドル上定義された接続を用いて同伴バンドルに接続を定義する方法を説明する。

に対し、写像

を考える。

定義 (接続の誘導) ―  における水平部分空間

により定義し、により誘導された接続: induced connection[63])、もしくは同伴接続: accociated connection[64])という。

上記の定義においては代表元の取り方によらずwell-definedである。

別の定式化[編集]

本節では、前節で定義した同伴バンドルに誘導された接続を別の方法で特徴づける。

そのためにG上の積を取る写像と逆元を取る写像

を考え、これらが接バンドルTGに誘導する写像

をそれぞれTG上で積を取る演算、逆元を取る演算とみなすと、TGがこの積に対して群になる事を示す事ができる[65][注 18]。この群をリー群G接群[訳語疑問点]: tangent group)という[65]


TGを上記の方法で群とみなすと、G-主バンドルが誘導するTG主バンドルとみなせ、が誘導するは群TGTFへの群作用とみなせる。

このため同伴バンドル

を考える事ができる。しかも

が同型

を誘導することも示す事ができる。

定義 (誘導された接続の別定義) ―  G-主バンドルの接続の垂直射影Vpを使って

が可換図式になるように垂直射影を定義することでに接続を定義できる。

この接続をにより誘導された接続という[66]

本節で定義された「誘導された接続」が前節で定義されたものと同一であることを用意に示す事ができる。

誘導された接続の性質[編集]

共変微分[編集]

本節では同伴接続の共変微分が主接続の接続形式を用いて表現できる事を見る。まず記号を定義する。

を主バンドルと作用から定義されたFバンドルとする。

さらにに接続形式がωの接続形式が定義されているとし、この接続がに誘導する接続の共変微分をとする。

そしてに対し、

とする。

定理 (誘導された接続の共変微分と接続形式の関係) ―  pの切断とし、をなめらかな写像とし、sに同値類を対応させる切断とする。ここでである。

このとき、XM上のベクトル場とすると、

が成立する[67]

ここではリー代数の元の基本ベクトル場である[注 19]

曲率[編集]

主接続の曲率とそこから誘導された接続の曲率は以下の関係を満たす。

定理 (誘導された接続の曲率) ―  を接続の定義された主バンドルとし、Ωをその接続とする。さらにの同伴バンドルから誘導された接続を入れ、その接続をΩ'とする。そしてを商写像とする。このとき以下の図式は可換である[68]

ここではそれぞれPEの垂直部分空間である。

誘導された接続の特徴づけ[編集]

本節ではファイバーバンドル上の(一般の)接続が主バンドルの接続から誘導された接続である条件をクリストッフェル形式を用いて記述する。

定理 ―  G-主バンドルとし、FGが左から作用する多様体とし、に同伴するF-バンドルとする。さらにの(一般の)接続とする。Gのリー代数に(Gの左からの作用により)AFに定義する基本ベクトル場を対応させる写像[注 19]が単射であるとする。ここでF上のベクトル場の集合である。

このとき、上の何らかの主バンドルとしての接続から誘導されている必要十分条件は以下が成立することである[69]

  • のバンドルアトラスが存在し[注 20]、任意のαに対し、に関するクリストッフェル形式に値を取る。

ここでGの作用がFに定義する基本ベクトル場全体の集合である。

なお上では「あるバンドルアトラスが存在して」としたがあるバンドルアトラスに対して上記の性質が成立すれば任意のバンドルアトラスに対して上記の性質が成立する事が知られている[69]

ベクトルバンドルの接続[編集]

本節ではベクトルバンドルとしての接続(すなわちKoszul接続)と、一般の接続概念主接続の概念との関係をみる。

Koszul接続の定義[編集]

まずKoszul接続の定義を復習する:

定義 (Koszul接続) ―   を実ベクトルバンドルとし、M上のベクトル場全体の集合とし、Eの切断の集合とする。

関数

で以下の性質を満たすものをE上のKoszul接続: Koszul connection[70][71]あるいは単に接続: connection)といい[72][73]を接続が定めるsX方向の共変微分という:

  1.  

ここでXYM上の任意のベクトル場であり、ss'Eの任意の接続とし、fgM上定義された任意の実数値可微分関数であり、abは任意の実数であり、は点Pにおいてとなるベクトル場であり、fX方向微分であり、リー括弧英語版である。


ファイバーバンドルの接続との関係[編集]

ベクトルバンドルにおいては垂直部分空間と接空間が自然に同一視できるので、その同一視の写像を

と書く。

本節では一般の接続概念から定義される共変微分をとするとき、がKoszul接続になる条件を述べる。なお、逆にKoszul接続から一般の接続概念を誘導する方法はすでに述べた

定理 (Koszul接続の条件) ― をベクトルバンドルとし、のファイバーバンドルとしての接続する。さらにを垂直部分空間の自然な同一視とする[注 21]

このとき以下の条件は同値である[74][75]

  • が定義する共変微分をとすると、はKoszul接続の公理を満たす。
  • 任意のに対し、

ここでmλはベクトルλ倍したに写す写像とする。

Koszul接続から一般の接続概念を誘導する方法と(上記の定理の条件を満たす)一般の接続概念からKoszul接続を誘導する方法は「逆写像」の関係にあり、上記の定理の条件を満たす一般の接続概念とKoszul接続は1:1に対応する[76]

クリストッフェル記号[編集]

をベクトルバンドルとし、Mの局所座標とし、Eの局所的な基底とし、Eの元vと表すと、クリストッフェル写像の節で述べたように、における水平リフトを

と書ける。一方、Koszul接続のクリストッフェル記号

と定義すると、上述の定理から以下が従う:

定理 ― 以下が成立する[77]

フレームバンドル[編集]

次に我々は主バンドルの接続とベクトルバンドルの接続の関係を見る。そのための準備として本節では「G-フレーム」、および「G-フレームバンドル英語版」の概念を導入する。

定義[編集]

G-フレーム」とは正規直交基底の概念を一般化したもので、Gの場合、G-フレームが正規直交基底に相当する。

定義 ― Gの部分リー群とし、を構造群Gを持つベクトルバンドルとし、uMの点とし、Euの基底とする。EuにおけるG-フレーム: G-flame)であるとは、Euにおけるバンドルチャートが存在し、このバンドルチャート上で

が成立する事を言う。

ここでの標準的な基底であり、は線形変換eiに作用させたものである。

構造群Gを持つベクトルバンドルの定義から、G-フレームの定義はバンドルチャートの取り方によらずwell-definedである。


上のG-フレーム全体の集合とすると、

は自然にM上のG-主バンドルをなし、を構造群Gに関するフレームバンドルという[78][注 22]

EMに対応する主バンドルとの関係[編集]

に対応するG-主バンドルとすると、PG-フレームバンドルと自然に同一視できる:

定理 ― 記号を上述のように取り、Pのバンドルチャートとする。このときP(のバンドルチャート)からへの写像

はバンドルチャートの取り方によらずwell-definedで、しかも主バンドルとしての同型写像になる。


よって以後、に対応するG-主バンドルとを自然に同一視する。

商写像との関係[編集]

フレームバンドルの利点は、主バンドルからベクトルバンドルへの商写像に直観的な意味を与えられることにある。以下では前節同様に対応するG-主バンドルである。

定理 (フレームバンドルによる成分表示) ― 写像の合成

によるの像は

に一致する(アインシュタインの縮約で記載)。

ここでqは商写像であり、であり、である。

主接続によるKoszul接続の誘導[編集]

接続の対応関係[編集]

本節ではG-主バンドルの接続形式の関係とこの接続がベクトルバンドルEに誘導する接続の関係を述べる。これまで同様Gの閉部分リー群とする。また前節で主バンドルがフレームバンドルと自然に同一視できる事を見たので、以下主バンドルとフレームバンドルを区別せずに用いる。


本節では以下特に断りがない限り、Gの部分リー群とし、Gのリー代数とし、Gを構造群を持つベクトルバンドルとし、をそのフレームバンドルとする。


主接続とKoszul接続の関係を見るための準備として、以下の概念を導入する:

定義 (接続形式) ― EのKoszul接続とする。さらにEの局所的な基底とする。

このときM上のベクトル場 Xに行列を対応させる行列値の1-形式

により定義する。を局所的な基底に関するレヴィ-チヴィタ接続の接続形式: connection form)という[79][80]

上で定義したKoszul接続の接続形式を使っての接続形式ωを定義するのだが、は一般には行列値の1-形式、すなわち に値を取る1-形式であるが、の接続形式は必ずGのリー代数に値を取る必要がある。そこでに値を取る場合に話を限定する。

定義 (Gと両立するKoszul接続) ― E上定義されたKoszul接続とし、をその接続形式とする。G両立するとは、任意の局所的な基底に対し、

が成立する事を言う。

このとき、以下が従う:

定義 (主接続とKoszul接続の関係) ― E上のKoszul接続でGと両立するものはの主接続と1 : 1で対応する。 さらにGと両立するにKoszul接続に対応する主接続の接続形式をωとすると、任意の開集合U上で定義されたの任意の局所的な切断に対し、

が成立する。ここでを局所的な基底とみなしたときのeに関するの接続形式であり、eUからFG(E)への写像と見たときの接続形式ωUへの引き戻しである[81]


上の定理で、上の主接続に対応するのは、この接続がEに誘導するが定義する共変微分である。接続の誘導の定義から共変微分がKoszul接続に一致する条件を満たすのを容易に確認できる。

逆にGと両立する接続が与えられたとき、に対し、

は時刻0にeを通り、しかもとなる切断

を水平部分空間とするの主接続が与えられる[82]。なお、この主接続の接続形式ωの局所自明化の接続形式Gのモーレー・カルタン形式μを用いて

と書ける[83]。ここでidGの単位元である。

共変微分の対応関係[編集]

ベクトルバンドルの切断sが与えられたとき、上の関数

, where

を定義できる。このとき次が成立する:

定理 ― M上の任意のベクトル場Xに対し、以下が成立する[84]

ここで上のベクトル場により上の値関数の各成分を微分したの事である。

ホロノミーによるKoszul接続が導出される条件[編集]

前節ではフレームバンドルFG(E)に接続が定義されている状況下でその接続がEに誘導するKoszul接続を考察してきたが、本節ではこの逆、すなわちEのKoszul接続がどのような条件を満たせばがフレームバンドルFG(E)に接続から誘導されたものと一致するかを調べる。このために以下の定義をする:

定義 (構造群と両立するKoszul接続) ― Mを連結な多様体とし、Gの閉部分リー群とし、を構造群Gを持つベクトルバンドルとし、のKoszul接続とする。このとき、Gと両立する: G-compatible)とは、の任意の局所自明化

where open、 open

に対し、U内の任意の曲線に沿った平行移動Gに属する線形変換である事を言う[85][注 23]

前述のAmbrose-Singerの定理の一般化から以下の定理が従う:

定理 ― 記号を上の定義と同様に取る。 Gを構造群として持つベクトルバンドルのKoszul接続Gと両立するとき、フレームバンドルFG(E)のある接続形式ωが存在し、ωからEに誘導される接続の共変微分と一致する。

Koszul接続が「Gと両立する」事の定義は上で挙げたものの他に前の節で挙げたものがあるが、この2つは同値である。実際、これら2つのいずれか言えればは主接続から誘導される事を前節の定理上記の定理から言え、主接続から誘導される接続はこれら2つの「Gと両立する」事の定義を両方満たすので、この2つは同値である。

曲率[編集]

定義[編集]

Koszul接続が定義されたベクトルバンドルの曲率を以下のように定義する:

定義・定理 (曲率テンソル) ― ベクトルバンドルの接続に対し、

for

とすると、RXYsに関して-線形である[86][注 24]。よって[注 24]Rは各点に対し、

を対応させるテンソル場とみなせる。

Rに関するE曲率テンソル: curvature tensor)という[86]

Koszul接続の曲率形式を以下のように定義する:

定義 ― 記号を上の定義と同様に取る。さらにUMの開集合とし、Uにおけるフレームバンドルの切断とする。このとき、曲率テンソルを

と成分表示し、とすると、Ωeは一般線形群のリー代数 に値を取る2-形式とみなせる。 eに関するKoszul接続曲率形式: curvature form)という[87]

一般の接続の曲率形式との関係[編集]

すでに述べたようにベクトルバンドル上のKoszul接続には、それと対応するファイバーバンドルとしての接続が定義可能であるが、上述したKoszul接続の曲率は前述した一般のファイバーバンドルの曲率形式と以下の関係を満たす。ここでHは水平部分空間への射影である。

定理 ― 記号を上述のように取る。このとき、M上の点u、ベクトルに対し、以下が成立する[88]

よって特にKoszul接続の曲率形式とは以下の関係を満たす:

ここでであり、はその双対基底である。

主接続の曲率との関係[編集]

のフレームバンドルの曲率形式とKoszul接続の曲率形式は以下の関係を満たす:

定理 ―  ベクトルバンドルのフレームバンドルに接続形式がωの接続が定義されているとし、この接続の曲率形式をΩとする。

さらにこの接続がE誘導する接続が定義するKoszul接続をとし、Mの開集合U上定義されたの切断とし、eに関する曲率形式とする。このとき、以下が成立する[89]

共変外微分[編集]

定義[編集]

本節ではベクトルバンドルの共変外微分を定義する。 そのために主バンドル上の共変外微分がタイプρのテンソル形式をタイプρのテンソル形式に写す事を見る:

定理 ―  Vをベクトル空間とし、を構造群Gの(なめらかな)線形表現とする。このとき任意のkに対し以下が成立する[90]

とすると前に述べたように

が成立するので、上記の定理から、主バンドルの共変外微分dωを使ってベクトルバンドルの共変外微分を以下のように定義できる:

定理 (ベクトルバンドルの共変外微分) ―  合成関数

をベクトルバンドル共変外微分英語版という[91][92]

具体的表記[編集]

本節ではベクトルバンドルの共変外微分を具体的に表記する。Vをベクトル空間とし、を構造群Gの(なめらかな)線形表現とするとき、ρGのリー代数からのリー代数への写像

を誘導する。V上の線形写像全体と自然に同一視できるので、に対し、vに作用させた

を定義できる。

定義 ― に対し、τηの積を以下のように定義する[93]

ここでであり、次の対称群である。

特にである場合は、に対し、

上のリー括弧で書けるので[93]、上記の定義のの部分をに置き換えられる[93]

上記の定義を使うと共変外微分を以下のように具体的に表記できる:

定理 ― であれば、以下が成立する[94]

主バンドルの共変外微分との関係[編集]

とすると前述の同型

を使って上記の定理を上の定理に書き換える事ができる:

定理 ― は以下を満たす[95]

ここで「」はテンソル形式と底空間上の切断の同型写像である。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 「エーレスマン接続」という訳語は#佐古を参考にした。#佐古に目次にこの名称が確認できる。
  2. ^ #Epstein p.95.
  3. ^ #Tu p.256.
  4. ^ Ehresmann connection”. nLab. 2023年8月30日閲覧。
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  6. ^ #Kolar p.99.
  7. ^ #Kolar p.81.
  8. ^ #Tuynman p.345.
  9. ^ #小林 p.38.
  10. ^ #Spivak p.251.
  11. ^ #Tu p.256.
  12. ^ #Wendl3 p.73.
  13. ^ a b c d #Wendl3 p.74.
  14. ^ a b c d e f #Wendl3 p.75.
  15. ^ #Kolar p.161.
  16. ^ #Epstein p.95.
  17. ^ a b #Kolar p.81.
  18. ^ #Tuynman p.345.
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  20. ^ #Tu p.263.
  21. ^ #森田 p.295.
  22. ^ #Epstein p.95.
  23. ^ a b #Wendl5 p.121.
  24. ^ #Kolar p.77.
  25. ^ #Tu p.49
  26. ^ #Tu p.56,58
  27. ^ a b c d #Kolar p.78.
  28. ^ #Wendl5 p.115.
  29. ^ #Wendl5 p.116.
  30. ^ #Wendl5 p.119.
  31. ^ #Wendl5 pp.119,121.
  32. ^ #Prasolov p.201.
  33. ^ #Wendl3 p.120.
  34. ^ #Epstein p.99.なお、#Epsteinは本項と曲率の符号の規約が反対なので、#Epsteinのものにマイナスをつけたものを本稿に記載した。
  35. ^ a b c d e f #Kolar pp.82-83.
  36. ^ a b #Kolar p.79.
  37. ^ #Wendl3 p.89.
  38. ^ #Tu p.247.
  39. ^ #Wendl3 p.89.
  40. ^ #Tu p.123.
  41. ^ #Kolar p.100.
  42. ^ #Tu pp.255-256
  43. ^ #小林 p.61.
  44. ^ #Wendl3 p.90.なお本文献のみ「」ではなく「」になっているが、前後関係から「」の誤記と判断。
  45. ^ #Tu p.270
  46. ^ a b #森田 p.302.
  47. ^ #Kolar pp.100-101.
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  49. ^ a b #Tu p.198.
  50. ^ 中央大学大学院理工学研究科 数学特別講義第三 微分形式の可積分性”. p. 50. 2023年6月27日閲覧。
  51. ^ #小林 p.59.
  52. ^ #Sontz p.132.
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  59. ^ #Tu p.279
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  63. ^ #Goldberg p.14
  64. ^ #Piccione p.116.
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  69. ^ a b #Kolar p.108.
  70. ^ #Spivak p.241.
  71. ^ José Figueroa-O'Farrill. “Lecture 5: Connections on principal and vector bundles”. PG course on Spin Geometry. p. 40. 2023年1月12日閲覧。
  72. ^ #森田 p.213.
  73. ^ #Tu p.72.
  74. ^ #Wendl3 pp.76-78.
  75. ^ #Kolar p.110.
  76. ^ #Wendl3 p.78.
  77. ^ #Epstein p.104.
  78. ^ #Salamon p.5.
  79. ^ #小林 p.38.
  80. ^ #Tu p.80.
  81. ^ #Pasquotto p.84.にこの定理のアフィン接続が述べられており、Koszul接続の場合も同様である旨が書いてある。このKoszul接続の場合は他の文献の記述からも従う。実際、の場合に1:1対応する事は#森田 pp.319-321従い、この場合にとなる事は#Tu p.268から従う。そしてGの部分リー群である場合に関しては#Kobayashi-Nomizu1 p.83のRemarkより-主バンドル上の接続形式がG-主バンドルにreduceする必要十分条件はωGのリー代数に値を取る事であるので、上記の事実から従う。
  82. ^ #Tu pp.263-264, 266.
  83. ^ #森田 p.320.
  84. ^ #Kobayashi-Nomizu-1 p.127.
  85. ^ #Wendl3 p.83.
  86. ^ a b #小林 p.43.
  87. ^ #Tu p.80
  88. ^ #Wendl5 p.123.
  89. ^ #Tu p.270.
  90. ^ #Tu p.281.
  91. ^ #Tu p.281.
  92. ^ #Kolar p.116.
  93. ^ a b c #Tu p.282.
  94. ^ #Tu p.283
  95. ^ #Kolar p.113.

注釈[編集]

  1. ^ 厳密には以下の通りである。Mの曲線に沿って定義された局所的な基底を考え、に沿って平行移動したものをとして行列 により定義すると、接続形式の定義より、 が成立する。ここでは成分ごとの微分の事である。 が計量と両立すれば、は正規直交基底である。よって が正規直交基底であれば、よりは回転変換であり、の微分は歪対称行列である。
  2. ^ ここでπ(e)のファイバーの点eにおける接空間であり、包含写像が誘導する写像によりTeEの部分空間とみなしている。
  3. ^ a b この「eに関してC級である」というのを厳密に定式化する方法は(同値な方法が)いくつかあるが、一つの方法は上のファイバーとするTEの部分ベクトルバンドルとみなし、TEC級の部分ベクトルバンドルである事を要請するというものである。
  4. ^ Veの元とみなせるので、テンソル場C級な事をもってeに関してC級だとみなす。
  5. ^ 0階および1階微分が等しいことを持って同値を定義しているので、「1次の」ジェットという。同様にしてk次のジェットも定義可能である。
  6. ^ Mをアフィン接続が定義された多様体とするとき、M上の任意の(に関する)測地線分が任意の長さに延長できるとき、Mに関して測地線完備であるという。
  7. ^ Koszul接続の場合は、定数倍との両立性が成立しなければならないので、傾きをにできず、これがKoszul接続の場合に完備性が保証される理由である。
  8. ^ というふうにXの添字をkにしたのは後述する接続形式と添字を揃えるため。この結果としてベクトルバンドルではクリストッフェル写像とクリストッフェル記号は
    という関係性を満たす(kjの順番に注意)。後述の定理を参照。
  9. ^ a b c ここで-線形であるとは、通常の線形性を満たすのみならず関数fに対してを満たす事を指す[25]-線形である事は、の各点における値がξηの点eにおける値ξeηeのみで決まること、すなわちΩが各点における双線形写像のテンソル場とみなせる事と同値である事が知られている[26]
  10. ^ a b c #Kolarにおける曲率の定義はここに書いたものと符号が反対だが、#Kolar p.73.にあるように#Kolarの定義だと「通常の曲率と符号が反対」になるので、#Wendl5 p.121の方の符号を採用した。
  11. ^ ここに述べたものは#Kolar p.79.とクリストッフェル形式の符号が反対になっているが、これは前述[注 10]のように#Kolarとは曲率の符号の規約が反対である為である。
  12. ^ a b #Kolar p.100-101.のみ右辺第二項はとなっているが、これは#Kolarの間違いであると判断した。実際#Kolar p.100の一番下にあるの定義式にを代入するととなり、とはならない。またこの#Kolar p.100の一番下の係数#森田の1巻のp.95.ではになっているため、#Kolarの定義式を間違えた可能性が高い。#Tu p.285も参照。
  13. ^ #Kolarでは下式右辺第二項のはついていないが#Kolarの誤りと判断してをつけた。誤りだと判断したのは前述[注 12]のように、#Kolarは曲率形式の式でもをつけ忘れており、曲率形式の式の局所座標版に相当するこの式でも同じくが必要だと思われるためである。
  14. ^ この定義ではという同一視を用いている。ここでeGの単位元である。
  15. ^ これまでとは違い、Gの部分群である事を仮定しないのは、ρが単射ではない場合にこの節の結果を後の節で使うためである。
  16. ^ なお、1番目の性質のみを満たすものはタイプρの疑テンソル形式[訳語疑問点]: pseudo-tensorial form of type ρ[55][56])であるという。
  17. ^ #Tu p.278.ではのかわりにとなるYiを任意に選んでを考えている。しかしの元は垂直方向のベクトルに対しては0になるので、両者の定義は同値である。
  18. ^ 具体的にはに対し、
    である。全単射
    によりTGを集合としてと同一視すると、接群はG(を加法に関して群とみなしたもの)の半直積になる[65]
  19. ^ a b 前述した基本ベクトル場の定義はGの右からの作用に関するものであったが、左からの作用に関しても同様にして基本ベクトル場を定義できる。右からの作用の場合と区別するため、下ではなく上に線を書いた。
  20. ^ のバンドルアトラスであるとは、各UαMの開集合であり、を満たし、しかもが中への微分位相同型写像である事を指す。
  21. ^ 垂直部分空間の定義よりであるが、はベクトル空間なので、と接空間は自然に同一視できる。
  22. ^ なお 、#Salamonではの(標準的とは限らない)基底からへの線形写像fと自然に同一視し、各に対し、
    Gに属する事を持ってG-フレームを定義しているが、この定義は本項で述べたものと同値である。
  23. ^ #Wendl3の定義は若干曖昧で単に「十分短い曲線」(sufficiently short path)に沿った平行移動がGと両立する自明化(G-compatible connection) for を持つとしか言っていないが、局所自明化可能な領域内の曲線がこのように書ければ十分なので、ここではそのように定義した。
  24. ^ a b -線形については[注 9]を参照

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